Bot Expressのチームは会社のVisionを実現するために全力で取り組んでいます。そして会社はそんなチームのコミットメントと成果に報いるためには何よりもみんなが納得できる高い報酬を支払うことが重要だと考えています。そんな当社の報酬制度について余すことなく公開したいと思います。
目次
- バリュー報酬型
- 納得できる給与設定
- 最高水準の報酬を支払う
- 給与・昇給のメカニズムを全員が理解する
- 最後に
1. バリュー報酬型
時間ではなくバリューに報酬を支払う
まず大原則として、Bot Expressでは労働時間に対して報酬を支払うという考え方はありません。会社のVisionの実現にあたってどのような貢献をおこなったか、そのバリューに対して報酬を支払うという考え方です。
バリューとは下記の要素から構成されます。
- 当年度の成果
- これまでの貢献
- Bot Express Cultureの実践
したがって、労働時間の長い・短いはパフォーマンスレビューにおいて加味されません。フォーカスはあくまでもバリューです。バリューを出すために、どのくらい活動に時間を割くのか、いつ活動するのか、どのようなリズムで活動するのかは各自の裁量に委ねられます。
労働時間が極端に長い場合は、業務のアサインメントに問題がある可能性があり、それらを改善する方法についてディスカッションをおこないます。労働時間は個々人が健全に活動できる範疇であるように調整しつつ、その中で発揮されたバリューについて会社とメンバーで共有し、一定のチェックポイントにおいて報酬額が決定(変更)されます。
2.納得できる給与設定
入社半年後の給与補正
採用時の給与は、前職での年間所得と比較して必ず同等以上(正確には、同じか少し上回るくらい)の年俸でオファーしています。そこから、半年後に一度パフォーマンスレビューをおこない、Bot Expressの基準で給与の補正を検討します。もちろん変更がないケースもあります。
採用時の年俸設定では、前職での給与から下がることはありませんが、逆に大幅に上がることも基本的にはありません。これは、採用時の数回の面接では、これまで支払われていた給与実績以外に、転職することのみによって報酬額を大幅に変動させる確からしい根拠を見出すのは難しいと考えているためです。
そこで当社では入社半年後レビュー&給与改定を実施しています。半年ほど一緒に活動することによって、その人の能力と業務に向き合う姿勢を知り、そのタイミングであるべき報酬に補正するという形をとっています。給与改定は決算後に毎年おこないますが、この補正は決算のタイミングを待たず、メンバーのバリューが認識できた時点で速やかにおこなうべきだと考えており、入社半年後にそのチェックポイントを設けています。
全員の報酬額をガラス張りにできる状態にする
前述の通り、入社時の給与額は当社でのパフォーマンス・ベースではなく前職での実績ベースであるため、例え同じ役割で同じ成果を出す2人のメンバーがいたとしても、異なる給与が設定されている可能性があります。例えば公務員出身者は、公務員である時にはほぼ年次によって給与額が分布しているため単に年長の人の方が給与額が高くなります。
Bot Expressでは年齢は給与額に一切加味されません。したがって、たとえ前職までは年次によって給与額に差異があっても、当社でのバリューが同じであれば給与額は同じにするべきだと考えています。バリューを認識した上で、誰が見ても「妥当かつ十分な設定だ」と考える報酬に設定し、たとえ全員の給与をガラス張りで公開したとしても全員が納得できるフェアで合理的な給与額を設定するべきだと考えています。
前職の給与額が低くても当社におけるバリューが高ければそれだけ上げ幅があり、そのギャップの分だけ昇給します。逆に、前職で比較的高い給与が設定されていた場合、それに見合うバリューが発揮されることが期待されます。会社が認識したメンバーのバリューについては、率直なフィードバックをおこないます。「並はずれた価値を感じています」とお伝えすることもあれば、「十分ではないと感じています」とお伝えすることもあります。報酬もそのバリューに応じて速やかに調整します。
3.最高水準の報酬を支払う
給与が最重要コンペンセーション
