Customer Success(以下、CS)を束ねるリーダーとして、入社後3か月でカスタマーヘルススコアの導入や顧客ロイヤリティの把握プロセスを構築するなど、チーム体制の改善策を次々に打ち出してきた服部。圧倒的なスピード感でCSチームを革新する彼が見据える今後のビジョンとは? CSが担う業務とともに尋ねました。
<プロフィール>
服部貴之(はっとり たかゆき):約17年間にわたり、IT 業界にて法人向けセキュリティやSaaS サービスにおけるテクニカルサポート、エンジニア、カスタマーサクセスに従事。2015年以後はカスタマーサクセスマネージャーとして組織の立ち上げから仕組化、各種KPI達成に必要なチーム体制構築・戦略立案と運用の推進を行う。2020年11月にストックマーク株式会社に入社。
最終的な目標は「プロダクトの熱狂的なファンをつくること」
——担当するプロダクト『Anews』について教えてください。
『Anews』は、組織内のコラボレーションを促進し、チームを活性化させることで、企業文化の変革を促しデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を実現するためのプラットフォームです。
上記を実現するため、利用する企業の従業員一人ひとりの行動と、行動の変遷を学習したAIが、約3万メディアの中からビジネスに直結する最適な情報をお届けします。
ビジネスニュースを起点に行われるコミュニケーションは、グループ機能を通じてストックすることで、組織横断での情報還流と情報感度・質の底上げを強力にサポートします。
——その中で、AnewsにおけるCSの業務とはどのようなものですか。
お客様接点で見ると大きく分けて2つあります。
一つ目は、Anewsサービスを円滑に利用いただくための「オンボーディング」という役割です。
これは、初めてAnewsをご利用されるお客様に対して、お客様自身が自ら課題を解決していくためにサービス理解を深め、利用を習慣化していただく為のご支援です。お客様ごとに解決したい課題や状況は様々ですので、お客様の状況を正確に把握しご支援プランを策定します。
ご支援を通じて導入時に期待値のギャップが発生している場合は、セールスやプロダクトと密に連携し早期に課題を解消することも重要な役割となっています。その後は、お客様と定期的に接点を持ち、契約期間満了まで伴走します。
二つ目は、「運用定着支援」です。
オンボーディング完了後は、お客様の課題解決の手段として Anewsが充分に利用されているのか、されていない場合、どこに問題があるのか。利用データを分析し能動的に運用方法の見直しや提案を行っていきます。また、お客様との定期的な意見交換の場を通じて得られる意見・要望を、背景や解決したい課題を分析した上で開発チームと連携し機能改善の検討に寄与する役割も担っています。
日々のお問い合わせに関しては、サポートチームによるメール/Web/チャットサポートを提供しています。新機能のリリースやお客様に有用なセミナーなどの情報の提供も随時行います。
現在はコロナ禍ですので、いずれも基本的にはオンライン上の対応となります。
この他に、お客様のロイヤリティを測るためのサーベイや利用率向上を実現するための施策の立案や推進、各種オペレーション設計、データ分析等、業務は多岐にわたります。
今後は、サービス利活用に熱量を持ってくれるユーザーの発掘と育成、利用者が相互にコミュニケーションを取れる仕組みの整備を検討しています。
——他のSaaSプロダクトのCSと比較したうえで特色はありますか?
