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弁護士ドットコムでは現在13人のデザイナーが働いています。法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」や税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」など、各メンバーはそれぞれのサービスチームに所属して仕事をしていますが、デザイナー皆で成長していくために定期的に勉強会を開催するなど、「弁護士ドットコムのデザイナー」としてのまとまりを重視したチームづくりを行っています。
このデザイナーチームでマネージャーを務めるのが内藤 竜一です。内藤のファーストキャリアはなんと宝石のセールス。学生時代もデザインとは全く縁がなかったそう。そんな内藤がどうしてデザイナーの道を選んだのか、なぜ弁護士ドットコムで働くのか、これからどんなことにチャレンジしたいのか。お話を聞きました。
語り手:内藤 竜一
2017年10月に弁護士ドットコムに入社。デザイナーとして「弁護士マイページ」の開発・運営を担当。2018年4月より、デザイナーチームのマネージャーとして奮闘中。
聞き手:石原(人事)
ドM基準なキャリア選択
— 内藤さんはどんな学生時代を過ごしていたのでしょうか?
小学生の頃はサッカー部の副キャプテン、学級委員、応援団の団長などをやっちゃうとてもうるさい子供でした。中学に入ってからはサッカーだけでなく洋楽にもはまり、ギターを弾き始めました。高校でもスポーツばかりで勉強はさっぱり。先生になんとなく勧められた受かりそうな大学を受けて進学しました。
大学でもほとんど勉強はしませんでしたが、唯一、英語の勉強だけしていました。洋楽が好きだったので、ちゃんと歌詞の意味をわかって聞きたいなと思ったんです。大学3〜4年の時に英語の専門学校に通って、アイルランドに2か月留学しました。
— 一切デザインの話が出てきませんね(笑)。
そうでしょう(笑)。
— そんな内藤さんは新卒でどんな仕事をしていたのでしょうか。
宝石商社で営業をしていました。優良顧客のお宅へ訪問し、宝石を売りに行く仕事です。当時、自分の中で一番自信がなかったのが、営業やプレゼンすることだったので、この劣等感を払拭したいと思い、あえて営業職を選びました。
— ストイックですね…営業職の中でもどうして宝石商社を選んだのでしょうか。
宝石って、別になくても困らないものじゃないですか。どうせ営業するなら、生活するのに必要でもないものを売れるようになりたいと思って、宝石商社を選びました。2年くらい勤めましたが、なかなかハードな仕事でしたね。全国を飛び回るような生活で、休みは少なかったですし。営業先であるマダムからはお尻を触られることも(笑)。最終的には、数百万円のエメラルドをお買い上げいただけ、全社で3位の売上成績を残すことができました。それでやっと、苦手意識がクリアできたように思い、会社を退職しました。
— 次はどんな仕事を選んだのでしょうか。
音楽情報などをコンテンツ配信している会社にアルバイトで入社して、海外ニュースの翻訳や発売前のCDのレビューなど、ライティングの仕事をしていました。僕、書くことに対しても苦手意識があったので、今度はそれを克服したいと思い、チャレンジしました。
— もはやドMですね(笑)。
デザイナーになることしか考えられない
— デザインに触れたきっかけはいつなのでしょうか。
そのアルバイトをしている時にFlashのデベロッパーに出会ったことがきっかけです。それまでWebデザインとは無縁に生きてきましたが、自分と同じ歳くらいの人が、目の前で動くものをつくり上げていることに感動し、あっという間にFlashの虜になりました。それでデジタルハリウッドに通い始め、Flashなどデザインやプログラミングを勉強しました。これまでのキャリア選択とは違って、デザインの勉強は「苦手だからやる」ではなく、初めて純粋に「やってみたい」という想いから突き動かされました。
— それからデザイナーとして仕事をすることになったのでしょうか。
はい、デジタルハリウッドでの卒業制作をポートフォリオにして、ゲーム会社で派遣として働くことができました。もう最初は自分のレベルが低すぎて、ディレクターからダメ出しの連続。いくつも紙に書いて案を出しても、目の前でビリビリに破かれていました。辛かったですが、でもそれ自体がすごく新鮮でした。「うまくなりたい」の一心でしたね。「自分には向いていないかもしれない」と感じても、自分にとってそんなことは関係なくて、「自分はこれからデザイナーになるんだ」と思い込んでいました。罵倒されていたディレクターからも、最後は「内藤くん、これいい感じにしといて」というオーダーに「OK!」と返せるくらいには上達しました。
ゲーム以外のモノづくりもしたいと思い、その後は受託の制作会社を2社経験しました。1社はアーティストのプロモーションサイトなど、とにかく派手にかっこよくつくることを求められる会社で、もう1社はコーポレートサイトの制作がメインだったため情報設計からきっちりと考えていくような会社でした。どちらも制作会社ではありましたが、つくるものは正反対で、カラーが全く異なる環境でした。ちょうどその頃、Flashの一大ムーブメントが終わりを告げるのですが、デザインに対する自分の興味関心は衰えることがありませんでした。
