「他人を支えるために自分が成すべきことをする精神は素晴らしい。だけど率直に言って誰だって自分が一番かわいい。自分さえ助かれば良いと思う人が大多数ではないか?」
今日1月17日は、ちょうど阪神・淡路大震災から28年経過した日です。
28年という年月が経過し、今後風化させないためにも、毎年真剣に防災に向き合う日の一つが今日であると明言していいでしょう。
そんな重要な日だからこそ、Frichは、「80%の確率で自分を助けるセーフティネット」を目指していることを、改めて紹介します。
自分が一番かわいいと考えるのは当然です。
しかし我々は、自分を第一優先に考えることと他人を支えることは必ずしも相反する価値観ではないと考えています。むしろ自分や自分の家族を最優先にすることが、実は「コミュニティづくり」に繋がっているのだと考えています。
ここに阪神・淡路大震災の記録があります(平成15年版 防災白書)。
要救助者(がれきの下に生き埋めにされた方)の80%が、隣近所・友人によって救出されました。一方、自衛隊や消防が救出できたのは20%の方だけでした。
これは自衛隊や消防が無力だと言いたいのではなく、広域で発生した災害においては、現実問題として「自分が最優先にならない可能性」が十分ありえるということです。
日々のコミュニティ活動が活発だった淡路島の北淡町では、地元消防団が高齢者救出に大活躍し、町内から行方不明者は一人も出なかったそうです。大都市圏でマンション暮らしをしていると「地元消防団ってなに?」という人がほとんどかもしれませんが、こうして考えると、日頃から自分のまわりになるべく顔の見える小さなグループ(コミュニティ)を持って活動しておくことが、実は一番安全なことだと言えるのではないでしょうか。
写真提供:(一財)消防防災科学センター「災害写真データベース」