はじめまして。
社長室兼管理本部で法務・GR(Government Relations)等を担当しております石原遥平と申します。 今回は私がスペースマーケットにジョインした理由と、実際に担当している仕事内容について綴ってみたいと思います。
1. なぜジョインしたのか
端的に言うと、スタートアップにはまだまだリーガルサービスの潜在的ニーズがあると感じたから、です。代表の重松とは、東京大学運動会(※東大の体育会組織です)主催のスポーツマネジメントスクールというところの4期生の同期(当時私はロースクール1年目、重松は前職のフォトクリエイトに転職したばかりというタイミング)で、その後も継続的に連絡を取らせてもらっていて、スペースマーケットのことは注目していました。起業したての重松がAmazon欲しいものリストに社長椅子を載せていたので、プレゼントしたりもしました(今はエンジニアの椅子になっていますがw)。
「ジョイン」というと少し抽象的ですが、現在は所属していた事務所から出向という形で、株式会社スペースマーケットで社内弁護士として勤務しています(したがって、「転職」とは違います)。私は弁護士法人淀屋橋・山上合同という法律事務所で2012年1月から執務を開始し、約4年半、企業法務(一部上場企業から、地方中小企業のご相談まで)を中心に、倒産事件、民事再生事件、一般民事事件、さらには刑事事件まで本当に幅広い業務を経験しました。元々弁護士を目指したきっかけが「野球と関わる仕事がしたかった」という、ちょっと変わった人間なので、スポーツ界にインパクトを残すような仕事をしたいと思い、ライフワークとしてスポーツ関連の事件も経験して来ました。
そんな中、弁護士として今後キャリアを積んで行った時に、10年、20年先輩の弁護士の先生方と戦えるところがあるとすれば、それはインターネットの領域なのではないかなと漠然と思っていました(弁護士業界は、業務の特性も関係していると思いますが、ITに関しては一般企業に比べてガラパゴス状態だと思いますし、それが故にインターネット関連の仕事をできる弁護士は若手又は感度の良いベテランの先生に限られているというのが現状です)。私が所属していた事務所では、入所して5年が経過するまでの間に出向か留学を経験することが許されています。弁護士の出向というと、事務所の顧問先である大企業の法務部や、官公庁に任期付き公務員という形で行くことが多いのですが、私は、どうせ出向するなら弁護士業界の中で「初」と言われる出向がいいな、と考えていました。
そこで、それまで弁護士の転職先としては少しずつ認知度が広がって来ていたベンチャー企業に、敢えて出向という形で中に入ることによって、よりビジネスサイドに近いところで経験を積み、この経験を生かして(可能であれば留学も経験した後に)事務所に復帰して、より多くの起業家の方々のお手伝いをしたいと思ったのです。
2. どんな仕事を担当しているのか
社内弁護士というと、契約書をチェックしたりすることが中心だと思われがちです(もちろん、やるにはやります)が、あくまでスペースマーケットはスタートアップ企業ですから、法務部という組織はなく、社長室と管理本部に属して全社員と横断的に関与しつつ、経営陣や株主の方々と綿密なコミュニケーションを図りながら、今後会社が大きくなっていくために、上場させるために何が必要なのかというグランドデザインを描くところから関与させてもらっています。
また、代表の重松が一般社団法人シェアリングエコノミー協会の代表理事を務めている関係もあって、協会の事務局として、内閣官房やその他の官公庁と連携してシェアリングエコノミーの普及・促進に向けた自主ルールの策定及び認証制度の実施・運営の責任者も任せてもらう等、法律事務所では到底経験できないような仕事をさせてもらっています。
※本年1月より内閣官房内に設置されたシェアリングエコノミー促進室のURLを参考までに掲載します。この促進室と連携しながら認証制度の仕組みづくりを現在頑張っているところです。
ジョインしてみた結果、まだ半年しか経過していませんが、多方面から「面白い!」というお声をかけていただき、弁護士として働いていただけでは出会えないような方々を次から次に紹介してもらっている状況です。ライフワークとしてのスポーツ界への貢献も、今までの切り口とは全く異なる切り口からお手伝いさせてもらっており、お陰様でエキサイティングな毎日を過ごさせてもらっています。
事務所の上の期の弁護士がよく「手触り感」と言っていたのですが、実際の業務でどのようにワークするかというところを大事にしています。法律家として理論上こうなるというのは、調べれば誰でも言えることなのですが、実際に契約書の締結を業務で行う社員にとって使いやすい契約書を作ることであったり、お客様にとって実務に耐えうる成果物を提供することであったり、という点が弁護士として一番大切だと感じています。契約書ひとつ取っても、弁護士だけが分かっているのでは良い契約書とは言えません。実際に社員の方々も分かっていることが重要ですし、そのためにはインプットも必要ですので、社内向けに契約書や利用規約の勉強会を開催するなどして、社員への啓蒙活動も行っています。
また、スタートアップあるあるだと思いますが、「そもそもどんなことを弁護士に相談したら良いか分からない」、「相談したら数日回答を待たないといけないのでビジネスが止まってしまうのではないか」、という懸念があると思います。社内に飛び込んでみて良くわかったのですが、社員のみなさんと密にコミュニケーションを取ることで、気軽に質問してもらえる空気を作ることは非常に重要ですし、質問や依頼に対しては即座に対応することで急成長するスタートアップのビジネスを「止めない」(但し、明らかにリスクがある場合にはしっかりと経営陣に進言する)という意識が、これからの弁護士には要求されてくるのではないかと感じています。まだまだ改善点は山積みですが、少しでも会社の成長に寄与できるよう、粉骨砕身頑張っていこうと思います。
3. 最後に
スペースマーケットでは、法務・GR部門の採用も今後行う予定です。また、社長室付きのインターン(私の業務のサポートだけでなく、広報・PRも学べるまたとないチャンスです)も募集する予定ですので、法学部やロースクールで法律を学んでいるみなさん、スタートアップに興味のある感度の高い司法修習生のみなさん、是非応募して頂ければ幸いです。
応募要領の詳細はまた追ってアップしますので、ご期待ください!
※写真は、2017年1月6日に開催された全社総会で、社長室メンバーとしてMVPをいただいた時のものです。スタートアップ業界最強の社長室です!