- プロダクトマネージャー/PdM
- 26新卒エンジニア職
- カスタマーサクセス/ハイタッチ
- 他36件の職種
- 開発
- ビジネス
- その他
日本最大級の法律相談ポータルサイトを提供する「弁護士ドットコム」。今回は、システムを裏から支えるエンジニアの方々に話を聴きました。
※「初めてのインタビューなので、正装で臨みました」とのこと。なんともズレた方々です(笑)。
■高橋 弘法
弁護士ドットコム本部 開発部 部長
兼 事業開発部 プロダクト&マーケティングチーム マネージャー
- 好きな季節:夏
- 好きな飲み物:水
■福田 慎太郎
弁護士ドットコム本部 開発部 EM(エンジニアリングマネージャー)
- 好きな季節:春夏冬以外(春は花粉が無ければ好き)
- 好きな飲み物:フルーツティー
■文:藤江 陽子
弁護士ドットコム本部 商品開発部
■撮影:鬼頭 愛
弁護士ドットコム本部 デザイン部
生活に密着したサービスの開発に携わるやりがい
はじめまして。高橋(写真・左)と福田(写真・右)です。
ー 開発部を引っ張るお二人。入社経緯を教えてください。
高橋「僕は2013年4月に入社しました。現在200名強の方々が弊社で働いていますが、当時は20名にも満たなかったですね。入社以前に弁護士のお世話になったことがあるのですが、“お説教”されて終わってしまって(笑)。今思えば、こちらの伝え方も不十分な点があったのですが、自分に合った弁護士を探すことが大事なのかなと感じた経験でしたね」
福田「そうだったんですね(笑)」
高橋「そんなとき、インターネット上で弁護士の方々に無料で相談出来る弁護士ドットコムに出会いました。自身の経験も相まって、いちユーザーとして魅力を感じましたね。そこで、エンジニアとして・・というよりも、“何かお手伝いしたいな”という気持ちで入社を決めました。生活に密着したサービスに携わって6年、本当にやりがいがあります」
突然のサングラスに驚く一同。驚かない高橋。
福田「僕は経歴としては4社目で、2018年12月に入社しました。もともと、弁護士ドットコムに気心のしれた元同僚がいたので、入社前から社内の状況は聞いていました。魅力的なメンバーが揃っているとはいえ、不足しているところもあり、また、“マネジメントできるエンジニア”という観点でいうと人材を求めている状態であるということも」
高橋「入社前の時点ですでに、弁護士ドットコムで働くイメージが出来ていたんですね」
福田「はい。それで、組織を良くするために何かできないかと思い、入社を決めました。僕はメディア系のWeb開発の分野でEMとして経験を積んで来たので、力になれると思ったんです。特に、ベンチャーが急成長する中で発生する“成長痛”ーー組織拡大の課題を乗り越えてきた経験は確実に活かせるなと。正直、うまくいったこともいかないことも色々あったので、弁護士ドットコムで再度チャレンジして、もっと上のフェーズを目指したいという気持ちが強かったです」
福田「ちょうど転職を考えていた時期で、“社会的な貢献度が高く、生活に密着しているサービスに携わりたい”という軸ともぴったり合ったので入社を決めました」
福田:「ちょっと汗かいてきました」とのこと。
ー お互いの印象はいかがですか?
高橋「マネジメント経験があるエンジニアの採用には苦戦していたので、福田さんが面接に来てくれたときは、ぜひ入社してほしいという気持ちになりました」
高橋「実際に入社されてからの印象は、“期待値以上“の一言です。私自身は、コミュニケーション摩擦よりも、事業やメンバーの成長を重視していました。一方で福田さんは、人もプロジェクトの特徴も適切につかんで、非常に丁寧なマネジメントをしてくださります。福田さんが関わるチームのメンバーはモチベーション高く働けるでしょうし、今では私自身のマネジメントもお願いしたいと思える方です」
福田「光栄です(笑)」
福田「高橋さんは、頼れるリーダーです。“組織としてこうあるべきだ” “課題はここにある”というのが見えた後に、道筋をつけて落とし込めるところがすごいです。課題感があっても常態化していると、いざ“変えよう”と思ったときにアクションを取りづらいものです。そこを恐れずに、おさえるべき工程をおさえて、筋を通してきっちり進めている。突破力、推進力、着地力・・表現するのが難しいのですが、信念に基づいて決めているところを尊敬しています。自分にないものをたくさん持っている方です」
高橋「光栄です(笑)」
変化を恐れない、アジャイルな組織
福田に褒められて照れる高橋。汗だくです。
ー 弁護士ドットコム本部の開発部はどんな組織ですか?
