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【COOインタビュー】能動的に思考し行動する力が、決済領域の未来を変えていく。カードの不正利用撲滅のためにアクルができること

皆さん、こんにちは、アクル採用担当です。

当社は「決済に関わるあらゆる課題を解決していく」をMissionに、不正検知・認証システム「ASUKA」をはじめとした、さまざまなサービスを提供するスタートアップ企業です。

直近では第二創業期として、新卒を始め、多くの若手メンバーをお迎えしたいと考えています。今回はアクルをより深く知っていただくために、取締役COOの渡辺にインタビューを行いました。

決済領域に横たわる課題と、その解決のためにアクルができることとは。ぜひ最後までご覧ください!


クレジットカードの不正利用と向き合い続けた約20年。抱いた使命感がアクル創業の理由に

―渡辺さんが決済領域の仕事に従事するようになったきっかけについて教えてください。

直接のきっかけは、2001年秋にソニーファイナンス・インターナショナルに入社したことです。
私は大学卒業後、新卒で人材派遣会社へと就職し、法人向けの営業や人材の管理などを行っていました。業務で企業の担当者・労働者の方たちとお話するなかで、ビジネス分野で英語能力の需要が高いことを知り、3年間の勤務ののちに退職して、アメリカへと留学した経験があります。当初は英語の習得が最大の目的だったのですが、少しして「言葉は一つのツールに過ぎない」と気づき、せっかくならアメリカならではのことを学んでみようと考え始めました。そのようなときに出会ったのが、インターネットビジネスの世界でした。

当時はまだインターネットが注目されはじめたころで、アメリカではようやくオンラインショッピングができるようになり、個人レベルではホームページの自作がトレンドとなっていました。私は大学でインターナショナルマーケティングというクラスを受講し、積極的に新しいビジネスを学ぼうとしていました。

やがて帰国が間近に迫り、再就職のための活動をスタートします。私はアメリカで学んだことを活かすため、インターネットビジネス関連の求人を探しました。ソニーファイナンス・インターナショナルに出会ったのは、そのタイミングです。

ソニーファイナンス・インターナショナルでは、ネットでお金を回収する決済システムの担当をメインにしていました。業務の中で大手ポータルサイトのCtoCショッピングサービスで使用する決済システムの立ち上げに携わりました。個人間売買の代金の支払い方法にクレジットカードを導入する取り組みです。現在でこそ、個人間での商品の売買においてクレジットカードでの支払いは一般的となりましたが、当時は初の試みでした。特にクレジットカードで個人間で決済できるサービスは例がなく、いま振り返っても、まさに決済の新たな歴史が生み出された瞬間に立ち会えていたのだと感じます。

その一方で、そのサービスが社会に浸透したことは、クレジットカードの不正利用に新たな1ページが刻まれた瞬間でもありました。ソニーファイナンス・インターナショナルでの体験をもとに、私は決済領域、特にクレジットカードの不正利用に関心を寄せるようになりました。

―その後、どのような経緯でアクルの創業に至ったのでしょうか?

キャリアを積む中で、アクル代表取締役の近藤、取締役CPOの栗田と出会ったことが転機となりました。アクルは2016年に創業されています。私が決済の領域に携わるようになってからすでに15年ほどが経過していましたが、クレジットカードにおける不正の状況は改善しておらず、業界の体制、セキュリティの仕組みともに変化が必要なのではと考えている時期でした。「キャリアを通じて、決済サービスとクレジットカードの不正利用を長年見てきた自分の専門性が活かせるのではないか」。そう考えたことが、アクル創業に参画する理由となりました。

クレジットカードの不正利用、増加の一途をたどる原因は当事者意識の欠如に

―渡辺さんは20年以上ものあいだ、決済領域に携わり、日本におけるクレジットカードの不正利用を見つめてきました。昨今、その状況はどのように変化していますか?

好転はしておらず、右肩上がりで被害額が増加しています。日本クレジット協会が発表している「クレジットカード不正利用額」によると、2023年の被害総額は504億円に上りました。これはデータが明かされている2012年以降で、最悪の数字です。2023年1~9月の累計被害額は376億円に及び10~12月の実績が加算され500億円に到達し、ワーストを更新してしまいました。


―なぜクレジットカードの不正利用は増え続けているのでしょうか?

