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「Veogleが切り開く、新しい日本のIT業界のビジョン」業界の構造変革を目指すVeogleの創業ストーリー

「日本のIT業界における多重請負構造の最大の問題は、優秀なエンジニアが育たないこと」と話すのは、株式会社Veogleの代表である小松です。

Veogleを創業した背景、日本のIT業界における多重請負構造の課題、そして会社の価値観やビジョンについて、代表の小松と、共同創業者で営業担当の佐久間に話を伺いました。



「日本のIT業界のにおける多重請負構造を変えたい」という会社創業の想い

ー簡単に自己紹介をお願いいたします。

小松:新卒で入社した企業はソニーの子会社で、プログラマーをしていました。3年ほど働いたあと、オブジェクト指向を学ぶために株式会社オージス総研に転職しました。その後、ウルシステムズ株式会社に転職し、アーキテクトやモデリングのコンサルタントを経験しました。実はそこで、営業担当の佐久間と出会っています。また、この2007年くらいに世の中でアジャイルが流行り始め、ウルシステムズもお客様先にアジャイルを導入しようと動いてました。しかし、なかなかうまくいかず、なぜうまくいかないのかを考え、自分なりの方法論が確立したところで、それを実証するためにシンプレクス株式会社に転職しました。

シンプレクスでは、自ら考案した開発プロセスを大規模システムに当てはめながら仮説検証を繰り返しました。10年くらいかけて一定の形に作り上げることに成功したものの、プロジェクトが変わる度にメンバーが入れ替わると生産性が上がらず、同じ振り返りが繰り返されることに気づきました。実はこの経験が現在Veogleを立ち上げたことにも繋がっています。その後、株式会社ウフルにヘッドハンティングされ移ります。ウフルでは営業担当として佐久間に入社してもらいましたので、佐久間とはかなり長い付き合いなんですよね。

ウフルを経て、Veogleを立ち上げることになりますが、現在は経営をしながら、エンジニアとしてメンバーと一緒に開発やコンサルティングを担当しています。

佐久間:新卒で入社した大手OA機器販売会社では、プロダクトの営業をしていました。営業の基礎や価値観、モチベーションを身につけたあとITコンサルティング業界に身を投じ、キャリアを重ねる中でヘッドハントを受けてウフルに転職をし、営業統括に加え本部管理業務でマネジメントを学びました。

コロナウイルス感染症の影響で経営側と考えが合わなくなったので、小松と共にVeogleを立ち上げました。私はエンジニアではありませんが、誰よりもエンジニアに近いポジションで技術の話もできますし、お客様の言っていることも理解できます。

現在は営業の統括と法務、労務など経営側の業務を担当しています。

ーシンプレクス在籍時の気づきがVeogleを立ち上げたきっかけということですが、どういった内容だったのでしょうか?

小松:具体的には、通常請負型のシステム開発は、プロジェクト単位で価値観が異なるメンバーがアサインされますが、プロジェクトスタートとともに価値観を揃えていく、というプロセスには非効率な面があります。したがって、最初から価値観が同じ人を集め開発に集中できる環境を整えた方が顧客への価値提供に近づくのではないかと思ったんですね。

お客様が求めているのはシステム自体ではなく、そのシステムによってもたらされる業務の効率化や売上の向上です。この点をチーム全員が共通認識として持つことが重要だと思います。

現在のVeogleは価値観が同じ人が集まっているので、お客様にしっかり価値を与えているという感触を持っています。

ーなぜ今の事業だったのかも教えてもらえますか?

