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新卒からの3年間アディッシュで学んだビジネスの世界での歩き方と、次のチャレンジ

こんにちは!アディッシュ株式会社でインターナショナルセールスとマーケティングを担当しているカーン・マリナと申します。

と言っても、アディッシュの社員でいるのは今日が最後です。もう「アディッシュのカーンです」と自己紹介することが無いんだなと思うと、まだあまり実感がないものの、少しさみしいです。

私は、2019年9月末でアディッシュを退職します。自分にとって大きな区切りになるこの転職にあたって、今までのことやこれからやりたいことを、振り返りながらまとめてみようと思います。

日本語で長文を書くことがあまりないので、読みにくい部分があるかもしれませんが、興味があれば読んでもらえたら嬉しいです!

母は日本人、父はパキスタン人。自らのアイデンティティについて悩んだ学生時代

▼こどもの頃姉と撮った写真


私の母は日本人、父はパキスタン人で、育ちはオーストラリア。

やっぱりこういう出自だったからか、小さい頃から自分のアイデンティティについて考えることが多くて。周りの大人や友達に恵まれて楽しく過ごしてはいましたが、ふと「自分は何者なんだろう」と考えたり、違和感を感じることがありました。

例えば、私の母方のおばあちゃんから聞いた戦争の話と、オーストラリアの学校で教えられた戦争は、伝え方がまるで違っていたり。9.11のテロ以降、中東系の人への差別が厳しくなり、周囲に父の人種を問いただされたり。

「なぜ同じ人間なのに、たまたま生まれた環境が違うだけで扱いが変わるの?」「愛国心って何?そもそも国って何?」そんな疑問を抱きながら過ごしていました。

そんな中で出会ったのが「国際関係学」という学問。「この分野を学べば、私の疑問の答えが得られるかもしれない」そう思った私は、国際関係学を学びに日本の大学へ進学しました。


▼ソーシャル・ビジネスの世界サミットでプレゼンした時。憧れのノーベル平和賞受賞者 ユヌス博士と

「良いことをするのは当たり前」共感できる考え方に出会って就職先を決めた

国際関係学はすごく面白くて、大学時代は夢中で学んで。そして卒業後は1年間ギャップイヤーを取って海外を周っていました。

▼世界の現状を自分の目で見たいと思って訪れたセブのスラム街


その後は大学院に行くことを考えていたのですが、家庭の事情で進学は断念し就職する道を選択。日本で就活しました。

就活していて思ったことは、「なんか綺麗事が多いな」ってこと。会社の方が話す言葉が、なんとなく自分に入ってこないと感じていました。

そんな中で出会ったのが、ガイアックスの上田さん。たまたま行った講演で、上田さんは「いいことをするのは人間にとって普通のこと」と話していました。仰々しい「社会貢献」とかじゃなくて、ごく自然に世界をより良くすることを考える。そんな自然体な考え方と、それをビジネスとして成立させる姿勢に共感して、最終的に入社を決めました。

新卒でガイアックスに入社して、配属先となったのがアディッシュ(※)。カスタマーソリューション事業部という、主にゲーム業界のカスタマーサポートの代行を担う事業部に入りました。英語も活かせるし、ビジネスパーソンとしての基礎が身に付きそうだと思い、いくつか配属の選択肢があった中でアディッシュに決めました。

※2016年当時、アディッシュはガイアックスの100%子会社。

「こうしたい!」挑戦し続けたら、自由にやらせてもらえるようになって

入社当初は、主なクライアントであるゲーム業界に向けた営業活動が業務の中心でしたが、徐々により興味がある業界の案件をとってくるようになりました。(私はあんまりゲームに興味がなかった!)

営業の仕事に自信がつくきっかけとなった、ある案件があります。それは、ヨーロッパに展開する観光キャンペーンの案件でした。

「やります」とクライアントに伝えたものの、今までのカスタマーサポートの型と少し違う対応が必要な内容で。私は「アディッシュのリソースを使えば絶対できる」と思っていましたが、前例がないので運用体制も当然のように整っておらず、「ちょっと難しい」と言われてしまう場面もありました。さらに海外の企業を含め、多くの関係者を巻き込む必要があり、端的に言うと「超大変!」でした。

でも、実際の運用を担当してくれる方々と本気で話し合い、熱意を伝え、色んな人に助けを求め……そうやって必死に進めた結果、キャンペーンは大成功しました。

これを機に、上司からも信頼して任せてもらえるようになり、自分で考えて動くことが格段に増えました。

それからはかなり自由にさせてもらって、自分が熱意を持てて、かつ会社のためにもなるようなチャレンジを(勝手にw)続けました。そんな中で最も印象に残っているのは、チームづくりの経験です。

