メンバーに任せることで、チームとしての力を最大化させる―SIソリューショングループマネージャー・西垣さんインタビュー(後編)
シナジーマーケティングでは自社開発のCRM「Synergy!」を中心としたクラウドサービスのほかに、デジタルマーケティング支援事業(社内ではエージェント事業と呼んでいます)を展開しています。
前回はエージェント事業のうち、Webシステムの開発やデータ連携などを行うSI(システムインテグレーション)の役割や仕事について、SIソリューションGの西垣さんにお話いただきました。
*前編の記事はこちらからご覧ください。
今回は引き続き、事業成長や組織づくりといった観点で、マネージャーの役割や心がけていることなどをお聞きしました。
主役はメンバー、マネージャーは裏方に徹する
木戸口:
そういえば、西垣さんがマネージャーになったのはいつくらいのことなんですか?
西垣さん(以下、西垣):
いつだったかな…。たしか、入社して3年目くらいだったと思います。現場をやりたいという想いが強かったので、「もっとふさわしい人がいるんじゃないかな…」と感じながらマネージャーになった記憶があります。
組織運営みたいなことも初めてだったので、人材開発グループや先輩、上司などいろんな人に相談をして、助けていただいて、ここまでやってこれた感じです。
木戸口:
特に、どの部分がむずかしいと感じましたか?
西垣:
もともと自分でやるのが好きで、抱え込んじゃうタイプなので、最初は、人に振る、お願いすることにすごく抵抗がありましたね。たいへんになりそうな案件だったりすると余計に、誰かに振るのが心苦しくなってしまったりして。状況にもよりますが、今は、案件の特性などを見極めてお願いできるようになってきました。
木戸口:
申し訳なくなりますよね…、よくわかります。お願いできるようになったのは、なにかきっかけがあったんですか?
西垣:
前のマネージャーからの引き継ぎのときに「案件を持つのは、やめよう」とアドバイスをいただいたんです。自分が案件でいっぱいいっぱいになってしまったら、グループ全体が見れなくなってしまうよって。
そこで、営業さんから案件の相談がきたときには、最初からメンバーに入ってもらうことにしたんです。そうすれば「案件を振る」ことに悩まなくていいですし、僕も一緒に課題を考えたり、なにか起きたときでもすぐにフォローに入れますし。
あくまでも案件を動かすメンバーが主役なので、僕は下手に手を出さず、みんなが動きやすいように裏方に徹するようにしています。
メンバーを一人にしない
木戸口:
SIソリューションGでのマネジメントの役割や、注力していることなどをお聞かせいただけますか?
西垣:
どのグループも同じだと思うのですが、メンバーのパフォーマンスを最大限に引き出すことがマネジメントの役割ですよね。さらに、もっと先を見据えて、メンバーがスキルアップしたり、価値を高めていくためにはどうしたらいいのか、方針を決めたり、環境を作っていくことも重要だと思ってます。
注力しているところだと、ひとつの案件を複数のメンバーで担当するという取り組みを少しずつ始めているんです。前回お話したとおり、プロジェクトマネージャーは基本的に一人で案件を進めていて、他の人の案件は見ることが少ないんですね。そうなると、「こういうやりかたもあるんだ」という気づきや、スキルアップの機会がなく、なかなか広がっていかないんですよね。
それともうひとつ、一人でやっていると「これでいいのかな?」と不安になってしまうことも多いんです。そのときに相談できる人がいるといいよね、という意味で、メインとサブの2人を担当にして、スイッチできるようにしておくという取り組みをしているんです。
木戸口:
ペアプロ、モブプロみたいな取り組みをしているんですね。
西垣:
そうですね。実はちょうど最近、すごくいい事例があったんです。
要件定義の依頼だったのですが、メインで担当するメンバーにとって、今回、初めてやりとりをする開発パートナーさんと一緒に進めることになったんです。
お互いのやり方がわかっていないというのもあって、最初、上手く噛み合わなかったんですね。そこにサブの担当者が入って、2人で協力しながら交渉を進めた結果、お客様からも「すばらしい要件定義でした」と評価をいただけたんです。
メインとサブの2人のメンバーにとってもいい経験になったようで、社内のチャットでもお互いに「〇〇さんがいたおかげです」と称え合っていて。それを見て、僕もほっこりしました(笑)。
ASoVsのリニューアルをきっかけに、チームの方向性が決まった
木戸口:
仕事に取り組むスタンスの部分で、メンバーに期待していることや伝えていることはありますか?
西垣:
顧客志向は忘れないでほしいですね。案件とか何か物事を進めていくのには、信頼関係が必要ですよね。信頼というのは、相手の求めていることを提供することで得られます。つまり、すべての根幹にあるのが顧客志向、ホスピタリティだと思うんです。
ホスピタリティはシナジーマーケティングの中では十分に浸透している、当たり前のものになっているとも言われますが…やっぱり、すべての源泉になるものだと思うんですよね。
実は、2021年の9月にASoVs(A Sense of Values、日々業務を遂行する際に守るべき行動指針)がリニューアルされたあとに、グループごとに読み合わせをする機会があったんですね。そのときに、グループメンバーの大半がホスピタリティを選んでいまして。グループの方針としても大事にしているんです。仕事をする上で最低限のスキルは必要ですが、それ以上に、ホスピタリティを持った人と一緒に仕事をしたいですね。
木戸口:
ホスピタリティは、お客さまの期待を超える、101点のサービスにもつながってくるところですもんね。
ちょっと関連した質問になるのですが、マネージャーとして、または、SIとして、今後どういう価値提供をしていきたいと考えていますか?
西垣:
前編でもお話しましたが、SIを含むエージェント事業はお客様の個別の要求に対応していくサービスなんですね。でも、今よりもっともっと寄り添えると思ってます。さらに、お客様の先にいるユーザーさんの体験を向上させられるようなソリューションを提供できたらいいですね。
木戸口:
顧客志向、ホスピタリティ、寄り添う…すべてがつながっているんですね。今回は前編、後編に渡り、すばらしいお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました!