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広島県庁からWantedlyへ!行政にいたからこそ感じる、地方企業の採用に必要なものとは?【Public Affairs / 村岡健太】

『シゴトでココロオドルひとをふやす』というミッションを実現すべく、最短距離で最大社会的インパクトを出そうと日々奮闘しているウォンテッドリーのメンバーたち。年齢も趣味も経歴も異なるメンバーが様々な業務に向き合いながら、何を想い・何を目指すのか。今だからこそ伝えたいメッセージをシリーズでお届けします。

今回は、WantedlyのPublic Affairsチームに入社した村岡さんにインタビュー。広島県庁の特別職員時代、数多くの人材業界・サービスに触れた上で「Wantedly」が地方企業の採用課題の解決の糸口だと確信したという村岡さんの、キャリアや思いに迫ります。

◆登場人物:Public Affairs / 村岡 健太
広島県出身。大阪大学大学院卒業後、大阪の専門商社に総合職として新卒入社。海外駐在などを経て、デロイトトーマツグループへ転職。名古屋と広島でコンサルタントとして活躍した後、内閣府の「プロフェッショナル人材事業」を担当すべく広島県庁へ出向し4年間勤務。2022年7月、ウォンテッドリー株式会社のPublic Affairsチームに入社。

理系大学院から、専門商社→コンサルティング会社へ。大阪・名古屋・広島を渡り歩いてきたキャリア

(テニスサークル時代)

ー理系の大学院に通われていた村岡さんは、なぜ新卒で専門商社に?

僕の通っていた大学院は、卒業後の進路としてIT系の企業にいるようなエンジニアではなく、製造業や工場勤務のエンジニアを選ぶ人がほとんどでした。でもその進路には全然ココロがオドらなかったんです。正直、大きなメーカーでもキラキラしているのは本社がある都心だけで、エンジニアが配属になる工場は自分が行きたくない田舎に配属になることが多くて…そのため就活は総合職・営業職を希望していました。

新卒で専門商社に入社したのは、営業職をやらせてあげると言われたからでした。大学院も大阪だったので、同じ土地でマイペースに働けるなら良いか、くらいの気持ちで入社したのですが、配属先がまさかのプライベートブランドの商品企画という開発に近い業務の部署に。見事に入社初日から裏切られてしまったと凹んでいました。

ー配属先が希望通りではなかった村岡さんが、1回目の転職に至ったのはどのような理由でしたか?

配属先が不本意だったため働くモチベーションが全く上がらなかったのですが、これは何かで吹っ切るしかない!と思い、当時誰も行きたがっていなかった中国への駐在プログラムに手をあげ参加しました。中国では主に研究機器・理化学系の機器を販売するため、ゴリゴリの新規開拓含めた営業を任されていました。

中国で営業をしているときに、このままこの製品を売り続けても自分自身の未来は見えないなと思い始めたんです。有形商材の場合、結局のところスペック・価格勝負になってしまう。であれば無形商材で、顧客に合わせた完全オーダーメイドカスタムの提案を行って付加価値の高い仕事が出来るようになりたい。と思うようになり、たまたま募集のあったデロイトトーマツの名古屋支社に転職をしました。

デロイトに転職後は人事制度の構築や、中期経営計画策定などを行うのがメインの業務でした。名古屋で数年勤務した後、子供が生まれるのを機に地元の広島支社に配属を希望して異動させてもらい、地元・広島ではベンチャーの支援事業や国家戦略特区事業の立ち上げ等を幅広く行っていました。

(休日はよく家族と広島カープ戦を見にいきます)

ー広島へのUターン。その時を振り返ってみるとどんな思い出ですか?

