こんにちは!ドクターメイト株式会社の足立です!
ドクターメイトは、いつでも介護関係者のそばに医療がある安心をお届けするため、日中医療相談の他、夜間のオンコール代行サービスを提供している会社です。
今回は、創業メンバー座談会の続編として、チーム立ち上げ期のメンバーに集まってもらいました。PMFまでかなりの苦労があったという開拓期のあれやこれやを、この機会にガッツリ聞いてみたいと思います!
登場メンバー
写真左から
・宮崎さん(取締役 COO)
・青柳さん(代表取締役社長 / 医師)
・根廻さん(医療グループオーナー / 看護師)
・菅沼さん(カスタマーサクセス / 介護福祉士)
なんとか……なる!?ジョイン直後のキャッシュアウト事件
続編ではメンバー交代ということで、自己紹介をお願いします!
根廻:根廻(ねまわり)です。医療グループのオーナーとして、オンコールナースの採用や研修教育を行っています。看護師座談会の記事で、詳しい自己紹介や現在のお仕事について話しているので、合わせて見ていただけると嬉しいです。
菅沼:菅沼です。新卒で、介護付き有料老人ホームの運営会社に入社して、介護福祉士の資格を取りました。現在はカスタマーサクセスとしてサービスの導入と利用促進を行っております。
宮崎:宮崎です。新卒から営業や人事として3社(不動産→HR→観光レジャー)経験してきました。現在はCOOとして、事業全体の管掌をしています。
根廻さん&菅沼さんジョイン当時のエピソードを教えてください
青柳:最初は根廻さんですね。
根廻:そうですね。学生だった当時、青柳さんが医療者が集まる勉強会で講演をしてくださって、すごく興味が湧いたので「インターンとかやっていますか?」と聞きに行ったんです。
青柳:「やっているよ!おいでおいで!」と大歓迎したんだけど、本当は前例も予定もなかったんです(笑)。急いで川﨑先生に「インターン用の契約書を作ってください!」とお願いしました。
宮崎:「ねまわし」さんが来るよ、ってみんなに伝えてたんでしょ?
青柳:そう……名前間違えてしまっててごめんね……。(数年越しの謝罪)
根廻:大丈夫ですよ(笑)。実際のインターンでは、みなさんと一緒にテレアポから始めました。「医療系の会社だけれど、俺たちは営業にこだわるんだ!」と熱く教えてもらったのが懐かしいなあ。
青柳:アポイントを一番多く獲得できていたのは根廻さんだったんですよ。その時点でこの子はすごいぞと思いました。ひたすら「天才!」と持て囃していましたね。そしてほぼ同時期に、菅沼さんが現れた。
菅沼:介護福祉士として働いていた時に青柳さんに出会って「こんなに現場のことを考えてくれるお医者さんがいるんだ!」と感動したのを覚えています。
医療費を適正化して未来(=教育)に投資する。日本の介護を良くすれば、日本に続いて高齢化の進む世界の介護を良くすることに繋がる。そんな壮大なビジョンに共感しましたし、自分自身向き合いたいと思っていた2025年問題(※)への正しいアプローチだと思ったので、入社を決意しました。
※2025年問題……2025年は「団塊の世代」と呼ばれる800万人全員が75歳以上の後期高齢者となる年。そうした超高齢化社会の訪れによって生じるさまざまな課題のこと
宮崎:リョーマくん(菅沼さんの普段の呼称)は仕事を辞めてきたんでしょ? ふたりとも、極小ベンチャーへのジョインは怖くなかったの?
