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Beyond CAMPFIRE

※noteマガジン「CAMPFIREの今を伝えるカレンダー2024春」より、取締役執行役員 CEO 中島が執筆した記事を紹介します!


"Singing power to the people" その後

インターネットが登場してまもなく、あらゆる公正な経済機会が訪れるのかと思った。地方の小さな商店も、既存の仕組みではデビューできなかったアーティストも、技術はあっても苦しい工場や職人さんだって。アラブの春には民主主義そのものを実現させたんだと興奮もした。インターネットはPOWER TO THE PEOPLEそのもの、この社会を変えられる。

MSN Messengerは世界をつないだし、SNSは交友関係を育て、WikipediaやCraigslistなど個人の小さな協力があれば実現できなかったことを実現させられるんだと思った。コンサルティングファームでインターネット・テクノロジー関連の仕事をするほどのめり込み、この世界に飛び込んだ。

あれから随分と経つけど、インターネット上で競争は熾烈を増し、新しいルールに置き換わったものの、結果としてたいしてまだなにも変わっていない。今はそう思っている。経済格差は広がり、不平等は拡大され、政府は信頼されず、社会の分断は進んだりそのままだったり。

CAMPFIREで考えてきたこと、考えていること

CAMPFIREのクラウドファンディングは”小さな経済圏”を合言葉に、社会に対する補完機能の顔をしたカウンターカルチャーだと考えていた。きっとどこまでいっても相容れないだろう全体としての話は諦めて、部分にすることで価値観が調整され成立する幸せの形。日本をあきらめる社会、今思うとどこかでそんなことを思っていたのかもしれない。

CAMPFIREに参画してからもそれなりに時間が経った。今は、毎月1000を超えるクラウドファンディングが立ち上がる。5年前と比べると2〜3倍に、創業前融資の件数くらいにはなった。ひとつひとつプロジェクトへの思い入れや愛着がある。それぞれの小さな経済圏がうまくいきますように、ずっとそう祈るように仕事をしている。

ただ、連日報道される悲観的なニュースを見かけるからか、プロジェクトが足りないって毎日思う。こんなペースでは社会は変わらないっていつからか考えている自分に気づく。小さな経済圏それぞれがうまくいくことを祈っているだけなのに、それは、大きな経済としての日本への半ば諦めだったはずなのに、目の前の小さな経済圏に集中するほど、やっぱりこの日本(社会)をどうにかしたいって強く思うようになった。

これから実現させていくこと

CAMPFIREはすべての挑戦を実現させたい、昔から一貫している。何かに特化したりしない。この一貫性は意地になっているところもある。この日本をどうにかしたいって自覚してからはなお、その意地は強い。すべての挑戦にアプローチしないとこの社会をよくするチャンスを逃すことになるという危機感とも言える。クラウドファンディングは大きな社会のための希望だとも思っている。

そんなことを考えていると、クラウドファンディングのためにもクラウドファンディングだけやっていてもダメだとも思うようになった。自分たちだけでやっていてもダメだと思うようにもなった。コミュニティをキーワードにプロダクトアップデートを進めている。連携する人や組織も相当数増えてきた。社内や社外といった境界線もないに等しい。CAMPFIREという輪郭はきっと崩れながら薄く広がっている。

クラウドファンディングは、だれかの自助をきっかけに共助がつくられているプロセスである。そこに公助が加わってくる場合も。自分たちの役割はこの一連の流れをシームレスにすることにある。いや、自助と共助と公助が同時に起こる状態を目指すことにきっとある。レガシーへの補完なんかじゃなかった。融合しなければならない。

国と個人、公共と民間、マネタリーとボランタリー、世代、地域、産業構造あらゆる縦に割られているものを積極的につなぎあわせていくこと、そのハブになること。切り捨てなくていい仕組みを1日も早く実現させること。国のせいにしない、資本主義のせいにしない、コミュニティのもとにグラウンドデザインが無数に沸き起こり成立する社会。そういう日本をつくることがCAMPFIREというプロジェクトだ。

自分は何をやるのか、チームのこと

このプロジェクトで自分はCEOをやっている。家入さんという色々頼りないけど実現させる未来に誰より純粋な代表、藤﨑さんっていう飲むといつもいい感じだけどつくるべき未来にたり得る事業の足腰を日々つくりきるCOO、髙山さんというCAMPFIREの基盤をしっかり支え人格をもたらすコーポレート責任者の取締役、CFOとかCTOとか、一人一人上げるときりがないけど、メンバーやパートナー含め、それぞれの個人的な想いと役割が密結合に向かっている。そんな中、自分の役割はこのプロジェクトがサクセスすること、そのために出来ることならなんでもよいけど必ずサクセスさせるために全うすること、なんだと思う。

ここまで述べてきたとおり、CAMPFIREはこれまでと別の存在へと向かっています。あらゆる業界、国や自治体、金融機関と融合するための密な連帯を進めなければいけません。トークンエコノミーも実現させるし、前提となるコミュニティ化も進める必要があります。そして、現在進行形で拡大させる、ひとつひとつのクラウドファンディングを成功に導くべくプロフェッショナルがもっと必要です。この社会をよくしたいって思う人も、小さな経済圏に向き合いたい人も、CAMPFIREが今どこにどうやって向かおうとしているのかを知ってほしいと思っています。


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