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「たのしい」を大事にする。弁護士ドットコムデザイン部の働き方

弁護士ドットコムでは、法律トラブルを抱えるユーザーと弁護士を繋ぐプラットフォームとして、法律相談ポータルサイト『弁護士ドットコム』や、弁護士が案件対応を進める上で欠かせない「法律」「実務ノウハウ」「案件ナレッジ」情報をクラウド環境で提供する『弁護士ドットコム業務システム』など、各種サービスを自社で開発・運営しています。

今回『弁護士ドットコム』の各サービスを担当する中途入社のデザイナー3名に、デザイナーとして『弁護士ドットコム』で働く面白さやデザイン部の組織風土について話を聞きました。

インタビューにあたって、「デザイン部のメンバーとして何を伝えたいか?」とたずねたときに出てきたのが「たのしい」というキーワードでした。この言葉には、

  • 楽しむ:与えられたことに対してたのしく過ごすこと(受動的)
  • 愉しむ:自分自身の気持ちや想いから生まれるたのしい状態(能動的)



という面があります。デザイン部のメンバーは働くうえで、この2つの意味での「たのしい」を大切に考えています。個人の成長やスキルアップだけを目的にせず、みんなが仲間のために行動しているデザイン部。それが結果として働きやすい組織風土を形成し、『弁護士ドットコム』のサービス拡大・進化につながっています。いつも仕事をたのしんでいるデザイナーたちの想いを語ってもらいました。

【Profile】
弁護士ドットコム事業本部 デザイン部 弁護士ドットコムチーム
林 とも子(Hayashi Tomoko)
制作会社で数々の企業のWeb制作を経験し、アパレルメーカーのインハウスデザイナーとしてECサイトやPRサイト、グラフィック広告のデザインを経験。仕事の幅を拡げるために転職活動を行う中で、弁護士ドットコムのデザイン部門が取り組んでいた「Webアクセシビリティ向上」の記事を読み、デザインの考え方に共感し、2018年5月に入社。『弁護士ドットコム』の機能追加や改善を図る数々のプロジェクトでデザイン面での全体の指揮・管理を担いつつ、ページ改修やデザイン制作などを担当している。

弁護士ドットコム事業本部 デザイン部 弁護士ドットコムチーム
細貝 未紀(Hosogai Miki)
前職ではビジネス情報サイトを運営するベンチャー企業のディレクター兼デザイナーとして、サービスの機能改善や新サービス開発などに取り組む。デザイナーで構成された組織がなく、デザイン観点での学びや知見をもっと得られる環境に身を置くために、転職を決意。弁護士ドットコムは社名を知っている位の認知だったが、組織拡大中のデザイン部門に興味を持ち2019年4月に入社。『弁護士ドットコム』の担当デザイナーとして、機能追加や改善に伴う新規ページをデザインしている。

弁護士ドットコム事業本部 デザイン部 GYOSYSチーム マネージャー
林 貴洋(Hayashi Takahiro)
ヤフー株式会社でスポーツメディアのデザイナーとしてデザイン制作に携わる。3年半在籍し、様々なビッグイベントの特集ページなどを制作。「新サービスをゼロから立ち上げる仕事がしたい」と考えるようになり、弁護士ドットコムのビジョンや熱い想いに惹かれて、2018年11月に入社。入社後は採用活動からサービスデザインまで、事業立ち上げのあらゆることを経験。現在は、『弁護士ドットコム業務システム』のデザインを担うチームのマネージャーを務めている。

弁護士ドットコムという社名は堅そうだけど、働く人は柔らかい

左から、林 貴洋さん、細貝 未紀さん、林 とも子さん

ーー 皆さん中途入社ですね。入社前の弁護士ドットコムのイメージを教えてください。

細貝:
社名と弁護士という職業から堅いイメージを持ち、採用面接には一応スーツを着て臨みました。そうしたら面接官の方に、「次回は私服で良いですよ」と言われて恥ずかしかった(笑)。社内を案内してもらった時にカジュアルな服を着ている人が多く、堅くない会社だと思いました。

林とも子:
デザイナーはクリエイティブ職なので堅くはないと思っていたのですが、想像以上に柔らかかったことを覚えています。働いている人がピリピリしていないというか、いい意味でゆったりとしていて、第一印象でとても働きやすい雰囲気だと思いました。これまでに制作会社とインハウスデザイナーを経験してきたのですが、同じくらいフラットで居心地が良さそうだなと。

林貴洋:
自分は選考プロセスの中に『弁護士ドットコム』というサービスの今後を考えるブレストがあったんです。オフィスにある畳の部屋で靴を脱いで、ユーザーストーリーマップを前にアイデア出しや意見交換した経験があったので、堅そうな印象は全くなかったです。

細貝:
事業部ごとにカラーの違いはありますが、デザイン部に限らず全社的に柔らかい社風なんだなと感じます。

ーー 普段、どんな風に仕事を進めているのでしょうか?

