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【創業ストーリー 後編】「中小企業の成長を後押しし、面白く、美しい世界を作る」‐杉浦直樹代表取締役

株式会社Wewill創業の背景‐税理士法人を経営する中で見えてきた、中小経理の課題

前編はこちら

‐2015年の独立からわずか2年後の2017年、バックオフィスの業務改善を担うスタートアップとして株式会社Wewillを創業しています。なぜ、立て続けに起業したのでしょうか。

顧客企業と関わっていくうちに、中小企業の経理やバックオフィスの課題が見えてきたからです。ちょうど中小企業の間にもクラウドやSaaSの波が来ていたので、税理士事務所として会計領域のSaaSサービス導入を支援していました。でも、デジタル化に明るい人材がお客様の現場にいないので、業務を本質的に変えることができなくて。中小企業では経理担当者が1人ということはざらです。そもそも少ない人数でバックオフィスのデジタル化に取り組むこと自体が難しい上に、誰かが辞めると、バックオフィスが一気にがたついて負の連鎖が生まれるという事例を何度も見てきました。税理士事務所としての踏み込み方では限界があると感じたので、中小企業のバックオフィスを支援する会社を作りました。

創業のきっかけとなった出来事があります。ある顧客企業で、1人で経理まわりを担当していた事務員さんが急遽辞めてしまうことになりました。優秀な方で、その方がいなくなるともう回らないという状況だった。そこで、退社までの1ヶ月間、税理士法人Wewillのメンバーが入って引き継ぎをし、そのまま経理業務を担当することになりました。それがとても助かったと喜ばれました。

引継ぎ後にやったことは、業務のデジタル化、そして可視化と仕組み化です。事務員の方は月にかなりの量の残業をしていた。でも、業務を一つ一つ可視化して、Excelを連携させたり、テクノロジーを使いながら仕組み化をしたりしたらその作業が約3分の1の時間でできるようになりました。しかも、デジタル化したことでインターネットを通じて遠隔でも業務ができる。こういう可視化、仕組み化とデジタル化による改善は大事な事で、サービスにできると思いました。結局そのお客様は後任の採用を行わず、今でも株式会社Wewillで経理業務を行っています。



変化に適応できる中小企業をつくる

‐株式会社Wewillではどのようなサービスを展開しているのでしょうか。

経理を始めとしたバックオフィスの業務改善コンサルとBPO(業務委託)です。バックオフィス業務をデジタル化した上で仕事を可視化、仕組み化して、外部に出せる仕事はリモート対応と現場対応を織り交ぜながら我々が担うという形。可視化することによって初めて改善ポイントが分かります。サービスを提供するうちに、そのメソッドがだんだんと蓄積されてきました。今後はそれらをデータベースシステム化して、新しいクラウドサービス「SYNUPS(シナプス)」として提供していきます。日々の事務を通じた膨大なデータの活用によってリスク判定や改善ポイントがより分かりやすくなるほか、業務の担当者や負荷がきちんと分かるようになります。中小経理の課題となっている人材育成にも役立つツールです。そしてなにより、外部の人材と協業・協働しやすい仕組みになっています。変化の激しい状況に適応していくためには、外部の知見・力をどのように活用していくかが大事になっていくと考えています。SYNUPSは、外部との協業・協働を仕組み化していくサービスになります。



‐株式会社Wewillが目指すのはどのような世界ですか。

変化に適応できる強い中小企業を作ることです。例えば、決済システムはクレジットカート等に加えてPayPayやLINEPayなど、ここ何年かで急激に増えました。新しい決済手段の導入一つを取っても、従来の経理業務が整理できていないとなかなか対応できません。バックオフィスの可視化と仕組み化ができていれば影響範囲がすぐにわかるのでスムーズに導入できます。そういった単純な変化だけでなく、電子帳簿保存法対応、電子インボイスの共通フォーマット化、そしてインボイスと、技術的にも要件的にも不確実な状況の中で、変化に適応していかなくてはなりません。

変化のスピードが早い現代、常に改善したり変化に対応したりできる体制を整えておく必要があります。バックオフィス支援を通して面白い中小企業の成長を後押しすることで、世界をもっと面白く、美しい場所にしていきたいです。

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