Bot Expressではメンバーの貢献に報いる最も重要な方法は給与だと考えています。福利厚生などは税制的には有利なものの、それがメリットとなるかどうかは社員次第であり、特定の社員のみにメリットが偏重する可能性があります。そのようなバラつきのあるベネフィットを提供するよりも、メンバーが100%自身の裁量で用途を決定できる給与が最も価値のある報酬だと考えています。
会社として経常的な支出をできる限り削減し、筋肉質な財務体制を構築して給与に集中的に投下する。メンバーも筋肉質なチームを構成し、密度の高い活動をすることを常に意識する。結果として高水準の給与を支払うことにつながる。これが最もチームに益するコンペンセーションプランになると考えており、実践しています。
その中で、並はずれた価値を感じるメンバーには業界最高水準の報酬を支払います。メンバーが並はずれたバリューを発揮すれば、会社もVisionの実現にグッと近づくことができる。そのように会社が成長しているときには、会社は最高水準の報酬を支払うだけのキャッシュフローを確保できるよう財務管理をおこないます。これは経営陣の重要な責任です。
昨年度の昇給実績
では実際の給与水準はどうなのか。Bot Expressの決算月は1月であり、直近の決算時給与改定は2023年2月に実施しています。そのときの結果は次の通りです。
- 最高昇給率 +40%
- 平均昇給率 +15%
これは年度初めの給与、または年度途中入社の場合は入社時の給与と、改定後の給与を比較した前年対比の昇給率です。最も大きく昇給したメンバーは、給与が前年比1.4倍となっています。平均昇給率も+15%と一般的な昇給率と比較して高い値となっています。
上記は前年対比、つまり単年での昇給実績です。もう1つの実績として入社時と比較して在籍通算での昇給率も公開すると、最も昇給した人の入社時給与と比較した通算昇給率は+85%(1.85倍)となっています。
4.給与・昇給のメカニズムを全員が理解する
メンバーがそれぞれの給与や昇給について納得するためには、自身のパフォーマンス評価結果だけでなく、事業の仕組みや給与の原資がどのように管理されているのかを知ることが重要だと考えており、昇給原資の考え方についてありのままを折に触れ説明しています。
Bot Expressでは給与といったコアな経常的支出に関して財源は本業であるプロダクトのARR(Annual Recurring Revenue)をソースとするキャッシュフローでまかなうべきだと考えています。それを踏まえて基本給原資は下記のとおりシンプルな原則に基づいています。
- ARRが財源。
- ARRが大きくなれば給与原資が増える。
- 経費が増えると給与原資は減少する。
より少ない社員数、より少ない投資額でARRが大きくなると1人あたりの給与が上がります。逆に、ARRが大きくなっても、それを上回るペースで人数が増えたり、投資額が大きくなると経費も同時に増えるため給与の原資は必ずしも増えません。経費を抑えると利益幅が増え、単年度でみると給与原資は増えますが、投資しないことで成長が鈍化すれば長期的にみて給与原資は増えなくなります。
昇給が発生するためには投資対効果の高い施策にフォーカスし、無駄をなくして生産性を高める必要があります。
Bot Expressでは全社員に会社を自分たちの一挙手一投足によって推進力が変わる船であると考えてもらい、事業の未来、そして還元される利益は自分達の成果次第であるという事業のダイナミズムをシェアしたいと考えています。
売上、経費、投資、給与の関係性を全員が理解すること、そして売上は私たちが社会でバリューを発揮した結果であり、目指すゴールではないという考え方を全員で共有したいと考えています。その上で、チームの生産性を上げることで事業成長と高い報酬水準を同時に叶える体質を構築できればと考えています。
5.最後に
以上がBot Expressの報酬制度です。繰り返しになりますが、報酬は会社からチームに提供するバリューとしてもっとも重要なものだと考えており、その基礎となる報酬制度をブラッシュアップすることは会社のPriorityです。当社の最上位の経営計画にも報酬制度のブラッシュアップというプロジェクトが明記されています。ブラッシュアップは今後も余念なく取り組み、チームのみんなが納得し、みんなのハードワーク、目に余る成果に対して十分な報酬が支払えるよう努めていきたいと考えています。