細貝:
デザイナー1人だけで行う仕事はほとんど無く、いつもチームで取り組んでいます。ミッションごとにプロジェクトが編成されるのですが、デザイナー、ディレクター、エンジニア等の社内メンバーとチームを組み、企画段階から一緒に議論していくことが多いです。

また、デザイナー職ではありますが、"デザインだけをする”という仕事はありません。プロジェクトで目指すべきゴールを決めて、そこに向けて各自の役割分担を決めるという感じでしょうか。目標達成に向けた施策についても意見を出しますし、実装フェーズではエンジニアと協力して作業をすることもあります。他職種との連携が非常に多いですよね。デザインも感覚的に進めるのではなく、自分がつくったデザインをしっかりと言葉で意図説明するなど、認識の齟齬が出ないように共通言語を意識して進める癖がつきました。

林貴洋:
『弁護士ドットコム』というサービスを運営している点も、当社デザイナーならではの特徴になっているかもしれません。運営するサイトでは、自分自身では解決できない悩みや相談事を抱えたユーザーが弁護士に相談できます。そのため、ユーザーは心配や不安といった状態の方が多いのです。ユーザーの心境を考慮して、デザインでは分かりやすい表現にしたり、親しみの持てるデザインを目指しています。

林とも子:
その点に関しては、本当にこだわっていますよね。最近でもデザインコンセプトを決める際に「親しみやすいとは何?」という点を、みんなでとことん議論しました。デザイナー一人ひとりの意見を聞きながら、自身の考えを深めて、みんなで答えを出していく。その時に出した答えは、「その人の役に立つことが大事」だということでした。尖ったデザインではなく、使いやすさ重視で、地に足が着いたデザインが良いという結論になりました。こうやって、デザインコンセプトをみんなで議論し、方向性を固めてからデザインの細部に落としていくのが、弁護士ドットコムのデザイナーの仕事の進め方。これは、私たちならではかもしれませんね。

細貝:
普段の仕事で迷うことがあれば、プロジェクトの垣根を越えて、デザイン部のみんなに意見をもらえる環境があるのは嬉しいです。「ここまでデザインを進めたけど、迷っちゃった…」という時はいつでも相談できるし、新しい刺激をもらえる。デザインの学びや知見をたくさん得られる環境です。

「20%ルール」で知見を広げて周囲に共有

ーー デザイン部では、各人の20%程度の時間を自発的・主体的な開発や研究にあてられる「20%ルール」の制度がありますね。最近どんなことに取り組みましたか?

細貝:
「20%ルール」は、普段参加しているプロジェクト(主務80%)外の領域で、社内の課題解決に取り組める制度で、本業に支障がなければ、多少逸れたことをしても大丈夫です。

少し前に私が取り組んだのは、「文字校正ツール」の開発です。『弁護士ドットコム』のコンテンツでは法律に関する専門用語やサービスの機能名など、表記ゆれが起きやすいものが多くあります。これまでもガイドラインや用語集をつくるなどの工夫はしていましたが、確認は人力なので時間がかかっていましたし、解決したいと思っていました。

デザイン業務というよりはほとんど開発業務だったのですが、私の「文字校正ツールをつくりたい!」という声に、以前プロジェクトで仲良くなったエンジニアが賛同し協力してくれて、なんとか完成することができました。Slackのbotに文章を投げると、ガイドラインや用語集のルールに沿って表記ゆれを直したり、日本語表現の“ひらく、とじる”もサジェストしてくれる仕組みになっています。今ではサービス内に表示する文章やメール文、テックブログの執筆など、思った以上に様々なシーンで活用してもらっています。挑戦して、本当に良かったです。

林とも子:
「こんなことをやりたい」と思った時にSlackで気軽にポストすれば、社内の誰かが「私もやってみたい」と参加してくれて、気づいたら参加メンバーが増えていく。そんな風に、ぼそっと言ったことがプロジェクトになって進んでいくのがウチらしいなあと思います。