ただ、クライアントに納品したら終了する仕事に次第に疑問を感じ始めました。「自分の仕事はユーザーに届いているのだろうか」と。納品して終わりではなく、もっと長いスパンでサイトの成長に関わりたいと思い、事業会社への転職を決意しました。
— 制作会社と事業会社って、全く違いますよね。
そうですね、何もかもが違う。受託と違って、事業会社は上からお題がふってくることがないですから、自分で課題を見つけなければいけません。それだけでなく、モノのつくり方も異なります。たとえば、制作会社では審美性の高い完成品をつくることが求められますが、事業会社では社内でプロトタイプをつくってチームメンバーに見せながら仕上げていくような柔軟な動き方が求められます。これは考え方を変えなければいけないと思いました。
あとMTGの多さにも最初は戸惑いました。メンバーと話し合うことも重要な仕事の一つだと今ではわかりますが、モノをつくっていない時間が長くて、落ち着きませんでしたね(笑)。
— 事業会社ではどんな経験が得られましたか。
根拠をつくるために分析の仕方などを勉強しました。PDCAの回し方を学び、CVRを上げるにはどうすればよいかなど、数字を意識した考え方を身につけることができました。あと、当時僕は看護師向けの媒体を担当していたんですが、実際にユーザーである看護師へサービスについてインタビューできたこともこれまでにない経験でした。
デザイン思考を実践している会社を求めて
— なぜ前職からの転職を考えたのでしょうか。
前職は全社的にエンジニアが多く、エンジニア文化の強い環境でした。デザイン関係の本などを読んで勉強してきた自分にとって、「本当にデザイン思考を実践している会社はあるのだろうか」と思い、とりあえずエージェントに登録して色々な会社を紹介してもらいました。その中の1社が弁護士ドットコムでした。
— 弁護士ドットコムのことは知っていましたか。
いえ、ほとんど知りませんでした(笑)。変な名前の会社だなと思いつつも、とりあえず受けてみるかと思って面接へ行ってみたら、佐伯さんに出会い、心をわしづかみにされました。制作会社から事業会社へ転職しているキャリアも自分と近く、何より会社の中でデザイナーの文化を定着させてきたという話がめちゃくちゃ自分に刺さり、この人と一緒に働きたいと思って入社を決意しました。
— 弁護士ドットコムへ入社してみてどうでしたか。
デザイナーもエンジニアもフラットな関係で、お互いを専門職として尊重し合っている関係性が心地よいですね。サービスごとにデザイナーやエンジニアが配属されていますが、職種ごとの横軸の文化もあり、デザイナーチームとしてまとまりがあるところも魅力的です。あとは、勉強会の質が高い!隔週でデザイナー勉強会を開催し、その中でメンバーが共有したいと思う情報を自由に発信しているんですが、こんなに内容の充実した勉強会を定期的に開催している会社はほかに知りません。
デザイナー勉強会の風景
— 弁護士ドットコムではどんな仕事をしているのでしょうか。
「弁護士ドットコム」に登録している弁護士が利用する「弁護士マイページ」のデザイナーを担当しています。「弁護士マイページ」では、「みんなの法律相談」に寄せられるユーザーからの法律相談に回答したり、法律関係の最新ニュースを確認したりすることができます。「弁護士マイページ」チームは、弁護士ドットコムの社員である弁護士がチームマネージャーを務め、そのほかデザイナー1名(自分)・エンジニア2名・編集1名の少数精鋭チームです。弁護士にとって使いやすく、アクセスしたくなるようなサービスを提供できるように心がけています。
また、デザイナーチームではマネージャーとして、デザイナーメンバーの成長にも関わっています。マネジメントの経験は初めてなので、僕自身、勉強しながらやっています。
— どんなことにやりがいを感じますか。
メンバーの成長を感じる時でしょうか。たとえば、今まで興味を示していなかったことに対して「やりたい」と手をあげてくれるようになったり、デザインの腕前が上がったなと感じたりする時に実感します。
— 内藤さんはこれからどんなデザイナーチームをつくっていきたいと思いますか。
デザインすることだけに閉じず、ビジネスやテクノロジーの分野へ橋渡しできるようなハブになれるデザイナーとして成長してもらいたいなと思います。サービスは色々な役割を持ったメンバーでつくりあげていくので、自分の役割を狭めずに、幅を拡げて取り組んでいけると、サービスとしてもチームとしても強くなれると思うんです。僕の好きな言葉に「デザイナーに必要なのはスキルアップではなくスキルチェンジ」という言葉があるんですが、まさにそれを意識していきたいですね。
— スキルチェンジを意識し始めたのはいつからでしょうか。
そういえば、前職では考えたことがなかったかもしれません。弁護士ドットコムでマネージャーになってからでしょうか。
— では、これは内藤さんのドMじゃない新しい挑戦なんですね!
そうですね。新米マネージャーの僕が弁護士ドットコムで見つけたこれからの新しい挑戦です。