高橋「弁護士ドットコムとしては、今年で15期となります。人員拡大に伴って、組織体制は大きく変えてきました。今は、事業部ごとに開発部を設けており、弁護士ドットコム本部は、全社の中でも一番大きな事業部です。僕たちはその本部の開発部に所属しています」
福田「方向性としては、常にアジャイルな組織です。とりあえずトライしてみて、よかったら採用、ダメだったら次に進むという感じで。多方面から、“組織改編が多い”と思われている可能性はありますが、どんな結果であれチャレンジはポジティブなものと捉えています」
高橋「最近は人員増員にともなって、新しいツールやシステムの導入も進めています。全社的に関係するような大きな変更も積極的に行っていますね」
福田「200人規模の会社になったとはいえ、まだまだ変化の速さが求められているベンチャーのフェーズ。メンバーにも“変化に対する耐性をつけたほうがいい”と伝えています。採用活動をするときも、変化に耐えられる人材かという目線は必ず持っています。保守的ではなく攻めの姿勢でいるからこそ、よりスピード感をもって成長していけると思うんですよ」
真夏日に行われたインタビュー。会議室の気温は38度を記録しました(高橋から“冷房を消してくれ”という謎のオーダー有り)。
ー 課題を感じているところはありますか?
高橋「各チームにエンジニアが属しているフェーズもありましたが、今は部署として一つ独立したかたちで開発部を設けています。それによるメリットも大きいのですが、デメリットとしてはサイロ化が進んでしまったということがあります」
福田「弁護士ドットコム本部の中にも部署がいくつかあり、その中の一つが開発部です。大きな一つの部署の中でも、開発部以外の部署との連携において、以前からセクショナリズムの要素を感じていました。弊社に関わらず、どこの組織でも起き得ることだと思いますが、今は課題として認識しています。もっとうまく進めていきたいですね」
高橋「課題感はもう一つあります。アジャイルな組織という表現に代表されるように、今まではスピード感を優先して進めてきました。だからこそ、技術的な負債も存在してしまっているのが現状です。ゆでガエル理論の話とまでいかないまでも、現状の環境に慣れすぎてしまっている傾向にあるように思います」
ゆでガエル理論の話をしながら、自らも“ゆであがっている”模様(開発部・部長)。
ー どのようなアプローチを考えていますか?
福田「まずは現状に気づいてもらうところからかな、と思います。いろんなところに課題があるな・・という漠然とした状況に甘んじるのではなく、一つひとつ具体化して、見つけて、気づきに変えていく。高橋さんはそれをすごく自然にされているのですごいです」
高橋「急成長を遂げてきたからこそ、決定はトップダウンのことも多かったように思います。ボトムアップで何かを推奨する・・というカルチャーがまだまだ弱いのかもしれません」
福田「メンバー自身に主体的な動きをしてもらって、よりアグレッシブな組織にしたいです。もっと変えていきたいですね。僕たち自身にも、まだまだできることがあると思います」
高橋「もっと失敗に“価値”を感じられる環境にしたいですね。トライだけでなく、トライした結果の失敗にも価値を感じてもらうことで、より“自主的に動けるエンジニア”が輝けると考えています」
開発部から見た「弁護士ドットコム」
ご来社いただくと、こちらの“妙に細長い”ペットボトルをお出しします。
ー 弁護士ドットコム全体に対して感じる課題はありますか?
