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ただ内定が欲しかった。NNTだった僕が1年間休学して掴んだ「本当にやりたいこと」

インターンシップや就職活動を通じて、新たな自分を見つけた大学生に密着していく「New ME!〜自分らしい就活〜」シリーズ。就活を通じてどのような経験ができたのか、その経験が自分自身にどのような変化と成長をもたらしたのか。

記念すべき第1回目の今回は某人材コンサル系会社23卒内定者の、早稲田大学4年生のMさんに密着。就活中に人生初めての挫折、就活留年を経験した彼が、自分の本音とどう向き合い、もがいたのか。就活を通して自身のキャリアに対する考え方がどう変わったのかを聞きました!

ガクチカが刺さらない日々....ただ、逃げたかった自分

ー現在2回目の4年生ということですが、1回目の就活ではどんな経験をされましたか?

僕にとって1回目の就活は挫折経験というか、ほろ苦い思い出です。当時はコンサル業界を目指していて、大学2年生の2月頃からコンサル志望の人がよく行く“選抜コミュニティ”なるものに行ったりしていました。4月からはサマーインターンの選考も受け始めて、そこでは優秀ですねって評価をいただくことも多かったです。その時点で天狗になっていて、僕が実際に行ったのは5社程度と少なかったです。

サマーインターンが終わると本選考フェーズに入ってきて、そこに向けて説明会が開かれます。面白いなと思う企業も中にはありましたが、大体の企業に興味を持つことができませんでした。当時は、入っているゼミがいわゆるガチゼミで忙しかったし、アルバイトリーダーもやっていたので、その二つを言い訳にして就活に時間を割いてなかったです。3月になったらやるし…と選考を先延ばしにしていました。

その後なんだかんだ1月にウィンターインターンを3社受けて、その3社に関しては早期選考にのっていました。ただ、最終的に3月のタイミングで全ての会社とのご縁が無くなりました。当時は、その3社を受けている中でどこかに絶対に行けると思っていて、なんなら全部受かるって、すごい勘違いをしてたんです。

ー就活に向けて早めに動いていた&自信もあったのになぜ「就職浪人」を?

早期選考を受けていた会社に行くつもりだったし、受かる気満々だったので、正直落ちるとは思っておらず、他の企業を全く見ていませんでした。そこから急に他を見るってなっても、いきなりじゃ自分の興味ある企業は見つけられる訳もなく。
「あれ、行く場所ないじゃん…」と気づいて絶望しました。ウェブテストも全然勉強しておらず、手当たり次第エントリーしても通過するかは五分五分でした。このままどこからも内定もらえないかもなって、めちゃめちゃ不安になりました。その時に見つけたのが、休学という選択肢でした。

ー休学するのは、Mさんにとって大きな決断だったのでは?

自分のまわりにたまたま1人、就活をやり直す友人がいたので、「そういう選択肢もありなんだ」と、頭の中にぼんやりありました。ただその時は、単純にメンタルがやられてたっていうのもありました。ただ、就活から逃げたかったんです。

高校受験、大学受験と上手くいき、勉強もサークルもそれなりにそつなくこなしていた僕にとって、まさか就活がうまくいかないなんて…と思いました。僕にとって人生初の挫折でした。

逃げることをやめて見つけた、自分のモチベーションの源泉

ー休学して、すぐに就活に向けて動き出しましたか?

してなかったです。休学は当初2年しようと思っていて。早めから動き出さないといわゆる良い企業に行けないので、インターンで1年みっちり実力をつけて、もう1年でしっかり就活しようと考えていました。

ただ、半年ほど経って来年度の就活に備えようと、エージェントに相談をした際に「ガッツリ実力を付けたいと考えるのは良いけど、休学を2年するのは意味がないんじゃないか」と言われました。当時、自分はビジネススキルさえつければ就活は“余裕”だと思ってたんです。でもビシッと言われて目が覚めました。

「僕の課題はスキルではない。意思決定をただ先延ばしにしているだけじゃないか」って。

そこから、20人ぐらいの大人に相談したんです。エージェントの人もそうですし、インターン先の社員さん、コーチングをしている方に時間とってくださいってお願いしたり。あとは、叔父叔母を頼ってみたり。
結局、20人全員言うことが違うんです。だから、どっちが良い悪いの判断は全くつきませんでした。その時に、いくらまわりに答えを求めても、それはヒントであって答えではない、答えは自分の中にある。自分の人生のことは自分で決めるべきなんだ、という当たり前のことに気づいたんです。その時、先延ばし癖と今ちゃんと向き合わなきゃだめだ!って思い、休学は1年にして就活と再度向き合うことを決めました。

ー就活とまた向き合うと決断してからのことを教えて下さい。

前回の就活の反省を受けて、とにかく色んな企業を見なきゃいけないと思っていました。9月頃はひたすら説明会を受けたり、Matcherで企業の人事の人にどんどん申し込みをして、面接練習してもらってフィードバックを自己分析に生かしたり。あとは、逆求人サイトを使うと良いとウェブで見つけて、Wantedly、OfferBox、iroots、のプロフィールを書いてっていうのをこの時期はたくさんやっていました。