広島では、国や地方自治体などの行政側から予算をもらい、ベンチャー企業の支援や成長に伴走する仕事を担当しました。

ただ、地方の企業は少人数で業務を回している状況が当たり前なのだなと実感することが多くありました。コンサル側が「もっとこんな取り組みをしましょう」と提案しても、それを実行できる人がいない。分かっていても出来ない。外側から見ていて、もどかしかった思いがあります。

課題解決の仮説を提供するのではなく、企業に良い人材が入ることの方が大事なのでは?とぼんやり考えるようになっていきました。

そんな時、おそらく僕のコンサルタントらしからぬ泥臭さを評価され、当時付き合いのあった広島県庁の方々から「プロフェッショナル人材事業」の出向の話を教えてもらいました。これなら地方創生・企業の成長を外側から支援する立場ではなく、県庁職員として推進できる!と感じたのを覚えています。この出向が、僕にとって人生の転機となりました。

最年少でプロフェッショナル人材事業に飛び込み、「パーパス」への共感採用に衝撃を受ける

(プロフェッショナル人材事業の紹介でTV出演した際のオフショット)

ープロフェッショナル人材事業とは?どのような取り組みだったのか教えて下さい!

デロイトトーマツグループの社員でありながら、国の地方創生事業であるプロフェッショナル人材戦略拠点を担う特別職員として、約4年ほど広島県庁に在籍しました。年間300〜400名の経営者に自らアポイントメントを取得・訪問し、経営課題の整理をし、最適な人材紹介会社へ取りつなぐという仕事を行いました。

当時30代前半くらいの年齢だったのですが、周囲は50、60代の権威ある方々ばかり。各拠点のトップは広島で有名なマツダの元専務、横浜銀行の副頭取、株式会社SUBARUの元会長など錚々たるメンバーでした。僕自身がその方々の息子より若い、とちょっとした話題になるくらいでした。若い人が多いWantedlyではすっかり逆の立場ですけど(笑)

この事業のNo2のクラスには通常、大手企業の人事部長クラスが就任するはずなのですが、採用経験もない自分がいきなり就任し、戸惑ったのを覚えています。デロイトで人事制度、組織改革には関わっていたものの、採用関連の業務の経験はほぼなかったので。

ーそんな未経験の領域に挑戦し、最も記憶に残っている出来事は何でしょうか。

僕が人材紹介会社に取り繋いだことがきっかけでが転職した方が活躍している姿を見ることや、地方の中小企業が優秀な人材が入ることにより成長している様子をみた時は、感動したのを今でも覚えています。

また、フィンランドのヘルシンキで創業したフードデリバリー「Wolt」の誘致に成功したことも大きかったです。今ではTVCMなども実施するほど日本で浸透してきているサービスですが、実は初めて日本進出したのは広島県からだったんです!

日本進出を考え、各地方のスタートアップ界隈の施設を巡っていたWoltの方々をつないでいただき、アプリ内に掲載してくれる飲食店を一緒に回りました。英語しか話せず広島にリレーションのない社員さんたちに、広島の地元企業や飲食店をたくさん紹介しました。県庁内でも様々な人を巻き込んだ横軸のプロジェクトだったため、非常に印象に残っています。

ープロフェッショナル人材事業を通じて、見えた地方企業の採用課題はありますか?

まず前提として、首都圏の大企業に比べて地方企業は待遇面で見劣りしがちです。そして多くの成果報酬型の人材会社のビジネスモデルは、採用時年収の35%を求人企業から得る形になっているため、地方企業に紹介される人材はどうしても少なくなる傾向にあります。

報酬は首都圏企業に比べて高くないけど、素晴らしいと思う企業を僕は本当に数多く見てきました。ただし、そういった素晴らしい企業でも「自社の魅力を発信していない」「採用に本気で取り組まない」というところも多く、そういった企業は残念ながら採用に成功していません。

また、悲しいことに地方企業は、人材サービス=何の価値もない・役に立たないという印象を持つ方が多いと感じました。ものづくりをする方が付加価値は高く、人材系のサービスは人材を横流しにしているだけという印象があるのは辛かったですね。信頼できる人材サービスが存在するにも関わらず、人材業界全体を信用していない人がいるのは悲しい事実でした。

そんな中、50種類以上の人材サービスと連携しながら地方企業の採用支援を行ってきた僕が、地方企業を救うスキームだと確信したのが、Wantedlyの「共感採用」だったんです!

お金がなくても魅力的なストーリーを持つ地方企業を盛り上げたい。Wantedlyの「Public Affairs」にかける思い

ーなぜ「Wantedlyの共感採用」が地方を救うと確信できたのでしょうか?

