林昂平さん 社長室長/DX事業部部長
―まず初めに、今までのご経歴となぜLiberawareに転職したのかをお聞かせください!
少し長くなってもいいですか?(笑)
新卒の時、日本製鉄という鉄鋼メーカーに入りました。そこで海外で製鉄所を作るプロジェクトに参加したいと思っていました。その背景にあるのは、バスケットボールの経験で、自分が上手くなることで周りのチームメイトも影響を受けて、できることの幅も広がって、何か新しいことにトライして成長していく。それを受けて自分も成長していくという成長の連鎖の中でお互いに高めあっていくような、一つ一つ新しいことができるようになっていく感覚が素晴らしいと思っていました。
就職活動をする中で、事業の広がりなどは特にそうですが、目に見える形での成長が面白いんじゃないかと思いました。一番目に見えて分かりやすいものとして、製鉄所が起点となってその周りに新しく学校や病院、商業施設などを持った街ができて、鉄を使った加工をしたり、消費地として産業が発達していきます。そしてさらにその鉄鋼メーカーの工場の規模が大きくなったり高度化していったりするようなスケールの大きな成長がその会社なら見えるんじゃないのかなと思って、新卒でその会社に入社しました。
実際鉄鋼メーカーに入ってみて、スケールの大きい仕事はやってきましたが、海外で仕事をする機会は少なかったです。入社して3年経ったあたりで、自分が思い描いていたことがあまりできないと感じていて、そこから海外での仕事にチャレンジしたいと感じました。
― お互いに影響を受けて高めあっていける環境や、目で見て実感できるような大規模な事業の成長を感じられるお仕事を求めていたんですね!
その後、東レに入って8年間勤めました。前半の4年は、浄水器の海外での販売・事業企画、後半4年は香港の駐在で、UNIQLO向けの製品の生産管理・品質管理を統括する会社に勤めました。海外で新しい事業に次々にチャレンジできる貴重な機会を得ることができました。
その頃には、世の中の規模の大きいプロジェクトに関わることが良いという価値観は段々なくなってきていて、それよりも東レにいた8年間で、自分で組織を作って、仲間と影響しあって高めあっていく関係を作りたいと感じるようになっていきました。特に香港にいた後半4年間では管理職を勤め、トラブルの対処の際の判断軸を共有して、ローカルスタッフが対応できるところまでコミュニケーションを取って、チームを作り上げるという経験ができたことが大きかったですね。
東レでも海外での仕事や駐在など色々なチャレンジをさせてもらっていましたが、このままこの会社にいて日本に戻ったら、一担当になってしまって全体像が見えないポジションになってしまうと感じたんですね。香港で感じた、自分のチームを作って事業判断をしていきたいという思いとの乖離が生まれてしまって、次のチャレンジをした方がこの先10年間楽しめるんじゃないかという思いで再び転職をしました。
― 実際に香港で、ご自分で組織を作って仲間と影響しあいながら高めあう関係を作る経験をされたのですね。その後はどんなチャレンジをされたのですか?
その後、ラクスルで1年半位働かせてもらいました。ラクスルは印刷ECをやっている会社で、私はそのオーダー先の印刷会社を取りまとめる部署にいました。印刷業界は全く分からない状況でしたが、香港の生産環境や品質管理の厳しさと比べると、すぐに内容を理解することができました。ラクスルで働く中で、香港で経験した、様々なトラブルに対応して最後にはみんなが納得する形を作っていく「面倒くささ」が恋しくなったんですね。
様々な仕事を経験して、自分は世の中に必要なものが必要な所に届くという流れの中で、ボトルネックがあったときに、それを見つけて正しい方向に向けていくことが得意で、やっていて楽しいということに気が付いたんです。自分の中ではそういった「面倒くささ」があるような、ハードウェアなどに関する仕事の方が興味が向くのだと思い始めていました。
そんな中で転職活動をして色々な話を聞いていく中で、Liberawareに出会いました。最初はドローンってどこの会社もやっているなという印象でした。しかし、社長の閔さんの話を聞いたところ、そもそも屋内を飛ぶドローンであることを聞いて他社との違いを感じ、to Bの事業展開をしていること、設備を見るドローンであることなどの説明を聞いて、だんだんと興味を持ち始めました。
さらにそこで、実は今このドローンをたくさん利用しているのが日本製鉄であることを聞き、自分の一社目が日本製鉄であったことからとても縁を感じました。また、実際の現場でどのようにドローンが使われているのかイメージがしやすかったですし、ハードウェアを作っていることから、今までの経験をスタートアップで活かすことができて、しかもそのフィールドも世の中の役に立ちそうだというワクワク感も感じました。その瞬間に運命的なものを感じて、その時点で入社したいと思っていましたね。
― 実際Liberawareに入社されてから、1年半が経って、今までどのようなことをされてきたのですか?
