拓匠開発 入社一年目の人事・神邉が、“遠慮なし!でいいところだけじゃなくて悪いところも紹介する”をテーマに取材しました。
今回からは、拓匠開発が社員育成も含めて力を入れているちょっと風変わりな社内研修旅行について、「取材してみて」との要望が。そこで、ブランド戦略部の朽方会里加さん(10年目)、営業企画部の藤原雄也さん(9年目)、経営企画本部の石井友美さん(6年目)という社員のみなさんに参加していただいて、 “苦情”も含めて座談会を敢行。前後編でお届けします!
●入社していきなり研修旅行に参加!の過酷さ
――拓匠開発では2014年から社員全員で行く、いわゆる社員旅行で変わった取り組みをしているそうですね。なんでも1チーム4人のユニットをくじ引きでランダムに選んで、毎回ごとに決まっているテーマとミッションを行き先やプランに組み込んで、社長にプレゼン。OKをもらったら実際に行けるという……。
拓匠スタッフ:それまでは全員でハワイに行ったりしていたんですが、「誰かがリーダーシップをとって、社員がそれについていく」というのは、あまり生産的でないと考えて、社員全員が参画できる“研修旅行”にしたんです。例えば2015年は、3泊4日で日本100名城のうち1つに必ず行って最後に京都に集合するというものでした。
朽方:私が入社したのが15年の6月で、研修旅行が8月だったので2カ月もたたないで参加したんです。でもその時は最終地点の京都から合流だったんですが…夜の宴会で芸者さんがいてお酒を飲みながら、みんなの顔と名前を把握した感じで。でも社長からいきなり交通費を頂いて、同期3人で現地に集合して…すごい会社だなと思ったことを覚えています。
石井:私は2年目で参加した際、社員の顔と名前がやっと一致したくらいの段階で、チームの人員が決まって。行先が福井県だったんですけど正直、あまりお話したことない人と一緒な上に、土地の名所や名物さえも思い浮かばない場所でした。ワクワクと不安が入り混じった感情でした。同期の2人が同じチームでお隣の石川県にいっていたので、「心強くていいな」なんて思いましたね。
藤原:私も拓匠開発に入社してきてすぐ、研修旅行に参加しましたよ。その年(2016年)の最終目的地は、その年の4月に起こった熊本地震で被災した熊本県に行くというもの。それこそチームが朽方さんと一緒でしたね。
地図にダーツを投げて行先を決めるということで見事に、彼女が石垣島にヒットさせました。
で、その年のミッションも結構大変で、ちょうど12チームあったのでそれぞれ干支が割り当てられ、干支×〇〇でおもろいことを企画するというもの。自分のチームは羊だったんですけど、なかなかプレゼンが通らず最後は石垣島にうちの会長の自宅があるので、そちらに突撃訪問して会長に羊の着ぐるみを着てもらうっていうプランが通りました。初対面にも関わらず、いきなりお宅に上がり込んで、お酒をごちそうになりっていう…。聞いていた話だと会長は、寡黙でおちゃらけたことはしないっていうタイプだったんですけど、最後は羊の着ぐるみを着てもらい、みんなで楽しんだっていう企画でした。
――いろいろハードな面はありますが皆さん、楽しんでやっていらっしゃるんですね。では、一番つらかった思い出って何かありますか?
藤原:自分は2017年の「天国と地獄、世界遺産を見に行こう」という企画で、カンボジアに行ったときが一番つらかったです。企画としては、ロケットランチャー発射体験で、的に社長の写真を貼り付けて打ち込むというものだったんですけど、社長も笑いながらGOサイン出してくれました! ベトナムでトランジットだったんですが、飛行機が飛ばなくて15時間空港で待ちぼうけを喰らった思い出があります。
石井:私の場合は秘書という立場なので、工藤社長が色んな所に神出鬼没で行かれるのでそこにドキドキしています。
――社長は毎回、各チームの中からどこかを選んで、抜き打ちで見に行くそうですね。
石井:行き先もなんとなくチェックしているので予想はつくんですけど、当日行き先が変わる可能性が高いので冷や冷やします。
●広島カフェ巡りにオール☓評価が…
――本研修旅行においては、各チームのプレゼンを工藤社長がジャッジされているそうですが、企画の良し悪しを判断するポイントって、毎回違っているようで実は共通した部分があると思うんですよね。それが3つの拓匠力だと思うんです。これまでのプランの中で、それぞれ「発想力」「やっちゃう力」「とことん力」で考えると、○△☓どうだったでしょうか?
