科学研究費助成事業「ネパール大地震の社会的インパクトとレジリエンス強化のための革新的支援法」
地震の震源地であったシンドパリチョーク郡のギランチョー村は、村内の住宅のほぼ全てが全壊したにも拘わらず、被災から1年強で全63戸の住宅全てを再建するという”奇跡”を成し遂げた。住宅再建の費用は、ネパール地震に際して立ち上がった地元の団体であるドルムス・スンタリ財団からの支援によるものであり、その支援の原資は内外のネパール人からの寄付によるものであった。同財団が再建した住宅は63戸全てが、被災前の差異にかかわらずほぼ同等の大きさ、間取り、設備を整えてものであり、極めて画一的な「ユナイテッド・ビレッジ」である。 私達は、2016年以来。この住宅再建プロジェクトに着目し、科学研究費助成事業(基盤研究B)、2016〜2019年度、「ネパール大地震の社会的インパクトとレジリエンス強化のための革新的支援法」として、住民らへの戸別訪問を繰り返し、本復興事業の効果やインパクト等を、計測しようとしてきた。 私は、先生方の助手として、研究課題の策定から、ロジスティクスの手配、質問票の作成、戸別訪問、関係資料の取得まで多岐に渡り、業務を行ってきた。調査が長引いた際は、私だけ村に残り、三人の通訳と協力し、調査を行った。