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日産自動車がWantedlyで求人!? 従来のイメージをくつがえし、新たな才能を獲得するまでの道のり

Wantedlyというと、「主にベンチャー企業が活用している」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、最近では大企業における導入事例も増えてきています。

今回ご紹介するのは、創業84年という歴史を持ちながらWantedlyでの採用に成功された日産自動車株式会社です。一昨年10月に、自動車とエンドユーザーを繋ぐコネクティドサービスの開発をおこなう部署「コネクティドサービス本部 サービスユーザーエクスペリエンス企画部」が新設され、新たな採用ニーズを満たすためにWantedlyを導入されました。

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中目黒にあるオフィスへお邪魔し、当部署を統括する宮澤 秀右さん(愛称 Seanさん)と、実際にWantedlyを介して日産自動車に入社した加田 早苗さんにお話を伺いました。

新しい仕事に、新しい採用のカタチ

まずは宮澤さんに、事業についてとなぜ採用ツールにWantedlyを選んだのかをお話いただきます。

−コネクティドサービスとはどのようなものなのでしょうか?

「私たちはクルマそのものを作るのではなく、クルマとユーザーさんをつなぐサービスの技術開発やデザインをおこなっています。具体的にはアプリケーションやWEBサービス、それらがつながるバックエンドのシステムなどですね。もっともユーザーさんに近く、それでいてまだ世にないものを作り出していくことが仕事なので、都内で働く腕のいいエンジニアやUXデザイナーを仲間に入れたいなと思っていました。それでオフィスも都内に構えることにこだわりました。」

−日産自動車の中でも新しい取り組みですよね。

「そうですね。私は2年前に別の業界から当社に転職してきたのですが、外からこの業界を見ていたからこそ『IT系の技術と自動車業界の才能をうまく組み合わせることができたらもっと良いものができる』というビジョンを明確に抱いていました。社内でもこれまでにないスタートアップの部署だったので、まったく新しいことにチャレンジできる人材がほしかったのですが、どうしても既存の採用方法だと自動車業界のイメージに引っ張られ、我々がリーチしたい人材と遠くなってしまうという問題がありました。」

−そこで、Wantedlyという選択肢が浮上したのですね。元々Wantedlyはご存じだったのですか?

「前職で親しい同僚がWantedlyを活用していたので、そのときから知っていました。日産自動車とWantedlyというのが世の中的に離れすぎてるのではという懸念はありましたが、この組織は日産といえどやはりスタートアップなので。」

−IT人材不足は、日産自動車のような歴史ある大手企業でも感じますか?

「そりゃあ感じますよ! IT業界でIT人材を取り合っている中で、自動車業界にチャレンジするIT人材なんてそうそういないですから。むしろ従来の日産自動車のイメージで来てしまうと、ギャップが大きくて長続きしないと思います。

フランスと日本で計300人採用するというプランですが、当然誰でもいいわけじゃないですし、会社側にも、新しく入ってきた人が活躍するための文化や環境を考えていくという義務や責任があるので大変なこと。でも、やはり自分たちの文化や環境にフィットできる人をとっていかないと、長い目でみたときにどうしても損失が出てしまいますから、採用にかける努力は必要不可欠だと思っています。」

−仲間集めの過程で、今後重視していきたいことはなんですか?

「そこはずっとぶれていなくて、ここの組織は『新しいことにチャレンジして先のことを考えて人の生活を変える』という仕事をしていますから、まったく新しいことにチャレンジしたいというマインドセットを持った人を集めたいですね。

それから、長期的なビジョンをもって仕事に取りかかれる人。今、ロボットタクシーを作って街中を走らせて、それが社会のインフラの一部になっていくという未来を描いてやっているのですが、これは口で言うのは簡単だけどすごく長いロードマップがあるわけです。どう実現していくか、そのための体験はなにかというのをすべて組み合わせてこそ世の中に新しいインパクトを与えることができるので、先の目標に対して高い志で走れる人に話を聞きにきてほしいと思っています。」

加田さんは、そんな日産自動車さんのビジョンに惹かれ入社を決めたひとり。前職ではグルメサービスアプリのデザイナーをされていましたが、現在はコネクティドカーのデザイナーとして業務にあたるほか、「自分たちの仲間は自分たちで見つけよう」というモットーを持ち採用活動にも従事しているとのことです。

