株式会社CaSy People & Culture Growth Div. の小酒です。
約1年半ぶりにCaSyに戻りました。「小酒自身について書いてみては?」と上長から声をかけて頂き、冒頭のタイトルで、就活でCaSyに出会った時からのことも含め約3年を振り返ってみます。
「日本の女性たちが自分の意志で納得した道を進んでいけるよう、人生の選択肢の創出をしたい」を、個人のミッションにする私。私の経験が、誰かの考え方や人生の「選択肢」が増えることの一助になったらとても嬉しいです。
小酒夏穂(こさけなつほ)
・2019年11月 ボストンキャリアフォーラムで内定
・2020年10月 入社。人と組織に関する仕事に携わる
・2022年10月 第一子出産
目に見えない「感情」が、会社を前進させる起動力となり数字に繋がる
入社後からは人事領域で、主に採用と、組織施策の企画・実行という、人と組織に関わる仕事をしてきました。私が感じた、全ての業務に共通する点。それは、「人に行動変容を生み、それを定着させる」こと。携わった組織施策や、採用業務での私の立ち位置は、これらの変化の装着装置だと考えています。
人に変容が生まれるときには、感情の動きが伴います。喜び・期待感・戸惑い・やるせない気持ち・変化への恐れ。起こりうる感情の変化を想定し相手の反応を見て、次の出方や施策をまた考える。王道の勝ちパターン、つまり「型」はある。だけれど相手は「人」。型にはめれば100%上手くいくということはない。自分次第で、相手に変化を生み出せる。それが、会社を動かす原動力にも繋がっている。そう感じられるのがやりがいであり、面白さでした。
2022年にCaSyが上場した際には、上場祝賀会の企画から携わりました。
空振りし続ける毎日の視点を伸ばせば
とは言うものの、がむしゃらな日々。そんな日々も、言い換えれば「具体と抽象の行き来」「理論と実践の行き来」の積み重ねであり、それによりアウトプットの質もスピードも進化したと思います。
例えば採用業務に置き換えると、「こんな流れでカジュアル面談をして、その後は一次面接に進めてね」と最初に教えてもらうのが「抽象」。教えてもらったとおりにやるも、全然上手く行きません。そこで、先輩や上司の面談・面接に同席させてもらいます。すると「具体」で、「私の知らない創業秘話を話している!」「次の面接に向け候補者の気持ちをトス上げして、面接を終わるんだ!」と発見があり、それが積み重なると進め方のパターンが複数見えてきます(抽象)。そして自分で見つけたパターンを試し上手く行かなければ、先輩が担当した面談の議事録を読み漁って(具体)
そうして先輩や上司のやり方や思考をトレースさせてもらうと、視座が1つ上がる気がします。「なぜこれをしたのか?」「何を見てどう判断したのか?」このトレース作業、上司にとっては時間も労力もかかります。掴みにいく姿勢があれば根気強く育てて頂けたことに感謝してもしきれません。こうやって、「具体と抽象」「理論と実践」の繰り返しをしてきました。
恥ずかしながらこれまで、小さいものから大きいものまでかなりやらかしてをしてきました。そうして空回っていたのは自分の考え方にもあったな、と思います。「できません」と声をあげることは「仕事ができない人認定」されると勘違いしていた私は、「今日残業すれば終わる。」といくつもタスクを1人で抱え込み、期限間近で上司に負担を重くかけてしまうことも多々ありました。
仕事は育児の役に立つ
そんな私への上司からのフィードバック。
『仕事ができる=目の前のタスクを1人でやり切ることではないよ。今、こんな状況なんです。助けてと言えること。』
多くの方の手を借り知恵を借りながら、目的に到達することができれば「仕事ができた」ということなのだと初めてわかりました。
実は、仕事での失敗からの学びや、教えが子育ての場面で腑に落ちることが何度もありました。
例えば業務を一人で抱え込み遅滞させてしまった経験と重ねれば、母親として一人で家事も育児も頑張ることが「できるママ」なのではなく、状況を適切に把握し助けを求めたり、今のやり方から代替手段を探す方が、母子が心身健康に過ごすという大目的を達成することの方が重要です。
