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※2019年の記事のため、一部古い情報が含まれております※ 【代表インタビュー】「カスタマーサクセス=起業家」RevComm社が考えるCSについて話を聞いてきました。

初回は弊社代表取締役の会田にインタビューです。昨今注目を集めるカスタマーサクセスという職種について、会田が考えるカスタマーサクセスの重要性、RevComm社におけるカスタマーサクセスの役割と言う視点でお話を聞いていきます。

サブスクリプションモデルは環境変化に強いモデル

-グローバル規模でSaaSがビジネスモデルのトレンドになっているかと思います。御社でもSaaSモデルで事業展開をしていますが、なぜトレンドになっているのでしょうか?

SaaSに限らず、○○ as a Serviceをサブスクリプション型(定期・定額購入型)で消費するという、「新しい消費スタイル」が主流になりつつあり、消費のパラダイムシフトが起きつつあると考えています。この消費パラダイムの変化は、サブスクリプション型の消費スタイルが売り手側・買い手側双方にとってメリットがあるからだと思います。

 昨今のテクノロジーは指数関数的に進化しており、それに伴い世界中で社会、産業、ライフスタイルの変革が起きています。例えば、決済手段一つとっても、数年前までは法定通貨によるアナログ決済がマジョリティーを占めていましたが、最近はQRコードや非接触ICを活用したキャッシュレスなデジタル決済が当たり前になってますよね。このように変化が早い時代では、売り手側も買い手側も「所有することのリスク」が相対的に大きくなります。買い手側は新しいサービスやプロダクトが出たら可能な限り買い換えたいと思うでしょうし、売り手側は初期に大きなコストを掛けてその時代に即したプロダクトを売り切って顧客との関係を断つよりも、継続的に顧客のフィードバックを受けて小さな改善を積み重ねながら常に顧客ニーズに即したサービス・プロダクトを提供する方がリスクが小さくなります。即ち、売り切り型モデルよりも相対期に少額で定期・定額で売買することに因って売る側・買う側共に環境変化に直ぐに対応出来るようになるわけです。この点が売り手側・買い手側双方のニーズを満たしているわけです。従って、サブスクリプション型の消費スタイル・ビジネスモデルがトレンドになっているのです。

 少し話はそれますが、売り手側の観点からすると、例えサブスクリプション型でサービス・プロダクトを提供していたとしても、「常に顧客に寄り添ってサービス・プロダクトを育てていく」という視点が無いと生き残っていけません。従って、サブスクリプション型のビジネスモデルではカスマターサクセスがとても重要になる為、サブスク型モデルの勃興と共にカスタマーサクセスの重要性も増しています。

-すでに多くの導入実績をお持ちだと伺っていますが、御社サービスの伸び率や、御社が考える今後の市場動向をお伺いさせてください。

2018年10月中旬に、人工知能で電話営業・顧客対応を可視化する「MiiTel」をリリースしてから5カ月で約1,000ユーザーの方にご愛用頂いてます。

 我々が目下メインターゲットとしている市場は「インサイドセールス市場」ですが、インサイドセールスをやっていないお客様にもご導入いただいており、もう少し広く市場を捉えると電話営業・顧客対応関連市場に位置するプロダクトです。電話営業・顧客対応関連市場の市場規模は日本国内で約3.3兆円と言われており、国内だけでも充分に大きなマーケットです。他方、インサイドセールス市場の市場規模は約500億円程度で、比較的小規模ですがCAGR(年平均成長率)15%程で伸びている急成長市場です。ここ数年で、インサイドセールスは各所で注目を集める様になっており、例えばインサイドセールスセミナーを開催すると広告費ゼロでも1回当たり60~100社程度にご参加頂けます。昨年11月にビズリーチさんと開催したインサイドセールスカンファレンスでは約1,700名からの参加応募がありました。また、日経新聞などのマスメディアでもインサイドセールスについて取り上げられる機会が多くなっています。どのメディアでも切り口は共通しており「営業生産性向上」がインサイドセールスのポイントになっています。これは良い兆候で、「生産性向上」「働き方改革」というマクロの潮流に即しているので、今後もインサイドセールス市場は加速度的に成長していくものと思います。こうした成長市場はトレンドの入れ替わりも激しくなるので、我々としてはお客様のニーズを迅速かつ正確に把握し、アジャイルにプロダクト開発していくことで、イノベーティブだけど地に足の着いたサービスを提供し確固たる地位を確立していきたいと考えています。

