この度、ストックマークはシリーズBラウンドで10億円の資金調達を実施いたしました。
資金調達によってストックマークが実現しようとしている未来とは一体どのようなものなのか、そしてそのためにはどのような人材が必要なのか。代表取締役 CEOの林にインタビューしました。。全2回に渡り熱い思いを語っています。
後編となる今回は、進化し続けるための社員のマインドや組織作りについてお話します。
前編はこちら
プレスリリース
今年3月、Bonds Investment Groupや大和企業投資、NTTドコモ・ ベンチャーズ、WiLを引受先とした「シリーズB」での第三者割当増資を実施し、10億円を超える資金を調達しました。
個人が自律することで、組織のパフォーマンスを最大化する
ーー前編で、「顧客とのシンクロ率を高めること」のお話がありましたが、顧客の期待感に応え続けるにはどんな組織でありたいと考えていますか。
そもそもの組織の性格を知ってもらうには、ストックマークの共同代表である有馬と私のキャラクターを把握していただくのが早いかと。以前、EQ診断を行ったところ、我々2人に共通していたのは“チーム志向”“協調優先”が極端に低く、個人主義がめちゃくちゃ強いという結果が出ました。(笑)
マネージメントのスタイルとしてはそれはそれで大事!ですが、当然ながらマネジメントとして組織を運営するうえで、そのパーソナリティをアレンジすることを心がけています。
また組織を運営していく上では組織の“スタイル”として何かを強く作っていくべきだと思いました。
その前提をふまえた上で、私は「個人を尊重したい」という考えが強いです。
メンバー全員が200%のパワーを出し切る。それぞれがプロフェッショナルとして働く。サイロ化を脱する。現場がマネージャーを突き上げていく。そんな組織を作っていきたいですね。
「メンバーシップ型」から「ステップ型」といわれる、一人ひとりが自律し成長していくような新しい働き方を推進しています。また、スマートクリエイティブ(テクノロジーの知識+ビジネス能力+創造力)という考え方も大事にしています。そんな自律した個人が重なり合うことにより、組織としては“スーパー集団”にしていきたいです。(笑)
バラエティ豊かな人が揃っていれば、それが全体としてパワーになるし面白い。全員が1つにつながる明確な軸さえ揃っていれば、結果を出せると思っています。
そういった意味では、個人が自己実現や成長を達成できるのは、『ストックマークだよね。』という場所になるのが理想的ですね。
——組織を作るうえで、多くの企業がミッション・ビジョン・バリューの3本柱を立てていますが、ストックマークはミッションとスタイルに絞っている点も特徴的ですね。
我々は、「進化」ということを大事にしています。常にアップデートしていくということ。
ミッション・ビジョン・バリューはあくまでも仮説で、「正しいか」ということを議論しても意味がないんです。我々がビジネスとして成功してスタートアップ界隈で認められる、IT業界のデファクトになる…マーケットに対して価値を証明しないと、いくらミッション・ビジョン・バリューでいいこと言っても仕方ないと思います。
実際、つくっていくにあたっては、耳触りが良かったり、シンプルにしすぎてバズワード化してしまったり、ミッション・ビジョン・バリューと行動指針に乖離があると行動指針どおりにやってもビジョンが実現するのか?と思うようなものは避けたい、そうではないものをつくりたいと思いました。
我々のミッションは大企業の新しい価値を生み出すべく、“新価値創造”を掲げています。
ストックマークのミッションの特徴は、顧客と同じものを見よう!ということ。顧客と一緒に目指す世界観をミッションとしています。そして、バリューと言われるものは設定せず、組織としてありたい姿、組織の理想像を『Style』として設定してます。行動指針ではなく、言うなれば「組織ビジョン」その理想状態を目指そうという形です。
どんな組織を目指しているのかは、7つのStyle(Stockmark Heptagon)で表しています。採用したいと考える人材像も、まさしくこれらを満たしている人と言えます。
1つ目は「仲間を革新する」
我々はいかにエンタープライズのマーケットに入っていけるか、さらにいいプロダクトを作っていく、そしてテクノロジーも伸ばしていく、かなり欲張ったことを考えているので、それを実現するために、各メンバーがお互いをリスペクトして、違う才能を認め合う文化をつくっていきたい。
異能の知性がぶつかり合ってスパークするには、お互いの深い理解と、強いアウトプットを生み出していくことが大事。その時に衝突が起きるのは仕方のないこと、ただお互いの「良いものを作る」という想いを信じて共創していく。それがチームの大事にしているスタンスです。
私としては、まだまだ足りないと感じているので、もっと意見をぶつけ合える環境をつくっていこうと思ってます。(笑)
2つ目は「仕組を革新する」
我々は大企業の変革を支援していますが、既存では類似サービスがない領域に取り組んでいるので、過去のベストプラクティスが活きないことが多々あります。既存のメソッドに溺れず、次のモデルを作っていく。常に進化することが大事なので、自己否定を恐れない。また顧客の理想状態から逆算して仕組みを考えていく。このように、全員に仕組みを生み出す側のプレーヤーになって欲しい。
3つ目は「技術を革新する」
