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自社企画開発でピアボーナス制度を導入!本質的な文化形成のためにVoicyがやったこと

こんにちは。Voicyカンパニークリエイターの “はる” こと高森はるなです。

みなさんはピアボーナスという制度をご存じですか?
仲間を表す「Peer」と報酬を表す「Bonus」を合わせた造語で、メンバー同士が称賛を少額の報酬を添えて贈り合う制度です。

今回Voicyもそのピアボーナス制度を導入したのですが、ただ導入しただけではなく、なんと自社企画開発で導入しました。
その一連の共有から、Voicyの組織づくりへの向き合い方や課題感をお届けします。

形骸化を放置しない

ピアボーナス制度導入の検討を始めたのは、半年ほど前のことでした。
1年半ほど前から「バリュースタンプ」を活用した組織開発を行っていましたが、それの形骸化を感じていたためです。

Voicyは2年前に大きな組織崩壊を経験しています。その際に当時ただのSlackスタンプの一つであったバリュースタンプを活用し、可視化と表彰の仕組化で賞賛文化の醸成を図り、バリュー浸透やエンゲージメントの向上にチャレンジしてきました。

結果として、1年経過した頃にはスタンプが月間数千件も送られるほど賞賛文化が根付き、モチクラスコアはDからAAまで回復し、バリュー共感度アンケートは常に最高評価者が9割以上を維持できるようになり、大きな成功を収めた人事施策の一つになりました。

しかし目的が果たされた中で改善を怠ってしまったため、その後半年間で徐々にスタンプ利用が形骸化し、それに紐づく表彰は意義からズレ始めていました。

この本質的ではない状態に人事が課題を感じ始めていた中、エンジニアの会沢から「スタンプ形式だとアウトプットのみに称賛が集まってしまい、プロセスのいい仕事や目立たない場所でいい仕事をしているメンバーに称賛を贈れないので改善してみては?」という意見が出たことを受け、人事として再検討。

その結果「バリューの概念は浸透しているので、次はより具体的に行動レベルを言語化して浸透させることにチャレンジしよう。」との結論に至り、網羅的に行動単位で賞賛を送れ、かつインセンティブでその後押しができる「ピアボーナス制度」を選択することになりました。

現場メンバーの会沢の声がキッカケだったこともあり、上期より立ち上がったクロスファンクショナルチームを巻き込んで、ピアボーナス制度の設計をスタートすることになりました。

Voicy独自ピアボーナス制度“ボ祝儀”の誕生

制度設計をしていく上で、行ったことは以下4点です。順にご紹介します。

①ネーミング

サイバーエージェントさんもよく言われていますが、人事制度の浸透はネーミングで9割決まると言っても過言ではありません。

Voicyではこれまでも社員交流会を「ボイめし」、プレミアムリスナー購入補助制度を「ボシメン」、月間表彰制度を「ボイミー賞」、社員プロフィールカードを「Coicy」、社内ハッカソンを「ボイソン」など「浸透のしやすさ=短く親しみやすく少しダサい」と定義してネーミングを行ってきました。

今回もここには本当にこだわり、メンバーで何度も議論を重ねた結果、Voicyとボーナスと御祝儀の3つの意味を掛け合わせた「ボ祝儀」に決定しました。

御祝儀という言葉には『お祝い事をお互いに支えあい、喜びあう』という意味があることからピアボーナス制度にぴったりで、御祝儀であればインセンティブもいやらしくならず、「ぼしゅうぎ」という響きも可愛くてとても好評です。

②定義設定/運用設計

本質からずれないためにも、制度の定義設定は非常に重要です。今回は先述のような背景があったため

  • 賞賛される具体的な行動が言語化されて浸透する
  • 会社やメンバーのためにとった行動が賞賛され共有されている
  • リスペクトされる行動をすぐ言葉にして伝える文化醸成をする

を目標達成状態と定義とし、これを叶えるための制度になっているか?をメンバーで常に認識/確認し合いました。この定義を叶えるための運用は

  • 個人で自由にメッセージを作成でき、内容は御礼ではなく行動への賞賛になっている
  • ボ祝儀で贈られたメッセージは全メンバーが視認できる
  • 視認率が高い状態に保たれる

が軸になるとしました。・・・ワガママですよね?笑
実際に多くのピアボーナスの運用ツールを調べたのですが、私たちの願望が叶うものはありませんでした。

そんな時に手を挙げてくれたのが、本件の発端となったエンジニアの会沢でした。

「ないなら作りましょう!」と文系の私たちには思いもつかない提案に最初は戸惑いましたが、そこから自身で他社を調査しコツコツと業務の合間を見て開発してくれ、数ヶ月かけてなんとSlack上でボ祝儀を送り合う仕組みが完成しました。

Slackでコマンドを打ち、賞賛行動を記載し送信すれば、自動的に共有チャンネルに投稿され、かつポイントの受け渡しや管理も出来るものになっています。
会沢のこの行動自体が、バリュー体現ですよね。本当に。

④インセンティブ設計

インセンティブ設計は制度のキモであり、メンバーの行動の促進剤になるため重要ですが、お金が絡むのでセンシティブな問題です。
また給与の問題にも絡むので、簡単に進められるものではありませんでした。

検討の結果、制度で叶えたかった定義に改めて立ち帰り、またVoicyらしさも加え

  • 現金ではなくポイント制度
  • Voicyが好きになるものや、社員との交流が増えるもの

をインセンティブ対象とし、設計しました。

メンバーのバリュー体現行動が、これまでよりも言語化されて称賛や感謝の声として届いているので、これまでは見えづらい部分もあった他チームの活躍や、称賛に繋がる行動とはどの様なものかが分かるようになりました。

メンバーへのリスペクトが生まれるのはもちろんですが、どのような行動がみんなの感謝に繋がっているかが可視化されることで、ボ祝儀のメッセージが刺激となってバリューを体現する機会も増えていきそう!

受け取る側も、贈ってくれた相手からのメッセージが添えてあるので「こんなところまで見てくれているんだ!こんなふうに感謝の気持ちを伝えてくれるんだ!」と、思わず嬉しい気持ちになります。

とは言え、ボ祝儀はまだ始まったばかり。
今後さらにボ祝儀の総数が増えるようにアップデートしていきつつ、もっともっとたくさんの感謝であふれ、メンバーが高いパフォーマンスを出せる会社を目指していきます!

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