世界規模のオンライン決済サービスのカスタマーサクセスを受注したので、「グローバルカスタマーサクセス」という役職が必要になりました。そこでプロジェクトマネージャーとして1からチームを作って、1人、2人と採用して、今では17名のチームになっています。

このチームは、前職も年齢も出身地もバラバラですが、本当にみんな楽しそうに働いてくれています。「このチームで働けて本当によかった!」とメンバーに言ってもらえると、今まで感じたことのない嬉しさがこみ上げてきます。多分、こういうのを「やりがい」って言うのかなと思ったり。

▼業務の合間に、各国のお茶を淹れて休憩。雑談が楽しすぎるチームです。

数枚の提案書から始まったことが、今では10人以上のチームになって。執務室にみんながいる姿を見ると感慨深く、9カ国もの国籍の人が一つの部屋でワイワイしながら、世界的に認められるような品質のサービスを提供できているというのが今でも信じがたいです。

入社したての頃は、「挑戦して失敗したり、人に迷惑を掛けたらどうしよう」という怖さがあったのですが、気づいたらそれはなくなっていました。

収益が上がるように仕組み化したり、「社内体制的に無理」と言われても話し合って理想的なやり方を見つけたり……。「仕事ってこうやって進めていけばいいんだな」というのが分かってきて、少し自信がついたんだと思います。

ビジネスの世界がわかりかけたとき、急にチャンスが降ってきて

大変だったけれど、自由にできて楽しかったアディッシュでの仕事。ビジネスの世界の歩き方が少し分かってきた頃、ある求人を紹介されました。

それは、私が学生時代から興味を持ち、いつかは働きたいと思っていた国際NGOの求人。NGOの求人募集は数年に一度、人員に空きが出た場合にしかありません。しかも基本は経験者のみ採用のことが多いのに、今回は未経験でもOK。滅多にないチャンスだと思ってダメ元で応募しました。

そしたら、なんと受かったんです…!アディッシュでさらに挑戦していく選択肢もあったけど、このチャンスを逃すなんてもったいなさすぎる。上司とも相談して、次の道に進むことを決めました。

これから何をやるか

今後は国際NGOで、人権課題の解決に取り組みます。

私が働くのは、様々な国の人権問題の状況を監視する組織。人権が守られていない状況があれば、それを明らかにしていき、世の中に発信していくことが主な仕事です。問題があるところにスポットライトを当てる、そんな役割だと思っています。

人権の定義は文化や宗教によって変わるので、絶対的な解決策があるわけではありません。でも、苦しんでいる人がいるのに誰も解決しようとしなくなったら、誰も救えなくなってしまいます。よりよい答えを探し求めて、一人でも多くの人の幸せを願って。国際NGOで活動していきます。


~私を育ててくれたアディッシュへ~

ビジネスについて何も知らなかった私が、アディッシュで学んだことは、数え切れないほどあります。

振り返ってみると、理想論だけではないビジネスの現実を突き付けられた3年間でした。「何を、どうやって形にしていくのか」自分で考えて、たくさん挑戦させてもらって。日々奔走する中で、自分の可能性を大きく広げてもらったと感じています。

多様性が前提にある居心地の良いチームをメンバーと作れたことにも、感謝しています。今までお世話になり、本当にありがとうございました。


最後に。「多様性って何?」をもっと探求して、いつか叶えたい夢

私には、最終的に叶えたい夢があります。それは、絵本を作ること。

私と同じような境遇や環境で生まれ育つ子どもたちに向けて、絵本を作りたいと考えています。まだ全然具体的にはなっていないのですが、複数の文化に触れながら育つことはとてもラッキーだって、私も今なら思えるので、そういうことを伝えられたらなと。

そのためには、まず私自身がもっと色んな人たちに出会って、彼らの価値観や考えを知って、本当の多様性とは何か、もっと探求していかなければいけないと思っています。

次に進む道は、ビジネスとは違う世界ですが、正解のない問いの答えを探求して、挑戦し続けていきたいです。

2019.09.27 カーン・マリナ


(編集後記)

カーンさんの卒業プレゼンも開催。自身のアイデンティティや、長らく悩んでいたミッション・ビジョンの自分なりの解釈などを話してくれました。

任意参加にも関わらず、これだけの社員が集まったのも、カーンさんのこれまでがあってのこと。

アディッシュでの日々を残してくれてありがとう!

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