テックカンパニーとして、自分たちが技術の先端を走っていくんだということ。またメンバーに常に強調して伝えているのは、顧客価値につながらない技術は無意味だということ。「お金を払いたい」と思ってもらえるような、顧客価値につながるプロダクトを追求するのが大事だと考えています。
4つ目は「文脈を革新する」
我々がマーケットリーダーになっていくこと。企業文化変革をSaaSで実現するというマーケットはまだまだ完成されていません。ブルーオーシャンである一方、仲間がいない分、自分たちで仲間を巻き込まなければいけない。メンバーそれぞれが自分の言葉で語り、周りの共感を生み出し行動してもらう。そのためには、一人ひとりがディープに思考してシンプルに伝えるスキルが要ると思います。説得力のある言葉で周囲を動かしていって欲しいです。
5つ目は「進化の虜であれ」
これは、メンバー個々に向けたメッセージ。一人ひとりには自分が心底熱狂できる分野を探して、原理を理解するまで追求して欲しい。言い換えれば、変化を楽しむマインド。新しいことを行ううえで当然困難はあるけれど、立ち向かうことそのものを楽しめる。いわゆる「ラーニング・アニマル」でいること。今後もこのマインドと持った方を積極的に採用していきたいです。
6つ目は「進化の共謀者であれ」
顧客をいかに巻き込むかということ。顧客を理解するだけでなく、“半歩先”でリードし続けるべきだと思っています。一歩先だと遠すぎるので、半歩先の世界を提示しながら共に進んでいくのがベスト。それによって変革のパートナーとして信用され、「この人と一緒に新しいことをやりたい」と信頼されることが大事だと考えています。
7つ目は「進化のとなりに」
これは他と比べると異質で、これまでの6つを達成した上で体現して欲しいことです。
変化が多い時代、企業も変化をしています。目先の変化だけにとらわれず真の革新に寄り添い続ける。自社の利益はお客様の成功で成果をはかる。これらのことを信念を曲げずにやり続けること。
ーー7つのStyleを体現していくのは大変そうですね。入社を希望するにはかなりの覚悟が必要では?
いわゆる、スタートアップ特有の大変さはあります。計画やチームが色々変わるので、変化に対する柔軟性が求められます。
ストックマーク特有でいうなら、自分自身でビジョンを出すことが求められる会社ではあります。将来像をマネージャーと握ってそこから逆算して何をやるべきか考えるという思考を持つこと。それに加え視座の高さ。同じことでも10倍早くする方法を考えたり、もっとクオリティを高くするには?など、見方や切り口の斬新さを求めることはあります。
それは実は簡単で、キャリアの差でもなく、考えた量なんです。
マネジメントもメンバーも能力は大して変わらないんですよ、同じ人間なので。なぜ、私や有馬がマネジメントかというと、四六時中、ストックマークのことを考えているからです。例えば、メンバーより1日1時間多く考えるとしたら、1年間で365時間。でも、3時間はメンバーより多く考えていると思うので1年で1000時間は多いでしょうね。(笑)
それが積み重なっていけば良いアウトプットが出るのは当たり前で、実はそれだけなんです。それができるのは自分たちの事業に熱狂しているから。他のメンバーも熱狂すればそうなっていくはず。なので、私を超えるのは簡単だし、越えていってもらいたいと思います。
弊社はそれぞれの分野で優秀な人を採用しています。その中で、個人が最大にパフォーマンスできる状態は何かといったら、熱狂している状態になること。本当に楽しいことをやっている…時間を忘れて、寝食を忘れてみたいな。(笑)
楽しいからやっていて、仕事とプライベートの境目もないくらい夢中になってしまう。そのくらい熱狂し楽しめる人を増やしたいですね。
その熱狂がチームに、チームの熱狂が組織に拡がることで、顧客への提供価値が最大化すると思います。
ーー最後に、求める人物像を見出すために、応募者のココを見ます!というのがあれば教えてください!
エンタープライズ向け・大企業向けのサービスをつくっている会社なので、あくまでバランスは大切ですが、“個”が立っていていいと思ってます。採用面談ではその人の多角的な理解に努めますが、最終的に見ているのは4つの資本(Hope、Efficacy、Resilience、Optimism)からなる「心の資本」。
私の解釈として、Hopeは「やっていればいつか“道”は開けると信じる」、ある意味楽観主義に近い物事の捉え方。Efficacyは完全じゃない現状を受け入れて「まあ、やっていくしかない!」とポジティブに変換できること。Resilienceは「困難に立ち向かう能力」Optimismは「前向きなストーリーを創る力」。
この4つの要素を兼ね備えていれば、“新価値創造”に向けて行動を起こし続けられるのではないかと思っています。
<プロフィール>
林 達(はやし たつ):東京大学文学部宗教学科在学中、アジア向けのインバウンド旅行サービスを提供するスタートアップを設立し、大手旅行代理店との提携や行政との共同事業を成功させる。卒論のテーマは「宗教としての企業組織文化」。2011年、新卒入社した伊藤忠商事に5年間務める。伊藤忠商事では投資企画業務や投資先の経営管理や新規M&A推進業務に従事。2016年にストックマーク株式会社をCTOの有馬と共同創業。
ストックマークで一緒に働くメンバーを探しています!
この記事を読んだ方はこちらもオススメ