新型コロナウイルスの影響でリモートワークが急速に拡大する中、各部署はこの時代にあわせた業務設計を求められています。なかでも、会社を内側から支えるコーポレート部門は、この時代に適した各種制度のあり方に頭を悩ませていることでしょう。
そこで今回は、リモート体制下で福利厚生を充実させるためにWantedlyの従業員特典サービス「Perk」を導入し、さっそく活用事例も生まれている株式会社トレタの採用担当・金子さん、総務の毛利さんにインタビュー。リモート体制でも社員の生産性を守るための独自の取り組みについてお話を伺いました。
金子 未和(写真左):株式会社トレタ/採用担当
新卒でアパレルEC企業に入社し、人事総務を広く経験した後、製菓ベンチャーで採用全般を担う。2019年に採用担当として株式会社トレタに入社。中途採用、採用広報、オンボーディングを中心に担当。
毛利 美紗希(写真右):株式会社トレタ/総務担当
新卒で税理士事務所へ入社し、試算表・税務申告書の作成を行う。2019年に総務としてトレタへ入社。オフィス全般の運用管理、全社会議・イベントの運営、福利厚生などを中心に担当。
社員が活躍するためのベストな選択を取る
ーー株式会社トレタは、コロナ禍以前からフルリモート勤務への体制を進めていたそうですね。そこにはどのような背景があったのでしょうか?
毛利:2020年はオリンピックの開催が予定されており、東京本社は特に通勤が大変になるだろうということでリモート勤務の検討を始めました。同様の懸念からすでにリモートワークを試験導入していた企業さんへのヒアリングを行うなど、昨年夏頃から準備を進めていましたね。同年12月には「リモート推奨期間」ということで一週間トライアルを行い、実際にリモート勤務が実施可能なのかという部分を検証しました。
金子:そうした事前の備えがあったからか、本格的にコロナ禍によるリモートワークが始まってからも弊社は比較的柔軟に対応できているのではないかと思っています。とはいえど、社員にアンケートを実施したところ、直接的なやり取りなどが減ることによる仕事の進めづらさを感じている方もやはり一定数いました。人事組織側としては、定期的に意見を吸い上げながら、社員が一番パフォーマンスを発揮できる環境を用意することが今一番大切なことだと考えています。
ーーリモートワークに関する事前調査を含め、社員のパフォーマンスを守るために先回って施策を打っているということですね。こうしたホスピタリティの意識は御社のどんな風土に由来するものでしょうか。
毛利:トレタの人事組織部門の根底には、社員が活躍するためにベストな選択を会社がするべきだという気持ちがあります。メンバーが本来持っている力を発揮できないのであれば、その障壁を会社が取り除いてあげたい。こちらからヒアリングをしないと組み上げづらい意見もあるので、社員に対するヒアリングは積極的に行っています。
金子:子育て家庭だと、登園自粛でお子さんが家にいらっしゃる方もいました。リモートワークと育児の切り分けが難しいという社員の声から、連絡や勤怠反映に割く業務負荷や精神的負荷を少しでも減らすために、リモート推奨が終了するまでは家事対応などと並行しての業務を認める特別ルールにしたり、ベビーシッターの割引制度を導入したりしています。
毛利:長期的にリモートワークを進めるとなると、ディスプレイや椅子などデスク周りの環境を整える必要があるため、在宅勤務準備金の支給や、オフィス備品の貸し出しも行うようになりました。他にも、水道、光熱費が通常より高くなってしまうということもあり、在宅手当の支払いも開始しています。
▼在宅手当の用途についてのアンケート調査
福利厚生施策は、社内のニーズ検証から
ーー福利厚生を導入する際に、個々が抱えている問題に対して多様なルールを設けていくのか、全員に対して一律のものにするのか、それぞれ違う対応が求められることがあるかと思います。その場合は、どのような点を判断基準にしているのでしょうか?
