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今回は、クラウドサイン事業部でカスタマーサクセスとして働く、高橋 由美さんに話を聞きました。
語り手:高橋 由美
クラウドサイン事業部 カスタマーリレーションチーム
教員、編集者などのキャリアを経て弁護士ドットコムへ。2017年4月入社。
赤身肉とホッピーと銭湯が好きです。
聞き手:藤江 陽子
商品開発部 クリエイティブチーム
弁護士ドットコムで制作を担当。
旅行とBリーグと和牛(お笑い)が好きです。
クラウドサインの「カスタマーサクセス」とは
ー クラウドサイン事業部のカスタマーサクセスが担う役割を教えてください。
カスタマーサクセスは、顧客の成功に向けて問題や課題の解決を支援することがミッションです。
クラウドサイン事業部では2019年4月より、カスタマーサクセスを担当するチームが三つに分かれました。
・CSMチーム:担当顧客に対し、個別に導入から活用、利用拡大に至るまでを伴走する
・カスタマーオペレーションチーム:顧客のヘルススコアを始め全体の設計に加え、ウェビナーやユーザー会の企画推進を行う
・カスタマーリレーションチーム:チャットでのサポートに加え、ヘルプコンテンツやプロダクト改善の推進を通してより多くの顧客がスムーズに活用できる環境を作る
私が所属するカスタマーリレーションチームは、チャット対応を中心に、全てのユーザーがスムーズにサービスを利用できる環境作りをしています。ユーザーへのアプローチ方法は違いますが、ミッションは同じなので、3チーム合同で毎週定例ミーティングを行い、チームの垣根を越えて連携しています。
ー 具体的に、どのような業務を担当していますか?
今は業務の7割ほどをチャット対応が占めており、ユーザーからのお問い合わせ対応(操作案内、不具合、機能要望など)を主に担当しています。お問い合わせ対応を行いながら、FAQの新規作成や改修、導入企業の各種お申し込み手続きなどの各種対応も行っています。対するユーザー数が絶対的に多く、ありがたいことに導入社数もどんどん増えているので、効率化が求められていますね。
ー カスタマーサクセスとして目指す、理想のサービス像はありますか?
カスタマーリレーションチームでいうと、「ユーザーがお問い合わせをしなくてもサービスを十分に活用できる状態にする」のが理想だと考えています。
そのために今、特に力を入れているのが、お問い合わせ自体を減らす施策です。ガイドツールを導入することでお問い合わせをしなくとも利用方法を理解できる流れを作るなど、新たな施策を進めています。
以前は「お問い合わせに対する回答スピードを速くしてユーザーの満足度をあげること」を指標としていました。でも、実際はチャットにお問い合わせをしている時点でユーザーの時間を奪っています。お問い合わせが発生するたびに、本当の意味での満足度はどんどん下がっていくと思うんですよね。
ー 素敵な考え方ですね。
マネージャーの佐伯が勧めてくれた、『おもてなし幻想』を読んだことが大きかったです。元々ユーザーの手間をなるべく減らしたいと思っていましたが、この本を読んで「快適にサービスを活用してもらいたい」とより強く思うようになりました。
攻めの姿勢を貫きたい
ー どんなチームですか?
クラウドサイン事業部のカスタマーサクセスは“攻め”の姿勢が求められ、いわゆるカスタマー“サポート”とは異なります。カスタマーリレーションチームでは、私ともう一人のメンバーが二人で主導して進めています。自分で施策を考えて進めていける環境なので、とてもやりがいがあります。
メンバー同士の関係でいうと、私のほうが社歴が長いので、教える立場です。でも、決して上司と部下といった上下関係がはっきりしているわけではなく、ともにアイディアを考え実行していく“同士”のような存在だと思っています。経験も年数も関係なく、一緒にやっていくメンバーという意識が強いですし、私自身そういう雰囲気でのびのび働くことでそれぞれの個性が生きると思っています。
また、業務を進める上で、時間管理や業務の見える化は必要不可欠です。属人化してしまっても困りますし、誰かに業務が偏らないように、ツールを使ってタスク管理を徹底しています。メンバーとの1on1も実施しており、メンバーが一人で悩みを抱え込まないように注意しています。
ー メンバー主導で進めているんですね。マネージャーはどんな存在ですか?
マネージャーの佐伯は、タスクを進める時に「どうしていくべきだと思う?」と私たちに都度考える機会をくれます。メンバー主導で進めている取り組みに対して、意見を尊重してもらえるので、自主性を重んじてくれていると感じます。
現在は、週次ミーティングや隔週の1on1でタスクの進捗確認や今後の施策の検討を行っています。意思決定の承認者という立場でもあるので、私たちが確信を持って進んでいるときはそのままに、遠回りになりそうなときは都度軌道修正してくれます。適切なアドバイスがもらえるので、自信を持って施策を進められています。
熱狂的なファンを作る - 私たちが作る未来
ー カスタマーリレーションチームの目標を教えてください。
今期のカスタマーリレーションチームの目標は「熱狂的なクラウドサインファンを作る!〜顧客に無駄な努力をさせない編〜」です。
日々多くのユーザーと接する中で、「より多くの人にクラウドサインファンになってもらいたい」という想いは自然なものでした。
副題の「顧客に無駄な努力をさせない編」は、ユーザーにより負担なく快適にサービスを使ってもらえるようにしようと考え、決定しました。自分自身、すごく腑に落ちている目標です。
カスタマーサクセスは架け橋であり、発信者でもある
ー 他のチーム、他職種のメンバーとはどのように連携されていますか?