何気なく出会った、運命の求人

−まず加田さん個人でWantedlyを使うようになったきっかけ、転職で活用した流れを教えてください。

「前職で採用活動を手伝う際に、Wantedlyに登録したのがきっかけです。採用目的で登録したので転職する気はなかったのですが、おもしろい求人が多いなーと思っていたのでFacebookを見るような感覚で日常的に見る習慣がついていました。あるとき、何気なくWantedlyを見ていたときに、日産自動車の採用が流れてきて興味をもちました。」

−すぐに「話を聞きに行く」を押したんですか?

「まだそのときは掲載されていた情報量が少なくて、本当に私の知っているあの日産なのかな? という疑いもちょっとありました(笑)。コネクティドカーがどういうものなのかもピンと来ていなかったので、そのあたりも含めて話を聞いてみたいと思い押したところ、すぐに『本社で説明します』とお返事をいただきました。そして送られてきた住所を調べたら日産の本社の場所だったので、あ!本物だ! と(笑)。実際にコネクティドカー開発がどういったことをやっていくのかお話を伺って、これはやってみたい!と思い、正式に応募しました。」

−前職と同じデザインの仕事でも、全然違う分野ですよね。

「これまではアプリを作っていたのですが、今後もっとリアルに紐づく分野で仕事してみたいなとは思っていたんです。もともと趣味でクラシックカーが好きなので、車好きが高じたというのもあり、あとはやっぱり、車とインターネットがつながる体験を作れるという新しい体験構築にデザイナーとして初期から関われる機会は滅多にないので挑戦してみたいなと思いました。」

−実際、説明会に行かれてどうでしたか? Wantedlyを使うと、普通の面接とは違うものになると思うのですが。

「一番最初にお会いしたのがSeanさんだったのですが、登場の仕方が明るくて『お疲れ!』みたいな前から会ったことがあるかのように明るく気さくな方だなという印象をでした。面接というよりは、楽しくお喋りしたという感じでした。どんな仕事をしてきたかとか、今のスキルをどう活かせそうかとか、他のメンバーがどんな方なんですか?と質問させていただいたり。大企業というと堅い感じや、常に完璧な敬語で話すといったイメージがあったのですが、良い意味で、完全に払拭されました。とても楽しい面接で、宮澤さんと一緒にお仕事する様子がその時すでにイメージできていました。」

採用される側から採用する側へ

−Wantedlyを使って入った加田さんですが、今はWantedlyを使って採用する側ですよね。採用にあたってみて、いかがですか?

「自分がWantedlyで入っているからこそ、改善点が明確に見えていたので、まずは最初に説明会を行うフローから変えようと思いました。というのも、説明会の日程をとり決めるまでに一週間以上かかってしまっていて、最前線でバリバリ仕事をしている忙しいデザイナーさんにとってこういう時間のロスはネックになります。そんなやりとりの後にポートフォリオを見せてもらって、スキルセットが違いました。となってしまってはお互いにとって良くないので、現在は、話を聞きに行きたいを押して頂いたら、まずはポートフォリオをご提出いただく、というフローに変えさせていただきました。」

−そういったイレギュラーな採用活動は社内的にはどうでしたか?

「こういった選考フローは会社的にイレギュラーですし、そもそも人事は本社にいますから、採用フローを変えたいと申し出た当初は理解していただくための説明に少し時間がかかりました。私が所属する組織では、こういう採用・選考フローがベストなんです、とこちらのやりたい事を伝えて、実現可能にするにはどうすればよいかを人事の方と一緒に話し合って、一緒に採用フローを作りました。

「前に一度KADOKAWAさんが『日産自動車がWantedlyを使っている』と記事にしてくださったことがあったのですが、そのときの反響がとても大きくて。うちの採用を応援したいといって採用チームにジョインしてくれた方もいて、良い仲間を採用したい!と活動している私たちを、とても熱心にサポートしていただいてます。」

−Wantedlyだからこそ、こういう人が多いなと感じることがあれば教えてください。

「やっぱり、こちらが探している層に近い方が応募してくれているというのは強く感じます。探している層というのは、『ユーザーさん目線になれる人』ですね。ITやサービス開発をやってきたという人はユーザーファースト思考が育っている印象です。」

−マッチングができているのは、皆さんが募集を読み込んでくれているからなのか、そもそもWantedlyユーザーにそういう属性の方が多いのか、どう思いますか?

