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イノベーター集団の新卒が受講するプロフェッショナルトレーニング

グローバル規模でイノベーションを推進しているアバナードが新卒入社者向けに用意しているのは技術トレーニングだけではありません。凄腕の技術者たちをプロフェッショナルたらしめている背景には、アバナード全メンバーが共通で習得している、あるスキルがあるのです。

中途メンバーだけではなく、新卒メンバーもそのスキル獲得に向けたトレーニングを必ず受講し、ビジネスマンとしての強さを養っています。そのトレーニングとは、一体どんなものなのでしょうか?

2020年にアバナードに新卒入社した菊本 風美香さんと、ビジネス領域のトレーニングを担当する内原 浩介さんにお話を伺いました。

※このインタビューは2022年1月19日に実施されました。

プロフェッショナルスキル=イノベーションスキルの基礎

——アバナードに入社した方が、ITコンサルタントとしてプロフェッショナルであるためにどんなトレーニングを受けているのか教えてください。

内原 浩介(以下、内原):前回の技術トレーニングインタビューでもお伝えしているように、トレーニング全体としては約3カ月半で一人前になってもらえるようにプログラムを組んでいます。

そのうち、ビジネス領域を学ぶプロフェッショナルスキルのトレーニングは約3週間。

いたずらに時間をかけてトレーニングするのではなく、バリューを発揮できるレベルまで達したら現場に送り出し、現場で成長速度を加速できるよう、その基盤となる知識をお伝えしています。

▲内原 浩介(うちはら こうすけ)/グループマネジャー
SIerにてシステムエンジニアとして営業支援システム開発に従事しながら、ネットワークエンジニアとしてのキャリアも築いた後、スタートアップ企業でオープンソーステクノロジーを用いた開発から保守まで一手に担うプロダクトエンジニアとして活躍。2008年10月にアバナードへ。ITコンサルタントとして実績を積み、2016年からはトレーニング環境の整備やソーシング構築に尽力。プロフェッショナルスキルトレーナーであり、マイクロソフト公認トレーナーでもある。

内原:そのために必要なスキルというのが、ロジカルシンキング、ビジネスライティング、タスクマネジメントです。どれも一般的に世の中で使われている言葉で表現していますが、全世界の、アバナードのITコンサルティングの経験が、その内容に集約されています。

▲プロフェッショナルスキルおよびロールプレイを経て、新卒メンバーは実際のプロジェクトにアサインされます

——この3つのスキルにフォーカスしている理由はありますか?

内原:なぜこのようなスキルを教えているのかというと、アバナードが実現したいイノベーションというのは、ひとりの頭脳だけでは難しいと思っているからです。

言い方を変えると、複数人が集まって、いろんな角度から物事を観察して伝え合って判断していくことによって、イノベーションを起こすことができると考えているんですね。

そのために、これらのスキルが必要なんです。

——プロフェッショナルスキルというのは、いわばイノベーションスキルになるわけですね。

内原:そうですね。アバナードというのは、多様性に富んだ頭脳が集まっており、それが大きな優位性につながっていると思います。我々は、グローバルのアバナード、アクセンチュア、マイクロソフト…と、国境、世代、人種などさまざまな領域を超えた多様な頭脳を集結できるので、それをロスなく活用したいんです。

たくさんの頭脳を集めても単に作業を進めるだけだと、そこにはロスが生まれてしまいますが、プロフェッショナルスキルを用いると、そこにシナジーを生み出すことができます。アバナードにおいては、そこが重要なので、それをお伝えしています。


武器を持ってもらいたい。ロールプレイは実務よりハード!?

内原:インプットしたら、次は実践的にアウトプットすることで、それを着実に習得してもらうよう、ロールプレイを実施しています。社内ではこのロールプレイのことを「 Ignition(イグニッション)」と呼んでいます。日本語訳すると「点火」。トレーニングの中で、最もハードです。

——菊本さん、最もハードだというロールプレイはどうでしたか?

