「会社は人を幸せにするために存在する」
これこそが会社の根本的な存在意義だと私は考えています。
次にここで問題になるのは、「何をもって幸せとするか」です。 自分の腕を磨くために厳しい環境を重視する方もいるでしょう。心安らかにいるために仕事場の雰囲気が大切な方もいるでしょう。自らの創造性を発揮するために社内での発言、提案が尊重される職場を求める方もいるでしょう。仕事の内容が一番大切な人で、好きな仕事ができるのであれば給与は二の次という方もいるでしょう。好きな趣味に時間を使いたいので時間の自由度が高いことが大切な人もいるでしょう。各人で人生観も違えば、得手不得手も違うのですからバラバラで仕方がないと思われるのではないでしょうか。
同じタイプの人ばかり集めた会社が理想とは思いませんし、多様なバックグランドをもった人を歓迎するべきだとは考えています。しかし、私は一つの会社の中では程度の差はあれど「幸せの定義」はバラバラであってはならないと考えます。一方で、この「幸せの定義」は、各社でバラバラであって当然だと考えます。
言い換えますと、私は「幸せの定義」こそが会社の単位だと考えています。そして、「幸せの定義」をするのは、「この指とまれ!」でメンバーを募集する立場の創業者・創業メンバーの仕事であり、義務だと考えています。
当社は設立当初からソーシャルメディア領域でさまざまな事業を展開してきましたし、現在でも大手企業のFacebook、Instagram、Twitter、blogなどのソーシャルメディアアカウントの運営代行サービスを主たる事業としています。この事業を通じて「作り手の想いを伝える。作り手とお客様と共に想いを紡ぐ。」ために日夜努力を続けていますが、そのための努力が出来るだけでは幸せになれません。
創業者である私は「がんばる人、みんなが幸せになれる会社」を作りたくて、ウィルヴィー(現在の東京カメラ部株式会社)を設立しました。個人が幸せになるためにはその家族の幸せも大切ですからそこも重視しています。もちろん事業も大切ですが、それ以上にこの点は譲れません。
そして、この目標を実現するために、企業文化としては、「理屈として正しい努力をする人が報われる」ことを重視しています。「誰が言った」よりも「何を言った」が優先されますし、「結果としてどうなったか」だけでなく「どういう取り組みをしたか」を高く評価します。結果につながらなくとも理屈として正しい挑戦をしたのであれば社内全体で高く評価をされ、たとえ年の途中でも昇格・昇給します。また、勤務時間は厳しくも楽しいものであることが必須であると考えていて、チームで働き、知恵を出し合い共有し、業務を改善・効率化していくことを重視していています。もちろん、社会の倫理、規範に反するようなことをして人が幸せになることはありませんからここも譲れません。
そして、これは創業者である私の価値観ですから、弊社は現在もそうですし、今後も強化はしても弱めることはありません。つまり、こうした価値観に賛同できない方や、これを幸せだと感じられない方が幸せになることは、現在もそして将来もない会社です。
具体的には、結果だけで勝負をしたい方は向きません。経過を共有したくない人は向きません。知恵より汗を重視する方は向きません。問題が起きたとき、改善策を考えるよりも叱責を優先する方は向きません。一匹狼でチームプレーを嫌う方は向きません。知識やスキルを個人資産として独占したい方も向きません。こうした方々はどれだけ素晴らしい経歴、知識、ネットワーク、スキルをお持ちでも当社はお勧めできません。
以前、ソニーの盛田さんが新人歓迎の場で「ソニーが合わないと思ったら直ぐに辞めてください。それがあなたのためであり、ソニーのためなのです」という発言をされたことがありますが、この発言もきっと私と同じような思想が裏にあったのではないかと(今にしてみれば)思っています。
成果主義が主流に見えるベンチャー企業においては、私の考えは少し極端なのかもしれませんが、こんな考え方に賛同してくださる方がいらっしゃいましたら、就職、転職の際には弊社も検討リストに入れてみてください。