一番初めは、ドローンのレンタルサービスの基盤を作る仕事をしていました。屋内でドローンを利用する場合、飛行経路に障害物が多い分、故障の多さや操縦の難しさが課題となります。具体的には、短納期の無償修理サービス提供のオペレーション構築や、屋内でのドローン飛行用の訓練方法や独自試験などのパイロット育成ガイドラインの整備など、お客様が実際に屋内でドローンを利用し切るための企画を実行しました。今まで、そのような仕事は未経験でしたが、チャレンジさせてもらえることや、自分が作ったものが直接お客様に届いていることを実感できることが楽しいなと感じていました。
レンタルサービスの立ち上げ業務後、社長室に異動しました。社長室では、今の組織図では拾いきれない経営課題を先回りして、対応方針の策定から実行まで行っています。「社長室」という名前ですが、仕事の内容は、社長からの指示を実行するというよりも、「社員エンゲージメント」「採用体制の構築」「海外事業」「国内拠点整備」など自ら経営視点で考えた課題を企画化したテーマがほとんどです。
また、社長室と兼務で、DX事業部のマネジメントを行っています。もともとLiberawareは屋内の小型ドローンだけでなく、取得したデータを3次元化する技術を中心に、設備点検業務そのもののDXに取り組んでおり、その専門の部署を2022年9月に立ち上げました。DX事業部には、優秀なスペシャリストがたくさん集まっていて、そのLiberawareの技術をどのように事業化して成長させていくのが、社会をより良くするのかを考えながら、事業方針策定や組織構築を行っています。
Liberawareでの仕事はほぼ未経験ですが、総合格闘技のように今まで身に着けてきたスキルと、そうでないスキルも気合で補っていく働き方ができたことがとても楽しく、香港でやりたかったことのイメージに近かったですね。
― 大企業だと環境が整っている状況で事業を進めることが多いですが、ベンチャー企業だと環境が整うよりも前に事業が進んでいて、進めながら必要なものを揃えていくケースもあって、ベンチャーならではの環境ですね!
Liberawareでは求められているものの規模が大きく、ベンチャー企業の中でもかなり早いスピードで成長しているからこそ、事業の規模を拡大しつつも色々なことを同時並行で早く行わなければならない環境だなと感じました。そのような環境なので、色々な仕事にチャレンジしたり、今までやったことのないことに取り組めるのだと思いました。
スポーツに近い感覚もあります。今までとは違うポジションもやるし、試合に勝つためだったら何でもやるような姿勢が楽しく感じますね。
もう一つ、事業という面からみると、世の中にある多くのサービスは複数の会社が似たようなサービスで競争していますが、その頑張りは自社にとっては大切かもしれませんが、本当にお客様や社会のためになっているのかをふと考えると、そうじゃないと感じてしまう場面も多かったです。
しかし、今頑張っていることは誰もできていないことだし、僕らが頑張れば頑張るほど世の中に浸透していく。ここを最前線でできていて、間違いなく100%世の中のためになれていると信じ切れるような感覚も後押ししてくれています。自分のスキルを思う存分にチャレンジできる環境と、自信を持って世の中のためになっている誇りの両軸の楽しみがあることが会社として非常に良い点だと感じています。
― そういったチャレンジをしたり、仕事への誇りを持てる環境があるからこそ、入社したときからやりたいと思っていることができていたり、今やりがいを感じながら働けているのですね。
色々な業界でベンチャー企業はありますが、これだけ白地で、なのにとても大きな社会課題に取り組む会社も多くないと思うので、そこがLiberawareの良い所なのかなと思います。
そうですね。あと、自分のスキルを発揮できるということと、社会課題に向き合っているという特徴に加えて、サービスを提供する先にはお客様がいて、そのお客様自身もチャレンジをしてくださる方が多い気がします。お客様自身でドローンの操作を練習してくださったり、現場でかなり難易度の高いチャレンジをしていたりする人達と出会えるんです。これも結構面白いことで、仕事をしながら泣きそうになるんですよね。お客様なのにここまで踏み込んで、頑張ってくれる人が世の中にいるんだなとか、一緒に新しいことにチャレンジして今までできなかったことができているという喜びを感じられるのも、一つの面白みかなと思います。お客様とどのように新しい技術を現場に取り込むのかという所を一緒に考えて動きながらやっていると、新しいことにチャレンジしている人は日本にまだたくさんいるんだ!と感じられてすごくやりがいを感じられますね。
― 良いですね!熱い思いが伝わってきます。最後に今後チャレンジしていきたいことはありますか?
Liberawareという会社を伸ばしていけば、伸ばしていくほど社会のためになるという考え方を持っているので、Liberawareが大きくなるために必要な事業を伸ばしていくことがやはり大切だと感じています。
さらに、現在は国内の色々な業界に広げていくことを進めていますが、世界にも同じような課題を抱える施設はたくさんあって、同じように困っている人がたくさんいます。そういった人たちにサービスを知ってもらって繋げるところまでやっていきたいなと感じています。
― 海外でのお仕事もされたいとのことでしたので、まだLiberawareでやれることはたくさんありますね!とても熱いお話をありがとうございました!
次回の記事もぜひ楽しみにお待ちください!