人物紹介
開発部 クリエイティブユニット マネージャー 山下 裕子さん
広島大学法学部卒業後、上京し人材教育事業を営む会社にてキャリアをスタート。社外の社員研修を請け負う中で、研修のレジュメや研修結果のレポートを作成する仕事を担当。その際に、わかりやすく情報を伝えることや情報整理して1つの冊子にするような作業を担うようになったことがきっかけで、デザインに興味を持つ。その後同社にて働きつつ、デジタルハリウッドに入学。卒業後、フリーランスのデザイナーとして活動。その中でソニックムーブのデザイン・イラスト案件を受けるようになり、2002年3月、正社員として参画。ソニックムーブのクリエイティブユニット立ち上げに貢献。現在は開発部クリエイティブユニットのプレイングマネージャーとして、デザイナーチームを牽引しつつ、WebサイトやWebシステム、アプリケーション開発における要件定義・情報設計・デザインに携わっている。
プロジェクトでは共通認識を持てるかが重要。ユーザビリティが高いプロダクトをつくるためにデザインチームで工夫していること。
ソニックムーブとの出会いについて教えていただけますか?
ソニックムーブとの出会いは、デジタルハリウッドがきっかけでした。代表の大塚・取締役の関口もデジタルハリウッドの出身なのですが、当時私が同校に通っていた時の先生が大塚・関口と友人で、デジタルハリウッドの同期だったんですよね。その繋がりから、先生にソニックムーブを紹介してもらいました。
ソニックムーブ立ち上げ当初、大塚・関口が2人で案件を受注していたのですが、女性のデザイナーがいなかったため、可愛い系のイラストやデザインができる人を求めていたそうで、専門学校の教師からソニックムーブを紹介してもらい、社員を採用する前からお手伝いしていたという感じです。
そのころ私はフリーランスのデザイナーとして活動していたのですが、ソニックムーブの案件が増えてきたタイミングで「専業にならないか?」とお誘いを受けました。大塚さん、関口さんと一緒に仕事をするのは楽しかったし、これから大きくなっていこうとしているベンチャー企業に初期メンバーとして携われることに面白さを感じて入社を決めました。
当時は、フィーチャーフォン向けコンテンツのデザイン、イラスト作成を担当していて、時代の流れに合わせて、Webサイト、システム、アプリと、ものづくりにおける守備範囲を広げていき、現在に至ります。
専門学校での繋がりでソニックムーブと出会ったのですね。時代に沿って様々なものづくりを経験されてきたかと存じますが、山下さんの現在のお仕事についても詳しく教えていただけますか?
現在は、クリエイティブユニットのマネージャーを務めつつ、受託開発案件のUXディレクターやUI/UXデザイナーとして案件に参画しています。直近では、Webサービスやスマホアプリの改修・改善案件をいくつか担当していますね。
プロジェクトに入る際は、UX設計など要件定義からのものだとUXディレクターとして入り、続けてデザイン制作まで担当する案件だとアートディレクターも兼任する形で入ります。プロジェクトではクリエイティブユニットのメンバーとチームを組んで一緒に動いていくことが多いです。
私の役割としては、主に案件の要件整理やプロセス設計が多いですかね。
クライアントの”やりたいこと”だけを言われた通りに表現するのではなく、何のためにそれをやるのか?施策の目的・ゴールは何か?など、プロジェクトの意義を整理して、クライアントの本質の課題を理解したうえで、やりたいことの実現に向けて、プロジェクトの舵を切れるようにしています。
プロダクトを作っていく中では、ビジネスゴールの達成とユーザーメリットの両立を心がけています。事業主側の「やりたいこと」中心に話が進んでしまうと、本質を見逃してしまうこともあります。
やりたいことを叶えることも大事ではありますが、ユーザーから長く愛されるプロダクトこそ、クライアントのビジネス成長に貢献できると思います。そのため、ユーザーに対するユーザビリティテストやインタビューの実施を提案するようにしています。
自分たちでは気づけなかった課題や改善点を洗い出し、よりクライアントやユーザーが満足できるプロダクトを作ることを目指しています。
組織マネジメントをしつつ、プロジェクトにも参画されているのですね。山下さんがこれまでデザイナーとして意識してきたことはなんですか?