毛利:基本的には、全員が対象になる平等性のある福利厚生にしていきたいと思っています。ベビーシッターなどは、将来的に子どもができる可能性がある人も、使用するかもしれないですよね。
新たな制度が必要になってくる際にはアンケートを実施したり、目安箱を設置するなどして課題を発見することが多いです。メンバーの声を聞いて制度を作っていく文化が創業時から根付いているため、考えを聞いた上で、そのニーズの大きさを社内で確認するようにしています。
金子:その他にも、7月からフルリモート採用を推進していくということもあり、東京以外のどの地域に住んでいても福利厚生の対象となるようなサービスを導入したいと考えています。
目安箱だけではなくて、Slackなどオープンな場で意見が寄せられることも多いんです。在宅手当についても「リモートワークで電気代が高くなった!」というSlack上の声から生まれた制度です。オフィスだと電源を自由に使えたり、コーヒーを好きに飲んでよかったりするので、在宅勤務で提供できない部分は手当として支給するようにしています。また、現在は出社/リモートを選べる働き方を導入しており、出社メインを選択した社員には通勤手当を支給し、在宅手当は支給しないなど、福利厚生の対象を明確にしています。
ーー社員のニーズに対して制度を作るという文化が根づいているのですね。そんな中、従業員特典サービスであるPerkを導入した背景にはどのようなものがあるのでしょうか。
金子:導入や利用にあたりこちらの手間もコストもかからないですし、せっかくお得なサービスを使えるなら社員にぜひ使ってもらいたいという気持ちが一番です。コロナ禍で社員の生活リズムや時間の使い方も各自で変わってきていると思うので、プライベートを充実させたり、在宅勤務中にリラックスしたりするのに役立ててもらえたらと思い社内に案内しました。
会社として提供できるものが限られている中で、社員のニーズを満たさない制度を作ってしまっては意味がありません。その点Perkはコストや工数をかけずに導入できるのでありがたいですし、実際に社員がどんな特典を利用しているかを観察しながら社員のニーズとその大きさを中長期的に検証することもできるのがいいなと思っています。
ーーPerkに掲載された特典のなかで、どのようなサービスに反響がありましたか?
毛利:弊社が外食産業を対象とした事業を展開していることもあり、外食関係のサービスを利用しているメンバーが多いようです。弊社のSlackには“おやつチャンネル”という雑談チャンネルがあって、食べたものを自由に投稿することができるんです。そこで「Perkを利用してピザを注文した」という投稿がされてからは、ピザの話題で持ち切りになりました(笑)。私たちも、ついさっき利用したんですよ!
他にも、サブスク家具や新聞購読など、前々から利用検討していたものを割安で比較できるのがありがたいですね。在宅でデスク周りの家具を新調するニーズが高まっているようで、ワークチェアの比較検討に使っている社員もいました。
▼Perkで新しい福利厚生を実現
オフィスからオンラインへ。リモート体制を支える今後の取組み
ーーリモートワークが加速している中で、Perkを上手く使っていただいていますね。これからの働き方において、社員に対してどのような補助を行っていこうと考えていらっしゃいますか?
毛利:これまでの弊社の福利厚生は、歓迎会のための飲み会補助や部活動補助など、集まることを前提に組み立てられていました。まずはそこをリモートワーク前提のものに変えていきたいです。
今現在の東京本社の出社人数は現在10人ほどであり、コロナ収束後もリモート勤務を部分的に続けたいという声も多いので、今後はオフィスの縮小も視野に入れています。そうなった場合、オンラインをベースにしたカルチャーづくりが問われることになるので、非対面での良いコミュニケーションのあり方や、各自が生産性の高い環境を作れるようにするためのニーズヒアリングに力を入れていきたいです。
金子:チャットだと必要な情報が流れてしまうことも多いので、欲しい情報をすぐに取りにいけるように情報のストック化も進めていこうと思っています。また、テキストコミュニケーションがメインになってくると、発言する人が限られたり、チャットにまったく顔を出さない人もいます。地方採用もこれから積極的に行っていこうと考えているので、コミュニケーションのチャネルを増やすなどして課題解決を行っていきたいですね。
▼トレタ社のオンラインコミュニケーション取り組み事例
掲載サービス100社突破!福利厚生サービス「Perk」について。
福利厚生サービス「Wantedly Perk」は、2020年3月に当社のエンゲージメント事業の皮切りとしてリリースいたしました。Wantedly を有料で利用している企業の従業員の方やその家族の方(LGBTや事実婚などのパートナーも含みます)を対象に、シゴトへの「挑戦」を支援する福利厚生としてご利用いただけます。
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