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複数社でアドバイザリー事業を立ち上げてきたリードが語る、アバナードならではの強みと魅力

アクセンチュアとマイクロソフトの戦略的合弁会社として2000年に米国で生まれたアバナード。「戦略×テクノロジー」の支援により、これまで多くのクライアントのイノベーション創出を支えてきました。

世の中には多くのコンサルティングファームやシステムインテグレーターが存在し、コンサルティングとシステム開発を一手に引き受けている企業も少なくありません。そんな中、なぜアバナードが選ばれクライアントから評価されるのか。

今回はアドバイザリー統括の入江にインタビューを実施。これまでのキャリアで複数社のアドバイザリー事業を立ち上げてきた入江。8年前にアバナードでアドバイザリー事業を立ち上げ、今や80人規模に成長させています。今後、アドバイザリーチームをどのように成長させていくか、ビジョンについて語ってもらいました。

数々の会社でアドバイザリー事業の立ち上げを経験

―入江さんの経歴を聞かせてください。

私は1995年に「朝日アーサーアンダーセン」に入社しました。その後、アンダーセンはベリングポイントになり、2010年にPwCに買収されるのですが、私は先んじて先輩の誘いを受けて2007年からPwCでアドバイザリー部門の立ち上げに参画していました。PwCのコンサルティング部門は、2007年の立ち上げ段階では数人からのスタートでしたが、2010年のべリングポイントとの統合時には300人を超える組織にまで成長していました。

PwCがベリングポイントを買収したのを機に、古巣であるベリングポイントとともにやっていくことも考えたのですが、そもそも新しいことをしたいと思ってべリングポイントを飛び出したので、初心貫徹また新たなスタートをEYで行うことを決意し移りました。当時EYはアドバイザリー部門を新たに立ち上げるタイミングで、最初は3人で始めたチームを3年でしたが800人の組織に成長させました。

―そこから、なぜアバナードにジョインしたのでしょうか。

EYでは役員をしていたのですが、規模も大きくなりマネジメント内での考え方の相違が散見されるようになり、対立することもしばしばありました。私個人はコンサル適正サイズ論を持ち、むやみに人員を増やすのではなく適切なサイズでコンサルタントの習熟度を高めることこそ、クライアントに資すると考えていました。異なる対立軸の中で役員を退任することになり、それを機に2015年にKPMGへ移り、新会社となるKPMGコンサルティングを立ち上げ、理想とするコンサルティング会社作りをまた一から挑戦しようと奮闘していました。そんな折、当時アバナードの社長でありアンダーセンでの先輩である安間さんに誘われてアバナードにジョインすることになったのです。これからのコンサルティング会社、コンサルティング業とは、という話しに繋がっていきます。もちろん、安間さんと一緒にビジネスをすることが大きなモチベーションとなったことは言うまでもありません。加えて思い返すと、ゼロから組織を作り上げること、そして仲間と共にわいわいと楽しく組織を成長させていくことが、根っから好きなんだと改めて実感したのもジョインした理由です。

しかし、6年ともに歩んだ安間さんも、一昨年には社長職から会長職になりご自身の10年間の節目を迎えた昨年勇退されました。

―安間さんと一緒に辞めようとは思わなかったのですね。

会社の若返りが一区切りつくまで頑張ろうと思いました。一昨年、安間さんが社長を退任する際にエグゼクティブが5人いて、最後に若くしてエグゼクティブになったのが現社長の鈴木でした。クライアントのビジネス環境や競争優位性がITの力で変わる時代を迎え、当社も柔軟で挑戦する体制を作る必要があり、安間さんは生え抜きの若手である鈴木にバトンを託しました。

私もその考えに賛同し、安間さんから鈴木に託されたバトンをしっかり握ってもらうサポートをし会社の若返りを実感するまでは会社に残ろうという気持ちになりました。

ビッグ4のアドバイザリーサービスとの絶対的な違い

―様々な会社のアドバイザリー事業を立ち上げてきた入江さんから見て、各社のサービスの違いを教えてください。

正直、大手のアドバイザリーのサービス内容自体は大きな違いはありません。立ち上げ時の想いはそれぞれ違っても、組織が大きくなると、どうしても売上重視になり汎用度の高いソリューションをどこも持ちそこに差別化はなかなか図られません。

組織が2,000人規模ともなると、事業を維持・成長させるために、どの会社も同じような料金・サービス・組織体系になっていき、そのため大手のアドバイザリーサービスは質の均一化を図りコモディティ化していってしまうのです。

―アバナードは、大手のアドバイザリーとは違うのでしょうか。

アバナードは大きく違います。まずビッグ4と呼ばれる監査法人は、厳密にいえばシステム開発サービスを提供できません。そして、今は定性的なコンサルタントのペーパーワークよりも、具体的なシステムの実装によるビジネスの具現化が求められる時代なので、ビジネスとシステムを切り分けることはできなくなっています。

例えば、「CRMを入れたほうがいいですよ」と言われるより「CRM入れるんだったら、こういうアプローチで、こういう製品を使って、これくらいの工数でいれましょう」と言われた方が嬉しいですよね。その当たり前の一気通貫のサービスを提供できることが、いわゆる監査法人系コンサル会社とアバナードの違いであり強みでもあります。

―システム導入までできるのがアバナードの強みなんですね。他にも優位性があれば聞かせてください。

監査法人の場合、独立性の担保が厳しく求められているため監査法人が持つ監査クライアントに対してはアドバイザリー業務ができないといった不自由さもあります。

私たちは本当の意味で中立性や公平性を担保してアドバイザリーサービスが提供できる環境にあると実感することができます。実際に働いてみるとそこは思っていた以上に大きな自由度があり違いを感じます。