菅沼:なかったですね。なんとかなるさ〜と思ってました!(笑)
(写真:根廻さん、菅沼さん、宮崎さんジョイン後の合宿にて)
青柳:でも、ふたりが入って1,2ヶ月くらい経ったある日に事件が起きて……。
ほぼ決まっていた融資が、担当者変更により下りないかもしれないという話になって、キャッシュアウト目前になってしまったんです。
根廻:出張、いっぱい行ってましたしね……(笑)。
※ 前編参照。創業期は20万円の利益のために、交通費を30万円かけてしまっていた
菅沼:まさに出張の帰り道、バスの中で青柳さんがめちゃくちゃ暗い顔をしていて「どうしたんですか?」と聞いたのを覚えてます。説明してもらったけれど、自分にできることは売上を立てることしかないから歯痒かったですね。
青柳:担当者とやりとりをしている間にもお金はどんどん減っていくし、これはやばい!ということで、泣く泣く投資家の方にご相談をしました。そうしたら「どれくらい足りないの?個人的に貸すよ」と言ってくださって、救われた……。
菅沼:それまでは「投資家の方ってビジネスの相手なんだろうな」というイメージがあったんですが、初めて出資者会議に出たときにそのイメージが覆されました。「この人たちは、本当に味方で、一蓮托生なんだ」と感じた瞬間でしたね。
宮崎:その当時から支えてくれているってすごいなあ。
暗闇の海を照らし出す灯台、現る
宮崎さんのジョインはその後でしょうか
青柳:そうです。先ほどお話しした通り、営業に力を入れるぞ!と意気込んでテレアポをしていたんですが、当時は全く営業管理ができていなかったんです。
菅沼:時間があったらとにかく電話をする!という感じで、ゴール設定もなく……。「アポ取れました!」「行ってきました!だめでした!」みたいな状態の連続でした。
根廻:一番経験豊富な永妻さんが用意してくれたトークスクリプトはあって、フィードバックももらっていたんですが……。あまり成果は出なくて。
宮崎:初めてオフィスに来た時にリョーマ君が電話してたから「すごいですね、あとどのくらい電話するんですか?」と聞いたら「時間ある限り、かけ続けます!」って言われて、無計画さにドン引きしました(笑)。
でも、この会社を手伝おうと決めた理由はまさに「笑顔で一日中、電話をかけていたから」なんですよね。専門職の人たちがこんなに明るく自信を持ってやっているのなら、やり方の整理さえできたらうまくいくと確信したことを覚えています。
菅沼:いちばん最初に「営業とは何か」から教えてもらったんですよ。「へー!すごい勉強になる」と思うと同時に「ああ、どおりでうまくいかないわけだ」というのも分かりました。
営業に詳しい人がいない中で、ただがむしゃらに頑張っていただけのところに宮崎さんが来てくれて、すごく嬉しかったです。真っ暗な海を泳いでたけど、宮崎さんという灯台が見つかって「こっちに行けばいいんだ!こうすれば売れるんだ!」って思えた(笑)。
宮崎:ただすぐには成果が出なくて厳しかったですね。自信を持って入ったのに、受注は月1,2件とかで……。
菅沼:宮崎さんからしたらそうかもしれないけど、宮崎さんジョイン前後で比べたら、明かに受注が増えたので「やっぱさすがだな!」って思いましたよ。
青柳:あの時のマインドで良かったのは、悲観的に捉えなかったことだよね。「良い方向に向かっているはずだ」と思っていたし、行き詰まり感もなかった!
宮崎:いや、客観的に見たら行き詰まってましたから(笑)。
根廻:その明るさが、ドクターメイトらしさなのかもしれないですね(笑)。
9回ピボット!?迷走に終止符を打った「夜間オンコール」
青柳:うまくいかない時にも「あーだめだ」じゃなくて「じゃあどうする?」って考えてこられたのが良かったと思うんだよ。
毎月の投資家向け会議でも「これをやってみたけど、だめでした!今月はこれをやってみます!」みたいな話ばっかりしていたけど「方向性は間違っていないからなんとかなるはず」と思っていたし、前向きだった。
宮崎:この会社のすごいところはそこですよね。厳しい状況でもニコニコしてる。みんな「良い会社ですよね!」「これからですよ!」「次はこういうアプローチをしてみよう!」って本気で楽しそうに言ってますし。
根廻:「日本を治療し、世界を予防する」という当時のミッションへの共感で、心がひとつになっていたのかもしれないです。数字を見てなかったから、あまりリアルに危機感を感じていなかった、というのもありますけどね(笑)。
宮崎:とはいえ、その時の迷走ぶりは……今思い返しても、二度と戻りたくない(笑)。当時提供していた日中医療相談で「提供範囲を変える」「価格を大幅に変える」「対象顧客を変える」「研修をセットで売ってみる」などなど、気づけば数か月で9回も方針を変えるという珍事……。
青柳:毎回自信はあったつもり(泣)。でも結果が出ない。焦ってすぐ変える。それを繰り返していくと感覚もマヒしてきて……「よし、また失敗だ!次!」という感覚だったね。
菅沼:当時はとにかく必死でしたね。どうすれば受け入れてもらえるか必死に考えていました。今思えば現場からヒントになる要素はもらえていた気がします。
宮崎:第2期が終わる2019年11月末も考えてばかりいて、気が付いたら期が終わっていたという(笑)。このままではいけない!という焦りと心配で、よくわからない状態になっていました。
夜間オンコールの事業内容が定まったのはその頃ですか?
宮崎:そう!2019年末に、青柳さんが「夜間オンコール代行をやろうと思う」って言い出しましたよね。
青柳:構想は10月くらいからあったんだ。施設からのニーズがあることも確認したし、インキュベートキャンプっていう起業家の集まりで先に発表したりとかもしてて。
根廻:そうだったんですか!?