プロフェッショナル人材事業を通じて、「自社の魅力を打ち出し、本気で採用活動している」企業ほど、採用に成功していることが分かりました。

そして活躍・定着している人材は「このミッションを果たすために頑張りたい!」と地方企業の持っている”パーパス”に共感している人材でした。報酬のような定量的なものよりも、そういった定性的なことが重要だというファクトが当時、非常にショッキングでした。これってまさにWantedlyの掲げる共感採用なんです。

Wantedlyを使えば、企業はパーパスに共感した人材を自ら採用できる。コンテンツを工夫して発信することで自社の採用力も上げられるし、成果報酬もないので事業成長のためにお金を投資することができます。

また、共感というお金以外のもので最初のマッチングが生まれるところは非常に素晴らしいと思っています。お金のない地方企業でも、ストーリーさえあれば採用につながる可能性がある。やりがいと責任のあるポジションがあれば、地方企業でも同じ土俵で戦えるサービスは革新的でした。

「地方企業の人材採用こそWantedlyだ!」と広島県庁にいた4年間の活動で試行錯誤した上で確信を得て、仕事でつながりのあった執行役員の川口に直談判し、ジョインするに至りました。

ー担当する「Public Affairs」で、何を目指したいと考えていますか?

まずは地方企業の人材サービスに対する固定観念を変えたいです。県庁職員として活動し、その固定観念を払拭し、微力ながら広島県の企業を救ってきたという自負があるため、その活動を続けていきたいです。

そしてこれからは「自社の魅力を打ち出し、本気で採用活動すべし」という思想を国や地方自治体の方と連携しながら全国に広めていきたいです。

なぜなら地方企業が採用成功するには「自社の魅力を打ち出し、本気で採用活動していること」が必要不可欠だからです。行政の取り組みでも人材サービスでも、何かに依存して採用に成功することはないですし、仮に採用できたとしても再現性がありません。

最短距離の最大社会インパクトを考えると、最大インパクトは東京や大阪みたいな大都市で思想が浸透することかと思います。ただ最短距離を考えると、広島みたいな地方都市でまずは浸透させることが大事ではないでしょうか。

大阪や名古屋など地方の大都市より、広島の規模感だからこそWantedlyの味方になってくれる。Wantedlyがゴールド会員としてひろしま好きじゃけんコンソーシアムに参画した産官学金の連携プロジェクトでも、広島県庁や広島大学の方々が全面的に応援してくれています。まずは広島や中四国で実績を作りつつ、ゆくゆくは全国の地方企業を救いたいです!

ー今後、村岡さん個人が人生の目標としているもの・成し遂げたいことなどあればお願いします。

民間企業が単独で人材ソリューションを提供しようとしても難しいということを行政職員として過ごして痛切に感じました。僕は人材ソリューションを提供するだけでなく、共感採用の思想を広めたいと思っているので尚更です。よくある人材サービスは、人口が多い首都圏から始まり、首都圏で飽和すると新規市場や拠点を増やすだけのことが多いと思います。東京から大阪・名古屋・福岡まで行くとエリア拡大をストップするサービスが多いのを目の当たりにしています。

地方ならではの拡大戦略があるのに、東京で成功したやり方を横展開しようとする企業・サービスが多いのももったいないと感じます。そして地方ほど、Public=地方自治体と連携するのは非常に大切だとも思います。

正直、Wantedlyは行政から見ればまだ小さなサービスです。非常に良いサービスなのにこのままでは東京のベンチャー界隈で有名ないちサービスで終わってしまう可能性がある。共感採用の思想を全国に広げるために自分がジョインすることで、行政への橋渡しが出来るようになったと考えています。行政とつながりを持つことをキッカケに、共感採用の思想を全国に広げたいです。

広島の企業の経営者と話す際、自社の強みは?と聞くと、たいてい営業力・技術力などと回答されることが多いです。でも、僕自身の考えではこれからは「採用力」の有無が、地方企業の生き残る分岐点だと考えています。

その点、Wantedlyは採用力を最も鍛えるサービスだと考えています。採用力さえ身につけば、極論どんな方法でも採用は成功すると考えています。そして、採用力がある企業は必ずWantedlyを使うと考えています。地方企業が自ら魅力を発信し、共感を軸に採用された人がココロオドル仕事が出来ているなら、これこそが僕の思い描くココロオドル瞬間になると信じています。

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