ご無沙汰しております。
弁護士法人東京スタートアップ法律事務所(TSL)の代表弁護士の中川浩秀です。
久々の投稿になってしまいましたが、皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか。
世の中はすっかりコロナで様変わりし、このブログを読んでくださっている方の中にも、リモートワークや外出自粛などによって影響を受けた方も少なくないのではないでしょうか。
私はと言うと、相変わらず仕事漬けの毎日を送っておりましたが、
先日知人の紹介で横浜にいる鍼の先生の治療に行ってきました。
問診の後少し胸部や腹部を触られるのですが、少し触られた後でその先生に、
「仕事ばかりしすぎ。仕事のことばかり考えすぎ。結果として身体に強い負荷がかかっている。このままだと近い将来に大病を患うことになりますよ。」
と言われてしまいました。
自分としてはそのようなことを特に感じておらず、極めて健康体だと思っていたので、ショックでした。
さらに、
「本当に仕事ができる男というのは、業務遂行能力が高いだけでなく、ちゃんと休む時は休んで自身のストレスマネジメントもできる男だよ」
とも言われました。
それを受けた私は、「本当の意味で仕事ができる男になろう」と固く心に誓ったのでした。
(と言いつつこのブログを日曜日の昼に書いている矛盾を抱えています.....)
さて、ここからが本題です。
今回は「TSLメンバーへの約束」というタイトルで、私が事務所経営をするうえで特にメンバーに対して大切にしていることを書こうと思います。
なぜこのようなことを書こうと思ったかというと、後述のとおりTSLが現在拡大路線にあり、このことを不安に思うメンバーや採用候補者もいるのではないかと思ったからです。
まずはTSLの近況です。
TSLはおかげさまで成長を続けており、2018年9月の開業当初は2名だったメンバーが、現在約30名にまで増えました。
クライアント数・案件数も日々増加しています。
2020年11月には、当事務所としては初の支店である渋谷支店・横浜支店をオープンする予定でして、これによって拠点が一気に3拠点に増えます。
また、2021年以降も都内や日本の主要都市に拠点を開設していき、2023年までには最低でも国内に10拠点を構える法律事務所にする予定です。
これに伴い、弁護士、パラリーガル、インサイドセールス、コーポレートといった職種において人員を増加する必要が生じており、Wantedly等の求人媒体を通じて募集をしています。
このようにTSLは、事業規模の拡大による新規拠点開設・メンバー増員の真っただ中にあります。
拠点を増やすなどして事業規模を拡大する理由は、「TSLのリーガルサービスを一人でも多くの人に届けたいから」です。
当然ですが、事業規模を拡大することによって、より多くの人にTSLのリーガルサービスを届けることができます。
また、私は、事業規模の拡大がメンバーの利益に資すると信じています。
理由は以下のとおりです。
① 浮いた経費を人件費に回すことができる
TSLは、紹介案件はもちろんありますが、主にWEBマーケティングによってクライアントを獲得しています。そうすると一定の広告費がかかってきます。マーケティング用語にCPA(顧客獲得単価:一案件を獲得するためにいくらの広告費がかかったか)という概念があるのですが、一拠点でやっている限りはCPA、ひいては広告費が増大し続けるのです。特に当事務所の本店がある東京都千代田区は、多くの弁護士がしのぎを削る、全国でもぶっちぎりの法律事務所密集地帯です。「より多くの顧客にTSLのリーガルサービスを届けたい」という目標を一拠点で追いかけ続けるのは、無理があります。
しかし、東京以外の都道府県や同じ東京23区内でも、それほど法律事務所が密集していない地域というのがあります。そういった地域では、相対的に低いCPAでクライアントを獲得することができます。
すなわち、支店を出すことによって広告費を大幅に節約できるのです。
また、千代田区を含む東京の一部の地域はオフィスの賃料が非常に高いですが(今後はどうなるかわかりませんが)、その他の地域は東京の一部の地域に比べて賃料が割安です。したがって、支店を出店することによって、かかってくる賃料の総額も節約できるのです。
このように、事業規模の拡大し支店を出店することによって広告費と賃料という経費を浮かせ、その分を人件費に回すことができると考えています。
拠点の拡大を通じて利益を増やし、給与や賞与という形でTSLのメンバーに還元したいと考えています。
② 職住近接によりQOLの向上を図ることができる
2020年はコロナの流行をきっかけにリモートワークが一気に浸透した年になりました。それと同時に、これまで多くの人が経験していた長距離・長時間通勤・満員電車も見直されつつあります。物理的に人が集まって仕事をするオフィスは不要であるという、いわゆる「オフィス不要論」を提唱する方も散見されます。
私はオフィス不要論者ではありません。職種や向き不向きにもよりますが、良い仕事をするためには、一定人数が物理的に集まって仕事をすることは必要だと考えています。
しかし、数十人単位の人間が一堂に会して仕事をする必要まではないと思いますし、長距離通勤や満員電車に関してはこの世の地獄の一種だと考えています。
私は「職住近接」という生活スタイルを推奨しています。
たとえば、職場に通うために電車やバスに乗っている時間が1時間を超える人と30分以内の人とでは、QOL(Qality of Life:生活の質や人生における幸福感のようなもの)が全然違うと思うのです。
家と職場は近い方が絶対に良い。
とはいえ、どこに住むかは個人の自由ですし、無理に会社側から「本社の近くに住みなさい」と押し付けるわけにはいきません。
しかし、拠点がいくつかあれば、なるべく家から近い拠点で働いてもらうことができます。
これによって通勤時間が短縮され、その浮いた時間を自分の好きなことに充てられるようになれば、間違いなくQOLは向上します。
したがって、事業規模の拡大により拠点が増えれば、職住近接によるQOLの向上を図ることができるのです。
TSLメンバーへの約束
長々と書いてしまいました。そろそろまとめに入ります。
私は2年前に「東京スタートアップ法律事務所」を設立し、現在もそのかじ取りを行っています。
事務所の向かう先を決定し、拠点を開設したり人を雇ったりといったことを日々繰り返し行っています。
「事務所を大きくしたい」、「TSLのリーガルサービスをより多くの人に届けたい」というのはハッキリ言って私のエゴの部分が大きいと認識しています。
「やりたいからやる」というのが最も正確だと思います。
開業以来、それなりのペースで事務所を成長させてきましたし、今後も成長させていく予定です。
環境の変化に戸惑うメンバーもきっといることでしょう。
しかしながら、そのエゴを叶えるために誰かが損をしたり傷ついたりしないようにしようと考えています。
"TSLのメンバーにとってマイナスになるようなことはしない"
これが、私からTSLのメンバーに対しての約束です。
コロナ禍を経験した世界は、これから急速な変化を迎えます。
業務効率化によってホワイトカラーの仕事が減り、生産年齢人口の減少、ポピュリズムのさらなる台頭など、ネガティブな変化も経験することになるでしょう。
その中で自分自身を変化させ、変化に適応できた人が幸せに生きていくことができるのだと思います。
現時点の自分に人を幸せにするほどの力があるとは思いませんし、それを標榜するのは傲慢にすら思えます。
しかし、自分が幸せに楽しく生きていくのは自分の責任であると思うのと同時に、それを実現するために人に迷惑をかけるような生き方はしたくないと考えています。
ということで、今回は組織の長として、「TSL」という自分の組織に対するコミットメント(約束)を述べさせていただきました。
みなさま、幸せで楽しい毎日を送ってください。