青柳:うん、実は(笑)。いろいろ自分の中でリサーチした上で「これはいける!」と思ったから言ったんだけど、みんな驚いてたよね。
菅沼:事前にニーズの話は聞いていたけど、本気で動くとは想像していませんでした。でも、テストマーケとしてFAXを送ったら、すごく問い合わせが来て!通知が止まらなかったので、その反響の方がもっと驚きました。
青柳:とにかく現場に行って、顧客の声をじっくり聴いてきたのが成功の秘訣だったなと思いますね。「現場にとって価値のあるものを提供したい」という強い思いがあったから、辿り着けたと思います。
(写真:オンコール代行サービス開始に伴い、社内フリー素材になった根廻さん)
青柳:それで手応えを得たので営業を頑張っていた矢先に、コロナが流行り始めて。今までみたいに出張しながら地方の施設とお話しするのが難しくなったんですよ。
宮崎:青柳さんは顔を見ることが大事だって言っていたけど、ニーズは間違いなくあるから「オンライン商談に切り替えましょう」と提案しました。それで交通費を気にすることなく、全国商談できるようになりましたね(笑)。
顧客に誠実だからこそ、専門家もビジネスマンも集まる組織
青柳:その後はVC(※)からも次々とお声がかかるようになって。
※VC……ベンチャーキャピタルの略。高い成長率が見込まれる未上場企業に対し、主に出資の形で投資を行う組織
宮崎:「介護×医療」っていうユニークなポジショニングはもちろんだけど、医師、看護師、介護福祉士、弁護士っていう専門家たちが集まっている会社なんてレアですもん。
根廻:全然意識したことなかった!目指している世界が素敵だなと思って集まっているだけだったけど、珍しいんですね。
青柳:少子高齢化や介護離職はもはや当たり前と言えるほど常態化してしまっているけれど、なんとかすべき大きな課題なんだよね。介護の課題を解決できれば、国の財源の圧迫も解消できて、より良い未来を作っていける。
それを第一声上げて解決しようとする人が今までいなかっただけ。だから、僕が立ち上がったとき、共感してくれる専門家たちがたくさん集まってくれたんだよね。
宮崎:しかも、規模が大きくなってもビジネスサイドばかり増えることもなく、良いバランスで成長してきているのも特徴だと思うんですよね。
菅沼:確かに、セールスではとっきーが介護を経験しているし、CSだとおかもっちゃんをはじめとして看護師出身の人も多いですね。
根廻:だからこそ、現場の声をしっかり咀嚼できるし、代弁できる強みがありますよね。ドクターメイトのバリューである「WIN WIN WIN」を目指して、ディスカッションすることも多いです。
たとえば菅沼さんは介護職員さんにとってのWINを、私は働くナースにとってのWINを提供したいという視点で「ここを譲るとこちらがWINにならないよね」と話しながら、みんなが幸せになれる方法やバランスを模索しています。
菅沼:お互いの背景や立場を踏まえつつ、どちらかが一方的に妥協することなく「いちばんいい到達点はどこなのかな?」を模索しています。お客様から見ても「しっかりこちらの立場や意見を踏まえて考えてくれたんだと感じる」とお話しいただくことが多いです。
青柳:そういう誠実さはドクターメイトのカルチャーでもあるし、気持ちのいい対応を続けることが信頼に繋がるよね。やればやるだけ、応援してくれる人が増えているのも本当に嬉しいことです。
宮崎:だからこそ、俺や永さんみたいなビジネス畑の人間も「いいな」って思ったんだなぁと。話は少し戻るけど、当初VCから出資の話が来た時は断ってましたよね?
青柳:うん。お声はかかったんだけど、その当時は調達したくなかった。やるのであれば数千万ではなく、アーリーステージを飛ばして億の調達ができる規模になってから!と決めていたんです。
宮崎:20万円の受注のために30万円の交通費を使ってたって聞いた時は目眩がしたけど……。そんな戦略を立てられるまでに成長して、良かったです(笑)!
青柳:医師だからこそ、経営に関しては人の数倍の勉強をしたよ。メンバーの頑張りに負けないように、これからも経営陣が先陣切って成長する企業でありたいと思います!
関連記事
【オンコール代行とは?】ドクターメイトは日本屈指の「高齢者に特化したトリアージのプロ集団」である…かもしれない
【看護師座談会】臨床経験を活かして、企業で働く。1対Nから広がる価値で貢献できる魅力
(2020年当時の記事)業績達成を祝し、社員旅行に行ってきました!
ドクターメイトについてもっと詳しく!
▶︎サービスページ