直近では、私が読んだ書籍がきっかけで、細貝さんを中心にプロジェクトが始まりました。その書籍は情報設計について書かれたものだったのですが、普段のプロジェクトで情報設計の考え方をどのようにして開発フローに取り入れていくか、デザイナーとエンジニアはどう協力すべきなのか等を、みんなで学んでいけたらと考えたのが勉強会へと繋がっていきました。最終的にはデザイナーだけでなくエンジニアやメディアの事業部長など15名程度の有志が集まる結果に。偶然、書籍の著者と知り合いの方が社内にいて、著者をゲストで呼ぶことにも成功し、とても学びが多い時間になりました。

細貝:
いつか各自が、勉強会で学んだことを活かして仕事の成果につなげていければ良いなあと考える程度でしたが、勉強会が終わってから、ディレクターやエンジニアなど職種を越えて情報設計やモデリングの話をする機会が以前よりも増えたのは、大きな変化でしたよね。

林貴洋:
私も以前に、デザイナー向けにJavaScriptを学ぶ勉強会を開催しました。大学時代にプログラミングをしていたこともあり、私が講師となって毎週2時間、約半年間ほどかけてJavaScriptをみんなで学んでいきました。

そもそも、この勉強会を始めようと思ったきっかけは、デザインチームにフロントエンドのエンジニア業務をできる人が増えたらいいなと、邪な気持ちもあったんです(笑)。やったことが無いのに、好き嫌いや向き不向きを判断するのはもったいない。デザイナーがデザインの仕事だけをするというのではなく、できることが広がったらうれしいことじゃないですか。私の勉強会が、それを判断できる機会になればいいなと思ったのです。最初は「JavaScriptとは?」からはじめて、自身でコードを書いてデザインを動かしたり課題をやったりしながら、最終的には参加者一人ひとりがWebアプリを作れるようになるまでやりました。

細貝:
私も勉強会に参加しました。知識がないよりもあったほうがいいし、エンジニアとのコミュニケーションに役立つと考えたんです。自分で勉強をしようと思えば、分厚い本を読まないといけないし、絶対に眠くなる(笑)。みんなで一緒に学べたことは、いい刺激になりました。

林とも子:
ほかにも、UXライティングの勉強会をやりましたよね。UXライティングという言葉が界隈でよく聞かれるようになったときに、知らないよりは知っていたほうが良いに決まっていると考え、UXライターの方を講師に呼んで勉強会をしました。1人で書籍を読んで1人だけで知識を持っているよりも、みんなで同じ知識を持っていたほうが絶対に価値がある。みんなで議論して学ぶことで、その学びはさらに深いものになると思います。

ーー勉強会などの企画は、どんな時に生まれるのですか?

林とも子:
何かのMTGでの雑談がきっかけになることもありますが、毎日夕方にデザイン部で行なっている30分の雑談タイムから生まれることが多いですね。デザイナー一人ひとりの悩んでいることや抱えている課題に対し、他のメンバーがアドバイスをする中で「この知識は今後必要だから、みんなで学んでいこうか?」となり、そこから勉強会が企画されます。

細貝:
雑談タイムがきっかけで、勉強会の開催が検討されることは多いですが、雑談タイムが本当に雑談だけで終わることの方が多いですよね(笑)。趣味やスイーツの話で盛り上がったり、仕事でのお悩み相談会をしたり、特にお題は決めずにみんなが集まって、何気なく自由に話す。この時間が良い息抜きになりますし、毎日の大切な時間になってます。

みんなで褒め合い、励まし合う環境

ーー 仕事をしていて、辛くなったりすることは?

林貴洋:
ほとんど無いかもしれません。いつも周りにフォローをしてくれる人がいるし、自分がやったことに対して「いいね!」と言ってくれる人がいます。それがモチベーションになるし、何よりも嬉しい。

あと、自分が携わるプロジェクトでは、目標をブレイクダウンして進めることを決めています。すごく遠い目標だけを追いかけすぎると、心の拠り所がなくて、きっとダークサイドに落ちやすい(笑)。いきなり大きな目標を追いかけるのではなく、小さな目標達成の積み重ねが大事なのかなと思います。

細貝:
各自がプロジェクトで大きな裁量を任せてもらえる環境なので、細かいマネジメントはされないですね。だから、やり方も目標設定も、自分次第。どんな案件も「自分の仕事」という感じで進められますし、誰かに仕事を依頼されても「やらされている」と感じることはほとんどありません。

林とも子:
私の場合、一時期、実装フェーズにかかりっぱなしのことがありました。デザイナーなのに、半年間ほどグラフィックツールに触れなかったのです(笑)。でも、プロジェクトの初期段階から自身で決めたやり方だったので、不思議と気持ちが折れなかったです。普通だったら、「デザインしたい!」となると思うのですが…。あと今思い返せば、常に周りに仲間がいて、応援してくれたのが心強かったんですよね。

