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年齢・経験問わず様々な人たちが集うCAMPFIREの「働く人」に迫るインタビュー企画です。
第一回目は株式投資型クラウドファンディング「CAMPFIRE Angels」を運営する株式会社CAMPFIRE Startups(以下、Startups社)取締役の田中駆さんからお話を伺います。
田中さんは株式会社TOMOSHIBIの創業者・代表取締役CEOとしてプロジェクトチーミングプラットフォーム「TOMOSHIBI(トモシビ)」の運営に従事し、2019年4月事業売却に伴い同プロダクトオーナーとしてCAMPFIREへジョイン。そして、CAMPFIREとして始まって間もない新規事業であり今年4月に社名変更したStartups社のさらなる事業強化に向け、組織・事業全体を見ています。これまでの経験から成る「CAMPFIRE Angels」へかける想い、そして田中さん自身が今後目指す先など語っていただきました。
田中駆(たなか かける)
株式会社CAMPFIRE Startups 取締役 執行役員 経営戦略室長・プロダクトマネジメント本部長
1992年生まれ、神奈川県横浜市出身。横浜市立大学起業戦略コース卒業後、ベネフィットワン、ランサーズ、パラフトにて、セールス・経営企画・DX推進・新規事業企画に従事。2018年に株式会社TOMOSHIBIを創業、代表取締役CEOに就任。2019年4月に株式会社CAMPFIREに事業売却し同プロダクトオーナーに就任。2021年4月より株式会社CAMPFIRE Startups取締役就任。
TOMOSHIBIクローズの経験が価値観の醸成に繋がった
ーー 以前携わっていたプロジェクトチーミングプラットフォーム「TOMOSHIBI(トモシビ)」のクローズを経て、どのような思いで「CAMPFIRE Angels」の道へ進む決断をしたのでしょうか。
TOMOSHIBIでやり切れなかったこと、CAMPFIREにいることで創れる未来を考え、「絶対に株式投資型事業を成功させる」と強い想いで、CAMPFIRE Angelsの立ち上げに参画しました。
TOMOSHIBIのクローズに際し次は何をしようかと考えた時、現事業立ち上げのお話をいただきました。これはまさに自分のやりたかった「起業という形で本気で挑戦する人をサポートする仕組みだ」と惹かれたのを覚えています。
TOMOSHIBIで数百件のプロジェクトの仲間集めをサポートし、数千件のマッチングを実現する中、「起業」の形で挑戦するプロジェクトオーナーの多くにプロジェクトへの本気度の高さが伺えました。TOMOSHIBIを通じて本気度の高い挑戦者を「もっと深くサポートしたい」と感じるようになっていたのです。
同時に「CAMPFIREで起業家・スタートアップ向けのクラウドファンディングをやるなら、自分以外いないだろう」と自負もありました。起業家・スタートアップの経験がある僕なら、起業家の方たちに最大限寄り添ってサービスを提供できると思いました。
ーー とはいえ、TOMOSHIBIとCAMPFIRE Angelsでは事業内容が大きく異なります。現在の道に進んだことで苦労もあったのではないでしょうか。
CAMPFIRE Angelsは金融領域の事業なので、今までとは全く違う畑に飛び込んだ感覚はありました。知らない単語や分からない制度が山ほどあり、戸惑ったことは事実です。
しかし、TOMOSHIBIの創業で学んだことや反省点を振り返り、「どんな事業領域でも立ち上げに大切なことは変わらないはずだ」という思いのもと、今の自分ができるベストを尽くして臨みました。
とはいえ、知らない・分からないことは毎日のように遭遇していたので、その際には「すぐに調べる」または「一度調べて分からなかったら考え込まず、分かる人へ聞く」を徹底していました。
ーー 「全て自分一人でやろうとせず、人に頼ること」を意識されているんですね。
新卒からずっと「頼るより前に自分ができるようにならなきゃ」と考えて行動してきました。ただ、TOMOSHIBIを事業運営する中で、自分がボトルネックになっていると感じるタイミングが何度もありました。
例えば、プロジェクト立ち上げの告知をするとなった時、SNSやプレスリリースのタスクを「小さいから・得意だから」と全て自分がボールを持っていると、何かの理由で動けなくなったら全て止まるんですよね。すごく些末なことですけど、そういう側面からもしっかり組織・体制・仕組みをつくる側に回らないと事業はスピード感を持って円滑に動かせないと感じました。
また、株式投資型事業は金融商品取引法の関係法令に基づいて事業運営をしなければなりません。事業責任を持つ人間として、理想は金融・法律の知識を理解した上で人に任せることだと思いますが、そこに至るまでに相当な時間がかかります。それで事業を止めてしまうなら、自分は事業をつくり上げることに責任とプライドを持って仕事をしようと考えました。
ーー TOMOSHIBIでの経験とCAMPFIRE Angelsでのそうせざるを得ない状況が組み合わさった結果、「人に頼る」という価値観が醸成されていったということですね。
TOMOSHIBIでやりたいこと・できることがいっぱいあったと思っています。でもそれができなかった一つの要素には、意思決定や事業をつくり上げるスピードが足りなかったことがありました。
自分がつくった我が子のような存在である会社・事業が、自分の力不足でクローズになる経験をしているので、次につくる事業は絶対にスピード面で後悔したくない。できることは最短最速でやろうと考えています。
幸いにも旧DANベンチャーキャピタル社には金融業界、非上場会社のエクイティファイナンスに精通したシニアメンバーが揃っており、何でもすぐに聞ける環境です。分からない・知らないことで悩む時間はほとんど発生していないと思います。
「起業家から経営者になること」
ーー Startups社で叶えたい目標を教えてください。
法人のクラウドファンディング活用を推進し、「事業創造・事業成長を加速させるためのクラウドファンディング」という領域を確立したいと考えています。従来の間接金融は特定一社がリスクを負いますが、クラウドファンディングの直接金融の仕組みは多数の個人が分散してリスクを負うことができます。間接金融で許容できなかったリスクある挑戦を許容し、より攻めるための資金を集められる仕組みなのです。
CAMPFIRE Angelsでサポートしているスタートアップ企業の挑戦はもちろん、大企業の新規事業開発や中小企業の第二創業など、リスクはありつつも新しい価値や体験を生み出そうとする挑戦にこそクラウドファンディングを活用してほしい。
また、自分の中ではTOMOSHIBIで掲げていたミッション「挑戦する人の想いを灯し続ける」とも繋がっています。挑戦に向けたリスク許容度の高い資金が、支援者の応援の気持ちとともに挑戦者へ届くようにする。それこそが「挑戦する人の想いを灯し続ける」ための一つの答えではないかと思っています。
ーー この目標と同時に、田中さん自身の中で今後のキャリア形成のビジョンがありましたら教えてください。
まずはStartups社での事業展開から「CAMPFIRE」を世界に通ずるクラウドファンディングブランドに昇華する一翼を担いたいと思っています。クラウドファンディングが資本主義社会において、それだけの可能性と未来を持っていると本気で信じているからです。
その先のことはあまり考えていませんが……自分自身のキャリアを見据えて向き合っているテーマは「起業家から経営者になること」です。
ーー 「起業家から経営者」とは?
