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【CEO Interview #1】アメリカにてスタートアップ起業経験があるCTOが考える、日本のDXに決定的に足りないことと、DX事業に最適な人材とは?

今回はテクロスHDのCTO佃のインタビュー記事をお届けします!

今までのキャリアでCEO経験が1回、CTO経験が2回!事業開発から組織開発まで様々なグロース経験を積んだCTOが実現したいDXの世界観・そもそもテクロスHDってどんな会社かについてお伝えします!

株式会社テクロスHD 取締役CTO 佃 松三郎 (つくだ まつさぶろう )

2000年、東大阪職業技術専門校 情報処理科卒業後、ソフトウェア開発エンジニアとしてキャリアをスタート。
2006年、アメリカロサンゼルスにてスタートアップを起業。
2015年「株式会社テクロス」に入社し、9カ月で取締役CTOに就任。
22年7月、テクロスHD創業と共にテクロスHDのCTOへ就任。

テクロスHDってどんな会社?

--------本日はよろしくお願いします。CEO・CTOいずれも経験されている佃さんの話、テクロスHDの話を聞けることを楽しみにしていました。佃さんは、テクロスHDでCTOというポジションにいらっしゃいますが、そもそもテクロスHDってどんな会社なんでしょうか?簡単に説明してもらえますか?

こちらこそよろしくお願いします。今日はテクロスHDの理解を少しでも深めていただきたいと思っているので、どうぞよろしくお願いします。テクロスHDはそもそもゲーム会社のテクロスから分社化したスタートアップ企業です。テクロスは売上100億円超でゲーム業界では地位が築けてきていて、名前が徐々に知れ渡っていると思います。「テクロス」という同じ名前を使っているので、誤解されやすいですが、テクロスHDはゲーム会社ではないです。事業内容はDX事業で、大きく分けると「事業開発DX」「組織開発DX」「エンジニアリング支援」の3つです。事業開発DXと組織開発DXは事業・組織をグロースさせていく中で、どのようにDX化していくかというコンサルティングで、エンジニアリング支援はオフショアを活用したシステム開発です。「経営・IT戦略・組織コンサルティング」「SI」のイメージが近いです。

--------なるほど、急成長中のゲーム会社から、DX事業を行うためにスピンアウトしたのが「テクロスHD」ということですね。そもそも佃さんはアメリカロサンゼルスにて自らスタートアップを起業された経験もあるとネットで拝見したのですが、どのような経緯で起業され、その後にテクロスと出逢い、入社されたんですか?

アメリカでの起業、懐かしいです。アメリカではクラウドソーシングサービスを開発・運営していました。スタートアップ創業まではずっとC、C++で組み込みの開発をしていたので、創業のタイミングで初めてWebの技術に触れて、Webサービスを一人で創りました。サービス内容は今でいうクラウドソーシングで、当時2006年だったので、ランサーズもクラウドワークスも未だ創業されていないタイミングです。僕が開発・運営していたのは翻訳サービスで、翻訳したい人が翻訳者を意識せずにWeb上で翻訳ができる人力のWebサービスでした。Google翻訳がまだまだ実用的ではなかった時代、時差を利用して、翻訳したい側がWeb上のテキストボックスに文章を入力してから、実際に翻訳者が翻訳するまでの時間も短く、精度の高いクラウドソーシングで伸びると思っていたのですが、想定より伸びず1年半くらいでクローズしました。その後、帰国し創業前に在籍していた企業へ戻り、2015年にテクロスへ転職しました。起業経験もあったので、今まで培った実績・経験を十分に活かせる環境はどこかと考えた際、小規模で裁量のある組織だと考え、「小規模で裁量のある組織」×「自らの今までの経験を活かしつつプラスアルファの経験を積める」×「京都」という軸で転職活動をしてテクロスに出逢い、入社を決めました。当時のテクロスは50人未満の規模でした。規模が小さく個々の裁量がありそうと感じたのと、ソーシャルゲームという当時まだ歴史が浅かったジャンルで、エンジニアリングの長所を活かしつつ、組織開発というプラスアルファの経験も積めると思い、入社を決めました。実際、僕が入社してから9カ月でCTOを任せていただき、エンジニア組織は5名から6年で40名弱、全社的には300名弱まで成長しました。


--------そういう経緯だったんですね。最近はベンチャー、スタートアップ市場も盛り上がっている印象です。そもそもなぜゲーム会社からDX事業部を分社化したのですか?DX事業をされている会社は多く見るのですが、ゲーム会社からスピンアウトした会社は珍しいですよね。

珍しいと思います。テクロスからテクロスHDへ分社化した背景は、テクロスのゲーム事業で培ったto Cサービスのグロースにおけるノウハウやナレッジをto B側でも活かせると感じたためです。ゲームは需要のある領域でサービスを創ることは勿論重要ですが、なにより「継続され続ける」こと、「継続され続けるためのエンゲージメントの仕組み」が重要です。実際、ゲームではログインボーナス・ガチャ・イベントなど、ユーザーとのエンゲージメントを上げるために様々な仕組みやUXがあります。テクロスでは、ゲーム会社としての歴史があるので、いかにして「継続され続けるか」、「エンゲージメントを高められるか」というナレッジやノウハウがあります。そして、テクロスHD創業前に様々な会社の代表や部長とのヒアリングで、SIerに委託してシステム開発をしたものの、実際にシステムが使用されていない運用されていないという課題感があることがわかっていました。DX領域が成長市場であることは勿論、テクロスで培った「継続される仕組み」を元にしたシステム開発で我々がバリューを出せると感じたことが分社化の理由です。to Cで培った「サービスを継続される仕組み」をto Bでも提供しようということです。

テクロスHDってどこに強みを持っている?