菊本:内原さんがおっしゃるように、全トレーニングプログラムの中でロールプレイが1番大変でした。

▲菊本 風美香(きくもとふみか)/ アナリスト
大学にて応用物理学、大学院にて宇宙工学を専攻。世界的に有名な宇宙航空研究開発機関でインターンを経験。全てのシステム基盤にあるITの学びを深めるべく、大学院修了を待たずして2020年12月にアバナードに入社。現在、フロントエンドエンジニアとして行政関連プロジェクトに参画中。

菊本:まだ一度も実務経験をしたことない新卒同士で、お客様のサンプル課題を与えられ、それをどうにか解決に導いていくトレーニングなんですが、どのように進めるか、からメンバーで話し合って進めていきます。

トレーニング中は内原さんが一人何役にもなってフィードバックをしてくれるので、それを元に再考してアウトプットして、を繰り返し行いました。

いろんなアイデアが出たとしても、それをどうまとめるべきか、何を基準に判断すべきか、まだ経験がないので、非常に難しかったです。課題の定義は何か、本当の課題は何なのか…どれだけ考えても足りない部分があって、何度も何度も繰り返し考えて進めていきました。

内原:イメージが沸くようにお伝えすると、おそらくみなさんが想像される以上に、このトレーニングではアドバイスやサポートは与えられません。

——そうなんですか?

内原:はい。基本的には、自分たちで考えてくださいというスタイルをとっています。

そして、みなさんが想像する以上に、私は難しいお客様役や嫌味な上司役になりますので、新卒メンバーのみなさんはかなり苦労していると思います(苦笑)。

——そこまで徹底するのはなぜですか?

内原:世の中に出て実際のプロジェクトに関わってみると、スムーズに進まないことや思わぬ点で苦労することってすごく多いんです。様々な利害関係により、非常に複雑になることもあるんですよ。

いつかそういうシーンに出くわした時のために、新卒のメンバーたちには、武器と防具を与えたくて。

どんな大変な場面に遭遇しても、整理して考え伝える力をフルに活用して乗り越えられるように、心を鬼にして嫌な役をやっています(笑)。

僕としては、実際にお客様と対峙した時、心に余裕をもってくれていると嬉しいなと思っていますし、自分達の力だけで未体験の問題を解く・乗り越える経験をすることで、「考えればある程度予測できるんだな」とか「道って作ろうと思えば作れるんだ」みたいな気づきがあると嬉しいと思っています。

——菊本さんは実際にプロジェクト現場に出ていますがいかがですか?

菊本:私はまだお客様と対峙したことはないのですが、ロールプレイで苦労した経験は、今仕事に向かう心の余裕や心の準備に繋がっていると感じています。

正直なところ、プロフェッショナルスキルのトレーニングで学んだことをすべて実践できているかと聞かれたら、まだイエスとは言えない状態です。トレーニングが終わった今でも、何度も資料を見返しながら、そのスキルを早く習得したいという気持ちで、プロジェクトに臨んでいます。


システム構築に欠かせないスキルを、どこで習得すべきか

——ところで菊本さんは、学生時代どんな専攻をしていたのですか?

菊本 風美香(以下、菊本):私は大学では応用物理学を学び、大学院では宇宙工学を専攻していました。

大学院に在学中、就職活動を見据えてインターンなどの活動をする中で、希望する進路が徐々に変わっていき、結果的には、大学院を修了せずアバナードに就職するという道を選びました。

——それは大きな進路変更でしたね。それにはどんな理由があったのですか?

菊本:私はもともと工学に対する幅広い興味があって、何か一つの領域を深く知ることよりも、いろんなことを知りたいという思いが強かったんです。そうした理由から、大学時代は機械学習を用いた研究をしていましたが、大学院では宇宙工学に専攻を変更し、インターンでは宇宙航空研究開発機関で、航空機の計算を行っていました。

そうしてさまざまな領域に触れる中で、ある時、ほぼ全ての分野に共通基盤としてある「IT」そのものに興味が湧いてきたんです。航空機のプログラミングをしている時も、基盤にあったのはやはりIT技術でした。ありとあらゆるものを動かしているITについてもっともっと知りたい、知識を得たいと思うようになっていったんです。

それがちょうど就職活動を考えるタイミングだったこともあり、仕事や企業を調べる中で、システムそのものを作り上げていくITコンサルティングという業界に強く惹かれ、それが第一志望になりました。

——ITコンサルティングを行う企業が多数ある中で、アバナードに興味をもった理由はどこにありますか?