これまでは自分自身が単騎で闘える強さをもち、少数チームで事業を立ち上げる「強い起業家」を目指していました。しかしこれからはより多くの人・組織を導き、より大きな影響を市場・社会に与えられる仕組みをつくれる「強い経営者」になっていかなければと思っています。
価値観の変化としてはTOMOSHIBIのクローズが大きかったです。TOMOSHIBI立ち上げ当初は全能感に溢れていましたが、事業を進めていく中で当然上手くいかないことにたくさん出会い、クローズを経験して自分一人の力でできることの限界を感じました。事業の成果を最大化するには自分ではなく組織を強くできる人間にならなければいけません。そういう観点で、経営者として成長し続け、社会に新しい価値や体験を提供する事業を生み出し続けるキャリアを切り拓きたいと思います。
ーー 「起業家から経営者になる」ため、どのように自分を磨いていきたいと考えていますか?
まず経営者に必要だと僕が考えるのは、とにかく結果を出せる力。売上を最大化するか、コスト構造を最適化するかで、利益を出せる力が最も重要であると思います。どんなに綺麗な言葉を話せても結果が伴わなければ、人もお金もついてこない上に、従業員を守れません。社員だけでなく、社員の向こう側にいるそれぞれの家族も、僕の判断・差配で生活が狂う可能性があります。そういう意味でも、経営者にはとにかく結果を出せる組織をつくる力が必要だと感じています。
そして、メンバーひとりひとりが最もパフォーマンスを発揮できる、働きやすい環境をつくっていくこと。それが結果として事業成長に直結すると思っています。どんな事情やライフスタイル、キャリアプランにも許容度をもって接せられる経営者でありたいです。
CAMPFIREは年齢・性別・経験関係なく提案できる風土
ーー 田中さんにとってCAMPFIREはどのような職場だと感じますか?
年齢・性別・経験関係なく提案できる風土だと感じています。自分から何かを生み出したい、変えていきたいと思い行動できる人にとって、とても恵まれた環境なのではないでしょうか。
Startups社は旧DAN社メンバーとCAMPFIREから送られてきたメンバーでできた組織で、僕は金融知識のない新参者として参加しました。それでも「もっとこうした方が良いのではないか」と僕だからこそできる提案をして、チームメンバーと共につくり上げたのがCAMPFIRE Angelsです。
反面、まだまだ整っていない部分もあると感じています。僕の持論ですが、良いアイデアをもつ人全てが提案・発信が得意とは限りません。今の風土では提案・発信が得意な人が輝ける風土でもあります。なので、そうではない人でも感じたことや考えたことを会社に向けて伝えやすい環境の整備(ex.目安箱や新規事業コンテスト等)は、今後必要になってくると感じています。
ーー 「提案が得意な人を採用する」のではなく「提案が苦手な人でも提案しやすい環境をつくる」ことが大切だと。
提案・発信するのが苦手だからという理由だけで良いアイデアを吸い上げられないのは、組織全体で見るとすごく機会損失ではないでしょうか。提案したからといって、採用されるかはアイデアの良し悪しで決まるべきですが、少なくとも吸い上げられる環境でないと組織は成長していかないと思います。
ーー そういった多様性を許容する一方で、田中さんご自身は今後どのような人とCAMPFIREで働きたいと考えますか?
「主体性」がある人。自分事として組織・事業を捉えられる人ですね。
現在、CAMPFIREもStartups社も事業を立ち上げて伸ばしていくフェーズです。事業のミッション・ビジョンや数字を理解して自分の仕事に落とし込める人でないと、おそらく「忙しいだけで給料が上がらない」「頑張っているのに評価されない」という発想になってしまいます。それをしっかり落とし込める人であれば、給料を上げたい・評価されるためにはどの数字を上げるべきか、数字を上げるために自分は何をすべきかと考えられるはずです。もちろん、マネジメントとして組織のミッションをメンバー個人のミッションに落とし込むサポートは全力でして行きます。その上で、、主体的な人、自分事として組織・事業を捉えられ人と一緒に働きたいと思います。
最後に
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