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【CDOインタビュー】「ターゲットはあらゆる混雑情報」日常に寄り添うサービスを目指して

今回はVACANのCDO(チーフ・デザイン・オフィサー)にインタビュー。「なぜデザインに興味を持ったのか?どのような経緯でVACANにジョインしたのか?」CDOの篠原さんにお話を伺いました。

デザインへの意識を変えた「iPhone」発売

ーデザインはどのようなきっかけで興味を持ったのですか?

デザインに興味を持ったのは、高校生くらいの時に自分の身の回りに気に入るデザインがなく、それなら全てのものを自分でデザインして自分が作ったもので埋めつくしたいと思ったのがきっかけです。笑

大学で空間デザインを本格的に学んで、そこで出会ったプロダクトデザインのコンペでグランプリをいただきました。それがきっかけで大学卒業後の1社目のデザイン事務所では、家庭用ロボットやマウスケア用品のプロダクトデザインなどをさせてもらっていました。

2社目では、SONYのプロダクトブランディングや空間デザインを手がけるSonyPCLでCEATEC、東京ゲームショーなどの大型イベント、販売店舗の空間デザイン、銀座Sonyビルのビルボード広告などを担当させてもらっていたのですが、しばらくして自分にとってターニングポイントになることがありました。


「iPhone 3G」の販売です。iPhoneを使ってみると、体の一部のように持ち運ぶケータイに、あらゆる機能を網羅するアプリがインストールされていて、デザイン的な美しさやブランディングも素晴らしくて、「これと勝負できるようなものを作ってみたい」と思うようになりました。

それから空間デザインだけでなくプロダクトデザインでも世界で勝負できるスキルを得たいと考え、イギリスにある「ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)」を受けるために会社を辞めます。

RCAを受けるには英語が必須でしたが、当時は一切話せなかったんです。笑

なのでまずは語学を習得するために、フリーランスとして仕事を受けながらカナダに渡りました。いろんな人と英語で関わるためにファッションショーのモデルもさせてもらったりもしました。

ーその後、大学院には入学されずにゲーム会社へPMとしてジョインされていますが、なぜですか?

国内外を含めてさまざまな案件を受けていくうちに、大学院ではなく実戦でスキルを磨く道も選択肢として入ってきて。そこで企業で働くに道に進むことを決め、Louis VuittonやSwarovski、香港カジノのRobuchon au Dômeなどの空間デザインを手掛けているデザイン事務所の道も開けてたんですが、最終的には当時大きく成長していたゲーム会社でPMとして働く選択をしました。

PMを選んだ理由はシンプルで、(ゲームが好きというのも少しありましたが...) デザイナーとして成長するためには「お金の流れ」や「エンジニアやセールスなどモノづくりに関わる人がどのように動いているか」を、より良い場所で仕組みとして知っておくべきだし、toC向けサービスに携わることでもっと直接的にユーザーの意見を感じ取りたいと考えたからです。

デザイナーは1人でプロダクトを作ることも、広めることもできません。だからこそステークホルダーが何を考え、どのように意思決定をしているかを知ることは武器になるはずと考えたのです。

VACANにジョインを決めた理由

ーVACANにはどのようなきっかけでジョインしたのですか?

きっかけは、代表の河野さんからいきなり(お互い顔も知らなかった 笑)連絡をもらったことです。当時PMの仕事を一通り経験しそろそろ自分で事業をつくってみたいと準備していた時、河野さんから一緒にサービス立ち上げないかと連絡がきました。

その後、河野さんがまず自分ひとりでリスクを全て背負って起業してくれました。ちょうどその当時社会的にもスタートアップという選択肢が認知され始めたころでした。盛り上がるタイミングを見極める能力は、起業家として重要な資質だと考えています。そのタイミングにいた河野さんと声をかけた他のメンバーであれば自分たちが理想とするモノづくりができると感じ、ジョインしました。

ー当時VACANが取り組んでいる「混雑を起点にした事業」はほとんどありませんでしたが、不安はなかったのですか。

元々カフェやレストラン、トイレの混雑に対して私自身、課題を感じていたので、ニーズが一定あることは確信していました。

また混雑情報をフックにして人々の動向を把握したり、リアルタイムの生きた情報だからこそ価値を生めるビジネスモデルを考えていたこともあり、不安はありませんでした。

サービスの価値が伝わった瞬間

ージョインしてから印象に残っていることはありますか?

