DXYZ株式会社戦略企画室長の兵藤です。
今回は、8月5日から9日までの約1週間、慶應義塾高校3年生の宮城怜央さんと江夏悠真さんの二人がDXYZで初めてとなるインターンシップに参加してくれたので、その内容を記事にします。
約1週間という短い期間の中で、高校生が何を感じ、学んでくれたのか、未来のビジネスリーダーが誕生したのか探りたいと思います。
インターンシップが開催された経緯
三浦さんが所属している慶應義塾高校同窓会の役員からお声がけいただいたことがきっかけとなり、DXYZでもインターンシップを開催することを検討することになりました。
今後、事業が拡大して会社が大きくなる中、目標に向かって同じ熱量を持った人が必要になってきます。我々の気持ちを学生時代から伝え、興味をもってもらい、社会人になった時にDXYZに戻ってきてもらいたい。そんな、若者世代への認知と将来の新卒採用時に向けて高校生から学べることが多いと考え、インターンシップを開催する運びとなりました。
インターン生がDXYZを選んでくれた理由
インターンシップの実施要綱(日程、受入人数、プログラム概要)を慶應義塾高校にお伝えしたのちに、希望者が募られる形式となりました。創業から間も無いDXYZを高校生が選んでくれるのか緊張しましたが、2人の有望な高校生が手を挙げてくれたので一安心です。
手を挙げてくれた高校生の志望理由が我々にとって嬉しい内容となっていたので、一部抜粋して記載させていただきます。
宮城さんの言葉
僕は、起業することに興味があるのですが、具体的にどんなことをしたいのかが決まっていません。今回のインターンシップで、今、世の中に必要とされていることはどんなことなのか、そして、どのようにその需要に応えているのかを自分の目で確かめてきたいと思いインターンに参加しました。
江夏さんの言葉
社会をもっと知ってから自分の将来を決めたいと思い、応募させていただきました。今、卒業研究でビジネスを考える講座を受けています。地方創生がしたいとずっと思っていて、それ関係のビジネスについて考え続けています。机上の空論で終わらせずに、もっと有効な卒業研究になるように、働くことのなんたるかを学びたいと思いインターンに参加しました。
まさに、ベンチャー企業だからこそ学べる事項、DXYZだから学べる事項が書かれており、二人とも自分自身のことを深く理解して、社会を色んな角度で洞察した未来のビジネスリーダーになる素養が感じられ、凄いなと思いました。
1週間のインターンシップの内容を紹介
初日、月初に必ずある全社会議に参加してもらい、インターン中に取り組む課題を発表して開始です。
課題は、DXYZが初めて包括連携協定を締結した上川町で、顔認証を使った面白い取り組みを考えてくださいというものです。
高校生にとって、今まで考えたことがない分野にチャレンジしてもらいたいという気持ちで考えました。普段、何気なく自分が使ってるサービスって何のためにあるんだろう、自分の周りの人が幸せになるような新しいサービスの生み出し方を学んでもらいたいという思いです。
しかし、高校生に好きに考えてというのは難しい部分もあるのではと思い、今回は考えやすいように分解したStepを踏んで検討してもらうことにしました。
Step1:身の回りの「不」を探ろう
曼荼羅のように書き出していく形式で、中央の枠に思い浮かぶ人を書き出し、外側の枠にその人の「不」をできる限り書いてもらいます。
高校生でも気持ちを汲み取れる対象である自分の周りにいる人を対象にすることで、手触り感のある人を思い浮かべて、何が困っているのか考えるステップです。
Step2:顧客の声から提供価値を見つけよう
Step1にて考えた身近な人の「不」の中で、最も解決したいものを詳しく書き出し、掘り下げて想像してもらいます。実現可能性は一旦無視して、理想的な状態になったら良いよねというものに変換してもらうステップです。
Step3:自由な発想で「解決策」を考えよう
Step2にて言語化された価値が、なぜ不可能になっているのか。人の思い込みなどの要因を分析して解決する方法を考えるステップです。
各ステップを通して、高校生らしい視点で社会を考え、人の思い込みや斬新な課題解決の方法がでてくることを期待したものになっています。
2日目は、初日に与えられた課題を考えることの助けになるかなと思い、東京ビックサイトで開催された賃貸住宅フェアのDXYZ展示ブースの見学をしてもらいました。
住宅業界の最近のトレンドに触れることで、顔認証で何ができるのか、不動産領域で何がホットトピックなのか実際に考えるきっかけになると思い企画しました。また、営業と一緒に展示ブースに立ってもらい、FreeiDに興味をもった方にプロダクトの説明をすることで、FreeiDの可能性に興味をもった方と実際に話すことになり、どのような方が使うプロダクトなのか肌で感じてもらえたかなと思います。
3日目から最終日まで、Step1〜3をじっくり考えてもらいながら、実際に上川町への提案内容を検討してもらいました。企画の補助になればと思い、私から馬車を繋げるアイディアではなく創造的な破壊をして汽車をつくろうという、企画にあたっての心構えと上川町での取り組みをインプットさせてもらいました。
プレゼン当日の様子
プレゼンが迫り、インターン生の緊張感が伝わってきます。和気あいあいの雰囲気ですが、自分たちの考えを発表することで評価されることの恐れが見え隠れします。
ですが、始まってしまえば、堂々としたプレゼンとなり、高校生という立場でしか考えられない、自分たちの考えたことをしっかり伝えることのできる、課題に真剣に向き合ったものになっていました。
与えられた課題に対する宮城さんの回答は、上川町の豊かな大自然を使ったアクティビティの提案となりました。上川町の広大な面積をいかした「かくれんぼ」を顔認証でやってみよう、パルクールのような若者が熱狂していくものにしていけたら良いなという取り組みです。
既存のものをかけ算して新しい発想を試みることは素晴らしかったです。ですが、何と何を組み合わせて新しさを出していくのかをもっと鋭く、そして余計なものを省いて検討すると、良い企画になったかなと思いました。例えば、エクストリームスポーツによせきってしまう方が面白く尖ったものになったかなと思いました。
江夏さんは、既に上川町で体験できるラフティングをメジャースポーツにしていこうという取り組みを提案してくれました。
既に地域で活躍するプレイヤー達を調査して、顔認証を使って一緒にラフティングの日本代表を育成していこうと考えた素晴らしい企画です。地域で活躍する既存のプレイヤーと手を握る事項とどうやって巻き込んでいくのか、データを補完材料として使い、企画の根本となるひとつの芯があるキャッチコピーをつくれると、関係する人へワクワクを提供できる企画になったかなと思いました。
最後に一言。
インターン生の企画発表後、上川町長にお会いして雑談してきました。
上川町役場からは、DXYZと一緒に活動するチームが組まれたことが報告され、今後、色々と動き出す準備が整ったなと感じています。
色んなことに積極的に取り組んでいる上川町を舞台に、インターン生が頑張って作成した企画を実現していきたいと思います。今後、色んな人を巻き込み、実現するまでやりきることで、インターン生が戻ってきたくなる会社、一緒に働きたいと思ってもらえる会社を目指したいです。