前回の記事では、エムスリーソリューションズの福利厚生・制度についてご紹介をしていきました。今回は企業で働く上で重要かつ、会社を選ぶ軸にもなりうる「評価制度」についてお話していきたいと思います。社歴は長いですが直近では社名変更に伴い、会社の内部もガラッと変化し、評価制度も現状に合う形で2023年4月より変更をしているエムスリーソリューションズ。どのような経緯で変更をし、今後はどんな計画があるのか、前回に引き続き人事担当者にインタビューしました!
エムスリーソリューションズ株式会社
管理本部本部 人事総務グループ 小巻典子(こまき・のりこ)
新卒から総務・人事・経理などバックオフィス業務を経験し、前職の化粧品通販会社では人事労務として制度企画や運営等に携わる。13年ほど務めたのち、2022年11月にエムスリーソリューションズ株式会社に入社し、人事総務グループとして人事、労務全般を担当している。
エムスリーソリューションズ株式会社
管理本部本部 人事総務グループ 笹沼美香(ささぬま・みか)
新卒で不動産会社の営業事務として入社。その後ベンチャー企業の事務業務やIT関連会社にて管理部門でのバックオフィス業務全般を担当したのち、2007年にアイチケット株式会社に入社。2023年4月の合併により、現在エムスリーソリューションズ株式会社の人事・労務を担当している。
成長できる環境へ。パフォーマンスの高い方が報われる評価制度に
ーー前回に引き続き、人事のお二人にインタビューをさせていただきます。今回は「評価制度」にフォーカスを置いてお話を聞いていきたいと思っています。まず、2023年4月より新しい評価制度の運用を開始したとお聞きしましたが、経緯をお聞かせください。
小巻:はい。わたしは2022年11月に入社したのですが、入社した時点で評価制度を変更するというプロジェクトが動き出していました。
エムスリーソリューションズは社歴としては30年以上と長く、直近の社名変更に伴って、体制などを変えていきました。その中でも評価制度は早急に変更していく必要があるものと認識していました。
また、社名が変わると同時に、新たに採用強化をして来たこともあり、新しく入社した方にもわかりやすく、明瞭な制度にすべく、動いていきました。
ーーなるほど。会社の体制変更とともに、採用も強化。それに伴って、制度も変えていく方向性となったのですね。実際にどのような形に変更をしていったのでしょうか…?
小巻:まずは「目標をしっかりと持ち、パフォーマンス高く業務をしている方を報酬で報いたい」という方針を決めました。結果がしっかりと報酬に反映される評価制度を作ることで、どうやったら成長していけるかを従業員も考えるようになり、行動にも移すことができる。そんなより良い循環を期待して方針を固めました。具体的には、この方針のもと、多くの企業でも採用しているMBO制度とグレード制度を導入し、定性的な目標に加えて、行動評価もプラスオンしていく形にしました。
これまでは、どのように頑張れば給料が上がるのか指標が明確に示されていなかった点や、定性的な目標がメインとなり、行動での評価を大きくは重要視していなかった経緯がありました。そのために従業員のみなさんがより明確に目標をもって業務に取り組むことができ、頑張った成果が反映される。そして頑張りが可視化できるような評価制度を設定していきました。
ーー”頑張りが可視化される評価制度”。働く方々にとってとても大切な部分ですよね。評価制度が上記のように整うことで、従業員の方へはどのような影響があると考えていましたか…?
小巻:評価制度を上記のように整えていくことで、先程もお伝えした「従業員が成長を考える」というメリットがまず生まれてくると思いました。また、グレード制度を導入することで昇給や昇格までの課題が明確になり、さらにモチベーションを高めることができる。課題や目標に対しての行動によって、しっかりと上司からのフィードバックをすることで、納得感のある評価から、自身のキャリア形成に繋げることができる。このようないい循環が巡っていくことを考えていました。
ーー評価制度が、従業員自身がモチベーションを高めながら働く素地となっているのですね。しかし、導入するまですべてがスムーズにいったというわけではないですよね…?
