Lightning Talk_HR tech ベンチャーで｢デザイン組織」を立ち上げた話
 | フェーズ・スコープ・組織

Kimです。
＊この記事は2021年11月26日社内で行ったライトニングトークのスライドを元に作成しています。

最近、会社内でデザインの組織の立ち上げを行いました。

• なぜデザイン組織を作ったのか
• その中でどんな学びがあったのか

について話をしてみたいと思います。

なぜわざわざデザイン組織を立ち上げたのか

「なぜデザイン組織を立ち上げたのか？」

この問いへの答えは2つあります。

デザインの得意・不得意な点とドメイン

まず、私はデザインには得意 / 不得意な領域・フェーズがあると思っています。
概念の発生サイクルを以下のようにざっくり分けたとき、

1. 新しい概念が生まれたばかりのフェーズ
2. その概念がうっすら浸透してきたフェーズ
3. その概念が当たり前になったフェーズ

新しい概念が生まれたばかりのフェーズはやや得意🙂
→既存の考え方や、行動パターンとのすり合わせ、連携はデザインの考えが得意とするところ

その概念がうっすら浸透してきたフェーズは不得意😵
→「技術」や「マーケティング」、「数の論理」などがより価値を発揮しやすいフェーズ

その概念が当たり前になったフェーズは大得意😆
→精度や当たり前のもの同士でディテールの差が追求可能。ここはデザインが非常に得意とし価値を発揮しやすい

HR Tech / 採用プラットフォームは、2021年現在当たり前になりつつあり、よってデザインが価値を発揮しやすいドメインと言えると思います。
そんな中で、企業としてデザインの力を最大限発揮できる土壌を作ることで、プラットフォームの価値を最大化できるようにすることが、私の仕事だと思いました。
これがまず1つ。

リソースマネジメントの失敗と緩やかな死の予感

まず、前提として「デザイン」がもたらしてくれるものとは、社内と社外で分けて考えた時、

• 社内：「利用可能な機能」
• 社外：「サービス・企業の価値」

であると考えています。

創業してしばらくした頃から、この「機能効率と効果」、「価値」を最大化したい！と思っていた中でとある出来事が起こりました。それこそが、「デザイン組織作ろう」と思ったきっかけでもあります。

その出来事とは平たくいうと、「社内デザインの品質低下」でした。

前提として会社の中では「デザイン」は「利用可能な機能」と言いました。利用可能な機能なので、各部門からリクエストが来たら必要なデザインアウトプットを返す処理が走ります。

ところが、これはデザイン内製企業あるあるだと思いますが、サービスのグロース、企業の成長と併せてデザイナーのリソースに対し

• 多数
• 短納期
• あらゆるレポートラインでの

リクエストが、日に日に溜まって行きました。
そうこうしているうちに、処理可能な分水嶺を突破。
本来プロダクトに割くべきリソースが取れなくなり、またリクエストに対するデザインの品質管理も難しくなり、結果、社内デザインの品質が低下しました。

このままいくとプロダクト＝商材のデザインの品質に影響が出る...それだけは避けなければなりません。

それができなければ、サービスとしても、会社としても死に至るな、、と思いました。

そこで、行なったのが社内向けのルール整備

1. レポートラインの徹底＝他部門からのリクエストは全てCDOに集約
2. リクエストのフォーマットとルールを作成 = 全てSlack上からフォーマットに従う（納期込み）
3. CDO権限で納期含め無理なものは却下可能にする

結果本当に必要なものだけリクエストが来るようになり、品質も元の水準に回復。
差し込みが減り、プロダクトへのフォーカスもできるようになりました。

ここから学んだことは、「メンバーの理解と認識を認識を得た上で、デザインのルールと仕組みを整える」のは会社にとってもメンバーにとっても、非常に価値が高いということ。

ということで本格的に組織づくりに着手したのでした。

Another worksのデザイン組織

Another worksのデザイン組織を立ち上げるにあたり、
何を目的に私たちはデザインをするのか、それを言葉にして残すことから始めました。
ミッションステートメントの制定です。

Another worksにとって、プロダクトが王であり、よってプロダクト向け、社向けの2つのミッションを制定しました。

For Product
Essential Design
-> 「なくてはならない」をデザインする

For Company
Connect the World
-> Another worksとその外、2つの世界をデザインで結び、適切な情報と価値を流通させる

名前とロゴ

次にデザイングループに呼び名をつけ、ロゴも作成しました。
Another worksとその外を結ぶ、ドアのような存在。
DesignDoorと言います。よろしくお願いします。

Another worksとその外を結ぶ接点＝ドアは一つではなく、それぞれ色々な形をしていると考えています。そこから、タイプフェイスと連動したアイコン、カラーを用意し、不定型のロゴとして完成を見ました。このどれもがDesignDoorのロゴになります。

組織構造

また元々事業部配下にあったグループをさらに3つのユニットに分割し、メンバーをレイアウトしていきました。

その他にも、デザイナー向け評価制度や会議体の整備もし直し、今日に至っています。
まだまだ立ち上げたばかりですが、なんとか形にして前に進むことができています。

今後の課題

図にあるように、デザイナー、特にデザイン責任者は、会社全体から1pxのディテールを詰めるところまで、各セクションを一気通貫で見る必要があります。

次の課題として、現在のAnother worksが、セクション毎にどのような割合で対応を行えているか。
不足しているセクションに、如何に相応の人材を配置できるか。
グループ全体での構造最適化を目指しています。

最後に

改めて、共にデザインと向き合い、最高のプロダクトとチームを作っていける仲間を探しています。
デザイン組織づくりに興味のある方、UI/UXで大きなインパクトを作りたい方。ぜひ一度お話ししましょう！