Anewsを契約されるお客様には、DXを推進する上で、「組織間の連携や、横串で情報流通させていきたい」「コミュニケーションをより活性化したい」など何らかの課題を抱えている方が多いので、そこにコンサルティングという形で入らせていただく機会が多いです。問題解決をアシストするため、Anews上でコミュニケーションを促進させるための情報投稿やコメント、導入企業内の社員ミーティングに参加し直接提案や意見交換を行う機会が多いのは特徴的かもしれません。
お客様の課題を的確に受けとめて解釈した上で言語化し、課題に対して適切だと思われるアプローチを提案するためにインプット・アウトプットのスキルは不可欠と言えます。この業務は、法人のお客様をクライアントとして業務経験を積んだ方でなければ難易度が高いかもしれません。
また、SaaSに共通だとは思いますが、CSは顧客への伴走に加え契約を継続してもらうための活動も行います。具体的には、サービス利用率、ヘルススコア、CSの活動履歴の3つをベースにお客様の状況を把握することで、変化の予兆を的確に捉え能動的にご支援することを目標とし日々活動しています。
——現在の課題や今後の目標を教えてください。
AnewsはDXや組織文化の課題を解決するための入り口となるプラットフォームですが、前提として、課題を解決するために手足を動かすのはお客様です。我々があるべき姿を伝えたとしても、お客様側のプロジェクトの推進力や合意形成、スピード感が伴わなければ、1年間という契約の中で達成することなく未達となってしまいます。
CSは、お客様の課題を一緒に解決していくコンサルティングとして、もう一歩“中”に入っていく必要性を感じています。具体的には、Anewsの利用支援に留まらず、Anews導入部門の業務理解を深めることで、情報収集・流通基盤の見直しをサポート。
また、ユーザーコミュニティを活用し成功ケースやナレッジを自社に取り入れてもらうことで、お客様側での組織文化変革の支援ができればと考えています。それに加え、プロダクトチームがお客様の課題を解決する機能や未来感を実現するための機能、サービス、ビジョンを提供し、CSチームが伴走し強化していくというように、両輪が揃うことで成功ケースがでてくるのではないかと思います。
マネージャーは責任が重い一方、リスクを厭わないマインドセットも求められる
ーーここからは組織についてお伺いします。服部さんが入社されてからCSチームに変化が見えますが、どんな工夫や取り組みをされましたか。
ストックマークには様々な部署がありますが、ことCSにおいては、社内外の様々な情報のハブとなりあらゆる部門のメンバーとコミュニケーションを取る必要があります。このため、一人で仕事を進めるのではなく、チームや周りの人を巻き込んでいくための仕組みを作ること、CSとして課題を言語化し目的とゴールをしっかり定めた上で活動することを意識しています。また、仕組み作りにもメンバーと協働し、メンバーの自立自走をサポートしながら進めています。
私自身が大切にしているのは、特に現在の会社ステージもあっての事ですが、プレイヤーとして顧客を持ち課題感を常に把握すること、リーダー、マネジメントとのブリッジも含め、範を示してチームが一体感を持って活動できるようサポートすることです。
——リモート環境下でメンバーとはどのように意思疎通を図ってるのですか。
入社当初からリモートでコミュニケーションを取ることになりましたので、基本的には ZoomのカメラをONにしての 1on1 やミーティング、Slack でのコミュニケーションを行っています。
現在のリモート環境下においては、個々のパフォーマンスが結果指標に寄りがちなので、コミュニケーション量や、アウトプットの質や思考のプロセスが見えるslackを積極的に活用しています。
加えて、我々が担当するAnews上でのコミュニケーションも積極的に行っています。私は朝一番にアプリにログインしてニュースを確認し、参考になりそうなものはメンバーにメンションして議論することも。チームを活性化するにはやはりリーダー層の働きかけが重要だと感じています。代表の林が率先して範を示してくれているので、私自身、見習っていかなければと思っています。
ーーチーム全体のパフォーマンスを高めるうえで心がけていることは?