その中で、SaaSに自分は興味があるんじゃないかと思い、志望業界の仮説検証をするために11月からIT系のスタートアップでインターンを始めました。
この会社は決まった仕事が一切なく、自分でやりたいことを見つけたり、自分でプロジェクトを立ち上げて仕事をする事を求められる環境でした。ただ、僕は何となくこの分野に興味があっただけで具体的にやりたい事が無かったので、最初の研修が終わったタイミングで1週間ぐらい全く仕事がありませんでした。それなのに時給はもらっている状況。そこから、社員さんにめちゃめちゃ相談しに行ったりともがく中で、ここに自分はモチベーションがあるなっていうのを見つけました。

それが、「一歩を踏み出して挑戦し続ける人を増やし、成功まで伴走したい。もし一歩を踏み出すことに躊躇している人がいれば、その背中を押したい。そして、自分自身も休学を皮切りに一歩を踏み出し続けたい」というものでした。

ー自分のモチベーションの源泉がわかってからの就活はどう変わりましたか。

1月に入ってからは、就活に集中するためにインターンの量を減らしました。
沢山の企業を片っ端から受けるのではなく、企業の顧客やプロダクトによって自分軸が実現できるかを考え、10社程度に厳選し一気に選考を進めていきました。

そして、2月に第一志望群の企業から1社、3月にも第一志望を含む2社から内定を頂くことができ、就活は終了となりました。

ー実際に内定をもらって、どうですか?

自分のやりたい事と向き合えると思うと、めちゃめちゃ嬉しいです。
1年回り道したかもしれないけど、休学して、もがいて、自分の納得のいく選択ができました。ホッとしている自分もいますが、すぐに入社後のことを考えて行動しないと、と思えたんです。本当に自分のやりたい事ができるのか、実現できるのか、人事の方と今まで以上にコミュニケーションを取りました。

内定はゴールではなく、新たなスタートラインなんだと気づくことができました。

どんな状況にあったとしても「自分で決める」就活、そこから見えてきた本当に大事なこと

ー今、2回の就活を振り返ってみて、どんな気づきがありますか?

企業側が僕たち学生に求めるスキル、に対する考え方が変わりました。
例えば“ガクチカ”ってあると思うんですけど、アルバイトでお客さんに丁寧に接客して売上を○万円アップしました・部活動でキャプテンとして全メンバーと1on1してチームを優勝させました、みたいな、わかりやすい数字が必要なんだと思い込んでいました。
インターンで営業をしていた時もすごい数字や実績を気にしていたのですが、そうではないと気づきました。インターンを通じて、わからない事をすぐ聞きに行く素直さだったり、とりあえずやってみるっていう行動力だったり、1回学んだことを次に生かすとか、そういう姿勢がものすごい大事だと知りました。

ー自分自身のキャリアに対する考え方は変わりましたか?

元々、他の誰かや世の中の正解に合わせに行く就活をしてたなって感じてます。そして、それが本当の幸せじゃないって、インターンという実際に会社で働く経験を通して、自分のモチベーションの源泉が見つかったからこそ感じています。本当の自分の幸せは何なのか、自分は結局何をしたいんだっけ、ってどんどん考えてそこに向かって就活をしていくべきだと思っています。

あと、僕もまだ葛藤しているんですけど、意思決定をする時に他人の意見で決めないってことはすごい大事。自分で腹くくって、覚悟を持って決める。じゃないと、失敗した時に人のせいにするし、それも結局誰かの正解を生きていることになる。自分でキャリアを作ってく、そこへは誰も邪魔させないってマインドに変わったなって思ってます。

ー最後に就活を頑張る後輩たちへメッセージをお願いします。

2回目の就活で強く感じたのは、就活は「企業と人」のやりとりではなく「人と人」とのやりとりであるということ。心の底からやりたいという熱量や、そこに向かって努力していける人間性、相手に対する感謝・気遣いがあれば、“ガクチカ”や面接テクニック以上に面接官の心を動かします。だから、そういう小手先のものに踊らされず、自分らしく振る舞ってほしいなと思います。

そして、働く上での幸せやモチベーションは人それぞれなので、他人の軸で就活せず自分の幸せは何かを考え続けてほしい。できれば、その仮説を何らかの形で検証してほしいです。
もしそれが長期インターンなのであれば、ぜひWantedlyを使って探してみてください!

編集後記✍

就活で人生初めての挫折を経験したMさん。彼が語っていた中で印象的だったのは、「わからない事をすぐ聞きに行く素直さだったり、とりあえずやってみるっていう行動力だったり、1回学んだことを次に生かすとか、そういう姿勢がものすごい大事」という部分。これは、新卒で入社して誰もが一番に学ぶこと、そしてそれは働き続ける中でいつまでも大事なことです。なにより、「自分の人生は自分で決める」という当たり前だけど大事な事に、学生のうちに気付けたMさん。今から彼の将来が、とても楽しみです!

今回のストーリーを見て、就活を頑張る大学生のみなさんの背中を少しでも押すことができたら嬉しいです。それでは次回の「New ME!〜自分らしい就活〜」シリーズもお楽しみに!

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