――ライフデザインの児童部門で専門職のリーダーを務める理学療法士・山田光咲さん。児童デイサービスまはろの強みでもある理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のまとめ役として専門的視点から療育に携わる山田さんに、まはろでの取り組みを尋ねた。
ダイビングが好きで沖縄移住!
――山田さんは専門職のリーダーをされているそうですね。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のまとめ役として、月1回程度ある専門職会議の運営やいろいろな課題・訓練で必要な備品の手配など、専門職スタッフが働きやすくなるように取り組んでいます。
――山田さん自身は理学療法士ですが、どうして理学療法士を目指したんですか?
小さい頃に理学療法を受けたことがあって、そのときから漠然とした憧れがありました。大きくなってどんな仕事がしたいかなと考えたときに「困っている人に対して何かできる仕事がしたいな」と思うようになりました。身体を動かすのが好きなので体育の教師や警察官などいろいろ考えましたが、最終的に1対1で関われる理学療法士を目指そうと決めました。
――ライフデザイン入社前は総合病院に勤務されていたそうですね。
愛知県の病院で成人~高齢者のリハビリをしていました。
――どうして沖縄へ?
沖縄が好きだからです!ダイビングが好きでライセンスも持っているんですが、沖縄で趣味のダイビングがしたくて移住しようと決めました。
――移住ありきでの転職だったんですね。
はい、移住前にまず転職先を探しました。総合病院で担当していなかった小児分野を担当できて、仕事とプライベートを両立できる職場を探しました。休みがしっかりとれて、有休もとりやすくて、福利厚生も充実したところが条件で、その条件にあてはまったのがまはろでした。
――実際に入社してみてその希望は叶いましたか?
休みはしっかりとれます。こちらに来てすぐの頃は沖縄に移住したことが嬉しくて、しょっちゅうダイビングに行っていました(笑)今は休みの日はのんびりしたり、やりたいことがたくさんあるので趣味の時間にしたりしています。
理学療法士の視点で児童の身体機能向上にアプローチ
――まはろでは理学療法士の訓練が必要な児童は多いですか?
理学療法は運動機能の改善のために行うものですが、まはろの児童は動ける子が多いので個別の需要はあまりありません。ただ、全体としては運動が苦手だったり転びやすかったりする児童は多いので、療育プログラムの中でそこにアプローチしています。
――具体的にはどんなことをされているのですか?
私は月1回「マッスルトレーニング」という課題をやっています。体幹に対する運動だったり、感覚に刺激を与える運動をしています。まはろではスポーツカリキュラムにも力を入れているのですが、スポーツカリキュラムの中でも理学療法士の視点からプログラムを組んだりしています。
――プログラムそのものに理学療法士の知見を活かしているわけですね。
課題以外の時間でも、常に身体に力が入りっぱなしの児童が結構いるんですが、自由遊びの中で軽くマッサージをしたり座る姿勢を見たりといったこともしています。
――病院勤務と比べてどんなところが違いますか?
病院の場合は運動機能のゴールが明確で、アプローチも組み立てやすいです。その点、まはろの児童は足が悪いとかケガをしているというわけじゃないので、ピンポイントに問題点をあぶり出すのが難しいと感じます。なので、保護者から「ずっと座っているのが難しい」「身体をくねくねさせている」といった話を聞いて、必要なアプローチをしています。
モチベーションが上がるしくみがどんどんできている!
――職場としてのまはろは働きやすいですか?
環境も人間関係もよくて、とても働きやすいです。所属事業所は10名ほどなのでどんなことでも話しやすくて、情報共有もしやすいです。アットホームで明るい性格の人が多いのでにぎやかにやっています!
――山田さんが入社されてから3年のあいだに、ライフデザインは「福祉のスタンダードを変革する」というビジョンを掲げました。
保護者、児童などすべての人に寄り添うといったところはビジョンを掲げる前から変わらず、今もできているところだと思います。福祉としての根幹は変わらない一方で、スタッフのモチベーションが上がるようなしくみがどんどんできていますね。お給料や休暇の面が明確になって、スタッフそれぞれのモチベーションが上がっていると感じます。
――専門職の方から見ると福祉は待遇が悪いとも言われますが?
一般的には、病院に比べるといい方ではないと思います。ただ、ライフデザインは思った以上によくて驚いています。私は給料とか気にせずに入社したんですが、正直、こんなにいただけるんだ!って感じです(笑)
専門職が協力して全面的にアプローチしたい
――これからやりたいことはありますか?
児童デイサービスまはろ・児童発達支援あろはKidsには理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当職員といった専門職がいますが、まだまだ結果を出しきれていません。言語聴覚士は個別の訓練などで活躍していますが、全体としてはまだまだです。専門職が協力して、多方面から全面的に児童に対してアプローチできるような環境をつくっていけたらいいなと思っています。自分がまとめ役として、その土台をつくるきっかけになりたいです。
――将来の夢や目標を教えてください。
身体を動かすことが好きなので、フィットネスジムに通って運動習慣を身につけたいです。その先で、今度は自分が教える立場になって将来はパーソナルトレーナーなどになれたらいいなと思います。あとは趣味を充実させたいですね。ダイビングももっとやりたいです!
運動機能に具体的な問題がない児童が多いまはろでは「個別介入は難しい」という山田さん。そんな中、理学療法士としての広い視野で児童の様子を観察する・保護者の話を聞く・プログラムそのものに理学療法士の視点を取り入れるなど、病院時代とは違う方法でその知見を活かしている。その目線があるだけで、理学療法士がいない児童デイとはまったく違う結果が生まれるに違いない。山田さんを中心に、専門職が連携したさらなる取り組みに期待したい。