去る2023年11月4日、ヤマップ主催によるイベント「山歩(さんぽ) MEET UP #1」が開催されました。「エンジニアとデザイナーを対象とした登山ガイドとバスで行くハイクツアー」というコンセプトの本イベント、終了後の参加者アンケートでは「また参加したい」という回答が100%と非常に高い満足度だったそうです。この企画の意図や当日の様子、裏話などを企画の中心メンバーに伺いました。
話を聞いた人
杉之原大資さん(VPoE):2019年、ヤマップへの入社を機に福岡に移住。バックエンドエンジニアとして入社。
新木仁士さん(PdM):東京で会社員を経て起業。釣りにハマって長崎の五島で4年暮らした後、2023年9月ヤマップに入社。
樋爪大輔さん(デザイナー):2019年ヤマップに入社し、アプリやロゴ、アイコン、商品開発など、アナログからデジタルまで幅広く手掛ける。
# 目次
▶エンジニアとデザイナーに「地球とつながるよろこび。」を体感してほしい
▶普通なら予算がおりない!? 贅沢なイベントを実現
▶登山ガイドの説明とクイズで楽しみながら山歩き
▶自然に親しむ文化と同業者コミュニティを作りたい
エンジニアとデザイナーに「地球とつながるよろこび。」を体感してほしい
―まずは「山歩MEET UP」がどんなイベントなのか教えてください。
杉之原:「山歩MEET UP」は「普段はインドアで体力に自信のない方でも安全に楽しめる”山歩”をしながら、同じ業界の仲間と交流しよう」というコンセプトのバスで行くハイクツアーです。
“山歩”とは、自然を歩くだけで気持ち良い、自然を感じて歩こうという意味で、「さんぽ」と読みます。
ヤマップのユニークな点ですが、社員として登山ガイドが所属していまして、登山ガイドの案内のもと山歩を行うイベントです。
―なぜ「山歩 MEET UP」を企画したのですか?
杉之原:ヤマップには「社内登山」という業務扱いで登山に行けるという福利厚生があります。
私達はその制度を使って登山ガイドの方々と登山をするのですが、素人だけで行く登山と登山ガイドと行く登山って楽しさが全然違うのですよね。それを伝えたかったという思いがあります。
また、私たちヤマップは「地球とつながるよろこび。」をパーパスに掲げています。しかし普段開発をしていると直接的に「地球とつながるよろこび。」を拡げる活動があまりできません。
そこで開発者発信で外部のエンジニアやデザイナーの方々にも地球とつながるよろこびを、素敵な自然を体感していただけるイベントを企画することにしました。
このイベントをきっかけに、業界を横断して開発者同士の交流もできると良いと考えていました。
樋爪:もともと杉之原さんと僕がランチをしているとき「開発者の山歩きイベントをしたいね」と話していたんです。というのも福岡で交流のあるデザイナーやエンジニアの方からも「山に行ってみたい」と言われることが結構多くて。そんな方々の「地球とつながる」第一歩を後押しできればと思いました。
普通なら予算がおりない!? 贅沢なイベントを実現
―ふたりの会話から生まれたイベントですか。
杉之原:はい。そして企画を社内で共有したところ、賛同してくれる多くの有志メンバーが集まりました。みんなで目的や内容についてミーティングを重ね、11月4日のイベントに向けて準備を進めました。
―過去に同じようなイベントを開催したことはありますか?他社を含めて、非常に珍しいのでは。
樋爪:YAMAPを使っていらっしゃるユーザーさんが集まるイベントは色々とやってきましたけど、開発者の方を対象として山に行くというイベントは初めてだと思います。
杉之原:他社で採用広報としてのイベントはあると思いますが、こういう企画は聞いたことがありません。しかも登山ガイド、バス、お弁当含めて全部無料なので。
新木:普通は予算がおりないから…(笑)。
樋爪:そうですね。「いいですね、やってみましょう!」と快く受け入れてもらえるヤマップの環境はありがたいですね。
―企画や準備でこだわったことは?