他にも、小さな命を前に戸惑うこと、心が大きく揺れ動くこともある子育て。私は、母としての歩みを進める鍵は母として決断したことに自信を持てるかどうか。データや仮説から「これだ」と仮決めしたことを検証しにいく。答えのない中で進まないといけない強さも、きっと育児では必要不可欠。
CaSyでの仕事を通して得た大きなものは、母として、さらに言えば生きる上での「在り方」なんだと思います。
業務の性質上、経営陣の近くで仕事をする機会が多く考え方に触れる機会が多くありました。どんな視点でコトを捉え、どう意思決定をするのか。当たり前ですが、判断に迷った時に戻ってくる場所は、ミッション・ビジョンであり行動指針「UNICO(ウニコ)」であるということ。つまり「在り方」。
「この仕事が会社や組織に、どう接続するのか」を意味づけして仕事を任せてくれた上司。もっと息子が大きくなったら、の話にはなりますが、息子が学校に行く意味や、生きる意味に迷った時に母としてしてあげられることに繋がるのかもしれません。
業務を通しての学びは、血肉となる。
「日本の女性たちが自分の意志で納得した道を進んでいけるよう、人生の選択肢の創出をしたい」使命がさらに明確になったのは、CaSyでの日々、そして出産を経てでした。
病院の分娩台での出産一択ではなく、出産において産む人にはさまざまな選択肢がある。「どうやって赤ちゃんを迎えたいか」「自分はどう産みたいか」。現代の、医療者主体の出産ではなく「在りたい姿」と、それを叶える手段を知り選択することで、女性が自らの手に出産を取り戻していく。
そこで育児休業中に、出産をテーマに活動を始めました。ここで生きてきたのが、業務での経験です。
どんな気づきや感情の変化を生みたいか?相手が受け取れる形にして渡すには?業務で何度も繰り返したプロセスをたどってできた、1時間のお話し会。参加者の9割以上の出産への考えが180度変化。出産が「これから体験する辛く苦しいもの」から「楽しみ」になり、自分に目を向け主体性を獲得していくのを見て、「CaSyで学んだことは、人を動かすことにこんなにも影響力があるんだ!」と驚愕しました。
業務で培ったことは、一生使える財産になる。その後、いろんなパターンで妊婦さんや、これから出産を迎える方にアプローチするたびに、毎回そう感じます。
助産師、産婦人科医とともに「幸せなお産」について考えるイベントを企画。約170名の方に参加いただきました
アプローチする先が一緒だからこそ
そして活動する中で見えてきた「人は選択肢を知っても選べない、人生は豊かにならない」という事実。「家事代行の認知度が高まり、価格も下がり、選択できるサービスになっても利用者は3.5%」というCaSyの課題とも重なる気がします。
「日本の女性たちが自分の意志で納得した道を進んでいく」ために、選択肢の創出や提示だけでは足りない。妊娠・出産の過程を自分で選び取ることで、どのように人生が豊かになるのか。会社として、サービスの価値を創出し伝えていくことと、そして私が人事で、CaSyのメンバーがやりがいを持って働いてもらうためにアプローチすること、と通ずるところがあります。だから、CaSyでの学びが私の財産であり続ける。
一度離れることで見えるものがある
業務での考えや培ってきたことは、私の人生やミッションに混ざりあっている。そう気づいたのも、産休育休で一度、CaSyでの日々から離れる期間があったから。家事はなくならない生活の中心だからこそ、ライフステージが変化しても自分との接続は変わるどころか、会社のビジョンへの共感は増して行きます。
CaSyを目指す、これから働く学生さんへ
たくさんバッターボックスに立たせてもらい、たくさん空振りしたらいい。私がCaSyでのやらかしエピソードがたくさんあるように(汗)そしてそこから得られるものは大きいです。信じて任せ育てようとしてくれる環境が、CaSyにはあります。素振りするうちに、組織や他の人の課題だと思っていたことは、自分の課題だとわかり、いつしか一人称で仕事をするようにもなる。
「在り方」を問われるCaSyであなたが得るものは、人生に通ずる力になると思います。