福田「技術的負債の解消は粛々と進めるとして、今もっとも課題感を持っているのは、エンジニアがいない組織で生み出されたプロダクトやサービスに関してです。今までは成長スピードを重視するがゆえに、エンジニアから見ると裏側に課題が残っているものも存在します」
高橋「あとから概要を知って、“エンジニアがいたらもっと良い座組が実現出来たはず”と感じるサービスがあるのが本音です。弁護士ドットコムという会社が得ている“社会的な信用”を考慮すると、もっと技術的な部分においてサービスレベルを向上させたいな、と思います」
福田「その点は、開発部が主体となってアプローチすべきことだなと思います。そのために、自主的に動けるエンジニアにもっと輝いてもらいたいですし、また、そういう人材を育てたいです。もっとサービスに入り込んでいって、よりよいサービスを作っていきたいですね」
ー サービス利用者への想いを教えてください。
高橋「弊社の主力サービスは、一般ユーザー向けには“みんなの法律相談”。弁護士向けには“弁護士向け有料サービス”です。サービス利用者としては、大きく二種類存在していて、両者をマッチングするための“弁護士検索サービス”にも力を入れています」
福田「一般ユーザーに関しては、数年前と比べれば、日常生活の中で“弁護士に相談すべき”と感じる機会が増えたように感じています。それでも、まだまだ弁護士は身近な存在とは言えないのではないでしょうか」
高橋「いざ法律トラブルに巻き込まれたとき、実際に弁護士に相談する人は2割程度と言われており、“2割司法”という言葉もあるほどです。ありがたいことにサイト訪問者数は増え続けていますが、もっと便利に、もっと最短経路で、お困り事の解決策にたどり着けるサービス作りをしていきたいですね」
福田「また、弁護士サイドで言えば、キャリア自体が変わってきています。弁護士数が増えていることもあって、取り扱う事件の分野を絞る弁護士や、法律事務所ではなく民間企業に所属する弁護士(インハウスロイヤー)が増えているんですよ」
高橋「変化があるということは、ニーズも多様化しているはず。最前線にいる営業部から上がってくるニーズをうまく吸収して、より多くの弁護士に価値を感じていただけるサービスを作っていきたいです」
高橋「そのためには部署を越えた連携がマスト。チームや部署、ときには他事業部を巻き込んで動けるメンバーと力を尽くしていきたいです。問題解決だけではなく、“問題提起”できるメンバーとともに、開発部としてよりよいサービスを提案したり、もっと改善したりしていきたいです」
専門家をもっと身近に - 開発部として目指す未来
↑こちらのお水、お出しするのはお一人に1本のみです。ご了承ください。
ー 今後のビジョンを教えてください。
福田「弊社の理念は“専門家をもっと身近に”。とっつきづらい法律トラブルに対して、オンライン法律相談や弁護士検索、ガイドコンテンツなども含めた様々な機能を拡充していくことで、困っている人をサポートし、さらには困っている人がゼロになる世界を目指していきたいです」
高橋「また、開発部としては、弁護士にとっても“ITをもっと身近に”していきたいです。弁護士業界は、FAX文化などのデジタル化されていない商慣習が残っています(参考記事はこちら)。Web業界の当たり前は、弁護士業界の非常識であることも多くあるんです。だからこそ、技術をもって便利なサービスをお届けし、弁護士にとってITがもっと身近な世界になればいいなと思います」
高橋「弁護士にとって便利なサービスをつくることで、例えば業務効率を上げることができれば、新たに生まれた時間でもっと多くの依頼者を救えます。弁護士のためにも、一般ユーザーのためにも、できることを全力でトライしていきます」
面接はスーツではなく、私服でお越しください。
ー 開発部の未来についても一言お願いします。
福田「エンジニアにとって、“トライをもっと身近に”。どんどんトライできる環境であることを浸透させて、チャレンジ意欲の高い人が集まる組織にしていきたいです。エンジニアが、エンジニアリングとサービス・プロダクト成長のどちらにもフォーカスできる組織である強みはそのままに、さらなる高みを目指していきます」
高橋「試みの一つとして、2019年の7月よりBEAR.Sundayの開発者である郡山 昭仁さんに技術アドバイザーとして来ていただいています(YouTube|全てを結ぶ力 2019)。メンバーのチャレンジ意欲を引き出すと共に、 BEAR の思想に触れることで特定の言語に依存しない技術力が取得できる環境になればいいなと考えています」
高橋「まだまだ弁護士ドットコムは成長フェーズなので、伸びしろも多いです。課題感を理解し、それを一つひとつクリアしていくのを楽しめる人は、弊社でも生き生きと働けるのかなと思います。一緒によりよい組織づくりやサービス開発をしませんか?」