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【代表インタビュー】「すべての人が自分の人生のオールを握る世界」を創るため、3つの「きっかけ」を軸に事業を展開。

何かが変わるための「きっかけ」は、いつも突然やってきます。株式会社Lagomlivを立ち上げた代表の山中さんも、「きっかけ」の連続によって人生の選択が大きく変わったそうです。

株式会社Lagomlivは20〜30代の若手に特化したキャリア支援を手がけるスタートアップ企業。起業の背景には、偶然の出会いによって人生を見つめ直し、より豊かになっていくきっかけを作りたいという山中さんの想いがありました。起業に至るまでのストーリーと、今後の展望について詳しくお聞きしました。

山中 郁雄 / 代表取締役

大学卒業後、株式会社ネオキャリアに新卒入社。企業向けの採用コンサルティング営業として活躍。入社2年目でリーダーとなり、子会社のUnistyle株式会社へ異動。営業責任者としてマネジメントにも従事した。2019年に株式会社irodasに執行役員として入社。組織や事業の立ち上げ、経営戦略・経営計画の策定などを中心に幅広い業務経験を積む。2022年6月より株式会社Lagomlivを立ち上げ、代表取締役に就任。

人生最初のきっかけで身に染みた「何も取り柄がない自分」

ーーこれまでどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか?

僕にとって、人生を変えた最初の「きっかけ」は浪人したことでした。高校を卒業してからしばらく浪人生活をしていたんです。高校時代の成績は平均より少し上ぐらいでしたが、なんでも一人で抱え込みがちなひねくれ者でした。

しかし学校に行っていた時のような集団行動がなくなって壁にぶつかった感じがしたんです。「自分には何もない」と気がついて「もっと努力しないと、何者でも無くなる」と思い始めました。今まで以上に勉強したり、読書をしたりするうちに段々と「自分の興味関心の対象」がどういうものか見えてきました。そこで初めて「政治家になってみたい」と考えるようになりました。元々、僕は責任感が強く、自分の力で物事を変えたいタイプ。自分自身で世の中の仕組みを変える側になりたいと思うようになったんです。

ただ、大学へ進学して授業を受けてもすぐに政治家になれるイメージが湧かなかったんです。そこでまずは現場のリアルを学ぼうとアクションを起こしました。政治家の秘書になってみたり、セミナーへ参加してみたり、海外へ勉強しに行ったこともあります。ただ、理想を追いかけた先に見た現実は、厳しいものでした。

そんな時に偶然、ファイナンシャルプランナーをしている起業家と知り合いになりました。これが僕の人生にとって2つめの大きな「きっかけ」でした。本当に素敵で、人としてもビジネスマンとしても尊敬できる方なんです。お客様に合わせた保険や金融商品を提案する姿を見て、すごくかっこよかったんですよね。この時に「そうか、自分でビジネスを作るという選択肢があるんだ。身近な周りの人を助け、変えていくこともできるのか」と気がつきました。

そこで同じように独立系のファイナンシャルプランナーを、僕自身も個人事業主として働き始めました。同じぐらいのタイミングで大学に入学し、学生生活をしながら個人事業主をしていたんです。「トマトを作って駅前で売ってみる」みたいなレベルからビジネスを始めましたね(笑)。まずやってみないと、何も分かりませんから。最終的には保険の見直し提案ができるまでになりました。

ーー個人事業主から起業するという選択はなかったのですか?

正直、その時点では経営者になる自信がありませんでした。どれだけ自分が社会で通用するか未知数でしたし、社会人の気持ちもよく分からなくて。そこで卒業後、新卒で入社したネオキャリアで3年間は頑張ってみようと決めました。

ネオキャリアでは採用コンサルティング事業部に配属となりました。当時は新規事業部の立ち上げを複数展開しているフェーズで、社員数も2000名ほどでした。ここでは営業の「基礎の基礎」、ビジネスの根本を教わったと思います。1年目には新人賞を獲得。2年目にはリーダーとなってマネジメントスキルを磨きました。

3年目にはM&Aをした子会社であるUnistyleの営業責任者に就任。ここでの経験には非常に鍛えられましたね。高学歴向けの就活支援メディア「unistyle」を運営している会社なのですが、僕がいたネオキャリアと真逆のカルチャーが浸透した組織だったんです。仕事やプロダクトに関する捉え方が全然違うので、組織運営に苦労しました。

ただこの時の苦労によって、自分がいかに小さいコミュニティの中で仕事をしていたかに気付かされましたね。若手社員とコミュニケーションを取る中で、これからの日本の未来を背負う若者に投資するようなビジネスができたら良いなと思うようになりました。unistyleでの経験が、次のキャリアを選ぶきっかけとなったんです。

ーーそこからさらに転職し、irodas取締役になったのですね?