小松:Veogleの事業は4つありますが、メインのサービスは受託アジャイル開発です。お客様へコンサルティングをしながら、並走してモノ作りをしています。

日本の企業はユーザー部門にITを理解できる人が少なく、ベンダーに仕事を丸投げしているケースが多いです。ベンダーに丸投げすると、ウォーターフォール型になり元請けから数次に渡る下請けに仕事が委託される、いわゆる多重請負構造になります。しかし、ウォーターフォール型は事前に要件を固めることを前提としているので、昨今のDXには当てはまらないケースが多いです。そこで、アジャイル開発が必要とされはじめているのですが、アジャイル開発は基本的に内製化を前提とするため、内製化できない企業は対応に困っています。そこで、Veogleは内製化できない企業からシステム開発を受託しつつ、アジャイル開発をするという他の企業がやっていない新しいスタイルにしました。

また同時に日本のIT業界における多重請負構造を変えたいと思っています。多重請負構造の問題点は、アジャイル開発に適してないことの他に、優秀なエンジニアが育たない原因になっていることです。日本ではITエンジニアが不足していると言われていますが、実際にはITエンジニアの人数は足りていると思います。本質的には人数ではなく、優秀なエンジニアが足りていないという状況だと捉えています。そして優秀なエンジニアが育たない状況を作っている要因が多重請負構造です。

その要因の1つがエンジニアの報酬の問題です。発注者から元請け企業に委託された仕事が、二次請け、三次請け、四次請けのように進むと、中間マージンを取る企業にお金が流れ、本当にモノを作っているエンジニアの報酬は減ります。報酬が低いのに能力を上げようと思う人は少ないですよね。

もう1つが、ウォーターフォール・多重請負構造でおこっている仕事の細分化です。プロジェクトに参画している人のほとんどが、顧客のことやシステムの全体像を知ることなく言われたとおり仕事をしています。その中で、プログラマーやテスターなどはアルバイトのような感覚で出来る仕事にしてしまっていると感じています。この環境の中で優秀なエンジニアを育てるのは困難です。我々としては、この構造自体を変え、優秀なエンジニアを育成する仕組みを作り、エンジニアの価値を本質的に高めていきたいと思っています。

ー多重請負構造を変えるとして、具体的にVeogleが実現させたい社会を教えてください。

小松:Veogleでは顧客から直接仕事を受けています。その上でアジャイル開発を適用しているので、単に指示通りに開発する仕事ではなく、顧客に価値を提供するという意識のもと開発します。これは「考える」量が多く、必要となる知識も多くなるので必然的にエンジニアの能力は上がります。能力が上がれば給料も上がります。

この仕組みでVeogleが勝ち続けることによって、「受託アジャイル開発」がシステム開発のモデルケースとなり「多重請負構造はもうダメだよね」という証明をしたいです。そうすることで、IT業界から「多重請負構造」がなくなり、優秀なエンジニアが育ち、よい報酬を貰えるといった社会にしたいですね。

佐久間:Veogleが目指すべき社会を実現するには、実力のあるエンジニアが適切に評価されることが前提となります。仕事を受注しても中間マージンを取られてエンジニアの給料が上がらないと、日本全体の実力も上がらないですよね。

エンジニアの賃金と社会的地位が上がることで、ブランディングや業界活性化の一部になればいいなと想います。

また、「ITエンジニアが成長するには転職しないと腕が上がらない」という文化を変えたいですね。若いエンジニアにたくさん入社してもらい、Veogleの文化を継承する人を育成し、日本のITを強くしたいと考えています。

Veogleの役割は、優秀なエンジニアの育成とVeogleの理念に共鳴する企業コミュニティの構築

ー日本の多重請負構造問題を解決するために、Veogleがどんな役割を果たせるかを教えてください。

小松:Veogleができる役割は2つあります。1つ目はエンジニアの育成です。ウォーターフォール開発では、要件定義、設計、開発、テストといった作業が分業化されていますが、受託アジャイル開発では、これらのすべてのスキルを一定水準以上で持つことが求められます。そのため、必然的にエンジニアにはより多くの能力が要求されることになります。優秀なエンジニアが増えないと「Veogleが行う受託アジャイル開発はいいよね」という証明ができないので、育成は大事ですね。

なので、エンジニアが成長できる案件を私と佐久間で優先的に取りに行くようにしています。優秀なエンジニアを増やしてお客様に価値を提供し、Veogleが勝つというストーリーを作ることが多重請負構造問題を解決する第一歩です。

2つ目の役割は、Veogleの考え方に賛同する企業を集めてコミュニティを作りたいですね。コミュニティの中では多重請負構造を作らずに中間マージンを減らし、エンジニアの給料を上げていきます。「いい仕事をするとお金をもらえる」という世界観をコミュニティで作りたいです。

ーエンジニアが成長できる案件とはどのような案件でしょうか?

