「すべては『ディズニーランドを作りたい』から始まった。」センクシャの本音と野望|デザイナー・山田沙央里<後編> | 株式会社センクシャ
エンタメ業界にリデザインを仕掛けるセンクシャの、メンバーの素顔に迫るインタビュー連載「センクシャの本音と野望」。今回は空間デザイナー・山田沙央里。新卒で舞台制作大手・株式会社シミズオクトに入社。...
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エンタメ業界にリデザインを仕掛けるセンクシャの、メンバーの素顔に迫るインタビュー連載「センクシャの本音と野望」。
今回は空間デザイナー・山田沙央里。
新卒で舞台制作大手・株式会社シミズオクトに入社。デザイナーとして著名なアーティストの公演を複数担当するなど経験を重ね、出産・育休を経て、2023年にセンクシャへジョイン。
ライフスタイルの変化が、仕事の仕方や環境を見つめ直す機会になったという山田。MBA取得にも興味を持っている彼女が、センクシャで実現したいこととは……その本心に迫る。
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ーー:コンサート業界に入ったキッカケを教えてください。
大学は演劇の学部でした。大道具クラスに入って、 パネル叩いて、みんなで大道具セット作って。図面や絵を描く人、大道具を作る人、演者の人、照明の人…その人たちと1個の演劇を作る授業でした。授業の他にも、自分で社会人劇団に入って、パネルを叩いて自分で搬入して、みたいなこともしていました。
元々は、演劇にすごく興味があったわけじゃないんです。建築学科も考えていたんですけど、実用性よりエンタメ寄りのものが作りたかった。実際にそこに入ることができる空間とか、エイジングがかかったものとか、リアルに再現されたものを面白いと感じていました。
「なんでだろう?」と突き詰めて考えると、私はディズニーランドを作りたかったんです。
小さい頃から好きで、だんだん作り込みとか、テーマパーク全体をどう作っているのかに興味が出てきました。例えば、ジャングルのエリアにあるスピーカーが、木々の中に溶け込ませるように塗装されていたりとか。汚れを塗装したり、影をつけたりして古く見せる。その技術がすごいんです。
ディズニーランドって、テーマごとにエリアが分かれているじゃないですか。そのエリアとエリアが、ナチュラルに移り変わっていくような作りになっているんです。滝の音が流れたら次のエリアに行く、橋を越えたら次のエリアに行く。どこのエリアも違和感なく、全体が繋がってるのがすごいんですよ。もう、エンタメの集大成。
大学時代の友人や仕事仲間と一緒に行くと、「スピーカーの隠し方すごいね」「フライングの機構すごいね」「プロジェクターどこから吊ってるんだろう」とか、そういうのばっかり見ています(笑)
仕事にも、ディズニーランドに通じるものがある気がします。今のコンサートだと、機材は機材で見せていることがほとんどですけど、最近ではスピーカーに電飾を付けるものも出てきました。ケーブルやスピーカーを隠してみたらスッキリしていいよね、とか、新しいコンサートの形が見える。
去年こけら落としが行われたラスベガスの「Sphere」は、ケーブルの配線だけでなくスピーカーが一切見えないのに全席で目の前から音が聞こえる設計。デザイン性と技術が融合した時に、すごいレベルに行けるんですよね。
ーー:センクシャに、入社しようと思った決め手を教えてください。
ふたつあって、ひとつは出産に伴い自身の生活が変化したことです。
子育てをしていくには、規則正しい生活が1番。以前は、夜から現場に行って朝終わる、という日が 月に1、2回あって、生活リズムをつくるのが難しかったんです。それに、どうしても生活が子どもに左右されるじゃないですか。現場で遠出していたら、保育園から連絡があってもすぐに迎えに行けない。
現場復帰を考えたとき、場所にとらわれないことは、やっぱり大きいと思いましたね。実際に働いてみても、状況に応じて在宅勤務ができること、現場に行かなくても大丈夫な体制だと全然違うなと感じています。
ふたつめは、ビジョンが一致したこと。
特に教育制度について。教育制度をフレームワークにして、新しく入ってきた人たちがすぐ理解できる、すぐ図面を描けるような仕組みを作りたいんです。そうしないと、私たちも教えることと日常業務に追われていて、新しい挑戦ができない。その仕組みづくりが一番共感したところですね。
私は、今遠回りしてでも、今後の作業が最短になるような道をまず探しておきたいタイプ。だから、ショートカットを探したりとか、自分でパーツをゼロから作ったりとか、準備に時間かかっていたんですよね。新しく入ってくる人には、ある程度の定型を用意して、そこからチョイスする形にできるだけしておいてあげれば、本来やるべきことに時間を使える。今まで培った知識を、一生懸命形に落としているところです。
あとは動画での提案です。これからは紙ベースじゃなく、バーチャルや動画などのリアルな方向に行く。私は 結構前から動画をやりたいなと思っていたんですけど、忙しくて日常的に取り組むのは難しかったんです。センクシャとは「それを当たり前にしたい」という考えが一致しました。
ただ、動画とかデザインとかって、子育てと脳の使い方が違うのかな。私は追いつかないんです。
子どもを迎えに行ってご飯作って、みたいなマルチタスクは、仕事でいうとフォーマットを登録したりデータを整理整頓したり、というタスク処理の頭の使い方に似てるんですけど、動画とかデザインって、じっくり考えて、試行錯誤して、没頭する頭の使い方。今はどっちかの脳しかできなくて。だから、もうすこしペースが掴めてから、じっくり取り組もうと思っています。
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