笹沼:はい。社歴も長い企業だったので、評価制度の変更が従業員のみなさんにどのような影響があるのか、どう感じているのかは未知数でした。そこで、従業員の意見を聞けるよう、評価のタイミングでアンケートの機会を設け、意見を記載できる欄を作りました。
新しい評価制度への不安の声もありましたが、ポジティブな意見も多く、「今まで意見を伝える場が少なかったので、記載できる箇所を作ってくれてありがとうございます。」といった声まで出てきました。
これまで実際に働く従業員の声を聞く機会が少なかったことにより、従業員が欲しい・知りたい情報を正しく伝えられていなかったのだなとも痛感しました。
小巻:2023年の4月に評価制度を変更してから、まずは1年。現在も定期的に評価のタイミングなどでアンケートの機会を設けているので、従業員の声を拾いながら人の成長に繋がるよいものへ改善していきたいと思っています。
人のことはカオナビで。300名越えの社員とのコミュニケーションポイント
ーー評価の制度を変更をしてから1年が経ち、2年目からはどのような部分を改善していくのでしょうか。
小巻:まずは1年間、新しい評価制度を回したことで蓄積されていった良かった点、悪かった点があるので、そこをつぶしていく作業をしていきます。具体的に言うと、評価制度は変更したが、評価の方法はエクセルを利用し、評価者や人事側での管理もかなり大変な状況になっていました。そこを改善するため評価制度変更後、2年目の2024年4月からは「カオナビ」で評価をしていく方法へと変更をしました。過去、エクセルで評価を行っていた際は、過去の評価シートが管理できていない、評価後のシートが本人に行き届いていない、といった問題もありましたが、カオナビへ評価ツールを変更したことにより、過去の履歴も蓄積されるようになるので、自身に足りないところや、もっと研鑽してきたい部分などを目で確認して振り返りをしながら、目標の設定ができるようになりました。
笹沼:正直、カオナビの導入によって、運用的に評価者側と人事側の運用のストレスがなくなるかどうかはわからなかったですが、現状問題なく進んでいることや、評価される側のメリットが確実に大きいので、そこに尽きるという印象です。
ーー評価ツールとしてもカオナビは活躍していきそうですが、企業の規模が大きくなってくると「○○さんってどこの部署だったっけ…」というような顔と名前の一致や部署の確認などもカオナビでできますよね!
笹沼:はい。カオナビの一番よく使う機能になると思いますが、組織図を表示する「シナプスツリー」で部署に所属している社員の名前と顔が一目でわかるものになっています。社員数が300名を超えてきているので、こういったツールにも頼りながらコミュニケーションのポイントを人事側で作っていきたいなと思っています。
小巻:毎月、入社、部署移動などの異動情報をまとめた人事発令を出してはいますが、正直それを見ただけではわかりにくいです。また当社は全国に営業所を設けていることもあり、物理的に社員との距離が離れていることもあります。現在は、発令と一緒にカオナビのURLも一緒に全社でのお知らせに載せるようにしていたり、離れている距離でもコミュニケーションの幅が広がるよう、「人のことはカオナビで」わかるように人事側でも機能拡充をしていきたいと思っています。
従業員のモチベーションを維持する取り組みやサポートにも
ーー今後、注力していきたいポイントや、現在進行中の企画などがあれば教えてください!
小巻:はい。評価制度を変更した後、2024年4月に360度評価を試験的に実施しました。試験的であったため、役職がついている社員を対象に行いましたが、そこから得られることも多く、メンバー同士、上司と部下、複合的な評価をもって、組織がきちんと機能するために、精査をしながら取り入れることを検討してきたいと思っています。一方向な目線ではなく多方向からの目線から評価が入ることで、よりその人について正しく理解できると思うので、働く社員にとってもモチベーションが高くなる要素にもなるかなと感じています。
笹沼:他にも、心と体の健康を維持するためのコンディションチェックである、「パルスサーベイアンケート」を今期から始める予定です。先程の話に戻りますが、社員数が300人を超え、営業所もバラバラで、上司や同僚と直接会う機会も毎日ではないと思います。そのためモチベーション維持やメンタル・体調管理の意図も含めて、実施する予定です。いちはやく異変をキャッチできる可能性を広げるべく、社員には定期的にアンケート形式で回答してもらいます。開始後は様子を見ながらブラッシュアップしていきたいと思っています。
小巻:また、研修の充足化も進めようと考えています。営業やカスタマーサクセス、部署によって業務の研修は充実してきていると思いますが、例えばコンプライアンス研修や管理職向けの研修、グレード別の階層研修など、業務とは別軸で考えていくべき研修があります。
これらについても、社員数が増員しているからこそ、社員がよりいきいきと活躍できる環境を作るため、今後整えていきたいと思っています。
笹沼:まだまだ課題はありながらも、少しずつ社員のみなさんが働きやすい環境を整えていき、さらに今後もより会社の成長に合う形で変化・拡充をしていきたいと思っています。ぜひご興味ある方は採用ページを覗いていってほしいです。