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【JD徹底解剖】CPOとDoPが語る、タイミーのプロダクトマネージャーとは?(後編)

DoP(Director of Product)の大歳 華王志(以下、Kaoshi)とCPOの山口 徹(以下、ZIGOROu)の2名による対談インタビュー。前編に引き続き、「プロダクトマネージャー(以下、PdM)」のJDを深堀りしていきます。


▶️「【JD徹底解剖】CPOとDoPが語る、タイミーのプロダクトマネージャーとは? 」前編はこちら


※本記事の内容は2024年9月時点のものです。


社会課題と真摯に向き合い、存分にステップアップできる環境が魅力

ZIGOROu:前半戦はPdMのミッションと業務内容について話してきましたが、候補者様にとっては「タイミーのPdMとして働く魅力」を詳しく知りたいところだと思います。

大きな社会課題に真摯に向き合い続けるためには、これまで以上に戦略だった事業のスケールと、組織・システムが持続可能な状態になることが求められます。

ここで言う「持続可能な状態」をもう少し定性的に表現するとどのようになりますか?


Kaoshi:基本的に我々のフェーズは1→10フェーズが終わり、10→100フェーズになると思っています。これまでは、市場に提供価値がフィットするのかという0→1のPMF的な部分を中心にしながら、近接領域においてスケールするかという戦いでした。これからはもっと市場そのものに対してデファクトスタンダード、つまり業界の標準として認められるようになってくるようなタイミングで、もっと組織の成熟度を高めて戦略的なアプローチを進めていく必要があります。不確実性に対して、いろいろと試して効果を検証するのも重要な要素なのですが、我々が社会的責任を持っていることも含めて、しっかりと地に足のついた組織にしていくことが重要だと思っています。

その上で我々は組織拡大を非常に強く進めていますが、市場に対して10→100の影響を与えていくことを考えたとき、組織の人材という観点で考えてみると、1→2→10…というスピードだと何年かかるんだ、という話になるんですね。そこで、ヒト・モノ・カネの適切な投資を通して成長にレバレッジをかけ、組織・企業・事業の非連続的な成長を生んでいくという意味で、持続可能な状態と呼称しています。


ZIGOROu:生産性というと、これまで我々は開発生産性にフォーカスしてきましたが、もう少し広い意味での生産性もありますよね。あとは、イノベーションが生みやすい土壌をつくっていくことも、次のフェーズにおける飛躍には重要ですし、そういう組織をつくっていきたいと思います。最近は程よい投資の仕方になっている感じはありますよね。


Kaoshi:足元の短期的なところに人的リソースを割かざるを得なかったところから、仲間が入ってきてくれて組織も成熟してきたことにより、ZIGOROuさんも援用しているドラッカーの「マーケティングとイノベーション」における本来的な投資比率に目を向けられるようになったのは大きいと思っています。もちろんビジョン負債を解消することも行いますが、ビジョン投資(※1)等、先々の未来を意識的に考えられる余白はできてきていると感じています。


ZIGOROu:全社戦略として「事業戦略と機能戦略としてのプロダクトイニシアチブ」を展開したことをきっかけに、組織がまとまって動きやすくなってきましたよね。


Kaoshi:いま展開しているプロダクトイニシアチブは、今後約1年間で具体的に取り組んでいくことのラインナップになっているので、自分たちがやることを明確に把握でき、動きやすくなっているのではないかと思います。


ZIGOROu:戦略のつくり方、戦略展開の仕方、組織の在り方というところまで考慮して、持続可能な組織をつくっていきたいと思っていますし、システムの面でもそういった方向を目指していきたいです。実際、だんだんと実現できている感覚を持っています。

タイミーはtoC、toBの両側面を持つプロダクトのため、社内で様々な課題解決や価値提供を経験することが可能です。

魅力としてこの部分は大きいですよね。僕自身も転職活動において、toC、toBの両側面を持っていることを重視していました。両方やったことがある人はその経験を活かせるし、片方しかやったことない人はもう片方にチャレンジできるので、スキル・経験面でもステップアップできますね。


Kaoshi:ただのツー・サイド・プラットフォームではないことが魅力だと思っています。タイミーがいわゆるリボン図モデルと大きく違うのは、後者があくまで両者をつなぐことに重きを置いているのに対して、マッチング後のリテンションの追求に重きを置いていることだと考えています。マッチングした後も、労働条件通知書や源泉徴収票の発行、給与支払いや請求などの労務・業務支援などを行っています。これがタイミーのビジネス・プロダクト上の魅力で、自分もすごく惹かれた部分でした。


ZIGOROu:ですよね。また、インダストリーカットで見たときに、タイミーがフィットしているフェーズのものもあれば、まだまだこれからフィットさせないといけないものもあるのは面白いですね。


