遂に会員数300万人を突破し、今では主に大学受験を目指す高校3年生の3人に1人以上が使う人気アプリに成長した学習管理SNS「Studyplus」。ただ創業時は、世界を見渡しても同じようなサービスを展開している企業は皆無で、先駆者ならではの難しさもありました。今回は廣瀬社長へのインタビューを通して、『スタディプラス株式会社』がどのように誕生したのか創業ストーリーをお届けします!
―『新しい教育の仕組みをつくること』を目指し、「教育×IT」という分野で事業を展開しているスタディプラス。まずは廣瀬社長がこの領域で事業を展開しようと思われた理由、創業の経緯を教えてください。
経験から『勉強の継続』が最も難しいと気付く。鍵はモチベーションだった
さかのぼって考えると、学習管理が大切だと気付いたのは高校生の時でした。大学受験に向けて勉強をしていた時、東大にトップ合格した先輩から「勉強記録ノートを付けるといいよ」と言われたんです。そこから、どの教材をどのくらいの時間勉強したかという記録を付けるようになりました。これが予想以上に役に立って、取り組みがどう成績に繋がったか分かるだけでなく、計画的に勉強ができるようになりました。当時、友達と「モチベーションが鍵だよね」とよく話していたのですが、そのときから勉強で一番難しいのは、継続することで、継続するためにはモチベーションが鍵だと思っています。難しい問題にぶつかったら学校や塾で先生に聞けばいいですし、勉強法は志望校に合格した先輩に聞けばいい。こうした経験から、モチベーションを保って勉強の継続ができるような仕組みをつくりたいと考えるようになりました。
大学3年時に起業、全ての人にとって重要な『学び』でイノベーションを目指す
「学ぶこと」は人間にとって最も重要な事柄だと思っていて、学びによってその人の将来・人生が大きく変わっていきみます。一方で、全ての人にとって重要であるのにIT化が進んでいなかったり、何十年も前からほぼ進化していないのが教育業界でした。大学受験は本人の一生に大きく関わってくるため失敗できない=リスクを取ってチャレンジしにくいなど様々な要因があるのですが、長年進化していないという点にイノベーションの余地があると感じたのです。また、一定の市場規模があるのに対し、儲かりづらい、事業化に時間がかかるという理由で、新規参入する企業は少ないという特徴もありました。創業当時は「教育×IT」で事業をしている会社もほぼありませんでしたので、いち早く教育業界の課題と向き合うことで自社の可能性も広げていこうと考えました。ビジネスコンテストで優勝したことをきっかけに2010年、大学3年時に設立。2012年にサービスを開始しました。
―ご自身の実体験からの気付き、教育の重要性と業界の課題などいくつもの事柄が交わってスタディプラスは誕生したのですね。具体的には、教育業界のどのような部分を変えていきたいと思われていたのですか?
ティーチングからコーチングへ。ITを掛け合わせ先生の役割を変える
学校や予備校などの教育現場では一斉授業・定期テストが一般的ですが、これは学習効率でいうと非効率だと思うのです。なぜなら、一人ひとり学ぶスピードも、適した学び方も違うからです。塾にも集団と個別指導がありますが、近年、個別指導が伸びてきていることからもパーソナルに対応することが求められています。ただ、1人ひとりに個別の対応をしようとすると、とても大きなリソースが必要です。人員不足で先生の意欲や能力に差が生まれ、結果として教育の質が下がるという事態が容易に想像できます。このような課題を解決するためには、『ティーチングからコーチングへ先生の役割が変わること』、そして『ITの活用』がポイントだと考えています。これまで学校や塾でメインになりがちだった授業は、映像授業やデジタル教材で代替えし、先生は生徒のサポートに徹する。さらにオンラインを併用することでより手厚く、頻度高く1人ひとりを見守ることができる。結果、生徒が高いモチベーションを保ちながら勉強を継続できるという好循環をつくっていきたいと考えています。
―廣瀬社長が実現したい世界観、とても鮮明にイメージできました!次に、会社設立から事業化、そしてサービススタートまではどんなメンバーとどのように取り組まれてきたかを教えてください。
先駆者ならではの難しさを感じながらも、学習者目線の事業づくりにこだわる
設立当初は大学生メンバー3~5名で取り組んでいました。2011年3月には、「Studyplus」の前身となる「studylog」をリリース。大ヒットには至らなかったのですが、ここで「コミュニケーションの要素があったらいいのに」というユーザーの意見が得られたことが大きな収穫でした。SNSで相互コミュニケーションができる機能を加えるなど改良し、2012年に「Studyplus」をローンチ。当時のオフィスはマンションの一室で会議室もなく、広告宣伝費もありませんでした。投資家にプレゼンして一様に言われるのが、「類似サービスが世の中にあるのか」「勉強の記録なんて面倒くさいことをどれだけやる人がいるのか」「収益化のためにはユーザー数拡大が重要だが、広告宣伝費をかけずにどうやってサービスを広げていくのか」ということでした。ただ、根拠のない自信だけはあって(笑)、スマホが一気に普及するタイミングでしたし「必ずニーズがあるはずだ」「口コミで広める」と言い張っていました。熱心に想いを伝え続けるうちに、事業の社会的意義や教育コンテンツではなくプラットフォームであるという点に可能性を感じて賛同してくれる人たちがチラホラ出てきました。正直、創業期はプロダクトもなくビジョンしかない時期もありました。そんな中でも大切にしていたのは、学ぶ側の目線に立って『学習者中心主義』で事業をつくっていくということ。すると、「こういう世界を作っていこう!」「頑張る受験生を応援しながら少しでも社会をよくしていこう!」という想いに共感して優秀な仲間が集まってくれるようになりました。
―スタートアップならではのワクワク感や緊張感が伝わってくるお話でした!最後に、「スタディプラスって面白そう」「ちょっと興味がある」という方に向けて、一言メッセージをお願いします。
【教育】×【IT】で業界にイノベーションを起こす新たな仲間を探しています!
「Studyplus」はほぼ広告宣伝費をかけずに主に大学受験を目指す高校3年生の3人に1人が使っているアプリとなりましたが、既に次の展開に向けて動き出しています。私自身、好奇心旺盛で面白そうなことには積極的にチャレンジする性格なので、これからも今いる仲間、そして新たに仲間に加わってくださる方々とアグレッシブに進んでいきたいですね!少しでも興味を持ってくださった方、ぜひ一度お会いしましょう!
廣瀬社長ありがとうございました!