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【社員インタビュー】社会課題と本気で向き合う、熱きCEOの想いとは

閔 弘圭さん/CEO

― 閔さん、今日はよろしくお願いします!まずは自己紹介と、CEOとしての仕事内容を教えてください。

僕は、LiberawareのCEOを務めています!

仕事内容、難しいですね…。いつも説明に困るんです(笑)何でもやっているというイメージを持ってもらえたら。例えば、資金調達をしたり、いい人材がいたら会いに行ったり、プロダクトや事業を見たり…。一言で言うと「全般を見る」ことが僕の仕事ですね。

ー Liberawareを立ち上げるのに至った経緯や、どんな想いで創業されたのかを教えてください。

私は元々エンジニアで、自分にとっての1番のポリシーが、物を作る、開発する、それが世の中で使われていく、ということなんです。大学の研究員時代には、社会課題に関わる開発や技術開発に取り組んでいました。当時、3.11発生後の原発についてのプロジェクトに関わりました。その調査をする中で、自身が開発した物が使われていくことにとてもやりがいを感じていました。

でも、大学院の研究って常にもどかしい部分があったんですよね。製品作りをするわけではないので、「ここまでは実証するけど、あとはわかりません」という感じで、最後まで作り上げることができなかったんです。大学で共同研究をしていても、「本当に自分がやってきたものが世の中に出ていくのだろうか」とすごく思っていて。当時、原発用に作ったドローンもそうです。プロジェクトとしては無事終わったのですが、現場の人たちが実際に使うためには、私が作ったものよりもっと小さい物でないといけないのだという話もあったことから、本当に求められている物はその先の本音にあるのだな、と気づきました。そして、それを実現したいと強く思ったので、大学院卒業後に、起業をすることに決めました。

ー 大学時代は元々エンジニアだったそうですが、どのような研究をされていたのですか?

元々はバイオミメティクスの領域で、生物における特徴を工学的な部分に落とし込んでいくという研究をしていました。具体的には、魚の群れを調査して、その群れの特徴をロボットなどに転用できないか?というものです。例えば、イワシの群れって敵が来ると瞬時に動くじゃないですか。なぜあのような行動ができるのか。人間のような高次元の言語スキルがあるわけでもないし電波もない。それなのに群れが一体となって動けるというのは、何か彼らの特徴的な要因があるということです。それをロボットに応用したら、車の渋滞が解消できるのではないか、自動運転になった時に応用できるのではないか、という未来に繋がる研究をしていました。

それをずっと研究していた時に3.11が起きて、それが人生を振り返るきっかけになりました。当時、博士課程でちょうど論文を書いている時だったのですが、あまりにも揺れすぎて死んでしまうのではないかと本気で思いました。でも、揺れが収まって生きているのを実感したと同時に、「このままこれをやっていくことが本当に自分にとっての幸せなのだろうか?」ということを改めて考えました。そして、いろいろなことを経験し、学んでいこうと決めました。

そうしていろいろやっている過程でたまたま出会ったのが、当時のドローン業界のゴッドファザーのような先生でした。当時、僕が先生にお願いされていたのはドローンではなくて(私がどちらかというと移動ロボットなどの研究をしていたので)車椅子の自動運転をやってくれないか、ということで先生のもとで研究員としてそのプロジェクトを始めました。ある程度成果を出したら、先生からその自動運転などの技術を今度はドローンに転用してくれないか、と言われたので途中でドローンに転向していったんです。



ー そこがドローンとの出会いだったのですね!

そうですね。先生と出会ったことは、人生において大きなターニングポイントの一つでした。 これが自分でドローンの会社を立ち上げるというきっかけにもなったので。元々は韓国に帰るつもりだったのですが、日本に残ると決めたのも先生のおかげだし、さらにいうとドローンに出会ったのも先生のおかげ。その後で社会問題となっていた原発のプロジェクトに関わるようになったことで、その領域で研究開発をしていくということが自分の目指す場所である、ということもわかりました。そういった紆余曲折あって今がある、という感じですね。

ー 社会課題を解決するためにやるんだ、という軸ができたのはやはり原発のプロジェクトが大きなきっかけなのですか?

そうですね、そもそも学生時代にやっていたプロジェクトはどちらかというと社会課題を解決する、というものではなかったですし、生きていく上で実態も見えづらく実感が湧かない。その問題に関わらない人間じゃないと実感できない。私自身もその原発のプロジェクトに関わったことで現状がやっとわかりました。

ー 多々ある社会問題の中でも、現在のLiberawareの事業である見えない部分の点検や、それを小型のドローンでやっていく、ということに至ったのはどのようなお考えのもとなのでしょうか?

実は、会社を創業した時はドローンの事業はやってなかったんです。当時は「ドローン=お金がかかる」だったので、知り合いの企業様や今まで付き合いのある企業様の研究開発を受託していました。そこである程度お金を集めて、いよいよ本当にドローン関係をやっていこう!となった時に、我々の強みは何だろうという話をメンバーとしたんですよ。そのときに、小型化ドローンというのをやっていくべきでしょう、という意見が挙がったんです。あるメンバーのお父さんが一級建築士資格を持っていて、そのメンバーが「たまたまお父さんから聞いたんですけど、床下とかに結構いろいろな課題がありますよね」という話をしてくれたんです。そこで詳しく調べていくと、当時は住宅関係で天井や床に施工不良などがたくさんあり、そこに人が潜って点検をしていて、それがすごく大変だという事実がわかりました。