デザイン部の良い点なのですが、毎日周りの仲間と接していたら自己肯定感が持てますし、気持ち的に落ち込むことがありません。失敗したり嫌なことがあったりしても、毎日の雑談タイムで励ましてもらえたり、褒めてもらえるのです。みんな、一人ひとりの良い点を見つけることが得意で、それが大きな励みになっています。

ーーそれぞれの長所を見つけるのが得意なのは、素敵な環境ですね。せっかくなので、皆さんから見た他のお二人の長所を教えてください。

3人:
面と向かって言うのは恥ずかしいですね(笑)。

林貴洋:
細貝さんは行動力がすごい。気づいたときにはもう手を動かしていて、いつも感心します。そして、いろいろな人のアイデアを可視化するのが得意です。いろんなアイデアをベースにデザイン部門の内外でコミュニケーションをとっていて、細貝さんがいるとプロジェクトのスピードも早くなります。

とも子さんは、周囲の人をまとめる力が凄いです。いつもプロジェクトで「今この方向に向かってますよね!」とコミュニケーションを丁寧に進められています。あと、デザインシステムなど今世の中で注目されているものを見つけるのが得意。ただ流行に飛びつくというわけではなく、それを導入検討する際も、なぜ導入するのかなどの背景を踏まえて、「それならばこうしたほうが良い」と話をまとめていくのが上手です。

細貝:
貴洋さんは、私の入社時のOJTをしてくれた先輩なんです。とても面倒見が良い先輩で、弁護士ドットコムに入ってはじめてHTMLとCSSのコードレビューをしてもらったときもレビューがとても上手だったんですね。良い点を褒めつつ、改善点を丁寧に優しく指摘してくれる。先生みたいな感じで、その印象は今も変わらないです。

とも子さんは、ここ1〜2年で一緒にプロジェクトチームで働くようになりました。プロジェクトにおける問題の分解や要点の整理などがとても上手で、いつも助けてもらっています。デザイナーではあるのですが、プロジェクトマネージャーに近いことをされているので、一緒に仕事をしている中でたくさん学んでいきたいです。

林とも子:
貴洋さんは、「いい感じに常識を疑うことができる」点が凄いです。常識の疑い方が嫌味じゃない。そんな疑問の持ち方ができると、楽しいだろうなあと。彼から繰り出される変化球が心地よいんです。いい余白を持っている人だと思います。

細貝さんは、とても奉仕の精神がある人であり、ものすごくトライをする人。ちょっとやってみようかなと思ったときには、もう既に細貝さんがやっている。奉仕の精神と機動力を掛け合わせて、いつもチームに貢献してくれています。無限の奉仕の人。少しでもみんなのために良いと思ったことは挑戦してくれる。とても心強いです。

林貴洋:
いやあ、褒め合うのはやっぱり恥ずかしいですね(笑)。でも、普段から相手に対して尊敬の念を持っていないと、短時間でこんなにも多く良い点は出てこないはず。普段から信頼し合ってコミュニケーションが取れている証拠なのだと思います。

今いるメンバーも、新しく入るメンバーも、お互いに良い刺激を

ーーこれから『弁護士ドットコム』デザイン部に入られる方に、メッセージをお願いします!

林とも子:
新しく入られる方の良い点も、きっとみんなですぐに見つけてしまうんだと思います。「こんなところがすごいね!」と褒め合う風土だから、すぐに馴染んでもらえるはずです。みんないい意味でお節介なので、Slackでも凄い速さで絵文字スタンプを押しがちになるはず。

細貝:
サポーター制度というものがあり、先輩社員が傍でフォローしてくれるので安心してほしいです。オンラインだと顔が見えづらいし話しかけづらいと思いますので、「良ければ一緒に作業をしませんか?」とペアでデザインを進めていくなど、仲良くなれたらと思います。

林貴洋:
デザイン部では「ケーキ会」という甘いものを食べに行くオフラインイベントが月1回のペースであります。たまにお肉を食べに行くこともありますが(笑)。いつも盛り上がります。ぜひ楽しみましょう。

林とも子:
私たちと一緒に働くことで新しい学びや発見をしてほしいです!その一方で、私たち自身も刺激を受けてちょっと変わりたいという気持ちもあります。私たちの世界観を押し付けるのではなく、お互いに良い刺激を与えあえたら、きっとそれは最高なんだと思います。

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