Kaoshi:おそらく本質的にはインダストリーごとのバーティカル性があるはずなんですよね。タイミーはまだホリゾンタルの最大公約数的なバーティカル要素で解いていっていますが、この先はインダストリーごとの差分をより強固にグリップする必要もある。ただそれをやり過ぎるとコアコンピタンスがぼやけてしまう面も出てくるので、どのようにバランスを取るか、ということも考えがいのあるところです。


ZIGOROu:複雑なビジネスであるからこそ、トレードオフを頻繁に意識せざるを得ないという特性は、やりがいであり難しさでもありますよね。


Kaoshi:タイミーで就労機会を獲得していただいている方には、安心・安全に利用していただけるようにプラットフォームを展開していかなければいけません。その安全・安心を維持するという点でも、解くべき課題は多く面白いところかと思います。


ZIGOROu:スポットワークという働き方をワーカー様が好んで選択している、という風に世の中が変わってきているからこそ、そこを守っていくのは社会的責務といえますね。


※1 「タイミーにおける戦略・戦術・運営の考え方と、それを遂行する Product Manager の Role について」を参照。

プロダクトマネジメントを体系的に学び、実践する経験が得られる

ZIGOROu:得られる経験として「圧倒的な事業成長フェーズにおいて、プロダクトを通じた価値拡大を牽引できる」のは大きいですね。事業としては10→100フェーズですが、先述したインダストリーごとのフェーズ相違の点など擬似的にいろいろなフェーズを楽しめます。また、今後新規事業を生み出していくこともあり得ると思うので、そういった意味でもやりがいは感じられるかと。


Kaoshi:そうですね。あとは「プロダクトマネジメントを体系的に学び、実践できる環境」も注目していただきたいところです。タイミーが独自の理論をつくっているわけではないのですが、体系的に考えることを非常に大事にしています。ここでいうプロダクトマネジメントは、PdMのみが行うもの、という意味では全くありません。プロダクトを通じて顧客の価値を最大化するために考えるという意味でのプロダクトマネジメントを意識してつくっています。

プロダクトマネジメントのコンピテンシーモデルというものをZIGOROuさんと整理し、それに基づいてこのJDも作成させていただきました。どういう観点があって、PdMやPMM・プロダクトデザイナーやアナリストなどが、どこにどれだけの体重を乗せていくことでアウトカムを最大化できるのか、ということを常に試行しています。ご入社いただいたPdMの方には、こういった概念を学んでいただきながら足元で実践もしてPDCAを回していただく環境を提供できるかと思います。


ZIGOROu:みんなよく学ぶし輪読会もやっていて、共通の知識を持っていますよね。一方で、それを型化したりプロセスに組み込んだりといったことは必要最小限で、課題があるから適用するという考え方だと思います。有用なフィクション(※2)ではないですが、その辺りはある程度取捨選択できており、そのあたりの匙加減も学べるところなのかなと思います。


※2 ベストプラクティスやフレームワークはそのまま実行することで成功が保証されるものではなく、自分の役に立つ部分だけ使っていくことが重要である、というもの(Matt LeMay『プロダクトマネージャーのしごとー1日目から使える実践ガイド』114-117p.)。

タイミーを「知りたくて仕方がない」という方と仕事がしたい

必須経験・スキル

Kaoshi:基本的にはオポチュニティをどのように我々が獲得していくのか、が非常に重要なファーストステップです。そこから顧客に価値を届けるというところまでの一気通貫のフローの中で、それぞれにしっかりと関わったことがあるか、を重要視して要件を設定しました。

エンジニアリングに対する理解とプロダクト品質や情報セキュリティに関する意思決定の経験

この「エンジニアリングに対する理解」については、エンジニアを実践した経験自体は必須ではないのですが、ものづくりなのでエンジニアと対話できる最低限のプロトコルが無いといけない。また、エンジニアやエンジニアリングマネージャーから相談された内容に対して、技術的な面で一定の理解ができていないと、我々が出したい価値に対して適切かどうかは判断ができないと考えています。また「プロダクト品質や情報セキュリティ」については、昨今でいうと情報セキュリティ、とくに個人情報にノータッチのプロダクトはほぼ皆無だと思っています。世界的にも個人情報の取り扱いは年々厳しくなっていますし、社会的な関心も比例して強まっている。どれぐらいのレベルで情報セキュリティに関する要求をするべきなのか、どういう座組で個人情報を取り扱うべきなのか、という観点は、PdMであれば当然のように持っておく必要があると思います。


ZIGOROu:プロダクト品質といっても、ソフトウェアの品質という意味もあれば、価値や魅力という意味もあるので、それらを幅広く総合的に判断できることは必須ですね。