このことから、その分野でドローンは活かせるのではないか、という話になり、じゃあ小型化ドローンを作ろう、ということになりました。ただ、その後にも方向転換した時があります。我々が住宅向けにドローンを作りましょう、となっていた矢先、たまたま日本製鐵の方が我々を見つけて事務所に来てくださったんですよ。「我々の設備でこういう現場があるんだけど、ドローンで点検できないか?」と。たまたま我々は住宅向けに小型ドローンを作っていたので、本当にやりたいことは「これだ!」となりました。我々は鉄鋼領域については全く想像をしていませんでしたが、住宅関係は施工で何かあっても命に関わるということはほとんどない一方で、製鉄所では点検中に人が亡くなるという問題が実際にあって。我々が技術をして適用していく上で何が1番大事なのか?を考えたときにそれが課題だから解決したい、と方向性が固まりました。じゃあそこに集中的に入っていこう、ということで、日本製鐵様へのドローンをベースに開発し始めました。そのため、熱にも粉塵に強いという、厳しい環境にも対応できる物が作れたら今後も横展開していけるよね、という順番で技術開発をして、これを前提にサービスを展開してきました。

― 元々は 住宅の点検×小型ドローン だったところから、より深刻な問題を抱えている製鉄所の方にシフトしていったのですね。実際にそこから何年か経ってみて、現在メインとしている業界はどういうところなのですか?

1番大きいのは鉄道業界です。CalTa株式会社という合弁会社をJR東日本グループ様と作ることによって、より課題に対して近い領域で解像度も上がっていったし、どういう風にやっていけば最善なのかということも見えてきたという点で、距離感で言うととても近い関係にあります。製鉄所は本当に昔からずっと長い付き合いをさせていただいているので、そこに向けては着実に進めつつ、現在はそれ以外のセメント会社や建築関係などのプラント関係にも広がりつつあります。

ー 鉄道業界だと、どういったところにドローンを使うのでしょうか?

駅ビルや駅の天井の点検が主です。駅を歩いていると、たまに電車が通る音が地面から聞こえてくることがありますよね。あれは空気が流れる空間が地下にあるからなんです。そこの点検も行っています。実は見えない穴がたくさんあるので、それらを点検していることが多いですね。

ー すごく身近なところの安全を守っているのですね!今まで、知りませんでした。そんな素敵なお仕事をされているLiberawareですが、今後の展望についても教えていただきたいです。

我々が今作っているドローン「IBIS」を縦に伸ばしていきたいなと思っています。なぜかというと、これは我々の強みだからです。他では作れないものを我々が作り、この領域でデータを取っていくというところが我々の強み。ここを軸に、我々にしか取れないデータをとっていきたいなと思っています。ただ、縦だけではなく、水平にも広げていきたいと考えています。CalTa株式会社と一緒に作った「TRANCITY」というソフトウェアがありまして、これは何かというと、データを集めて、その情報を一括で閲覧できるとともに、サーバーにその3次元化した情報を全て集約・管理できるものなんですよ。現在はこの開発も進めていて、いろんな会社様に展開をしています。これは、一つのツールなので、我々のドローンだけではなくて、撮影が可能な端末であれば何でもいいんです。例えばiPhoneでもいいし、他社のドローンでもいい。これをベースにみんな管理をしていって、今の劣化情報などを時系列で見ていくことなどができます。ここは共通項目なので、いろんな会社様に展開をしていきたいですね。我々としてやりたいのは、ハードで攻めるということ、そしてソフトウェアの横展開をもっと広げ、いろんな会社様にこれを使ってもらうこと。そうすると自然とデータが集まってくるからです。我々としてはどこが安全で、どこがそうでないかがわかります。そしてその情報を、最終的にはユーザーさんに提供していきたいんです。結局、お客様が求めているのはドローンでもないし、ソフトウェアでもないんです。「本当に安全かどうか」、これをみんな知りたいんですよね。それを知るためにはまずはデータを取りに行き、集めること、そしてそれをしっかり分析していくことが重要なので、これを段階的に行っていきたいと考えています。

データを取りにいき、集約するツールも作ったので、今後はここでしっかり集めていこうと考えています。これが集まってくると今度は分析になるので、そこをしっかり行っていくことでユーザーさんにもデータを軸にしたものを提供できるようになるからです。

ー 最終的な目標は社会の安全性を守ることや、そのリスクを見つけるということなのですね!そのステップとして、ドローンを使ってデータを取りにいったり集めたりしているという認識で合っていますか?

そうです。そこが会社として目指しているところです。また、ドローンを縦に伸ばしていくということは我々Liberawareにとっての信念のようなものでもあります。

最終的にドローンというのは、技術開発をしていく上で自然と自動化されていくと僕は思っています。そうすると、自ずとデータが取れるような世界ができてくるので、結局我々がやっているところは自然と効率よく繋がっていくんです。これを目指していきたいなと思っています!

ー 閔さんから見て、Liberawareはどんな会社でしょうか?

素直な会社だと思います。技術に対しても事業に対しても、メンバー皆が素直です。儲けるぞ!というよりも、社会課題に対しても、技術に対しても「我々が作らないと誰が作るんだ?」という気持ちに対して素直な人たちが集まっているのかなと思います。



ー 今後、仲間になるであろう人はどのような人だと思いますか?

素直さがある人、ですね。社会課題にしっかり向き合っていきたいという方や、技術を追求していきたい!という自分の気持ちに真っ向に勝負していくようなエンジニアなど、そういうところに共感してくれる人、というのが1番大切かなと思います。エンジニアじゃなくてビジネス職でもこれは変わりません。我々がやっている業界って、ブルーオーシャンなのでまだ何も出来上がっていません。どういう課題があるのか、それをやらないとどういう未来があるのか、ということを含めさまざまなことを考えながらやっていくので、しっかり共感して動ける人が求められていますね。

― 社会課題と本気で向き合う熱い想いがとても伝わってきました!貴重なお話をありがとうございました!

次回の記事もぜひ楽しみにお待ちください!

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