メンバーとの対話を通じて「チームが協働する状態になっていること」を、以下の3つの指標で判断しています。
- 心理的安全性は担保されているか(相談や自由な発言が出来る状態か)
- 個人の役割、業務に対する目的や達成指標、そこに至る計画ができているか(OKR)
- チームメンバー同士が信頼し適切な協力を得られているか
心理的安全性については、言わずもがなだと思いますが、特にリモートで業務を行う環境ですと、業務上での悩みや心理的な負担があっても気付くことが遅れてしまいます。そこで、定期的な 1on1 を週1回実施することで、業務上の課題があればサポートしています。
個人の役割、目標と計画については、全社で運用しているOKRを基に進捗をサポートしています。OKR運用で良いと感じている点は、メンバーが何にフォーカスすべきかが明確になることと、事業・部門課題に対してチーム全体の足並みを揃えることが出来ていることです。
最後のチームメンバーへの信頼については、チーム全体のタスクを可視化し進捗を管理していく中で、タスク状況確認を起点に課題の芽が見つかった場合、リーダーが解決するための動きをしています。
——カスタマーサクセス業務を志願する人はどんなスキルを磨いておくべきなのでしょう。
お客様から学ぶ姿勢のあること、冒頭で話したように周りを巻き込んで仕事をすることを意識することだと思います。今後は、継続的にサービスを利用いただく中で、利用者数の拡大を担うことが重要となってきますので、セールススキルがあることも望ましいです。また、仮説構築力が必要だと思います。私自身そのことを痛感したのは入社当初。
入社一週目に自組織および自プロダクトの課題を徹底的にインプットしたうえで、俎上に課題を一通り洗い出してから、それらに対する複数の仮説を立て、仮説を打ち手に掘り下げて、それぞれの効果を検証していきました。時間軸でいうと一週間に最低2つは課題を潰していくペースで進めています。CSのマネージャーを務めるには、それくらいのスピード感で業務をこなせないと難しいと思っています。
弊社のマネージャーは極めて大きな裁量が与えられる分、相応の責任を負うことになります。だからと言ってリスクを避けるばかりでなく、時には果敢にチャレンジできるマインドを持ち合わせていることが非常に重要です。
ーー事業拡大とともに人材も必要となりますが、どのような人と働きたいですか?
大前提として忘れてはいけないのは、我々ストックマークは現時点では“まだ発展途上”のベンチャー企業であることです。今手がけているプロダクトが未来に続いていくかどうかは、自分たち次第。そういった会社に勤めて即戦力となり、バリューを磨き続ければ、いかなる環境や状況でもパフォーマンスを発揮できる人物となるはずです。
例えば独立を考えていて能力もあると自負しているが、いきなり個人で0→1は厳しい、カスタマーサクセス分野で成果を出してみたいと考えている方は、ストックマークにマッチする人材だと思います。濃密な3年〜5年を過ごしていく中で結果を出し続ければ、ストックマークの中でも確たる仕事を担えるようになると思いますし、3年、5年をもって独立という道もあると思います。そういったマインドも持った方と働きたいですね。
ーー服部さんもそのようなマインドで入社を決めたのでしょうか。
次のキャリアを考えた時に、家庭の状況も考えて条件を満たしている点も重要でしたが、カスタマーサクセス領域である程度リスクがある中でも、チャレンジできる領域が残っているか、0→1を作ることができて、かつチームを作っていくことができて、ビジネスに影響を及ぼすことができるようなプロダクトであることを軸に見ていました。その中で、ストックマークの考え方や現状を含めて強く共感をしたので一緒にチャレンジしたいと思い入社を決めました。
実は、これまでの私のキャリアで“DX”に触れる機会はなかったんです。大企業を中心にウェブやマスメディアでは、盛んにDXと言われていますが、そのあり様は言語化されていなくて、レイヤーの高い人たちはそのメッセージを語れるけれど、現場の人が語ってやっている、実務で成功しているというユースケースは知らなかったので、「そのマーケットって作っていくマーケットなんだ。」というのをすごく感じました。
私自身がDXに関しては知見がなく素人なのですが、CSという文脈でのキャリアを持っていることで、プロフェッショナルな貢献と新しいチャレンジができるというのが決め手でした。
ーー採用に関わる立場として、ストックマークへの応募を検討している方へメッセージをお願いします。
私は面談をする時に重視しているのは、お客様に対するオン・ボーディングと非常に近いのですが、期待値ギャップの是正です。その人のゴールはどこにあるのか、この先3か年で何を実現したいのか、会社にどんな形で貢献したいのか、会社のリソースをどう使うのか。それらについてギャップがなければ活躍いただけると思います。
「会社のリソースをどう使うか」という点は、私が入社前の転職活動で意識したポイントでもありました。私のこれまでの経験になりますが、リソースを使うこと以上にオペレーションを回すことに力点を置かれる局面もありました。その場合、組織の中では日に日に“上手”になるものの、自身が組織の外で通用するスキルが磨けているのか、不安になることもありました。でも、いざストックマークに入社して、会社のリソースを使ってチャレンジをするということが私の成功体験になっています。
それができる組織であったことがストックマークを選んだ理由ですね。
この話に共感できる人は、ストックマークで働く中でやりがいをつかむことと思います。
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