--------ユーザーがエンゲージメント高くサービスを継続利用し続けるゲームならではの仕組みをDX事業に活かすという、ゲーム会社ならではの取り組みですね。掘り下げるとテクロスHDの他社との違いがもっと出てくるような気がしてきました。他社と比較して、テクロスHDの強みはどこにあると感じられますか?

「経営・IT戦略レイヤーからの総合コンサルティング」「エンジニア組織コンサルティング」「継続される仕組み・UX設計」「SI」の4つです。そもそもシステム開発も課題解決の1手段です。システムを開発したからと言って事業や組織の課題が解決しないことが多々あり、基本的にDXには「モノ(サービス)」と「ヒト」の両方が必要だと考えています。モノづくりも前提として大事ですが、それを扱えるヒトがいないと機能しないことを今までの経験から熟知しています。また、DXの概念が広義で、そもそも何を実現したいかが明確になっていないままIT化を進めようとするケースもあるので、テクロスHDではまずはクライアントの経営課題・IT課題からヒアリングし、そのクライアントごとのDXを定義します。事業ではなく、組織に課題があるケースもあるので、その際は、組織コンサルティングをおこないます。具体的にはCTOがいない会社に外部CTOとして参画したり、CEO・COOに向けて、プログラミング教育やWebや開発の知識を学ぶためのカリキュラムを独自に作成しています。顧客ごとの経営課題・IT課題を理解し、顧客ごとにDX定義をおこなった上で、事業DXのみならず、組織DXもおこない、事業と組織を両方グロースさせています。そして、顧客ごとのDXを定義した後に「SI」に繋げています。「SI」に関しても、ただシステムを創るのではなく、「継続される仕組み・UX設計」の質、知見が他社とは異なるのではないでしょうか。また、SIも顧客ごとのシステム開発のゴール設定・要件定義が重要だと感じているため、上流工程に我々が専念し、実際のシステム開発はオフショアを使います。上流工程では、継続される仕組み・UX設計や実現するための技術選定などもおこないます。「経営・IT戦略レイヤーからのコンサルティング」「組織コンサルティング」「継続される仕組み・UX設計」「SI」が掛け合わさっているのがテクロスHDならではの強みですね。「経営・IT戦略レイヤーからのコンサルティング」は自らの起業により事業開発をした経験が大きく、「組織コンサルティング」はテクロスが300名の組織に拡大する中での組織開発ナレッジ、「継続される仕組み・UX設計」「SI」はテクロスのゲーム開発ナレッジがバックボーンとしてあります。多くのSIerは「モノづくり」に特化していますが、クライアントの経営課題・事業課題から整理をして、その上で「モノづくり」だけではなく、「ヒトづくり」もおこなうことが、DX取り組みには不可欠だと考えています。

テクロスHDは成長しているのか?

-------なるほど、母体であるテクロスの実績をもとにした組織づくりのノウハウ、ゲーム会社としての実績をもとにした継続性のノウハウを活かしているんですね。テクロスHDの会社としての成長はどうでしょうか?

順調に伸びています。Q四半期(クオーター)比だと200~300%成長しています。一方、事業成長を追いすぎて組織が疲弊した経験もあるので、無理難題を押しつけるクライアントは契約解除する方針があったり、プロジェクト状況の共有ミーティングを毎週社内で実施して、「テクロスHDが出すべきバリューの整理」・「本当にテクロスHDがやるべきかという整理」もしています。事業・組織を抜本的に変革するDXをおこなうことは時間的なリソースも多く必要になるので、テクロスHDのバリュー・クライアントの課題・自社メンバーのリソース状況などのバランスを見つつ、案件を選んでいます。テクロスHDの事業成長は重要ですが、それと同じくらい、組織メンバーが最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整備することも重要だと考えています。

-------メンバーを大切にされていることがよくわかりました。テクロスHDの現状の組織課題などはありますか?

現状の組織課題は、PM(テクニカルディレクター)の不足です。DXの依頼はよく頂いているのですが、アサインできる人材が不足していて、プロジェクト化していないケースもあります。既存メンバーで引き受けることはできるのですが、稼働が増えてしまうことと、1社1社に割ける時間も減ってしまうので、スコープによっては受けていない案件もあります。なので、PM(テクニカルディレクター)の採用が今後のテクロスHDの成長において、非常に重要だと考えていますし、僕も採用の初回面談から出させていただいています。

テクロスHDでの仕事内容とは?

