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【役員紹介①】未経験からCTO最高技術責任者へ:発電所運営の挑戦と成長 #1/2

【入社~運転員時代】
 私は大学卒業後、1年間の研究員時代を経て木質バイオマス発電事業を行っている三重エネウッド株式会社に入社しました。当時は発電所というものが、どのようなものなのか一切わからないまま入社し入社初日に出席した会議ではまるで外国語を聞いているかのようで、何を言っているのか何もわからない状態でした。そこで私はまずは発電所の主要設備であるボイラーとは何なのかを理解するために「ボイラー技士2級」の資格取得に挑戦したことを、よく覚えています。
 発電所について勉強をしながら、プラント設備・土木建築工事の詳細設計や工事工程管理業務、試運転業務や各種審査対応を行い無事2014年11月に商業運転を開始することができました。
 その後、3年間は現場オペレーターのリーダーとして、通常業務(燃料投入や運転監視業務、日常点検)や各オペレーターからの意見を取りまとめ管理者に報告する業務をメインに行いました。時には燃料詰まりや落雷による停電のトラブル対応で非番でも夜中に発電所に駆けつけたりといったこともありましたが、あの経験があったからこそ、今があると感じています。マニュアルを熟読し頭では理解していても実際に体験すると、各トラブルに応じた対応をとる必要があり、そのためには発電所の全体の流れを把握しておく必要があります。運転員時代に数多くのトラブルを経験してきたからこそ、初めて対応するトラブルでも予測と対応策を考えることができ、それが今の私の自身に繋がっています。
 <三重エネウッド株式会社概要>
   ボイラー型式:株式会社タクマ製 N-1100FH型流動層ボイラー(水冷)
   発電出力:5,800kw
   ホームページ:三重エネウッド株式会社 (m-enewood.co.jp)

【運転員から管理者へ】
 木質バイオマス発電所では日々、性状の異なる木質チップが搬入されてきます。運転員として日々の運転業務にあたっていると、木質チップの性状(形や水分、異物混入率)で燃焼のクセや燃料を運ぶコンベア、灰の発生量など様々な場所に特徴的な動きをすることがわかってきました。中でも顕著だったのは、粒径の細かいチップ(樹皮をチップにしたものやおが屑)が一定の割合以上に投入されると燃焼が維持できないということでした。
 そのため、三重エネウッド株式会社の発電所には向かないチップをどう有効活用していくべきなのか?ということを考えるようになりました。使用しないという判断は簡単ですが、使用されなくなった木質チップは、これまでと同様にゴミとして扱われるのは非常にもったいないと感じていたからです。
 その時、使用できないのであれば使用できる仕様設計の発電所を建設すれば良いと、当社の北角CEOと西川COOが言ったことが鮮明に記憶に残っております。
 そうして、上記のような処理困難材や低品質な木材を燃料して扱う「バイオマスパワーテクノロジーズ松阪木質バイオマス発電所」計画がスタートしました。

 私はバイオマスパワーテクノロジーズ株式会社(BPT)の最高技術責任者 兼 発電所長として再びプラント詳細設計等の業務を行うことになりました。運転員時代にはメーカーとの協議結果を上長に報告し承認をもらうことが仕事でしたが、BPTでは私自身が決定・承認を行い経営層からの承認を得ることが仕事となり仕事に対しての責任感が出てきました。その分、自分自身の裁量でできることも増え仕事に対してのやりがいが一段と上がっていきました。

 多くの方々の協力もあり、2018年1月に無事、BPT発電所の商業運転を迎えることができました。運転開始後は発電所長として発電所をいかに安定運転させることができるかに注力してきました。ここで管理者としての難しさを感じたのは、「指示をすることの難しさ」「いかに風通しの良い職場環境を作ることができるか」ということでした。
 発電所での運転は燃料が毎日異なることから臨機応変な対応が求められることもあります。私自身が24時間発電所にいれば、その時々に応じた指示を行うことができますが、管理者になることで対外的な対応も増加し、私がいなくても発電所が問題なく運転できる仕組みがあると感じていました。そのような中で経験の浅いメンバーに対しどのようにすれば、わかりやすく仕事をしてもらえるのかということを考え発電所支援システムである「BMecomo」を導入し、遠隔監視を行える環境を構築し、私が現場にいなくても同じ監視画面を見ながら適切な指示を行えるような体制を整えました。
 また、安定運転に大事なのは運転員同士のコミュニケーションです。当直の運転員同士が密にコミュニケーションを取ることで些細な異変にも早急に気づくことができるからです。そのような環境を作るために今現在、試行錯誤を繰り返しています。

 <バイオマスパワーテクノロジーズ株式会社概要>
  ボイラー型式:株式会社タクマ製 ニューマチックスプレッダ式逆走トラベリングストーカーボイラー(空冷)
  発電出力:1,990kw
  ホームページ:地方創生エネルギー事業の推進 | バイオマスパワーテクノロジーズ (bpt.co.jp)

 
このような経験を踏まえ私はBPTの役員、新規事業の職務執行者になっていくことになるのですが
次回【未経験から役員へ:発電所運営の挑戦と成長 #2/2】では、そのあたりのことを記載していきたいと思います。


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