gumi Inc / 研修デザイン兼ファシリテーター
翔泳社未来会議
近年、「組織パターン」という考え方が注目されている。ソフトウェアのアジャイル開発で、よいアウトプットにはよい組織が必要という考えのもと、課題抽出から解決までの流れを再利用可能な「パターン」として捉え、組織づくりに活用していこうというものだ。アジャイルの世界で最重要人物のひとりとされるジェームス・コプリエン氏は、著書『組織パターン』のなかで組織の重要性に触れ、「ソフトウェア開発では技術的な側面にとらわれず、人間的な側面に目を向けよう」と主張している。 そう聞いて「ああ、ソフトウェア開発の話ね」と決めつけるのは早合点というもの。上の文の「ソフトウェアのアジャイル開発」の部分を「会社の事業」や「地域の活動」などに置き換えてみたらどうだろう。まま当てはまるのではないか。どんな製品やサービスも生み出すのは人であり、それも単なる集団ではなく、様々な役割や機能を分担する「組織」であることに違いない。「組織パターン」という考え方やメソッドが一般の組織改善、組織改革に使えると考えるのは自然だろう。 その仮説のもと、書籍『組織パターン』の版元である翔泳社が、自らの組織改革を目標に「組織パターン」の考え方やメソッドを取り入れた「未来会議」プロジェクトをスタートさせた。2014年にこれからの会社のビジョンや方向性を考える「未来会議Vol.01」を開催することを決定。今回は、その前段階として業務の棚卸しや問題抽出を今回の目的とした「未来会議Vol.00」と位置づけ、ワークショップを開催した。