Kaoshi:PdMはあらゆる部門を超えたステークホルダーを巻き込む必要があり、それらのステークホルダーの中心地に位置することが多い職種です。

プロダクト開発チーム内外のステークホルダーを巻き込んだリーダーシップスキル、コミュニケーションスキル、ネゴシエーションスキル

利害関係の調整も含めて、同じ方向を全員に示せるだけのリーダーシップが無いと、自分たちが出したい価値というものに対する推進力が出せなくなってしまう。そこは強く持っている必要があります。

ZIGOROu:自身のスタンスを切ったり、相互に利害が対立する構図で落とし所に向けてネゴシエーションしたりするスキルは非常に重要ですよね。

歓迎経験・スキル

ZIGOROu:歓迎スキルとしてあげた「共通基盤(認証認可や権限管理、個人情報管理、契約関連書類管理、請求管理等)に類する開発経験やプロダクトマネジメント経験」についてもう少し明確にしたいですね。


Kaoshi:タイミーは社内に専門家が多くいるため、彼らに相談をしながら適切な要求事項を定めていくことができます。ただその要求を定めるためには、コンテキストを合わせながらやりたいことをすり合わせ、整理していくことが必要です。自分自身がそのドメインに深い知識を持っていると、専門人材との会話のプロトコルにおいて、コンテキストを合わせて会話ができるという点で、適切な要求事項をピンポイントで品質高く設定できます。専門家にお任せというのは、PdMとしては基本的には良くありません。「自分たちはこういうやりたいことがあって、リーガル的にはここが論点だと思うけど、どう?」といったことができる方は、さまざまな制約の中で最大の成果を出すギリギリのラインを攻められるという点で強みを持っていると考えています。

求める人材像

ZIGOROu:求める人物像に記載した「学習と実践の試行を繰り返し、実践知の獲得と形式知化を志向できる方」とは、どのようなイメージですか?


Kaoshi:学習と実践のどちらが優位というのはイメージしておらず、同じレベルで必要だと思っています。また、どちらかに過剰に体重をかける必要があるとも思っていません。どちらかに偏ってしまうと試行回数が減ってしまうので、きちんとバランス良く試行していく回数の方が重要です。

タイミーには学習する文化はありますが、あらゆる複雑な変数が存在する状況に対して、学習が常に最適解を示してくれるわけではありません。あくまで補助線だと考えています。


ZIGOROu:有用なフィクション(※2)ですね。


Kaoshi:その理論において取り扱うべきもの、削ぎ落とすべきものを選択していく作業が必要です。そして試行回数を高めれば、再現性の高い暗黙知として実践知になると考えています。ただそればかりをみんなが続けていても、個に依存する形となり組織全体として強くなったとは言えません。それをさらに形式知としてアウトプットできる方、それを集合させて組織知として組織力を向上させることを志向できる方に来ていただきたい、という意味を込めています。


ZIGOROu:なるほど、エンジニアリングにも似ていますよね。エンジニアリングの究極の目標の一つにも客体化というものがあり、自分が手作業でやっているものをなくしていくというものです。その面白さにも近いものがあるのかなと感じました。

曖昧さを受け入れ、自らの考え方、やり方を柔軟に変化させられる方

L 世の中のプラクティスやご自身の成功体験を一義的に捉えて、やり方そのものに固執してしまう

   のではなく、組織やチームにとっての役立て方を考えて適応していける方

続いて、この部分は具体的にどのようなイメージを持っていますか?


Kaoshi:やり方というのは手段なので、アウトカム・目的を定めた上で、これまでの自分のやり方や価値観をアンラーンしながら常に適合していけることが重要です。また、曖昧さというものは常に存在しているものなので、それを抽象的に捉え、楽しめる方がフィットすると考えています。


ZIGOROu:こう考えられると気持ちも楽ですしね。あとは考え方次第だと思っていて「分からないからやりません」ではなくて「分かるところからやってみる」方が、結果的に分からないことが解決に向かうと思います。


ユーザーや事象に好奇心を持ち、誰よりも深い共感と強い情熱を持ってアウトカムに集中できる方

個人的に一番推したいのは、この部分ですね。

Kaoshi:ここは『プロダクトマネージャーのしごと』からワード自体インスパイアされているものになります。自分が好奇心を持って、今起きてる事象や解決したい課題に対してどっぷり浸かれる人でないと、顧客にとって本当に価値のあるアウトカムを出せないと思うんですよね。僕らが取り扱っているサービスドメインやその事象に対して「知りたくて知りたくて仕方ない」という思いがある人に来ていただけると嬉しいですね。


前編・後編の二部構成でタイミーのPdMポジションを大解剖してきました。本記事を読んで「タイミーに興味が湧いた」「ポジションについてもっと知りたい」という方はお気軽にご連絡ください。



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