菊本:私はITコンサルティング企業の中でも、プロジェクトの上流から下流まですべてに携われる企業で働きたいと考えていました。その中でも、入社したばかりの若手でも活躍できる機会やチャレンジできる機会があって、社員一人ひとりの裁量権が高い会社を志望していました。

そんな考えのもと情報収集をしていく中で、マイクロソフトのアワード受賞歴にも反映されているように、技術者の方がたくさん活躍されていて、IoTでビールを酒造するなど面白い取り組みも盛んで、好奇心を持って楽しくITに関わっていらっしゃる方が数多くいる印象を受けたアバナードに興味を持つようになりました。

——最終的な決め手になったポイントはありますか?

菊本:はい、私の中で3つあります。

一つめが、エンジニアの技術力を育てる環境がしっかりしていると感じたこと。
二つめが、社長である安間さんから、風通しの良さと組織のフラットさを感じたこと。
三つめが、幅広いプロジェクト実績があり、大規模開発にも携われて、個人が貢献できる範囲が広そうだと感じたこと。

これらが、社会人の第一歩を踏み出す場所として、ITスキルを獲得する最初の場所として、私がアバナードを選んだ理由です。


常識に囚われない人こそアバナードへ

——そんな強い思いを持つメンバーに、内原さんはどんな思いでトレーニングを提供していますか?

内原:僕自身、新卒メンバーにトレーニングを行っている時、アナリスト(入社時のポジション)になるための内容を教えているつもりはありません。

少なくとも、僕と同じポジションに上がって来られるスキルと、その方法をお伝えしています。

そのために、僕が経験したのと同じ苦労をする必要は全くない。
とにかく早く、効率的に成長してもらいたいですし、むしろ僕を追い越して、次は引っ張って欲しい、また次は…となるといいなと。そんな風に思っています。

だからこそ、安全に失敗しながら学べる場として、このトレーニング機会は大切だと思います。

——入社して一年、いま菊本さんはどんなキャリアを考えていますか?

菊本:5年先、10年先のビジョンまでは固まってないのですが、私はITコンサルタントとして、広い役割が担えるオールマイティーな存在になりたいと思っているので、これからの数年は、エンジニアとしての技術力を上げることに集中したいと考えています。

ITコンサルタントを志した就職活動での心境に戻るのですが、システム領域で貢献できる人材になりたいなら、どの役割をするにしても、いろんな役割をよく理解し、知識を持っている方が、貢献度が高くなると思うんです。

広い範囲の知識を得て、実践し、貢献できる人になりたい。そんな風に思っています。

——そうした人材を目指すにあたって、アバナードはどんな場所だと感じていますか?

菊本:アバナードは、若い社員であっても自分でキャリアプランを立て、それを実現しやすい会社だと思っています。キャリアの進み方がひとつだけではなく、社員1人ひとりが考えたものを実現しやすい、多様性を許容する会社だと感じます。

私個人としては、自分のプランをもう少し具体的に落とし込みながら日々進んでいきたいと思っているところです。

——そうした環境があるアバナードでどんな人と働きたいですか?

菊本:常識に囚われ過ぎない人がいいかもしれません。

就職活動をする中では、自分の周りで形成されている固定概念や価値観があると思うんです。例えば大企業がいいとか、有名な企業がいいとかいうのも、その一つですよね。

そういう常識に囚われず、自分自身が何を希望するのか自分で考えていける人や、いろんな価値観を面白いと思える人と一緒に働けたらいいなと思います。

▲オンラインインタビューの一コマ

※トレーニング担当としての内原さんの別インタビューはこちら

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