「旅を続けたくなる美しい世界であって欲しい」
自然環境が失われていくこともそうだし、文化の継承と変革のバランスが崩れることもだし、なによりグローバリゼーションと都市化が進んでいって、どこにいっても同じような場所・モノが増え続けることを目の当たりにすると寂しい気分になります。我々は「旅を続けたくなる世界」或いは「旅を続けることのできる世界」とは、実は文化的資本、自然環境的資本、経済的資本の絶妙なバランスで成り立っていると考えています。
Stapleは「ご近所」と呼ぶ、市町村などの単位よりもさらにミクロな範囲を仕事のフィールドに考えています。ホテルや住宅、オフィス、レストランや総菜屋をつくり、ひいてはその土地ならではの教育、再生可能エネルギー施策などの事業を密度の高いエリアで行います。そうすれば、歩ける範囲が目に見えて魅力的になって、隣人と会う機会が増える、地域内で食料やエネルギーなどベーシックインフラが循環する、人口減少傾向の中で地域外から多様な人々が街へ関わることで総関係人口は倍数的に大きくなる、ニューとオールドが混ざりあって活力のある美しい景色となっていく。
瀬戸田をはじめ、これから増えていく関わりを持つご近所において、文化的資本、自然環境的資本、そして経済的資本全てを上昇気流に乗せつつも調和している状態がつくれたならば、そこはきっと住み良く、気の良いローカルが鼻歌を歌いながら商店街をあるいていて、フラッと旅でその地を訪れた誰かの心を動かすと我々は信じています。
「旅を続けたくなる世界であってほしい」というシンプルな思いをもって創業した日から、6 年が経ちました。
K5やSOIL Setoda など渾身のホテルを作って運営してきましたが、その開業はことごとくコロナ禍と重なり、創業からの時間を思い返すと半分は生きた心地がしなかったような記憶です。
でも苦しい時期があったからこそ日本橋や瀬戸田とより真剣に向き合うことができ、「ホテルをつくりたい。」という欲求から「この土地の生活者として、地域の文化や自然をより豊かにしていきたい。未来へ持続させたい。」という一つ上の使命感へと昇華させることができました。
最近はまたさらに視界が開けてきて、我々私たちは今まさに第二創業期とも言える、大きく未来を拡げていく時期にあります。
そんなタイミングでこの言葉を紡いでいます。
Staple’s purpose
「風を起こし、土を育て、豊かな風土を未来につなぎなおす。」
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風を起こすように
その場所に行きたくなる理由をつくり
まだ来たことのない人が
次々とやってくるようにする。
土を育てるように
その土地に深く根をおろし
ご近所の仲間たちと助け合って
そこから離れがたい魅力を増やす。
そうやってStapleは
ローカルと都市と自然を結ぶ
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