そうです。「若者の成長につながる仕組みづくりがしたい」と思っていた矢先のことでした。「irodasで一緒にやろう!」と友人から誘われたのがきっかけです。

詳しく聞いてみると、人材紹介の仕組みづくりに向けて営業組織を立ち上げたいという話が出てきました。より上流から関わる経験が積めるかもしれないと思い、一緒にやってみることになったんです。

8人目のメンバーとして取締役になり、No.2の立場でさまざまな戦略立案に携わりました。会社経営に直接関わったのは、この時が初めて。年商6億円という数字の責任は、重かったです。入社から2年半で事業規模は10倍になり、社員数は100名弱に増えました。

新しい世界を知れば、選択肢が増える。その「きっかけ」を作ってあげたい

ーーそこからどのように起業へ至ったのですか?

忙しくなるうちに、次第に自分らしさが失われていくようで気になっていました。自分が描く理想の事業や目指す方向性など、よりスピード感を持って、若者の価値を最大化するためのビジネスにチャレンジしたくなったんです。そこに対して自分が先頭に立って「もっとやっていきたい」と思うようになり、起業を決めました。厳しい経験も、人生を見つめ直すきっかけになるんですね。

僕は起業に至るまでいろんな方と出会い、見えてきた世界観がありました。振り返ってみると、いろんな「きっかけ」によって新しい世界を知り、選択肢が増えていったのだと分かったんです。自分にとって最適な選択ができるようになるたび、人生が豊かになっていきました。そうした「きっかけ」を、特に若者に対して提供できる会社を作りたいと思い、Lagomlivを創業することになったんです。

ーー社名の由来やビジョン、ミッションについて教えてください。

社名の「Lagomliv(ラゴムリブ)」の由来はスウェーデン語の「Lagom(ラゴム)」が元になっている造語です。Lagomは「少な過ぎず多過ぎず、ちょうどいい」という意味。Liv(リブ)は「人生、生活」という意味です。

プレッシャーや責任のある環境により、何が正しいのかがわからなくなり、自信も無くなり自分らしさを見失いそうだった前職時代。正直辞める前後は鬱になりかけていました。そういった中で「もう少し自分にとって最適な状態で、仕事ができないだろうか」と考えるようになりました。ぬるく働くという訳ではなくて「もうちょっと頑張ったら届きそう」と思える絶妙なラインを目標にし、自発的に進んでいける状態を目指したかったんです。また、自分が思っているコンフォートゾーンが、実は間違っていることもありますよね。そうした自分自身の最適を探し、幸せを見つけるきっかけを提供できればと願い、名付けました。

ビジョンは「すべての人が自分の人生のオールを握る世界」。自分にとって最適な人生を選択し、人生が豊かになっている状態をイメージしています。人生を川に例え、上流からカヌーに乗って、川下りするところを想像しました。スピードに乗ってくだる時もあれば、ゆっくりとオールを使って自力で漕ぐ時もある。例えばキャリアにおいても同じように大変な状況に直面しますが、結局は自分の手で乗り越えていかなければなりませんからね。

ロゴのカラーもLからvにかけて川の上流〜下流へと下っていくイメージを大切にしています。上流では固く直線的だった心情が、下流へ進むにつれて徐々に丸くなり、自分らしく海へと出ていく。そんな心情を形にしています。

ミッションは「新しいきっかけの源流を切り開く」。いざ自分の人生のオールを握ろうと思っても、自分が置かれている環境の中だけでは選択肢が少なく、最適解を見つけられないこともあります。そんな方に対してLagomlivが「きっかけ」となって、新しい世界を知っていただき、選択肢を増やせるような状態を作っていければ幸いです。選択するのは本人ですが、きっかけを見つける源流を提供したいと考えています。

ーー現在の事業内容について教えてください。

主軸としているのは転職支援・人材紹介サービス事業です。20〜30代のキャリア支援のために、真摯に求職者と向き合っています。そうした若者の活躍を支えるのが、キャリアアドバイザーならぬ「Career changer」。求職者は自分と似た経歴のCareer changerを選び、相談できる仕組みになっています。

そのため入社後は「Career changer」として、求職者に伴走していただくことになります。キャリアに関するアドバイスではなく、キャリアという文脈に変化を生み出す存在になれたら良いなと思っています。

真摯に求職者と向き合うため、KPIは売上金額などではなく、入社決定数や満足度、活躍度を指標にしています。無理な目標設定はせず、いかに良質な「きっかけ」を与えられるか、という部分に重きを置いています。

もちろん業界最高水準のインセンティブ制度も導入しています。若いうちから給与・待遇面が充実していれば、早い段階で親孝行もできますよね。僕自身がそうしたライフスタイルを経験してきた背景もありますが、優秀な仲間にはシンプルに相当の対価を還元したいと思っています。

ーーなぜ20〜30代の若手をサポートしたいと思ったのですか?

