今回は、経営者の頭を悩ませる「人材採用」についてのお話です。
有効求人倍率から見る、コロナ禍とリーマンショックの違い
採用難が続く昨今、人材の採用手法は見直しを図るタイミングが来ている
2022年10月31日時点の有効求人倍率は1.34倍となり、前月より0.02上がっており、ここ数か月は緩やかな上昇傾向が見られます。
コロナ前の2017年~2019年頃は有効求人倍率が1.6倍と高止まり傾向でしたので、有効求人倍率が1.3倍というのはコロナの影響が出始めた2020年3月の1.39倍、または2008年のリーマンショックから立ち直りを見せつつあった2016年の平均有効求人倍率1.36倍に匹敵する水準となります。
リーマンショックが有効求人倍率に与えた影響は2013年迄の5年もの間1倍を切る結果となったのに対し、2020年以降のコロナ禍というのは1倍に近づく傾向こそあれ、1倍を切ることはありませんでした。
つまりこのデータから何が言えるかというと、コロナの影響を受けても優秀な人材の確保はどの企業も苦戦している状態であり「不況だから人材が余る」といった時代は今後見込めない、という事になります。
そのような外部環境の中で、企業は人材採用においてどのような戦略を立てるべきか、その鍵も実は「多柱化経営」にあります。
多柱化経営と同時に採用についての考え方を変え、人材難を乗り越える
【第4条】幹部候補社員はグループで採用し、常に最適な配置をせよ
多柱化経営が幹部を成長させる
従来は事業会社ごとに採用基準を設け、各事業経験者を即戦力人材として採用していく手法で十分に人材を確保できていました。
しかし前項でお伝えした通り、多柱化経営は「常に収益となる事業を2つ以上」持ち、「成長を目指す事業を1つ以上」を手掛ける事であらゆる不況に強いグループ経営を目指していく形となります。
よって、「成長を目指す事業」の経験がある即戦力人材を幸運にも採用できたとしても、経営判断でその事業はクローズする、という事も見込まれます。
そんな時のリスクマネジメントとして、あらかじめ「あなたの経験を活かして、さらなる事業経験を積み、ビジネスパーソンとしての市場価値を高めてほしい」と伝えておくことで離職リスクを低減させ、さらに急な配置換えでも従業員のモチベ―ション低下が防げます。
また、フレキシブルに従業員が各事業会社にて従事する事の最大のメリットは「各事業を十分に理解した従業員が育つ事」にあり、中でも成長が著しい社員については事業責任者を務めさせる等をして、グループ経営を行う上での全体最適を鑑みた人員配置が可能となります。
よって、採用要件についても従来は「親和性の高い(できればすべての事業の)業務経験」を問うていたところを、多柱化経営では「1つでも事業内容と近しい経験がある」という要件にまで下げる事もできますし、あるいは新規事業においては経験よりも「どれだけ会社に貢献できるか」というような、どれだけエンゲージメントを形成できるかが鍵となってきます。
また、社員側にもこうした企業で働くメリットは大いにあり、
「自分の適性に応じたポジションで活躍できる」事や、
事業をまたいだジョブチェンジが可能となるため、多様な経験を積む事が可能となり、転職せずとも給与アップや、ひいては自分自身の市場価値の向上に繋がります。
今回は20条中の4条「グループ採用」についての解説でしたが、
6条では具体的な採用手法について、8条では若手幹部社員の採用について触れていきます。
多柱化経営道場では、毎週1条ずつ解説をしていきますが、
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当社 グループ 山田 一歩 CEO について
(日経新聞「私の道しるべ」取材記事)
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山田一歩の道しるべ | 株式会社FBマネジメント私の道しるべは経済界、スポーツ界、文学界など様々な分野で活躍されている方を取材し、メッセージをお伝えしてまいります。ps.nikkei.com
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