総じて当事者意識の欠如が原因になっていると感じています。たとえば、消費者目線では、情報漏えいなどによって自身のクレジットカードが不正利用されたとしても、その旨をカード会社に申告すれば、損害を負担しなくてもよい仕組みとなっています。もし不正利用の被害がカード所有者の責任になるのだとしたら、よりセキュリティに対する意識が高まり、信頼できないECサイトではクレジットカードで商品を購入しないという判断も出てくるのではないでしょうか。

一方で、このことは販売者側にも当てはまります。決済領域では、クレジットカードの不正利用の急増を受け、2025年3月末までをめどに、ECサイトに3Dセキュアの導入を義務化する方針が経済産業省の主導で打ち出されました。これまでの制度では、消費者が親告した損害を販売者側が負担していましたが、3Dセキュアの導入後は、原則カード会社側が負担するルールとなります。販売者側にしてみれば、「3Dセキュアさえ導入しておけば、あとはカード会社がどうにかしてくれる」という感覚になってしまう恐れがあります。。ここにも当事者意識の欠如という大きな問題が潜んでいます。

―クレジットカードのセキュリティをより自分ごととして捉えていく必要があるのですね。

そのとおりです。さらに3Dセキュアの導入については、新たな問題にもつながっています。不正利用された過去があることなどを理由に、カード会社がリスクが高い商材を販売する店と判断しているECサイトで消費者がショッピングをしようとしたとき、カード会社の判断でクレジットカードの利用を拒否するケースが発生しています。

クレジットカードのビジネスの仕組みは、カード会社が利用額の2%ほどを手数料として受け取るというものですが、3Dセキュアの導入によって不正利用がカード会社の責任となると、得られる利益よりもリスク回避の方に重点が置かれ、結果として疑わしいとされているECサイトでは、消費者がクレジットカードが使用できないという利便性の低下が起こってしまっているのです。

もちろん3Dセキュアの導入自体が業界にとってマイナスというわけではありません。不正利用の撲滅のために必要な取り組みであると私は認識しています。しかしながら、現状ではその座組が発展途上であると言わざるを得ません。改善されないまま制度が運用されていけば、やがて「このECサイトではクレジットカードが使えないから、面倒だけど銀行振込で買うか」という事案が表に出てくることになるかもしれません。


決済領域の未来のために、アクルができること

―そのように好ましくない状況が続くなかで、アクルや主力事業である不正検知サービス・ASUKAにはどのような役割が求められていくのでしょうか。

誤解を恐れずに言うと、不正利用は今後も根本的に減少することはないと思います。犯人は状況に応じて、手口やターゲットを変え、不正を働いていくからです。

そのうえで、アクルやASUKAが存在する意味を考えるのであれば、それは加盟店のセキュリティーレベルを上げることにほかならないと感じています。セキュリティレベルの高い店舗と、低い店舗があったとき、被害に合うのは一般に後者です。両者の境界が明確になるほど、被害件数や被害額の比率は0対10に近づいていくでしょう。アクルやASUKAにできるのは、セキュリティの意識が高いお客様に安心と安全を提供することだと考えています。

―そのような姿勢をクライアント企業様からはどのように評価されていますか?

「ASUKAのシステム導入のハードルが低く、費用対効果に優れている」と言っていただけることが多いです。業界で1位のシェアという認識が広がりつつあるのを感じています。最近では、カード会社様から小売店様に導入を勧めていただける機会も増えました。両者にとって頼もしいパートナーであり続けたいと思います。

―課題解決に向かうためには、組織づくり、体制づくりも重要になってくるかと思います。渡辺さんは取締役COOという立場から、その現在地をどのように捉えていますか?

創業当初は「各メンバーがあらゆる業務に携わる」というスタートアップらしい体制をとっていましたが、現在では、業務ごとに部や課署が設立され、それぞれに役割や責任が与えられています。少しずつアクルならではの組織の形、指揮系統が確立されてきています。第2創業期という新たな段階に進んだことを日々実感しています。

そのようななかで、採用においては一貫して「お客様の目線で考えられること」「困難を目の当たりにしても、それを成長の機会と捉え、コツコツと真面目に業務に取り組めること」を重視してきました。こうした素養があれば、これまでのキャリアを問わないのも、アクルの採用活動の特徴です。

―当社は現在、さまざまな職種でキャリア採用を強化しています。渡辺さんはどのような方がアクルで活躍できると考えていますか?

スタートアップであるアクルでは、前例のないことに挑戦したり、先が見えないなかで正解を模索したりといった業務に取り組まなければならない場合があります。そのような状況に直面したとき、能動的に考え、動いていける人が活躍できると考えています。また私はそうした性質こそが決済領域に潜んでいる固定概念を乗り越えていく力になるのだと確信しています。「アクルという企業が成長していく過程をともに楽しみたい」と考えられる方がジョインしてくれたら、それほど心強いことはないですね。

将来的には、独自のペイメントサービスを立ち上げる計画もあります。決済領域の未来のために、その力を活かしませんか?ご応募をお待ちしています。


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