「私がここに来る前もSNSを見る感覚でWantedlyを見ていたと言いましたが、同じように日常的に見ているという方が多いのかなと思っています。それはなぜかというと、やはり興味のある求人が多いからだと思うんです。こういうところで働きたいなという人と、こういう人に働いてほしいなというマッチングができているなと思います。あとは、Wantedlyの求人原稿には求めているスキルセットやどんな人が働いているかなど詳細に書かせて貰えるので、そのあたりが共有できているというのもミスマッチを減らせている理由だと思います」

−採用目線でWantedlyのいいなと思う機能があれば教えてください。

「個人のページにポートフォリオを登録できる点と、『このさきやってみたいこと』を書く欄がある点です。お会いする前から、こういうことがやりたい人なんだなと知ることができるので。英語のできる人材がほしいので、言語が入っているのも便利ですね。あとは、Facebookとつながっているので、たとえばこの方とは共通の知り合いがいるなあというのがわかったり、つながりが推測できるのも便利です」

採用フローを変えたあとの運用

ここからは、加田さんと一緒にポートフォリオをチェックしているという杉田 哲郎さん(愛称Tetsuさん)も交えてお話を伺います。

−募集されていたのはデザイナーさんですか?

加田さん「UIデザイナーさんと、UXデザイナーそれぞれですね。かつかつというわけでもないので、本当に合う人を採用したいと考えて動いていました。」

−どのくらいのペースで応募がきましたか?

加田さん「Wantedlyに記事を出した際や、KADOKAWAさんに取り上げていただいた直後は、一日に多くて10人くらいの方からポートフォリオの提出をいただいていました。そこから面談に来ていただけている方の割合は100名中、7名くらいです」

−なかなか絞りますね!

加田さん「Tetsuがすごく厳しいんですよ(笑)」

杉田さん「理想は英語もデザインもとてもできる方なんですが、会って話さないとわからない事もあるので少し緩めてはいます(笑)」

加田さん「スクリーニングを厳しくしている分、その後のフローで覆ることはあまりないですね。Wantedly経由では、思いもよらないスキルセットを持った方がたくさん応募してきてくださるんです。Wantedlyの利用者さんは面白い方が多いな! と思いました。シニアレベルの方も結構使われてますよね。そういう方は気持ちが若く、楽しい仕事をしたいという方が多いので経歴もおもしろい方が多い印象です。」

−たとえば複業とかフルタイムじゃなくてという働き方をしたいという優秀な人材が現れたら、そのあたりはどうですか?

杉田さん「それは想定したことがなかったですが、もしそういう方が現れたら検討する柔軟性はある会社だと思います。」

−Wantedlyを使って感じるメリットを教えてください。

加田さん「弊社の採用応募フォームは長くて複雑なものなので、ハードルがすごく高いんです。なので応募フォーム入力に取り掛かる前に一度お話できてマッチングを見れるというのはとても便利です。また、中目黒のオフィスを実際に見てもらえるというのも大きいですね。本社とはだいぶ雰囲気が違うので。」

杉田さん「ベンチャー企業が多く求人を出しているので、弊社の求人は目立つのかもしれません。」

加田さん「それはあるかもしれないですね。でも企業の大きさよりも、どういうことをやりたいかを重視して仕事を選んでいる応募者さんにアプローチしていける媒体だと思うので、そういった候補者さんを探されてる会社さんは、会社規模に関係なく利用されてみるのが良いのではないかと思ってます。」

働き方が多様に変化している現代では、採用ニーズに合わせて柔軟に求人の手法を変えていく必要があると再確認することができました。
宮澤さん、加田さん、杉田さん、貴重なお話ありがとうございました!!

今後もWantedlyをご利用いただいている皆さまのストーリーを紹介していきます。
どうぞ、お楽しみに(^^)


Writing:Noriko Matsumoto
Movie :Katsuwo

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