―ビッグ4との違いはわかりましたが、日系企業とはどのような違いがあるのでしょうか。

アバナードはマイクロソフトとの資本関係があるため、マイクロソフトツールに関しては他社よりも圧倒的にアドバンテージがあり、第一人者であるというプライドもあります。そのため、マイクロソフト製品を使ってビジネスをドライブするなら、他のシステムインテグレーターや総合系のファームより優位性があるでしょう。

一方で、マイクロソフト製品しか提案できないのは、弱みと思われるかもしれません。しかし、私たちアドバイザリーグループは社内でも中立的な立場にあり、必ずしもマイクロソフトソリューションに落とし込むといったことを求められていません。あくまでもクライアントが求める解をクライアントとともに考え、結果マイクロソフトソリューションになれば一気通貫、全社一丸となってご支援します。また、そうでなければ責任をもって他ベンダーと連携し最後までともに伴走します。それができる自由度が当社アドバイザリーの特色でもあります。

―どのような案件が多いのかも聞かせてください。

案件の2割が経営戦略に関わる案件で、残り8割は業務改善・改革といったいわゆるBPR案件となります。いずれもシステム導入を前提とした具体的な話が多いと思います。

案件によってテーマは様々ですが、要件定義を3カ月ほどでアドバイザリーグループで行い、テクノロジーチームに引き継いで実装していくのが一般的です。マイクロソフトソリューションではなく、例えば基幹システムでいえばSAP、クラウドサービスで言えばAWSを起用されるクライアントもいますが、そのような場合はパートナー企業と連携しながら伴走してサポートすることもあります。

社内でも異質なアドバイザリーチーム。今後社内と統合していくためには

―アドバイザリーチームの雰囲気について聞かせてください。

アドバイザリーチームは、社内でも少し変わった雰囲気を持っていて少し近寄りがたいと思われていたこともありましたが、それは他のチームとの差別化を図るために意図的に振る舞ってきたという面もありました。

当社のテクノロジーチームにも、クライアントの業務を理解して提案できるメンバーも大勢いてアドバイザリーチームにも引けを取りません。そのような環境の中で、アドバイザリーチームとしてできること、会社内他者から頼られること、を俯瞰しながらプラスアルファなことを探し続ける必要があったので、周囲から見れば異質な感じに見えていたのかもしれません。

まずは自分たちができることを示し、違いを分かってもらおうとしてきたのが、最初の5年間でした。以後これまでの3年で最近ようやく自分たちの立ち位置が認知されつつあるので、これからは社内での協力・協業体制の強化、融和を進めていこうと思っています。他チームと一緒に提案しに行く機会が加速してきたように感じます。

―これからどのようにテクノロジーチームと融和していくのでしょうか?

まずはアドバイザリーチームが全ての提案に同席する状態にしたいです。単なるシステムの導入案件だったとしても、そこに業務的な課題や全社的な課題があると思っています。そこをアドバイザリーチームの視点で、クライアントの視点にもない提起・提案をするのが、私たちの目指す姿です。

また、クライアントへ提案をする際にテクノロジーチームだけでなく、アドバイザリーチームが同席することで提案のクオリティを担保したいと思っています。今すぐ実現するにはリソースが足りませんが、優先順位を決めながらそういった機会を増やしていきたいと思っています。

―融和を進めていくために、必要なことがあれば教えて下さい。

規模を拡大することも重要ですが、インダストリーナレッジを強化していく必要があると思っています。単に業界の理解を深めるだけでなく、各業界でどのような最新テクノロジーが新たな競争優位性を生み出しているのかを絶えずアップデートしながら、クライアントに資する貢献ができればと思っています。

今後、最新テクノロジーの活用は企業にとっては単なるシステムではなく、企業戦略そのものになっていくことが予見されます。我々アドバイザリーグループも最新のテクノロジーを意識して、クライアントの業務からシステムまでの最適解を提案し、ご提供できるようにしていきたいと思います。

―アバナードでアドバイザリーとして働くやりがいを教えて下さい。

一つはテクノロジーの部隊がいるので、提案の質が格段に上がることです。一般的なコンサルティングファームでは、システムを提供するためには、他のシステムインテグレーターと組む必要があります。それでは上流の提案はできても、クライアントの課題解決まで見届けられません。そこを一気通貫で提供できるのが、アバナードのやりがいだと思います。

たとえばアドバイザリーが5人で要件定義をしたら、1~2名はプロジェクト マネージャー(PM)として残ってプロジェクトコントロールをしていきます。大きい案件だと2年ほどかかる場合もありますが、アドバイザリーが最後まで案件を見られるのは他社にはないやりがいではないでしょうか。

―社内の雰囲気はいかがですか?

風通しがよくて、とても働きやすいと思います。私自身は4大監査法人系と言われているコンサルティング会社のうち、3社での就業を経験していますが、一番の居心地の良さを感じています。一言で言えば、人が好い。皆がそれぞれを尊重し尊敬しあえているようなところです。

また、ITスキルを身に着けたい方にもおすすめです。アバナードではアドバイザリーとしてのトレーニングはもちろんこと、ITのトレーニングも受けられます。他テクノロジーグループへの転部も可能なので、今はITスキルがない人でもアドバイザリーを足がかりに最新のITのスキルを身につけることもできるでしょう。

今はまだITスキルがないコンサルタントも食べていける時代ですが、将来的には難しくなると思います。今のうちからITスキルも身につけておきたいと思っているコンサルタントの方はぜひ話を聞きに来てください。



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