杉之原:とにかく純粋に自然を楽しんでもらうことと、同じ業界の開発者同士でコミュニケーションを取ってもらう、という2点にこだわりました。
普段あまり運動しない方でも参加できるように、という点もですね。
お弁当は、地元のお弁当屋さんに依頼して、「山で自然を感じながら美味しく食べる」をテーマにオーダーメイドで作ってもらいました。
もちろんリュックの中でこぼれないように煮物や汁物は避けてかつ持ち運びやすい容器を選んでもらってます。
程よく疲れた山頂で、仲間と食べるお弁当は登山の醍醐味とも言えるくらい良い体験なのでこだわりました。
樋爪:企画段階で自分たちでも「参加したいな」と思える内容だったので、良い体験を提供できたと思います。
登山ガイドの説明とクイズで楽しみながら山歩き
―当日の様子はいかがでしたか?
杉之原:登山ガイドの最大人数の都合上、募集は抽選となったのですが、最終的に12名の参加者と6名のスタッフで計18名での山歩となりました。
全員、現役のエンジニアやデザイナーの方で、ほとんどが登山初心者だったようです。
博多駅に集合してバスでの移動でしたので、行きの車内では自己紹介の時間などを取り、コミュニケーションの促進をしました。
到着後はみんなで改めて自己紹介を行い、登山ガイドであるひげ隊長の案内のもと山歩が始まりました。
新木:道中はひげ隊長が「ひげクイズ」と題して、平尾台の地形や竹の成長、日本の森林などにまつわるクイズを出題して盛り上がりました。1位の方にはトレイルランニング用のザック、2位と3位にはナルゲンボトルという豪華な賞品も用意しました。
山にいたのは5時間半で、そのうち歩いたのは3時間ほど。ひげ隊長がうまくペース配分をして疲労感を調整し、かつ楽しませてくれました。やはり個人で行く登山と比べて、ガイドと行く登山は楽しさや満足度、疲れ方が全然違うんですよ。
樋爪:山頂では、自分たちが歩いてきたコースを一望した参加者の皆さんから「すごく達成感があった」と言っていただけました。
―他に印象に残ったことはありますか?
杉之原:もともと降水確率が高めな予報で心配してましたが、結局は晴れて、11月とは思えないくらいの暑さでした…。
新木:予想外のサプライズとして、ちょうど山頂でパラグライダーの離陸タイミングに出会えました。それと弊社の東京在住のエンジニアがウクレレを担いで一緒に登山し、休憩中にすかさず演奏を披露していました(笑)。
杉之原:隙あらばウクレレを弾く人で(笑)。
杉之原:最後は懇親会は主催しない代わりに、帰りは最寄りのコンビニに寄って各自で好きな飲食物を買ってもらいました。お酒を飲む方もいて帰りのバスはとても盛り上がっていました。
自然に親しむ文化と同業者コミュニティを作りたい
―全体を振り返っての感想や今後の構想を聞かせてください。
新木:僕は入社してまだ2ヶ月ですが、パーパスに即した活動を会社として開催できる、懐の深い会社やメンバーだと思っています。普段は真面目な開発系の話が中心だけど、こういうイベントは文化祭みたいなノリで、みんなでワイワイ作り上げていく楽しさがありました。今後はもう少しライトな内容にして、年に複数回、福岡・東京と開催地を変えながら続けていきたいです。
樋爪:準備の段階から自分たちもすごく楽しめました。行きの車中は割と静かだったけど、帰りは笑顔の溢れるすごく賑やかな雰囲気で、イベントをやって本当に良かったと思いました。参加した方がまた山に行きたいと感じてくださることと、それをYAMAPのアプリを通してサポートすることができれば開発者として本望です。
杉之原:今回はひげ隊長と一緒に20名ほどで山歩きをしたのですが、ヤマップが愛されていると感じる場面が何度もありました。というのも僕らがYAMAPの旗を持って歩いていると、他の登山者さんたちが目をキラキラさせながら駆け寄ってきて「YAMAPのヘビーユーザーなんです」などと言ってくださって。自分たちがいいサービスを提供できていると実感できてとても嬉しかったです。
イベントは大きな手応えがあり、アンケート結果もすごく良くて安心しました。
このイベントを通して僕らがやりたいのはIT業界の中に山歩をするという文化を醸成すること。自然の中を歩くことでリフレッシュができ、アイデアが湧いて仕事にもよりいっそう励むことができます。そして、山歩を通じてこの業界を横断して交流できるコミュニティを作りたいと考えています。そんな長期的な野望を持って、これからも楽しく有意義なイベントを開催していくつもりです。ぜひご期待ください。
(取材・文=佐々木恵美)