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社会問題となっている“模倣品”の撲滅に挑む。大手建設機械メーカーを救ったDXプロジェクトとは。

「すべてを突破する。TOPPA!!!TOPPAN。」をキャッチフレーズに、企業変革を進めている凸版印刷。印刷会社というイメージが強いかもしれませんが、実は当社は、顧客のDX支援においても多くの実績を持つ会社。「印刷」と「デジタル」をかけ合わせた独自のソリューションも多数提供してきました。

今回ご紹介するのは、凸版のID認証プラットフォーム「ID-NEX(アイディーネックス)」を活用したプロジェクト。大手建設機械メーカー様に向けて、機械部品の真贋判定やトレーサビリティ支援に取り組みました。

顧客が抱える課題をどのように解決していったのか、当プロジェクトを担当した3人が、当時を振り返りながらご紹介いたします。


幅広い商品の模倣品・偽物対策に役立つ「ID-NEX」とは?


──今回大手建設機械メーカーに導入した「ID-NEX」とはどんなものなのでしょうか

堀木:
凸版印刷が開発したID認証プラットフォームです。商品一つひとつにユニークIDを貼付することで、スマホで簡単に真贋判定ができたり、トレーサビリティが実現できたりするんです。この「ID-NEX®真贋判定サービス」「ID-NEX®トレーサビリティシステム」は、すでに多くの企業で導入実績があります。

今回のプロジェクトでは、偽造防止用ホログラム付きラベルの上にQRコードを印字する形を採用。また、同じコードで真贋判定もトレーサビリティも実現できる仕組みを構築しました。

堀木将吾
情報コミュニケーション事業本部 セキュア事業部 第二営業本部

2016年に新卒入社。営業として、主にカード会社向けのDX・BPO支援やクレジットカードの製造・発行業務のフロント対応を担当。2018年〜2020年には得意先に常駐し、営業活動を遂行。この経験を活かし、低シェア得意先の開拓にも力を注いでいる。

──凸版印刷で「ID-NEX」が立ち上がった経緯について、教えてください

島村:
真贋判定という分野でいうと、もともと当社では、印刷会社としてホログラムを長年製造していたんですね。しかし、IT化が進んだことで「ホログラムではなく、スマホを使って本物か偽物か判定する仕組みがあればいいよね」という意見が挙がるように。そこで誕生したのが「ID-NEX」です。最初は個別の製品番号を専用サイトに入力することで真贋判定していましたが、現在はさらにバージョンアップし、QRコードをかざせば判定できるシステムとなっています。

島村純一
DXデザイン事業部 事業推進センター DXビジネス推進本部 市場開発部

2007年にホログラムのデザイナーとして新卒入社。以降、2016年までホログラム・証券など偽造防止技術のデザイン・設計に携わる。2016年からは販促部門に異動し、流通や運用の観点からの模倣品対策の販売促進を担当。近年ではDXという観点から、より体系的かつ運用が容易な模倣品対策の実現に尽力している。

──では、クライアントが当時抱えていた課題について教えてください

福山:
課題は大きく分けて3点ありました。「アナログな方法で真贋判定を行っており、業務負荷が大きい」「トレーサビリティができておらず、いつどこの拠点に機械部品が入荷されたか把握できていない」「在庫管理がアナログで、滞留在庫を抱えている」というものです。この課題はお客様自身ですでに認識されており、当社にお問い合わせをいただいたことでプロジェクトがスタートしました。

福山澄香
DXデザイン事業部 事業推進センター 事業企画本部 スマートシティ推進部

2018年に新卒入社。以来「ID-NEX」をはじめ、真贋判定や物流関連のシステム企画に携わる。現在は各ソリューションのリリースや運用にあたり、情報セキュリティ、契約書面整備、SQM等にも部門内で率先して取り組み、自社・お客さまがともに安心してシステムを利用できるよう尽力している。


受注の決め手は、導入実績の多さと各事例を紹介できたこと

──今回受注に至った一番の要因はどこにあると思いますか

島村:
それは、当社でのこれまでの受注実績の多さです。今回のお客様は、当社に問い合わせを行う前に、他社印刷会社やシステム会社などからすでに提案を受けていた状態でした。当然どの会社も、お客様の課題に対するソリューション提案をしてくるのは当たり前なので、であれば「凸版印刷なら、同様の課題に対する解決策事例が多いから安心」という点を強く提案していこうと凸版内部で話し合って決めました。当社がこれまでに導入した企業様の事例を数多く紹介することで、サービス運用のノウハウが豊富にあることをアピール。それがお客様に刺さったようです。

──導入を進めていくにあたり、苦労したことはありましたか

堀木:
提案・導入時は2020年で、まさにコロナ禍の真っ只中。基本的に打ち合わせはオンラインで進めていました。社内での打ち合わせでは、定例ミーティングの日時を決めて継続的に皆で集まり議論を進めていきました。特に難しかったのが、顧客との打ち合わせ。提案から受注後の要件定義まで、実は一度も顔を合わせられない状況だったのです。関係性構築に大変苦労しました。定例会議だけでは難しいと思いましたので、頻繁に電話をして本音を伺うなど、密なコミュニケーションを取るように心がけていました。

島村:
まだ世の中がコロナ禍での働き方を模索している状況下で、今までであれば対面で説明していたことをWebや電話でやる必要があり、慣れるまでに時間がかかりましたよね。

福山:
私は「ID-NEX」のシステム企画担当として参加しました。「ID-NEX」は、お客様の現場での運用に合わせてカスタマイズされるサービスなので、その仕様の決定は時間をかけて入念に行いました。「この仕様はどうなっていますか」「この機能はどういうものですか」など、細かい質問をいただくことも多かったのですが、一つずつ丁寧に対応し、お互いに理解し合いながら進められるように意識していました。定例会議でもシステム画面の遷移イメージを分かりやすく可視化して、認識のズレが無いようにしました。お互いの疑問を毎回無くしながら進められたことが、プロジェクトが円滑に進んだ要因だったとも思います。


幅広いお客様に対して、社会インパクトの大きい仕事ができる

──お三方は、なぜ凸版印刷に入社されたのですか?