経済成長やGDP伸び率を考えた時に、これからの日本を支えるのは、20〜30代の若者です。若者に変革のきっかけを提供することが、日本経済により良い影響を産むのではないかと考えました。

例えば年を重ねれば重ねるほど、「なりふりかまわず挑戦すること」は難しくなってくるものです。子育てや介護、自身の健康問題などに直面し、思い切って挑戦できなくなるのではないかと感じています。その反面、若手のうちであれば失うものも少ないでしょう。

また、若ければ若いほど、社会に起こした変革はインパクトが大きいもの。だからこそ、僕は本気でこれからの彼、彼女らを応援したいです。

「きっかけ」が連鎖し、新規事業のアイデアが生まれていった

ーー今後、目指していきたい目標は何ですか?

僕自身が体験した「きっかけ」にインスパイアされた3つのテーマから、新しい事業を展開していきます。

1つめのテーマは「個人」。ファイナンシャルプランナーに出会って僕個人の人生が変わったように、変革のファーストステップとしての「転職」を支援します。これが、すでに形になっている成長産業特化型の転職エージェントです。キャリアを歩む上で、30代までの若手にきっかけを与えて可能性を伸ばしていきます。具体的にはCareer changerへの相談、転職支援、企業紹介などを通じたサポートを行っています。自分自身のキャリアと似たようなCareer changerに相談し、伴走してもらえる点が、一般的なエージェントとは異なる優位性を持っていると自負しています。

2つめは「組織」。僕がUnistyleやirodasなどの組織からいただいた「きっかけ」からヒントを得ました。こちらは採用コンサルティングやブランディング、営業のDXコンサルティングなどの事業を展開予定です。最終的には、キャリアを可視化し、採用上の課題を見つけていくHR関連のプロダクトを開発していくのが今の大きな目標。

人材業界は自転車操業をしている企業も多く、DXに対するニーズが多く寄せられています。キャリアを可視化できるプロダクトができれば、業界全体が抱える課題も解決できるはずです。

例えば、人材紹介事業によって集めたデータを活用し「自分と似たキャリアの人が、次にどのような選択をして人生を歩んでいるのか」が可視化できるプラットフォームを立ち上げたいと考えています。「どのようなステップでキャリアアップすれば、マネージャーまで最短で到達できるか」といった解像度の高い情報が見れるものを作ってみたいです。

個人の変革を支えるのももちろん大切ですが、一気に変革を進めるには会社の組織文化・カルチャーを変える方法もあります。そうしたアプローチにも対応できる事業を目指したいです。

3つめは「場所」。環境を変える事によって内省が深まり、新しい視点に気が付くきっかけとなるアウトドア事業を考えています。キャンプ、サウナなど日常とは少し離れた環境に身を置いてリラックスし、自分自身を見つめ直して考える時間を作るのが目的です。すでにSNS運用はスタートしているので、一定数のフォロワーが集まった段階で本格的に事業化していこうとしています。

ゆくゆくは異なる世代同士が交流できるコミュニティ運営などにも、挑戦したいですね。キャンプ場近くの畑で農業を始めて、野菜を収穫したりとか…そんな夢も描いています。「実家みたいな村のような場所」を作りたいんですよね。

実家って、一番自分のことをわかってくれる所だと思うんです。ちょっとした変化も見逃さずに「何かあった?」と伝えてくれるような、落ち着く場所を作りたいたいです。

ーー最後に求職者の方へメッセージをお願いします。

今は0から1を立ち上げる段階です。ここから3〜4年で1から10を作るフェーズに移り、事業の収益化を目指していこうとしています。そのため入社する方にとっては、会社経営について手触り感を持って一緒に学び、組織を作っていく醍醐味があると思います。

短期的な目標は、100億円以上の時価総額が見込める事業へと成長すること。4年以内にキャリアを可視化するHRプロダクト開発を実現し、1年以内にアウトドア事業も収益化させます。

また、まさにキャリアに悩んでいる方ともお仕事をしたいと考えています。家庭との両立に悩んでいる方や、副業・兼業でチャレンジしてみたいことがある方も大歓迎です。パラレルキャリアに興味がある方も、お気軽にお話しできればと思っています。

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