現在のようにUI/UX設計の領域やワードが明確に無かった時代から、Webコンテンツ・Webサイトはユーザーが目的を果たすためのツールとして捉えていました。
それを作る側の人間として、伝わること、わかりやすいこと、使いやすいことを常に意識していましたね。今でいう”ユーザビリティ”を第一に考えていたと思います。
プロジェクトを進めていく中では、昔からホスピタリティを大事にしていました。自分のタスクの前のプロセスを担当している人や自分の後続タスクを担当する人たちの目線や立場、理解度で考えてコミュニケーションを取るようにしています。プロジェクトの成功のためには、プロジェクトに関わる全員の共通認識ができていることが必要です。なので、みんなで同じゴールに向かって走りきるために、ホスピタリティを持って、会話の精度を高めたり、伝わりづらいところは図式化したりするようにしています。
相手のニーズや期待を超えて対応することこそ”ホスピタリティ”だと思っているので、これは自分自身だけでなくデザインチームのメンバーにも常に意識するように話しています。
相手の立場で考えられるようになれば、周りの人間だけでなく、その先のコンテンツやデザインの受け取り手、ユーザーへの理解度もより高めていけると思うので、チーム全体の意識として今後も持ち続けていきたいですね。
変化に強い組織構築。チームの1人1人が”時代のニーズ”を汲み取りながら、プロジェクトを推進できるデザイナーになるために。
現在のクリエイティブユニットのメンバーとそれぞれの役割について教えてください。
現在クリエイティブユニットには6名のデザイナーが在籍しています。
強みは各々あり、得意を活かせる体制になっています。
・要件定義を含めた設計から行うデザイナー:3名
・表層的なデザインに強みを持つデザイナー:2名
・アシスタントデザイナー:1名
肩書きとして社内で区分があるわけではなく、案件の中でどういう役割を担うか? どのポジションでアサインされるか? によって担当する仕事が変わります。
肩書きで仕事の幅を制限するわけではなく、自分の得意領域を活かしつつ、プロジェクトでの役割は柔軟に設定しているということですね。
そうですね、柔軟に対応できる体制にしています。
弊社ではこれまで、時代の流れに沿って力を入れる領域や受ける案件を変えてきているので、その時々のニーズによってデザイナーの体制も柔軟に変えながら、整えてきました。
ソニックムーブが創業してから10年ほどは、デザイン案件としてはLPやコーポレートサイト、ソーシャルゲームなど、表層のデザイン制作がメインでした。ですがここ数年で、Webやアプリのサービスにおけるユーザー体験の向上が課題に上がるようになり、徐々に弊社でもUX/UI設計部分もご支援するようになってきました。
ここ3年くらいは、Webサービスやアプリ開発におけるUX案件が増加しており、デザイナーもお客様と直接向き合い、プロジェクトをリードする機会も増えています。
現在のクリエイティブユニットのメンバーはどんな方が多いのでしょうか? 普段のユニット間での交流も含め教えてください。
クリエイティブユニットは、対話する相手によって目線を合わせることや、必要な時、必要なタイミングでコミュニケーションを取っていける人が多いです。他者への働きかけ方・プロジェクトでの立ち回り方を自分で考えて動ける、自走できる人たちだと思います。
案件ベースだと、要件定義からUX設計、情報設計、画面デザインまで、幅広い領域での対応力と遂行力を持っている人がいること、これはチームとしての強みだと思っています。
人柄的には、優しくてチャーミングな人が多いですよ。
普段クリエイティブユニットでの交流は毎日の朝会で行ってます。リモート勤務が増えたことで対面で会話する機会が減ったので、案件の進捗を報告するだけではなく、雑談を交えてコミュニケーションを取るようにしています。
朝会のファシリテーションを日直制にして、日直の人が雑談の話題を持ってくるというルールにしています。話題は技術的な話のときもありますが、趣味の話や心理テストなど様々です。