 因みに、今後の展望としては、Vertical・Horizontal・Parallel・Geographical夫々のレイヤーで経営戦略・戦術を描いていますが、話すと長くなるので今回は割愛します。すこしだけ話しておくと、Verticalには「人間を電話営業から解放すること」、Horizontalには「経営判断AIを創出すること」、Parallelには「SaaSからPaaSに展開すること」、Geographicalには「グローバル市場、特に東南アジアへの展開を可及的速やかにすること」を考えています。いずれにせよ、中長期の考えにあまり固執せずに、お客様の役に立つサービスを提供してお客様に寄り添いながら、どこにどのようなチャンスがあるのか、アンメットニーズがあるのか、を探りながら経営戦略にアジャイルに反映させていきたいと考えています。

顧客の成功に伴走するカスタマーサクセスがビジネスの根幹

-御社の展望を現実のものにするためのポイント、延いてはサブスクリプション型のビジネスモデルを成功させるポイントはどこにあるとお考えですか?

サブスクリプションビジネスの最大の特徴は売ったら終わりではなく、導入していただいて初めて顧客との関係が始まるところにあるわけで、この顧客との関係をいかに長く、太く出来るかがポイントであると思っています。だからこそ、カスタマーサクセスが非常に重要な役割を担っているわけです。BtoBサービスに於ける「お客様の成功」とは、お客様がサービスを導入した結果として自社のP/LのP(利益)が上がること、L(コスト)が下がること、だと考えています。この「お客様の成功」に如何にコミットしていくかがBtoB SaaS成功の鍵だと思っています。そして、「お客様の成功」にコミットするのがカスタマーサクセスです。顧客とのリレーションを構築していく中で、顧客が何を求めているのか、サービス導入の結果として顧客のPLはどうなったのか、つぶさに把握する必要があります。カスタマーサクセスが取得した情報を元にプロダクト開発する必要があるし、マーケ・営業戦略も見直し続ける必要があります。これを怠ると、直ぐに「お客様の成功」にコミットできなくなり、市場から見放されてしまいます。だからこそサブスクリプションビジネスが上手くいくのもダメになるのもカスタマーサクセス次第だと考えています。

多岐に渡る役割とスキルだけでなく、経営者マインドを持つ方であって欲しい

-これからのカスタマーサクセスに求められるものはどんなものでしょうか?また御社におけるカスタマーサクセスとはどんなポジションでしょうか?

カスタマーサクセスの役割は多岐に渡りますが、大きく3つに分けられると思います。①オンボーディングとカスタマーサポート、②アップセルとクロスセル、そして③コミュニティ化です。、「CS=カスタマーサポートでしょ」と良く言われますが、カスタマーサポートはカスタマーサクセスの1つのファンクションにしかすぎません。

 1点目のオンボーディングとカスタマーサポートは、如何に労働集約性を排除し仕組み化するかがポイントになってきます。

 2点目のアップセルとクロスセルは、お客様の潜在ニーズを引き出し、それに対して我々はどの様に貢献(お客様のP/Lに貢献)できるかを提案する高いコミュニケーション能力が求められます。

 3点目のコミュニティ化は、MiiTelを活用して成功したパターンをお客様同士で共有していく「シェアリングコミュニティ」を作る巻き込み力=リーダーシップが必要不可欠です。お客様同士が有機的に繋がり、共鳴しあい、成長し合うようなコミュニティーの創出が必要であり、MiiTelを使うと、その利便性だけでなく、お客様同士の繋がりによって、更にビジネスが成長していく、そのような機会を得られる仕組み作りをしていただきたいと思っています。