ユーザーからの機能要望の声をプロダクトに反映するためには、私たちが適切なヒアリングをしてまとめ、ディレクターチームに伝える必要があります。また、新機能の開発時は、公開前に仕様を確認してヘルプセンターを作り、セールスチームが説明に利用できる状態にしておかなければいけません。
言わばユーザーと事業部全体の“架け橋”であり、ユーザーの声を代弁する“発信者”のような存在だと思っています。
だからこそ、プロフェッショナル&リスペクトを意識して、チームを越えて連携できるように考えて行動しています。ディレクターチームや開発チームとは席の距離が近いので、仕様の相談もしやすい環境です。日頃からコミュニケーションをとることで、よりユーザーにとって有益なサービス作りができていると思います。
ー “架け橋”として難しさを感じることはありますか?
ユーザーの機能要望については、都度シートにまとめ、毎週他のカスタマーサクセスのチームと確認しています。まとめた上でディレクターチームに伝えるようにしているのですが、ユーザーが求める機能を全て提供できない“歯がゆさ”を感じることはあります。事業部のメンバーとして、開発の優先順位について理解しているので、ユーザーにはできる限り現状での代案を伝えるようにしています。
私たちは、他のチームに負荷をかけないコミュニケーションを心がけ、こちらで完結できることはなるべく巻き取るようにしています。チームを越えて依頼をするときも、より緊急度の高いものや、時間がかからないものと優先順位をつけて、1回の依頼で解決ができるように考えています。
自由なカルチャー、クラウドサインだから成長できた
ー もともとカスタマーサクセスの仕事をしていたのですか?
いえ、カスタマーサクセスの仕事は初めての経験でした。キャリアのスタートは中学校の教員で、前職では労務系のオウンドメディアの編集を担当していたんです。
弁護士ドットコムに入社したのは2017年4月で、思えばもう2年を過ぎているんですね。入ったときは全体で100人、クラウドサイン事業部は10人ほどでした(2019年6月現在:全体で約200人、事業部は約40人)。カスタマーサクセスは現在のようにチームとして独立しておらず、今CSMチームのマネージャーを務めている岩熊が、営業など諸々の業務とともにカスタマーサクセスを兼務していました。
入社当初は、クラウドサイン事業部のオウンドメディアの編集を担当しました。法律に関する内容なので間違った記事を公開してはいけないプレッシャーもありましたが、やりがいをもって日々編集業務を行っていました。
それからほどなくして、カスタマーサクセスも兼務するようになったのですが、ユーザーと直接やりとりするのがすごく楽しかったんです。ユーザーからサービスの要望をたくさんいただくので、サービスの改善点を考える機会が増えましたし、ユーザーの声のおかげで、プロダクトをよりよくすることができている。何て楽しいんだろうと。
ー 入社して、できるようになったことはありますか?
以前より、自分の意見を明確に伝えられるようになりました。
クラウドサイン事業部は、みんなでバリューを話し合って決めるなどカルチャーをメンバー全員で作り上げているので、一人ひとり意見を言いやすい環境だと思います。私も働いているうちに「意見を言ってもいいんだ、むしろ言った方がいいんだな」と自然と思えるようになりました。サービスをみんなで作って盛り上げている一体感があるところも、クラウドサイン事業部のよいところです。だからこそ、「あれもこれもやってみよう」と思えるようになったんです。
ユーザーの声を一番近くで聴いているという自信。カスタマーサクセスという職種に出会えたことも、成長できた大きな理由の一つだと思います。
カスタマーサクセスとしての成長
ー カスタマーサクセスとして、できるようになったことはありますか?
物事を先回りして考えられるようになりました。お問い合わせを受けたら、まずユーザーが「何を求めているのか」を考えることが必要不可欠です。同じお問い合わせに見えても求めている答えは違うこともあり、最適な回答もユーザーごとに異なります。そこがカスタマーサクセスにとって難しいところです。
ユーザーの時間をなるべく無駄にしないためにも、一度で十分かつ適切な回答をするのがベストです。そのために、サービスについて仕様も含め深く理解している必要がありますし、ヒアリング力も必要です。
自分もプロダクトも「よりよく」したい
ー どういうところにやりがいを感じますか?
ユーザーの声をもとにサービスをよりよくするにはどうしたらよいか考えて、実際にそれがサービスの機能開発や改善に繋がるところにやりがいを感じます。同時に、新機能のリリースをユーザーに伝えたときに喜びの声を直接聴くことができるのも嬉しいです。
自らの成長はもちろん、ユーザーのためにプロダクトも改善し続けて、全てを「よりよく」していきたいと思っています。
また、カスタマーサクセスという職種自体の認知度も向上させたくて、他社のカスタマーサクセスの担当者と連携して、カスタマーサクセス女子会を主催したこともあります。同じ職種の方との交流は、とても刺激になります。
ー どんな人と働きたいですか?
「カスタマーサクセス」というカテゴリーでみると、担う範囲が広く、色々な知識を幅広く理解している必要があります。まだまだ経験者が少ない職種だと思いますが、裏を返せば、様々な経験を活かすことができる仕事です。
クラウドサイン事業部は共に協力し合い、目標に向かって進んでいける環境です。決して意見を押し付けるようなことはありません。サービスを「よりよくしたい」という気持ちがある人にはぴったりだと思います。
主体的に考えて進めていける人と、ぜひ一緒に働きたいです。
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