藤原: 2019年のホテログというテーマで「指定されたホテルに泊まってその感想を食べログみたいに評価して発表する」というものでした。要は、“エモいホテルに行く”っていう事が大きなテーマだったんです。今までは行く場所が決まったら、泊まるホテルも自分たちで決めていたんですが、テーマの性質上、泊まる場所も決まっていて。そのとき自分のチームは高知のホテルだったので、高知と言えばということでカツオを釣りに行って、釣ったものを千葉まで持って帰ってきて全社員で藁焼きにして食べるっていう企画にしました。本場のカツオを食べて“とことん”高知を知れ、発想力的にもそれを持って帰ってきて藁焼きにしてみんなで食べるというのは良かったと思うのですが、その前提として高知に行って釣りに行くっていう事は普通だったのでやっちゃう力は☓だったかな。
朽方:私は去年、広島県に行きました。大林宣彦監督の映画『時をかける少女』の舞台でもある尾道に行ったのですが、古民家カフェが多いんですけど、それを全制覇しようっていう企画でした。広島県はしゃもじが有名なので、行ったカフェのオーナーさんからしゃもじにスタンプもらってそれを持って帰ろうっていうことをしました。企画としては、メンバー全員女性で、単なる楽しい女子旅でしたね。
はっきり言って全部☓じゃないですかね。全体として各チームの企画も年々上がっていて、企画を作っているときに社長から直々に「大丈夫?」ってお電話をいただいて。そのときにヒントじゃないですけど「『時をかける少女』なら時かけのディープに入り込んできなよ」っていうアドバイスをいただいたんですけど。最終的なプレゼンに関して社長も「うーん、いいんじゃない…」っていう感じでなんとかGOをもらええたんですが、その反応を考えてみてもやっぱり、私の中では☓でしたね。
――朽方さん的にはものたりなかったという事ですね。なぜたりなかったと思いますか?
朽方:どれも中途半端だったと思います。企画もすごく良いっていうわけでもなく、そもそも行った自分がそう思っている時点でアウトだと思うんですけど、納得いってGOがもらえたらもっと気持ち良かったと思いますから。振り返ってみると☓になってしまいます。
――では、石井さんは過去2回を振り返ってどうでしたか?
石井:正直に言うと、初年度は先輩方が「どうしよう」と苦悩している中で準備段階は記憶が無いです。先輩がたの動きが早くて日程や工程を組んでいたり、仕事との切り替えを見ていて「来年自分は、こういう事ができないといけないんだ」って感じた程度だったので、評価は難しいですね。
●「南極の海にダイブ」「アフリカの民族にふれる」やっぱり行きたいのは海外!?
――では今後、やりたい旅行ってありますか?
藤原:海外がいいなとは思っていますが、現地に着くまで3日かかるみたいな感じとか…。南極の海に行って、裸でダイブとかしてみたいです
石井:私も海外に行って例えば部族の方に会って、その中で生活してみたいです。プライベートな旅行だと一般女性としてはなかなかできない経験なので、会社の研修として他国の文化に触れたり、生活を体験してみたいですね。
とはいえ、できれば安全なところが良いので、モンゴルとか行ってみたいです。
朽方:私も海外が良いですね〜。研修で一度カナダのケベックに行ったんですが、なかなかお金も時間もかかって海外っていけないじゃないですか。普通にその街を歩いているだけでも刺激を受けて楽しいと思うんですよね。歩いていることが苦にならないので、ひたすら歩いて写真撮って仕事のインプットをしたいですね。
――大変なこともあるんでしょうが、楽しみもこみこみですよね。例えば、プレ企画の段階で1位通過は海外とかなら皆さんもまた、頑張りますよね。では後編では、研修旅行として企画プレゼンの難しさ、などについてさらに突っ込んで伺っていこうと思います。