--------PM(テクニカルディレクター)の仕事内容について、具体的に教えてください。

スタートアップ企業や大企業など、テックカンパニーへの事業変革を目指すクライアントの”事業成長を支援する”ことがミッションです。事業成長のためのサービス企画、開発、運用などのワンストップな価値は勿論、チームビルディングサポートを含め、"抜本的な事業変革"を行っています。

具体的には、顧客への開発課題のヒアリング~課題定義~プロジェクト要件定義~チーム編成~開発スケジュール作成~プロジェクトマネジメントをお任せします。下流工程はオフショアに依頼しているため、課題の発見・課題の理解・課題解決に向けたプロジェクトマネジメント/プロジェクトリードの最上流業務にコミットいただけますし、経営層へ直接提案をする機会も多いです。

-------他にも同じポジションで採用している会社があると思いますが、テクロスHD「ならでは」の、競合他社との違いはどこでしょうか?

先ほど述べたことと重複しますが、技術的なディレクションのみならず、そもそもの「経営・IT戦略レイヤーからのコンサルティング」「組織コンサルティング」の課題整理から携わることができることと、「継続される仕組み・UX設計」を意識したモノづくりができることです。モノづくりとヒトづくりができることはテクロスHDならではだと思います。また、創業2期目で1人1人の裁量が大きいため、事業DXのプロジェクトと組織DXのプロジェクトを兼任いただくことも可能なので、事業と組織をグロースさせる知見をスピード感持って身に付けることができます。システム開発はどこの会社でもできると思います。開発したものの現場に浸透しないケース、活用されていない課題も多くあり、運用が非常に難しいです。そして、システムのUIに関してもどこの会社も高いクオリティなので、差がでてくるのがUXになります。テクロスHDでは、ゲーム会社ならではの継続される仕組み・ロジックをもとにシステムのUX設計をしているところがテクロスHDの強みです。「経営・IT戦略レイヤーからのコンサルティング」をおこない、「プロダクト企画・UXの定義」をおこなった上で、システムを開発し、リリース後に「システムを使用する人のDX教育(組織改革)」までおこなうところまで伴走しているところが他社との違いだと思います。コンサルタントを目指すことができる企業は多いと思いますが、テクロスHDでは組織の課題解決スキルも身に付くので、コンサルタントは勿論、CTOやEMに近いスキルセットも身に付けることができます。

どんな職場環境?

-------「事業づくり」「ヒトづくり」「モノづくり」ですね。確かにそれらを一貫して経験できるところは他社との違いだと感じました。ちなみに、過去に在籍された企業と比較して、テクロスHDは働きやすいですか?

働きやすいと感じます。フルリモート、時差出勤制なので、自らのペースで仕事が進めやすいですし、家庭との両立もしやすいです。実際に既存メンバーでも家庭を持っているメンバーが多いです。また、僕がテクロス時代に9カ月でCTOになったように、裁量が大きいです。任せるカルチャーが濃くて、数カ月で役職に就くメンバーもいます。労働環境的な働きやすさもありますし、裁量がなくて挑戦したい業務に全然挑戦できない、挑戦するまでに在籍年数を積む必要があり、時間がかかるなどのストレスもない環境です。


どんな人がテクロスHDに向いている?入社するメリットは?

--------平均年齢が30代中盤と伺ったので、上流~下流まで一定の経験を積んで、「経営・IT戦略レイヤーからのコンサルティング」「組織コンサルティング」など、ものづくりより更に上流のレイヤーに関わりたい人が向いていそうだと感じました。佃さん的にはどんな人が向いていると感じますか?

そうですね。大手との案件もありますが、IPOを目指すスタートアップ企業との案件も多いので、スピード感を持った上で、「経営・IT戦略レイヤーからのコンサルティング」「組織コンサルティング」から関わりたい人は向いていると思います。経営層とコミュニケーションを取ることが多いため、こちら側の提案次第で、実際の施策に実行されるまでのスピードが速いです。そして、そもそも経営・IT・組織課題を整理するゼロベースからの話が多いので、ゼロイチを経験したい人が向いています。今までの経験を活かし、経営に近い事業・組織課題を定義していき、「自身の裁量で提案していきたい」「スピード感を持って業務を推進したい」「コンサルティングから関わりたい人」は特に向いていると思います。

--------テクロスHDの魅力が深まりました。最後に今後の展望を教えてください。

「コンサル領域を拡大させること」です。経営上、顧客が実現したいことからしっかりとヒアリングし、IT戦略に落とし込んだ上で、事業のみならず、組織まで巻き込んだDXをしていく必要があります。単なる「モノづくり」の会社ではなく、経営・IT・組織課題のコンサルティングからできる組織にしていきたいですし、「モノづくり」のみならず、「ヒトづくり」もセットにしたDXを推進していきたいです。そういう想いを持った人と一緒に働きたいですし、組織力も強化していく方針です。正しいDXの定義をおこない、多くの企業の事業・組織・IT課題を解決していきたいです。




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