ふぐ料理専門店を全国に展開する関門海。
今、海外からのインバウンド需要が回復しつつある中、関門海のふぐ料理は、とくに中国からの観光客に人気を博しています。
大阪や東京の一部の店舗によっては、大半が中国からの観光客というお店もあるほど。
日本で食べられるふぐは、世界的にも食の安全レベルや技術が優れているので、
「日本に行ったら、ふぐ料理を食べてみたい!」と楽しみに来日する観光客も多いそう。
また関門海は、インバウンド需要に対応するだけではなく、数年前からシンガポールや上海にも出店しています。
「ふぐ料理を世界へ広める」ビジョンを掲げ、シンガポール店については先日リニューアルオープンするなど、今後も海外展開にさらに力をいれる関門海。
同社は今「中国など海外籍のメンバーの採用を強化しており、海外の人材が活躍できるチャンスに溢れている」と言います。
今回は、中国出身、執行役員マネージャーであり、一児のママでもある王雪英(おうせつえい)さんに、関門海で働く魅力についてお聞きしてみました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【インタビュアー/ライター】
ー伝えたいことを、伝えたい人に、文章で響かせる会社ー
ストーリーライター 菅原 瑠美
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
関門海で働く魅力とは
「関門海は、国籍や性別関係なくキャリアアップの道がひらけた会社。ここが一番の魅力です」
と、王さん。
「私は、日本に留学中の4年間、関門海でアルバイトをし、卒業後は社員として入社して、出産や産休を経て、執行役員になりました。
他社と比較しても、大変珍しいキャリアではないかと思います」
飲食業界では、出産や産休を経た外国籍の社員が執行役員に抜擢されるというのは、かなり異例の事ではないでしょうか。
そんな中、なぜ王さんは関門海で、このようにキャリアアップしてくることができたのか。
王さん曰く、その理由は3つあると言います。
理由①日本の文化やおもてなしなど一から教えてもらえる
「関門海でのアルバイト経験を通じて、日本の『おもてなし』『食文化』『言葉遣い』を一から教わることができました。
例えば、
・接客の際は、お客様の目線より下から話す
・配膳は両手で行う
・尊敬語や謙譲語の使い方
・会話する時は笑顔
日本語もままならない外国籍の私にとっては、わからないことだらけでしたが、言葉の使い方から接客の表情まで、当時の上司は実に根気よく教えて下さいました」
なぜ、何もわからない新人のアルバイトに対して、こんなにも丁寧に教えてくれるのか。
それは、関門海には、創業以来「人を育てる社風」が根付いているからです。
美味しい料理を作るのは人。
それを感じのよい接客とともに提供するのも人。
全ては人の上に成り立っている。
だからこそ関門海は「人が資本の関門海」という言葉通り、国籍に関係なく、全ての社員が成長する環境を大切にしているのです。
理由②家族を大事にしながら働ける環境がある
キャリアアップを望む女性が、仕事を続けられず辞めてしまうことが多い飲食業界。
長時間労働や休みの少ないシフト調整といった働き方が一般的なため、どんなに接客が好きでも、飲食の仕事を愛していても、家庭を持ち子どもを産んでからは、両立することが難しいからです。
「関門海では、週休2日、高い有給消化率など、労働環境の整備が比較的進んでいる飲食業だと思います。
現在の私の働き方は、日中は在宅で事務作業(メールチェックや電話対応など)をして、夜は店舗の営業支援。
柔軟に働かせて頂いているので、子どもの発熱や学校が急に休校になる時など、とても助かっています」と王さん。
やる気がある女性が、出産や子育てでキャリアを諦めなくてもいい環境が整っている。
だから、長くキャリアを積み重ねていける。
王さんのお話から、そんな関門海の風土を垣間見ることができました。
理由③やる気がある人には、どんどんチャンスが与えられる
「現在の私の仕事は多岐にわたります。
・執行役員としての仕事
・マネージャーとしての仕事
・店長のマネジメント
・中国語の書類の作成や翻訳
・インバウンド向けのメニューやポップの作成
・社長の商談の通訳
自分の強みを認識して、『私はどんどんチャレンジしたいんだ!』という意志を示せば、今の業務の幅を超えて、いろんな仕事を任せてもらえるんです」
とはいえ、初めてのチャレンジはいつも不安でいっぱいで、順風満帆ではなかったそう。
でも、そんな王さんの自信になる、あるきっかけがあったと言います。
「大阪ミナミには当社の店舗が3店舗あり、そのうちの1店舗で働いていた頃のことです。
当時、3店舗のうち、お客様がどんどん来店され繁盛しているお店もあれば、あまりお客様が来ない店舗もありました。
だから、食材ロスがすごく出ていたんです。
それがすごくもったいないな、と感じていて…。
また、大阪のミナミは、関西国際空港も近く、観光スポットもたくさんあり、海外からの観光客が多く訪れる重要なエリアです。
だから、1店舗にお客様が集中すると、入店をお断りすることがあり、お客様のチャンスロスにも悩んでいました」
食材ロスに、お客様のチャンスロス…どう解決したらいいだろうか。
王さんは頭をひねらせました。
そこで思いついたのが、「3店舗の連携」です。
大きな役割を任された王さんは…
気軽な気持ちで、3店舗の連携を上司に提案してみた王さん。
すると、
「いいね!それ王さんがやってみてよ!」
思いもよらない返答に驚いたと言います。
「え、私がやるの…!?と、ものすごく不安でしたが、
『まずはやってみよう!』と言われて、チャレンジすることに決めました。
ですが、そんな事やったこともないし、どうしたらいいかもわからない。
『自分に関係者をまとめる器は、果たしてあるのか…』
チャレンジすることを決めてからも、そんなことを悶々と考えて不安は脹らむいっぽうでした」と王さん。
それでも、できることから取り組んでいこうと、1つ1つの課題を解決するために少しずつ行動していった。
みんなに話して、協力をあおいで、
どうすれば食品ロスがなくなるのか、どうすれば3店舗みんなが繁盛するのか…
みんなで出し合ったアイデアを実行する。
もちろん最初からうまくいかなくて、トライ&エラーの繰り返し。
大変だったし壁もたくさんあった。
でも、この経験が、王さんがチャレンジする大きな自信になり、その後のキャリアにもつながっていったのです。
「アルバイトとして入社したときには、考えもしなかったキャリアを築くことができていて、
チャレンジするきっかけを与えてくれた会社には本当に感謝しています」
と、王さんは話します。
出産を乗り越えて
関門海は、国籍や性別関係なくキャリアアップの道がひらける会社。
そして根本にあるのは「人を大切にする社風」。
王さんは、過去の出来事を振り返って、こう話してくださいました。
「実は私、社員として入社した直後に妊娠がわかって、
『これは会社を辞めて中国に帰国するしかない…』と思い詰めていたのですが、
そんな時上司から、
『出産は人生でとても大切なことなのだから、仕事のことは心配しないで休んでください』
と言って頂きました…。
その時、関門海が温かい会社であることを改めて実感しました。
だからこそ、
『これまで以上に会社の期待に応えたい』
『もっと成長して今までの恩返しがしたい』
という想いにますます火がついて、現在まで走り続けられたのだと思います」
最後に
最後に、関門海に興味を持たれた方へのメッセージをいただきました。
「『外国籍・女性・育休・執行役員』という少し珍しい私のキャリアが、少しでも後に続く人たちの希望になれば嬉しいです。
飲食の仕事が大好き、たくさん成長して、どんどんキャリアアップしていきたいという皆さん。
ぜひ一緒に、ふぐ料理を世界へ、広げてまいりましょう!」