佐久間:決められた仕様やすでに設計されたものをコーディングするだけでなく、エンジニアがお客様の求めているサービスを自ら考えられる案件です。昨今のDXの風潮で、業務の効率化といった最終的な目的自体は明確であっても、具体的にどのようなシステムを作ればよいのかお客様自身もわからない相談が増えてます。従ってエンジニアも単に決められた要件に対してコーディングするのではなく、お客様のゴールから考えて開発をする能力が求められていると思います。顧客ファーストの思考を持ち、プロ意識をかけ合わせると真の強いエンジニアが生まれると思います。

多くのお客様と会話をし「プロジェクトは立ち上がっているけれどもサービスの作り方がわからない」という案件にVeogleがチームで参加できるような仕事を探しています。

Veogleの価値観は「お客様を勝たせること」

ーVeogleの価値観を教えてください。

小松:Veogleではお客様に価値を提供することを重視しています。仕事を請け負って単にシステムを作ってお金をもらうのではなく、システムの先にある目標を達成しお客様を勝たせることがゴールとなります。システムを作って対価をもらうのではなく、お客様に価値を提供して初めて対価がもらえるという考え方が基本ですね。

一般的にシステム開発プロジェクトでは、システムを作って利益を出すことが目的です。目的を達成するには正直な話、お客様の役に立っていないシステムを作っても、対価を受け取り利益を得ることができます。Veogleはそのような価値観で仕事をしたくなかったので、お客様に貰っているお金は「価値を提供した対価」であることを意識しながらシステム開発することを大事にしています。実際には、準委任契約なので「対価」を先にもらっているのですが、それに甘えてしまうと良いシステムは作れないのです。

佐久間:受託型アジャイル開発では準委任契約を結ぶので、製造責任や成果物責任は仕事を受注する側にありません。システム開発も含めたプロジェクト管理は発注側の責任になるので、受注するにはお客様との信頼関係の構築が必須となります。

お客様の課題や自社エンジニアメンバーのスキルセットを把握したうえで、日々「Veogleにとって価値がある仕事はなんだろう」と考えながら営業活動をしています。Veogleの経営理念にもある「顧客の唯一無二のパートナーになる」という部分を目指し、一丸となって仕事に取り組んでいますね。

IT技術の急速な進化をもたらし、日本経済の底上げに

ー多重請負構造の課題を解決したあとの世界は、エンジニアにとってどのような変化がありますか?

小松:お客様から依頼されたシステムを作る仕事から、自分で考えてシステムを作る仕事にシフトすると思います。エンジニアの仕事が専門職になり、きちんとお金を稼げて成長できる世界観。例えば、自動車整備士や医師免許のようなエンジニアの資格ができ、プログラミング授業の影響で学問として定着してITに関する知識の底上げがされるかもしれませんね。

佐久間:プログラミング授業が進むとお客様の知識も増えるので、ビジネスの本質を理解しながらお客様と向き合うことが営業の役割になりますね。

小松:プログラミング授業をきっかけにIT教育がもっと進むと、入社した営業担当もエンジニアの技術が分かる世界観になるかもしれませんね。

ーIT技術が底上げされた先には、日本のITサービスにはどのような変化があると思いますか?

小松:IT技術が上がるとビジネスのスピードは上がり、儲かる企業が増えていくと思います。AWSのような海外製品ではなく国内製品の使用率が上がれば、日本の経済にも絶対にプラスになるはずです。

今はIT無しにはどんなビジネスも成り立ちません。日本経済の底上げの為にも、Veogleはエンジニアの能力に見合ったお金を正しく払い、エンジニアが正しく成長していくという模範的な企業にしたいです。


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