堀木:
私は就活当時「スポーツ」と「食」という2つの分野に興味があり、どちらに進むか決めきれずにいました。そのときに出会ったのが、凸版印刷。幅広い事業を展開しているため、スポーツと食のどちらにも携われるチャンスがあると知り、入社を決めました。ありがたいことに、先日ハンドボールチームの運営会社と取引させていただく機会があり、やりたい事が一つ叶いました!

島村:
正直に言ってしまうと「さまざまな会社を受ける中で、内定をいただいたのが凸版印刷だったから」というのが私の入社理由です(笑)。ただ、入社してセキュア事業の面白さにどんどん引き込まれ、気づけば入社して15年が経過していました。先ほど「真贋判定の新しい手法としてITシステムを用いた手法が登場した」とお話ししましたが、セキュリティの仕組みは時代とともに絶えず変化しています。そのため、いつも新鮮な気持ちで仕事ができるのです。

福山:
私は大学でWebシステムの開発を手がけており、就活でもSIerなどIT企業を検討していました。ただ、私がやりたかったのはシステム開発ではなく、「お客様の求めるシステムを提案する」という仕事だったんです。その提案の幅がいちばん広い会社はどこだろう?と考えた際に凸版印刷が浮かび、応募しました。今は希望どおりシステム企画の仕事ができています。


──凸版印刷で働く魅力について教えてください

堀木:
いちばんの魅力は、社会的インパクトの大きい仕事ができること。私が所属するセキュア事業部は金融業界のお客様が多いため、自分の仕事が社会に大きな影響を与えていると感じます。その分責任も重大ですが、やりがいがありますね。

また、凸版印刷の特徴は「提案の引き出しが多いこと」。印刷だけでなくDX支援やマーケティングなど、幅広いご支援ができます。一つのモノやサービスに囚われず、様々な提案ができるのが面白いですね。

島村:
非常に幅広いお客様とお付き合いができるのは、凸版ならではの魅力だなと思います。今回のような大手建設機械メーカーさんの他、アミューズメント企業や官公庁など、毎回違うお客様を相手にできるのが面白いですね。

福山:
当社の魅力は、大手企業だからこそ社員数やリソースが豊富なこと。そのため細かく役割分担されており、自分の仕事に集中しやすいんです。それが、より満足度の高いサービスを提供できることにも繋がっているんだろうなと思います。


潤沢なリソースを活かして、社会問題にも向き合っていきたい

──お三方の今後の展望を聞かせてください

堀木:
今回のプロジェクトで、こちらのお客様と初めてお取引させていただくことができました。そこで今後は「ID-NEX」以外にどんなご支援ができるかを探っていきたいですね。今考えているのは、メタバースの活用。お客様により深く向き合うことで、提案ジャンルをさらに広げていきたいと考えています。

島村:
私は、日本や世界が抱える社会問題に対峙していきたいです。模倣品対策もそうですが、社会問題というものは「どう解決していけばいいか」が分からず困っていると思うんです。その点当社は、大企業として様々な事業を手がけており、非常に多くの企業・団体と繋がりがある会社。潤沢なリソースがあるからこそ、社会問題にも取り組みやすいと思います。凸版印刷の一員として、どうすれば問題解決に寄与できるのかを真剣に考えていきたいです。

福山:
お客様が当社のサービスやシステムを安心安全に長く使えるよう、仕組みや体制を強化したいです。そのためには、日々の勉強が欠かせません。情報セキュリティは日進月歩で進化を遂げている分野なので、私も常に新しい情報を取り入れるようにしています。当社は頻繁に社内勉強会や外部講師を呼んだセミナーを開催してくれるので、とても助かっていますね。


──最後に、読者に向けてメッセージをお願いします

堀木:
この記事を読んでいるのは、将来について考えている最中の方々だと思うので、「自分のやりたいことを追求してほしい」と言いたいですね。やりたいことが明確になればなるほど希望の会社も見つけやすくなりますし、入社後の満足度も高まるはず。後悔のないよう、自分のやりたいことを追い求めてほしいです。

島村:
先ほども話しましたが、凸版印刷はあらゆるお客様とお付き合いができる会社です。それがとても楽しいんですよね。入社したら、一緒に色々なところへ行きましょう!とお伝えしたいです。

福山:
私が凸版印刷を選んだ最終的な決め手は、社員の人柄でした。仕事というものは自分一人で行うものではないですから、結局は“誰と働くか”が重要だと思います。当社には「一緒に働いてみたい」と心から思える社員がとても多いので、楽しくやりがいをもって働けています。これをお読みの方にも、ぜひこの雰囲気を味わっていただきたいですね。

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