 これらの役割を担うためのスキルとしては、①お客様のインサイトを引き出すことができる傾聴力、②ヒアリング内容を実際にプロダクトに反映させる為の短期・中期・長期的な戦略的思考力、③プロダクトとして実現するためにエンジニアに分かりやすく伝え、形あるものにしていくリーダーシップ、の3つが必要だと考えています。この3つのスキルって起業家に求められるスキルに近いと思います。将来起業したいとか、経営者になりたいという想いを持っている人にとっては最適なポジションだと思っています。

 MiiTelはこれまでも、そして今後もプロダクトアウトではなくマーケットインの発想での開発し続けることが重要です。つまりあくまで顧客のニーズ起点で、それをどうサービスとして実現していくかにかかっています。その意味で、カスタマーサクセスは事業を創っていく経営者であると言っても過言ではなく、その自覚を持っていただける方が弊社のカスタマーサクセスに適任だと考えています。「自分はこの会社をどうしていくのか、ひいては社会をどうしていくのか」といったビジョンを持って取り組んでいただく方と一緒に世の中の仕組み創りをしていきたいと思っています。

-どんな方と一緒に仕事をしたいですか?

スキルセットで言えばこれまでお伝えした通りですが、マインドセットでいうと「HAPPY」な人と一緒に仕事をしたいと思っています。「HAPPY」とはRevCommのコーポレートバリューのことを指しています。

こういった価値観を持った人たちの集まりでRevCommのフィロソフィである「コミュニケーションのあり方を再定義し、新たなコミュニケーションの形を世界中の人々に提案し、社会に変革をもたらす」を実現したいと思っています。

 少し話は逸れますが、VALUEに関して、今凄くいいなと思っているのが、みんながみんな各々の定義で「HAPPY」を語りはじめていることですね。シード期はいわゆるハード・シングスのようなものもやはりあります。そんな時に僕が少し厳しい表現をしてしまうようなこともあったりするのですが、周りのメンバーから「会田さん、それってHAPPYじゃないですよね」みたいな話が出て、自分がハッとして我に返る瞬間があったり。「HAPPY」が共通言語になっているのがとても良いと思いますし、「みんなで文化を作っていこうという文化」があるのは凄く良いことだと思っています。

 あとはダイバーシティも担保したいと思っています。現在は10名の仲間がいますが、男女比率で言うと半々、年齢は20代から40代まで、海外経験があるメンバーも多いし、4名は起業経験者だったりします。大手企業の経験者も多く、IT・金融・商社・コンサル・スタートアップ出身と、みんなバッググラウンドはバラバラです。そんなメンバーが共通文化を創っていこうとしています。よく「異質だけど同質」という言葉を使うのですが、いろんなバックグラウンドがあり異質な人たちが、共通の「HAPPY」を軸にフィロソフィの達成のために仕事をしている、そんなチームに共感していただける方だと嬉しいです。

 その意味で、どういう人と働きたいかが明確な人、自分がどういう人かが明確になっている方だとフィットするのだと思っています。そして根底は、愛がある方、周りへのリスペクトがある人かなと思ってます。

 やはり仕事をしていてキツいタイミングもありますし、そんな時はお互いを頼り合って乗り越えていきたいなと思います。時に厳しいフィードバックをしたとしても、愛なき厳しい言葉って暴力でしかないと思います。ちゃんと相手の成長を思っての言葉か、共通の目標に向かっているからこそのフィードバックだなと思えるか、そういう信頼関係が築ける愛を持ってるかは、一緒に働く上で凄く大事な要素だなと思っています。

 そんな「HAPPY」で、愛ある人と一緒に働いていきたいなと思ってます。

 市場状況の変化から昨今注目を集めるカスタマーサクセスという職種に関してと、RevCommにおけるカスタマーサクセスのお話を聞いてきました。カスタマーサクセスが重要という話は近年よく耳にするようになりましたが、「カスタマーサクセス=起業家」とまで考えている方はそんなにいないのではないかと思います。カスタマーサクセスという仕事で自身のキャリアアップを考えている方は、まずは一度お話をさせてください。

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