そのほか、何か相談があれば、SlackやDiscord、meetにて個々で話したり、案件ごとのSlackチャンネルで相談したりと方法は様々ですが、気軽に互いに声をかけて話せるような環境ではあるかなと思います。
組織にUXの考え方を浸透させていく。事業成長に寄与するプロダクトをつくれるプロフェッショナルとなり、世の中から”選ばれる会社”になる。
山下さんがやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
私たちの働きやつくったものが高評価を得た時はすごく嬉しい気持ちになりますが、クリエイティブユニットのマネージャーとしての視点だと、やはりメンバーの成長・活躍を見ると嬉しいなと感じますね。
クリエイティブユニットでは、普段から他の職能やクライアントへのホスピタリティを忘れずに相手に働きかけるように意識しましょうと呼びかけてはいますが、+αで主体的にプロジェクトに参画し、周りのメンバーからもプロジェクトの中核メンバーとして頼られる存在になっている様子を見ると「私も負けてられないな、頑張らねば」と思えるんですよね。
今後のクリエイティブユニットでの取り組みについて教えてください。
直近の目標は、他職能へのUXデザインの考え方を浸透させることです。
近年、デザイナーに求められる役割が多様化しています。UXデザインの考え方や手法は、デザイナーだけのツールではなく、一緒にものづくりをしていくディレクターやエンジニア、プロダクトオーナーなど、プロジェクトに関わるすべての人が使える、プロダクトをより良いものにしていくことのできる共通言語であり、便利なツールだと思うんですよね。
私たちはプロダクトを通して、「楽しい」「便利」などの感情を多くのユーザーに体験してほしいと思っています。そのために、一緒にものづくりをするメンバーには職能関係なく、「UXデザイン指向」を浸透させたいと思っています。
将来的な目標は、全社的にUXデザインの観点を取り入れ、課題解決のお手伝いするデジタル戦略パートナーとして、より多くのクライアントに認めていただくことです。そのために、今弊社では、デザイナー発信でUX関連の社内プロジェクトを推進しています。
この社内プロジェクトでは、デザイナーとディレクター・PMが共同で、私たちの”UXデザインの知見”を商材としてどのようにアウトプットしていくのか、広げていくのかを検討したり、UXデザイン案件を社内で実際に行っていく時の体制やプロセスを考えたり、全社への知見の浸透施策を考えたりしています。
私個人の目標としても、いちデザイナーであることを意識しつつも、デザイナーの枠を飛び超え、弊社のUI/UXデザインを牽引していく立場として、世の中をもっと楽しく、便利にしていきたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
創業当時からソニックムーブに在籍してきた中で、デザイナーとしての仕事の内容や会社としてチャレンジする案件・事業も時代に沿って変化が著しくありましたが、「ものづくりが大好きな人が集まっている」ことだけは、何年経っても変わらないなと感じます。
弊社のクリエイティブユニットの強みは、「何を」「どうして作りたいのか」からクライアントと一緒に考え、そこに居ないユーザーに寄り添い、最高のプロダクトを目指して走る、伴走力です。
そんな風にプロダクトに関わっていきたい。デザインだけでなく、ものづくり全体に精通したデザイナーとして活躍していきたい。そう考えている人は今のソニックムーブにマッチしていると思います。
弊社のクリエイティブユニットのメンバーは、人のためについつい動いてしまう人が多いです。課題を自分ごととしてとらえ、社内のメンバーはもとよりクライアントが相手だったとしても、一緒に考えて、解決に進めていくために労力を使っていける人たちなので、そういう視点・考え方を持ち、能動的に動いていける人は、弊社で活躍できると思います。
創業から20年以上経ち、会社の制度や福利厚生も充実してきた感はありますが、今でも、ベンチャー企業らしいゆるい雰囲気が残っており、個人的には大好きな環境です。
少しでも気になったくださった場合は、ぜひカジュアル面談にてお話ししましょう。