サービス名や社名を導入いただいた方に呼んでもらえたことですね。

創業当初は認知度がなかったので、導入してもらっても多くの場合「混雑状況の可視化サービス」や「空きがわかるサービス」と呼ばれることが多くて。しかし、導入してくださるお客さまが増えていくと「VACANのサービスいいね」といった声をいただけるようになりました。

自分達がつくったサービスや会社の名前を呼ばれた時、世の中に浸透していっている実感が沸いてとても嬉しかったのを覚えています。

もう1つ印象に残っているのが、サントリーホールへの導入です。

ーどのような点が印象的だったのですか?

理由は2つあります。1つ目は、VACANのバリューの1つでもある「Delight & Integrity」の姿勢を貫けたことです。このバリューは、ユーザーにとってワクワクさせたり、誠実であるという価値観です。

その案件では、先方の要望をもとに作った企画でコンペをして導入サービスを決めるというものでした。しかし先方の課題を聞いてみると、先方が希望している形とは別のアプローチの方がユーザーにとって利便性が高いのではという意見が社内で出てきました。最終的には、VACANでは先方の条件とは異なるアプローチの提案書をつくり、コンペに臨んだのです。

その当時5、6人で会社自体の信用は他の大企業のコンペティターに比べて皆無だったと思います。それでも思い切って先方の条件から変えて「ユーザーにとって本当に良いプロダクトを作る」という意思を貫いて提案したことで、受注できることになりました。今でも受注が決まった瞬間の興奮を覚えています。



多くのサービスで「ユーザーにより便利に使ってもらう」ためにつくっていると思いますが、どんな状況でも一貫してその姿勢をとれている企業ばかりではありません。またHWに比べてSWサービスでは物理的な制約が少ない分、クイックにデザインの改修などができます。そのためUXが必要十分な状態ではないにも関わらず、「とりあえず出して後で直す」といったスタンスをとる場合もあると思います。

しかしVACANではそういったことはしません。それは「ユーザーの視点で考えた時に十分なクオリティになっているか?本当に課題を解決しているか?」というスタンスでの意思決定をサントリーホールの頃からし続け、クライアントに認めてもらった経験があるからです。

もう1つは「プロダクトと会社の価値を信じていただけた」という点です。それまでは大企業とのコンペで「この先5-6人でやっていけるの?」と人数が理由で勝てないこともあったのですが、サントリーホールへの導入時、担当の方にいただいた言葉が今でも記憶に残っています。

それは「このホールは十数年で無くなるような場所ではありません。これまでの歴史があり、これからも続いていくものです。だからこそ永続的に付き合える企業に育ってください。」という言葉でした。

まだできて2年程度のスタートアップを信じ、期待も込めて応援してくださっている。だからこそより大きく成長し、きちんと恩返しをしたいと強く感じた瞬間でした。

この想いは、今でも大切にしています。

ーこれからVACANにジョインすることの魅力を教えてください

コロナ禍によって、混雑情報に対する注目度が上がり市場としても盛り上がってきました。そしてその伸びている市場に対して、VACANでは混雑を検知、配信、管理・抑制・分析といったあらゆるニーズに網羅的に対応できる技術と経験による運用のノウハウを持ったプラットフォームサービスを展開しています。

現時点でも都市開発、観光、自治体避難所、オフィスのDXを推進していますが、事業領域的な伸び代も大きく新たな価値を提供するには仲間がまだまだ必要です。待つことや混雑のない「みんなにとって優しい世界」を一緒につくっていけたら嬉しいです。応募をお待ちしています。

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